「ここか……」
「はい」
アルカンレティアを出て、約2日半。俺達はようやく目当ての洞窟の前にたどり着いた。道の途中に出てきたモンスター達はなんとか変身して撃退した。変身してる間も一切震えは引いてくれなかったがゆんゆんの魔法のサポートもあって事なきを得た。
「ゆんゆん、ここから先は俺一人で行くよ。後でこの間の答えを聞きたいから里に行ってても大丈夫だ付き合わせて悪かったな」
流石にこれ以上迷惑をかける訳にはいかないと、ことわりをいれ中に入ろうとするがその後を彼女が付いてくる。
「こ、ここまで来て付いていかないというのは無責任だと思いますから最後まで案内させてください。そ、それに、わ、私たちはその……な、なか、なか……」
彼女はその言葉を発するのを恥ずかしがって躊躇する。そうか、そうだよな、
「仲間だもんな、最後まで一緒に行こう」
「はっ、はいっ!」
そして、俺達は洞窟の中へ足を踏み入れた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ここが行き止まりです」
暫く、洞窟の一本道を歩いていると行き止まりにぶつかった。
俺は壁に手を当て仕掛けがないか探る。
確か、迅のときは部屋そのものがエレベーターになってたんだよな……。
壁全体を調べていると一部分だけ不自然に盛り上がっているのが確認できた。砂埃を落としてみると、そこには俺よく見慣れたものが埋め込まれていた。
「プログライズキー……」
そこに埋まっていたのは確かにプログライズキーだった。ただし、俺が持ってるキーのように絵柄が書かれているものではなくまるで液晶画面のようになっていた。
ここに埋まっているのがプログライズキーだとしたら、ここは間違いなくアラタさんの研究所で間違いないはずだ。さらに言えば、ゼロワンの資格者にしか入れない仕組みが施されているはず。
となれば、答えは一つ。
「ドライバーをかざせってことか……!」
俺は懐からゼロワンドライバーを取り出し、オーソライザーの部分を壁に埋まっているプログライズキーにかざす。
『Authorize!』
ドライバーをかざした瞬間、プログライズキーの液晶画面に『UNLOCK』の文字が浮かび、壁からゴゴゴという凄まじい音が洞窟に鳴り響く。
「カズマさん、なにが……?」
「ゆんゆん、下がっててくれ」
「は、はい……」
俺達は万が一の場合に備えて一歩下がり、その光景を期待を込めた眼差しで見守る。やがて、壁に埋め込まれたキーの画面の文字が『OPEN』に変わり、壁が左右に割れる。
「たどり着いたぞ……迅ッ!」
俺は興奮を抑えきれず、そんな言葉を漏らしてしまう。そして、自分の意識が考えるよりも速く、足が前に向かって歩きだしていた。
「あ、待ってください……」
洞窟の最奥に向かって歩いていく俺の後をゆんゆんが着いてくる。
また、しばらく洞窟の一本道を歩いていると、
「誰かいる……」
道の先の暗闇に一つの人型の影が見えた。
「思っていたより、早かったな。ゼロワンの資格者」
そこにいたのは目つきの鋭い金髪の男。頭にへッドバンドのようなものを巻いており、服は迅の着ていた服に負けず劣らずボロボロな黒い服。そして腰に、一本の剣ーーー日本刀ーーーがさしてあった。
間違いない、コイツがここの管理を任されているヒューマギア……。男性タイプってことは、まず亡ってやつでないことだけは明らかだ。ということは、
「まずひとつだけ教えてくれ、お前は滅か?それとも、雷か?」
「俺の個体名は滅だ」
滅っ!迅が言っていたヒューマギアの制作に携わった、アラタさんの助手のヒューマギア……!
「滅、早速で悪いんだが話を聞いてほしい」
「その必要はない。お前がここに来た理由は、わかっているからな」
「え?」
滅はそう言うと、俺たちに背を向けて研究所の先へと歩き出す。いきなりのことで呆けていた俺達はその場で立ち尽くしていたが、滅は一度首だけ振り返り。
「どうした?迅の修復が可能か、しりたくはないのか?」
その口ぶりは本当に俺達の状況を理解していることを裏付けた。俺とゆんゆんは慌てて、滅のあとをついていく。
「どうしてそのことを知ってるんだ?確か、同一人物にマスター権限が譲渡されない限りお互いのヒューマギアの情報は閲覧できないはずじゃなかったのか?」
やはり、気になり前を歩く滅の背中に疑問を投げかける。滅は振り返ることもなく、そのことについて話す。
「その説明は不十分だ、例外がある。万が一、ヒューマギアの機体が破壊された場合衛星ゼアを通してそのデータはこのラボに転送されるよう俺がプログラムを仕込んだ。このラボにはヒューマギアのリペアのための装置が格納されているからな」
「じゃあっ!」
「あぁ、迅の修復は可能だ。だが、その前にゼロワンの資格者、お前にやってもらうことがある。」
「なんだよ」
俺達はいつの間にか結構広い部屋に出ていた。そして、滅の言葉の続きを聞こうとした瞬間、
「ッ、ゆんゆんっ!」
「えっ?」
ーーー俺は滅が真一文字に抜いた刀をかわすためにゆんゆんと一緒に一歩退いた。
「痛ッ!!」
だが、ギリギリのところでかわしきれなかった。刃先が俺の右肩を浅く切り裂いた。
「カズマさんッ!!」
「大丈夫、かすり傷だ……それより、」
俺は刀を振るった張本人である滅に鋭い視線を向ける。
「どういうつもりだよ、滅ッ!?」
なんで、人間の味方であるはずのヒューマギアが俺達を攻撃したんだ?
「危機感知は大したものだ……だが、その程度で選ばれた者であるつもりでいるなら、大きな間違いだ」
「どういう意味だ?」
「……迅のデータを閲覧し、貴様にはゼロワンの資格がないと判断した。よって、ゼロワンドライバーを回収する」
「なっ!何言ってんだ、俺は迅から確かに資格を認められてるんだぞ!?」
「奴の考える資格と俺の考える資格は違うということだ。奪われたくないのなら、抗うといい。力を示せば俺の考えも変わるかもしれんぞ」
冷たい口調でそういった滅は刀を鞘に収め懐からあるものを取り出した。
「迅と同じ、フォースライザー……!」
「何を驚いている?まさか、変身できるのはお前と迅だけだとでも思ったのか?」
『Forcerizer…!』
そう言って、滅は腰にドライバーを装着する。
「ゆんゆん、下がっててくれ……」
「カズマさん……」
クソッ、なんでゴール目前で……!!
心の中で愚痴りながらゼロワンドライバーを取り出す。こんな時まで震えは止まっていない。だけど、ここで引き下がる訳にはいかない。
そう思っていたときだった、
「楽しそうなことやってるじゃないか、俺も混ぜてくれよ」
俺達が通ってきたのとは逆の通路からパシャリというシャッター音のような音と、男性の声が聞こえてきたのは。
「まだ、誰かいるの?」
俺達は通路から近づいてくる足音に警戒を飛ばす。だが、暗闇から見えたその顔を見た俺の心は警戒より驚愕という感情に支配された。
「よう、速かったな……この世界の仮面ライダー、いや、今はどっちつかずのただの小僧か」
「あ、貴方は……!」
そこにいたのはマゼンタのYシャツを着て、その上から黒い上着を来た男性。そして、胸元に特徴的なマゼンタのトイカメラを首から下げていた。俺が知っている姿より幾分か老けているように見えるけど……その顔を見間違えるほどではなかった。
何故、この人がここに……!?
「門矢、士……さん……!」
「ほう……俺のことを知ってるのか」
そこにいたのは間違いなく、通りすがりの仮面ライダーと世界の破壊者の異名を持つ仮面ライダー。仮面ライダーディケイドその人だった。
次回、ついにカズマが復活のとき!
感想評価待っています
六巻と七巻の間に記憶をなくしたカズマがライダーからプログライズキーを受け取るオリ章『継承編』をやろうと思うのですがどっちの案がいいでしょうか?
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それぞれの世界に行って力を受け取る
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一つの世界に揃ってて一人一人から受け取る