この素晴らしいライダーに祝福を!   作:クロウド、

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ようやくニューコスニュームにできたぁ……。
あと、思うんですけど……カズマってなんていうか、成長して色気?みたいなの身につければ普通にかっこいいと思うんですよね。


アラタな絆

「知らない天井だ」

 

 一度言ってみたかったんだよなこれ。

 

 さて、俺は見慣れない部屋のベッドの上で目を覚ました。いや、正確には部屋自体は見慣れないが部屋にあるものは見覚えがある。アレって、ゲームガールだよな?なんで、異世界にゲーム機が……。

 

「痛っ!」

 

 俺は部屋に転がっていたゲーム機を取りに行こうと体を起こすと肩に鋭い痛みが走った。よく見ると、俺の上半身の服は脱がされ代わりに右肩を中心に包帯が巻かれていた。ついでに頭にも。

 

「確か、滅とライダーキックでぶつかり合って……」

 

 お互いのエネルギーが反発して地面に吹き飛ばされて引き分けになったところまでは覚えてる。そんで、変身を解除して……。

 

「起きたか、ゼロワン」

 

 自動ドアのような扉が開き、そこからいつか迅が俺にドライバーを渡したときのようなスーツケースを持った滅が部屋に入ってきた。

 

「えっと、俺はどうなってたんだ?」

 

「お前は変身を解除したあと俺とディケイドの攻撃で蓄積されたダメージとシャイニングホッパーのバックファイアで、精神が限界を迎えて気絶した。それから、約36時間寝ていた」

 

「36時間!?」

 

 つまり、一日半も寝ていたのか……そういや、ベルディアとの戦いのあと三日間目を覚まさなったってアクアが言ってたな。

 

「シャイニングホッパーのバックファイアってこんなに続くんだな……。」

 

「いや、シャイニングホッパーのバックファイアの影響は最長でも約12時間。初期ならまだしも半日もあれば全開する。お前が回復するのに1.5倍もの時間を費やした理由は別にある」

 

「なんだ、それ?」

 

 俺が滅に尋ね返すと滅の背後からドタドタという足音が近づいてきた。

 

「滅さん、置いてかないでくださいよ……」

 

 やってきたのはあの場にいたゆんゆんだった。どうやら、滅において行かれたらしく慌てておってきたようだった。

 

「カズマさん、目が覚めたんです、ね……?」

 

 彼女はベッドの上で寝ていた俺を見るなり、ありえないものを見たような顔で目を見開く。

 

「どうしたんだよ、ゆんゆん?そんな鳩が豆鉄砲喰らったような顔して?」

 

「あの……カズマさん、なんですよね?」

 

「他の誰に見えんだよ?」

 

 そういって、俺はベッドから体を起こす。それと同時に違和感を感じた。

 

 なんか、()()()()()()()()()()()……。変身すると、身長がだいぶ高くなるけど今変身はしてないし、目線が高くなる道理がない。

 

「そこに姿見がある。それを見ればお前の疑問がわかるはずだ」

 

 俺の疑問を察したのか、滅が部屋の壁に埋め込まれてあった大きな鏡を指差してそう言った。俺は言われたとおりに鏡の前に立つ。

 

 そこに映っていたのは、

 

「………誰だ、この二枚目は」

 

「自分で言うのか」

 

 半分ボケ、半分本気で呟くと滅に突っ込まれた。いや、でも割りとボケでもないかもしれない。鏡に映っていたのは身長が175cmは超えた、スラッとした長い足の男。気のせいか、顔立ちも大人っぽくなったような気もする。とても165cmしか身長がなかった俺の姿とは思えなかった。

 

「いや、お前これ……成長期ってレベルじゃないぞ」

 

 俺は急激に成長した己の肉体に困惑を隠せない。それに対し、滅のやつは冷静に説明を始める。

 

「それもゼロワンドライバーの影響だ。ドライバーはレベルアップの影響を肉体に大きく反映する能力も搭載されている。迅との特訓、魔王軍幹部との戦い、俺とディケイドとの戦い。蓄積された経験値がこのタイミングで反映されたんだ」

 

「どんだけ万能なんだよ、ゼロワンドライバー!?」

 

「何を驚く、肉体が成長するという事は筋力、体力、その他諸々の力が上がる。ゼロワンの基礎能力を上げるには必要な機能だ、この程度で驚くな」

 

 滅の口ぶりからして、どうやらゼロワンドライバーには更に隠された機能が搭載されているらしい。もう驚きすぎて疲れてきた。

 

「……まずはこれに着替えろ。話はそれからだ」

 

「おっと……!!」

 

 滅は持っていたスーツケースを俺に投げ渡す。中を開くと、中には右半分に白いストライプのある黒スーツが入っていた。

 

「なんだこれ?」

 

「おまえの服は先程の戦いで着られなくなったからな。ゼアに指示を出して作らせた変身中でも違和感なく動ける特殊繊維で作られた服だ。ゼアの採寸ならば、違和感はないはずだ」

 

 仕事が早いな、コイツ……。迅が万能型とか言ってたけど、そのとおりだな。

 

「行くぞ、紅魔の娘。俺達は廊下の先にある管制室にいる、着替えたらすぐに来い。迅のことや、今後の動きについて話したいことがある」

 

「お、おう……!」

 

 滅はそれだけ俺に言うと、部屋から出ていった。

 

「あっ、待ってください滅さんっ!カズマさん私も先に行ってます」

 

 ゆんゆんも滅のあとを慌ててついていった。まぁ、ゆんゆんがいたら落ち着いて着替えられなかったからありがたいけどさ。

 

 そういや、もしかしてこの部屋ってこの研究所でのアラタさんの自室だった部屋か?

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「うっわ、すっげぇ!!」

 

 滅に言われたとおり、着替えを終えると部屋を出て廊下の先にあるという管制室にやってきた。そこは俺なんかじゃととても理解できないような無数の機材のある部屋で、特に目を引くのは奥側に箱のような装置だった。

 

 俺も男の子だからなぁ……こういう秘密基地感がある場所を見るとテンションが上がる。

 

「来たか、ゼロワン」

 

「なぁ、これ俺にあってるかな?こんな服きたことないからよくわかんねぇんだけど」

 

 取り敢えず話しかけてきた滅に今の俺の格好について尋ねてみる。引きこもるようになってからジャージくらいしか私服を持ってなかったからな……。傍から見たらただの痛いやつに見えないか心配だ。

 

「知るか、俺はゼアが作った服をお前に渡しただけだ」

 

「わ、私はよく似合ってると思いますよ……!」

 

 仏頂面の滅とは違い、素直な感想を送ってくれるゆんゆん。よかったぁ、これでイタイとか言われたら立ち直れなかったかもしれない。

 

「気が済んだか?速く話を始めるぞ」

 

「……お前、始めてあったときから思ってたけど愛想なさすぎだろ?」

 

 迅の奴はもっと明るかったし、なんていうか柔らかかったけどコイツ変身したときと同じくらいガッチガチじゃねぇか。

 

「そんなんだからお前迅に兄ちゃんって呼ばれないんじゃねぇの?」

 

 なんか、ちょっとからかいたくなって前に迅が家族の話をしていたときコイツだけ他の二人と違って愛称がなかったことを思い出し口にする。

 

 その直後に聞いたゴトッという音に俺は視線を転じる。そこには、さっきまで俺が気に入らないと思っていた相手が四つん這いになって地面に跪いてる姿があった。

 

「………………。」

 

「………………。」

 

 その姿に思わず無言になる俺とゆんゆん。

 

「えっと、ひょっとして気にしてたり……?」

 

「………………なんのことだ?」

 

 ゆんゆんの質問にたっぷり時間をかけて立ち上がりとぼける滅、マジでかこいつ?

 

「いや、悪かったって……俺もちょっと嫌味が言いたくなっちまってさ、別にお前の傷口をえぐりたかったわけじゃないんだ、な?」

 

「だから、なんのことだ?説明を始めるぞ」

 

 説明を始めるという名目で無理矢理話を切る滅。

 

「アイツも人間みたいなところあったんだな……。」

 

「ですね……。」

 

 その光景に流石の俺達も苦笑いだ。

 

 滅はまず、デカイ箱のような装置の前に立ち説明を始める。

 

「まずはこれについて話そう。これは『多次元プリンター』。ゼアからの命令を受信し、それを高速で構築することができる。ゼアが一度ラーニングしたものならプログライズキーやゼロワンドライバー以外再現が可能だ、無論ヒューマギでもな」

 

「じゃあっ!!」

 

「あぁ、これを使えば迅の()は生み出せる。だが、中身が問題だ」

 

「どういう意味だ?」

 

「これだ」

 

 滅は懐から取り出したシャイニングホッパーキーを俺達に見せるように持つ。

 

「ないと思ったら、お前が持ってたのか」

 

「少し借りただけだ」

 

 滅はシャイニングホッパーキーを俺に投げ返す。

 

「それで、こいつが迅の中身とどう関係してんだ?」

 

「迅のデータは損傷があまりにも酷い。修復にはゼアの頭脳を持ってしても一年以上かかる」」

 

「なんでそんなに!?」

 

「迅はそのキーを作るために自らの機体を戦闘データの集積装置の代わりにした。元々ヒューマギアにはプログライズキー九個ものデータを同時処理する能力はない。それを無理矢理行ったんだ、データが破損するに決まっている」

 

「ッ!!」

 

 滅の説明に納得してしまう。

 

「で、でも、ゼアの力があれば時間がかかっても修復はできるんですよね?」

 

「ゆんゆん……。」

 

「カズマさんが寝てる間に滅さんに色々教わったんです。紅魔族の出生とかも……」

 

「……悪い、ゆんゆんは他の紅魔族とは違う感じがしたから傷つくんじゃないかって思って黙ってた」

 

「いえ、寧ろスッキリしましたから。それで、滅さんどうなんですか?」

 

 なんか、雰囲気変わったかゆんゆん?アルカンレティアであったときよりなんか堂々としてるっていうか。

 

「確率にして約98.2%、失敗するほうがありえない数値だ。さらに言えば、ゼアは常にラーニングを重ね自己進化を続けている。その速度を考えれば、予定より速く迅が復活する可能性は十分にある」

 

「ですって、カズマさん」

 

 そう笑顔で俺に言うゆんゆん。そうだよな、前に進むって覚悟を決めた直後にそんなことで躓いてちゃだめだよな……。

 

「迅は帰ってくる!……今はそれだけわかれば十分だよな!」

 

「はいっ、カズマさんっ!!」

 

「……あのさゆんゆん。そのさん付けやめてくれない?」

 

「え?」

 

 俺の言葉にゆんゆんは目を丸くする。

 

「折角仲間になったんだ、もっとこうしたしげな感じでいいんだ。滅、お前もだ」

 

「なに?」

 

「俺の名前はゼロワンじゃない、サトウカズマだ。お前も今となっては俺の仲間なんだからな、ちゃんと名前で呼び合いたいだろ?」

 

「……いいだろう」

 

 滅は仏頂面ながらも了承してくれた。で、ゆんゆんはというと、なんかもじもじしている。

 

「ど、どうしたゆんゆん。そんなもじもじして?」

 

「え、えっと、私男友達って作ったことがないから……その呼び捨てとか緊張しちゃって……だ、だからその……!!」

 

 ゆんゆんはもじもじしていた俯いていた顔を上げて上目遣いで、

 

「か、カズマ()()とかじゃ駄目ですか?」

 

 頬を染めながら言うゆんゆんの顔に俺は鼻血が出るかと思った。




「これから話すのは、父上がこの世界に残してしまった負の遺産のことだ」

「アレを破壊する方法など存在しない」

「無理でもやるさ、俺の仲間を舐めんなよ」

次回、『ヤツの名はアーク』

カズマにはこれから仲間には友情の証をしていってもらいたいと思っています。

アクア、めぐみん、ダクネスとは街に戻ったら。アイリスとは六巻。迅とクリスとは七巻、ウィズは……やったほうがいいんだろうか?ぶっちゃけすげぇ好きなんだよ、あの人。

感想、評価お待ちしています。

六巻と七巻の間に記憶をなくしたカズマがライダーからプログライズキーを受け取るオリ章『継承編』をやろうと思うのですがどっちの案がいいでしょうか?

  • それぞれの世界に行って力を受け取る
  • 一つの世界に揃ってて一人一人から受け取る
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