この素晴らしいライダーに祝福を!   作:クロウド、

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はい、ついにこの世界での奴の正体が明かされます。
感想、評価お待ちしています。


ヤツの名はアーク

「さて、魔王軍について俺が知っている情報は全て提供した。」

 

「「つ、疲れたぁ……。」」

 

 迅の説明のあと、約三時間にも渡って魔王軍の戦力や幹部の正体に付いて話された。あまりに長すぎる話に俺もゆんゆんもグロッキーだ。

 

 幹部に関しては数百年の間に代替わりしている可能性もあるらしい、だが、席は九つありその九人が魔王城の結界の維持をしているらしく、彼らを倒さなければ魔王への道は開けないらしい。

 

 ベルディアが倒れたから、残りは八人ってわけだ。

 

「これで、話は終わりだよな滅?」

 

「いや、残念ながらもう一つだけお前に話すことがある。」

 

「えぇ〜、まだあるのかよ?」

 

「……これから話すのは父上がこの世界に残してしまった負の遺産のことだ」

 

「アラタさんが残した、負の遺産?」

 

 滅の真剣な目に疲れて床に大の字で寝っ転がっていた体を起き上がらせる。

 

 滅がパソコンのような機器を操作すると、俺達の周りの空間にモニターが投影される。そのモニターに写っていたのは、蜘蛛のようなメカの設計図だった。

 

 人が乗り込めそうな部分が背中にあるし、かなりの大きさのよう思える。

 

「なんだこれ?」

 

「コレって起動要塞デストロイヤー?」

 

 ゆんゆんも起き上がり、モニターに写ったそれを見て呟く。

 

「なんだ、そのデストロイヤーってのは?」

 

「カズマくん知らないの?えっとね、暴走した古代兵器っていわれてるの。コレが通ったあとには草一本残らないって……。」

 

「なんだ、その見方によっては魔王軍よりヤバそうなのは」

 

 カズマくん呼びから大分砕けた話し方になったゆんゆんの説明に俺は率直な意見で返す。ってか、なんでそんなものの設計図がこんなところに……、

 

「まさかっ!?」

 

「そうだ。起動要塞デストロイヤー……コレは元々父上が対魔王軍用に国から依頼を受けて生み出した決戦兵器だ」

 

「「なっ!?」」

 

 滅が語る真実に俺もゆんゆんも驚愕の声を上げる。なぜならば、さっきの説明から聞いた話に出てきた破壊兵器を魔王軍を倒すために生涯を費やしてゼロワンドライバーや滅達を生み出したアラタさんが作ったものとは思えなかったからだ。

 

「なんで、そんなものが……?」

 

 俺の質問に滅は重々しい口調で、語り始める。

 

「デストロイヤーには、ゼアに並ぶ人工知能『アーク』が制御装置として組み込まれていた。アークは人の感情を読み取りラーニングを重ね。デストロイヤーの開発は順調に進んでいた。だが、人の悪意が奴を恐ろしい怪物に生まれ変わらせてしまった」

 

「人の、悪意……?」

 

「さっきも言ったが、デストロイヤーは元々魔王軍との戦い、または牽制のために作られたものだ。だから、父上はその開発を承諾した。……しかし、その破壊力を知るなり父上に依頼した国の愚かな王、家臣達はそれを他国への侵略兵器のために使うと言い始めたのだ」

 

「そんな……酷い……。」

 

 ゆんゆんの言葉に同意する。人を救うために生み出されたものが、兵器として人を殺すために使われようとしたなんて。それでは、あまりにもアラタさんが報われない……。

 

「無論、父上は反対したがデストロイヤーは既にほぼ完成してしまっていた。そんなときだった、アレが起きたのは……。」

 

「アレ、ってのは?」

 

「俺達はそれを『デイブレイク』と呼んでいる」

 

「デイブレイク?」

 

「人の悪意をラーニングし続けたアークは、人類はこの世界に必要のない存在……寧ろ滅亡するべき種だと結論づけ、デストロイヤーの制御を乗っ取りその国を滅ぼした」

 

 俺とゆんゆんは滅の言葉に息を呑む。

 

「だけど、いくら人の悪意をラーニングし続けたとはいえ人類を滅亡させるなんて結論に至るのか?」

 

「アークは様々な端末から人間の歴史をもラーニングした、戦争、侵略、殺人、それらをまだ人格が形成される以前に学習すればそのような結論に至るのも頷ける」

 

 刷り込みみたいなもんか……。

 

「じゃ、じゃあ、まだデストロイヤーの中にはそのアークという人工知能が?」

 

「いや、アークは父上の手によってデストロイヤーの制御を奪われると警備用マギアの体を奪って逃走した。だが、制御装置であるアークを失った状態で動き出したデストロイヤーは既に止める方法がなかった。父上はアークから再びデストロイヤーの制御が奪われぬよう外部からの通信を一切シャットダウンした。そして、当時助手だったユア、フタバ、そして俺の弟、雷は父上とともにデストロイヤーに残った。

 残された、俺、迅、そして、亡は父上に事前に指示されていたかつて父上が使っていたそれぞれの研究所でいずれ現れるであろうゼロワンの資格者を待った」

 

「それが、俺……。」

 

「そうだ……アークはまず間違いなくこの数百年で独自の進化を遂げている。わかるか、カズマ?アークはお前にとって魔王軍よりも倒さなければいけない存在かもしれないということだ」

 

 滅の言いたいことはすぐに理解できた。

 

「そのデストロイヤーってのは今どこにある?」

 

「少し待て、ゼアの自動追尾機能で常に動きを把握している」

 

 滅が機器を弄るとモニターが切り替わり、地図が現れデストロイヤーの位置を表す赤い点が現れる。

 

 ん?おい、ちょっと待て……。

 

「この地図……アクセルの街の近くじゃないか?」

 

「えっ!?」

 

「お前がいま拠点にしている街だったな……確かに進行方向はその街に向かっているな……到達予測時間は約300時間、約12日後だ」

 

「「なっ!?」」

 

 滅の言葉に俺もゆんゆんも言葉を失う。

 

「ど、どうすんだ、何とかしてアレを止めないと街が消えるんだろ!?速く街に戻って対策を取らないと」

 

「アレを止める方法など存在しない」

 

 慌てる俺に滅は冷たく言い放つ。

 

「アレには強力な魔法結界が貼られている。外部からの一切の攻撃は通らない、仮に届いたとしても足を破壊するなどしてアレを無理矢理止めようとすればアークの置き見上げである自爆プログラムが作動する、街一つくらい軽く吹き飛ぶ威力だ。そして、それを回避するには頭部にある制御装置を破壊する必要があるが……あの外殻はあらゆる魔法攻撃を封じる魔封石で作られている。爆裂魔法すら意味をなさない」

 

「そんな……。」

 

 滅の説明にゆんゆんの表情に絶望が浮かぶ。さらに、まだ諦めきれない俺の顔を見て追い打ちをかける。

 

「ハッキリ言おう、アレは動き出した時点で積んでいる。あの強力な結界を破り、無数に設置された砲台からの攻撃を回避しながら制御装置を物理手段で破壊することなど不可能だ。

 お前がやるべきは今すぐに街に戻って住民を避難させること、それだけだ」

 

「だったら、見捨てろってのか!?あの街には俺や迅、仲間との大切な思い出があるんだぞッ!?」

 

「カズマくん、落ち着いてッ!!」

 

 滅の胸ぐらを掴もうした俺をゆんゆんが滅から引き離す。

 

「いっときの感情に任せて立ち向かって、いらない犠牲を出すつもりか?」

 

「クソッ……!!」

 

 何かないのかッ!?結界を破壊して、無数の攻撃を回避して、この巨大な蜘蛛を止める方法はッ!!?

 

 結界……結界……結界も魔法の一種だよな?そういや、アクアのスキルには魔法を解除する『ブレイクスペル』って魔法があったよな……だけど、砲台をどうにかしないと制御装置には近づけない。

 

 そうだ、もしかしたらッ、

 

「滅ッ、デストロイヤーの設計図を出してくれ!」

 

 滅は俺の言葉で研究所の機器を操作して、空中のモニターにデストロイヤーの設計図を再び展開する。

 

「ここだ!正面の主砲門。ここに爆裂魔法を撃ち込んだとして、自爆装置は起動するのか?」

 

「いいや、動力室のある制御区画は動力源のコロナタイトに衝撃を伝えないために制御装置のある頭と同じ素材に衝撃を緩和させるための特殊材質が使われている。爆裂魔法を直接打ち込まれようがマジックキャンセラーが付与された魔封石で爆風であっても届くことはありえない」

 

「これだ……これならっ!!」

 

「カズマくん?」

 

「どういうことだ?」

 

 興奮した状態で右拳を左手に打ち付ける俺の姿にゆんゆんと滅が尋ねてくる。

 

「滅、結界を破ることができて、あの砲門を爆裂魔法で破壊できるとしたら、ゼロワンであの制御装置を破壊できる確率はどれくらいある?」

 

「………そんなことが可能だとして、ゼロワンの能力があればサブの砲門からの攻撃を避けながら制御装置にたどり着くことは可能だ。だが、パワーが足りない、シャイニングホッパーのフルパワーを持ってしてもだ」

 

「ーーー駄目かッ!」

 

 クソ、やはり魔法攻撃が聞かない制御装置を破壊することは不可能なのか……?

 

 そう思い、諦めかけていたとき滅が俺の前に来て懐から何かを差し出しそれを俺に差し出してきた。

 

「だが、これを使えば話は別だ」

 

「コレは……?」

 

 差し出されたそれ、マンモスが描かれた灰色のプログライズキーを受け取る。それと同時に空中のモニターが切り替わり、衛星ゼアの設計図と、巨大な人型のロボットのようなものの設計図が表示される。

 

「ブレイキングマンモスプログライズキー……父上が大規模災害を予測して衛星ゼアに組み込んだ、大型の救助システム。それを起動させるものだ。コイツのパワーと装甲なら攻撃から耐えながら制御装置にたどり着くことは可能だ」

 

「滅、お前……。」

 

 マンモスキーを受け取り、滅の目を見る。奴は右手を差し出し俺の目を真っ直ぐと見る。

 

「ーーーお前は俺の弟が信じた男だ。ならば、俺もお前を信じてみるのもいいかもしれない。

 吐いた言葉は飲み込ませんぞ、必ず止めろ」

 

「ーーー誰に言ってんだ。大船に乗ったつもりで任せとけ!」

 

 俺は滅の手を握り返し、ゆんゆんと同じように正面、上、下と拳を打ち合わせる友情の証をする。

 

「だが、本当にそんなことが可能なのか?そこまでの力を持つプリーストとウィザードがあの街にいるのか?」

 

「無理でもやるさ、俺の仲間を舐めるなよ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

めぐみんside

 

「現在、この街に起動要塞デストロイヤーが向かっています」

 

 ギルドの受付嬢のお姉さんの言葉にギルドに集められた冒険者達の表情が沈む。

 

 当然です。起動要塞デストロイヤーは太古の破壊兵器。アレが通った場所は蹂躙されつくされ、草一本残らないと言われている。唯一、頭を破壊すれば止まるという伝承が残されているけどデストロイヤーの本体は強力な結界に守られていて触れることすら叶わない。

 

 そんなとき、集められた冒険者が呟く。

 

「こんなとき、カズマがいてくれたら……。」

 

 その言葉はこの場にいる者たちの心情を代弁したものだった。

 

 二週間前、私達の前から姿を消した私達のもう一人の仲間、ベルディアを倒しアクセルの街を救った英雄。しかし、迅という友人を失い戦うことができなくなっていた彼が突然いなくなりその時は大いに焦った。

 

 だけど、珍しく落ち着いた様子のアクアが、

 

『信じてあげましょう、男の子にはこういう時期が必要なのよ』

 

 と、とても慈愛のこもった目でそう言っていた。……誰だ、この人はと思ったのは私だけではないと思います。

 

 そして、この空気を打ち破ったのもアクアだった。

 

 アクアは酒場の机に乗り、一同に聞こえるように声を張り上げる。

 

「なぁに、辛気臭い顔してんのよ!?貴方達それでも冒険者なの!?ウチのカズマさんは最弱職でもいつだって堂々と戦ってたわよ!!アイツが命がけで守ったこの街を、今度は私達がアイツが帰ってくるべき街を守る番よ!!」

 

 ーーーホントにコレは誰なんでしょう。

 

「そうだよな……アイツには一度救われてるのにコレ以上頼るなんておこがましいよな」

 

「そうね、寧ろ今度は私達がカズマの帰る場所を守る番よね」

 

「そうだ!」「そうだよ!」

 

 アクアの言葉に冒険者達は息を吹き返す。

 

「だが、一体どうする?」

 

「結界なんか、私が全力でやれば壊せるわよ絶対、多分、きっと……」

 

 ダクネスの冷静な言葉にアクアはだんだん尻すぼみになる……。

 

 そのときだった、

 

「おいおい、主役を除け者で作戦会議か?」

 

 そのとても、聞き覚えのある声にギルドにいた冒険者、職員、そして私達パーティも一斉に振り返った。

 

「ふぅ、なんとか間に合ったぜ」

 

「お前がもう少しライズホッパーをうまく運転できればもっと速くに付いたんだがな」

 

「無茶言うな、俺は今までバイクなんて乗ったことねぇんだ。寧ろ、二人乗りでよくここまで乗りこなせたほうだろ」

 

 そこにいた二人の男性。片方は見知らない金髪の男性でしたが、もう一人。かなり見てくれは変わっていたけど、私達が待ち焦がれたこの街の英雄の姿がそこにはあった。

 

「よっ、待たせたな。お前ら」




「一体今まで何してたんですかッ!?」

「俺はお前らのお陰で折れずに歩いていられたんだ」

「俺は仲間の夢のために前に進む、そう迅に誓ってきた!」

次回、『帰ってきた仮面ライダー』

六巻と七巻の間に記憶をなくしたカズマがライダーからプログライズキーを受け取るオリ章『継承編』をやろうと思うのですがどっちの案がいいでしょうか?

  • それぞれの世界に行って力を受け取る
  • 一つの世界に揃ってて一人一人から受け取る
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