この素晴らしいライダーに祝福を!   作:クロウド、

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ついに登場、原作でたった一話しか出番のなかった仮面ライダー。安心してください、かんたんには死なせません。ってか、死なせる予定ありません!


ライメイ轟く

『よしっ……いくぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』

 

 ブレイキングマンモスに搭乗した俺は、ズシンズシンという派手な足音とともにデストロイヤーまで駆け出す。凄い、まるで、ブレイキングマンモスが自らの体のように自由自在に動かせる。

 

 デストロイヤーが近づいてくる俺を確認したのか、めぐみんの爆裂魔法で吹き飛んだ以外の砲門が一斉に俺に照準を合わせ凄まじい数の魔力弾やレーザーがが俺に向かって放たれる。

 

『ハァッ!!』

 

 俺はコックピットからブレイキングマンモスを操作し、両手に装備されたブレイキングマンモスのシールドユニット、マンモスキーを模した『マンモスプレッサー』でガードしながら突っ走る。だが、コイツの本当の使い方は脚に装備し、ブレイキングマンモスの超重量を最大限に活かすプレスによる必殺技だ。

 

 この砲撃とレーザーの雨をかいくぐりながら必殺技を放つのは厳しい。

 

 だが、それは俺一人の場合だ。

 

 その俺の考えに答えるように、俺の背後から無数の紫色の矢が放たれ弾丸やレーザーを相殺する。

 

『ーーーカズマ、聞こえるか?』

 

「滅か?」

 

 コックピットの空中に画面が浮かびそこに変身した滅が映し出される。その背後で彼が纏めていた魔法職組が無数の魔法を放つ姿が見えた。

 

『デストロイヤーからの攻撃は俺達で可能な限り相殺する。お前は一刻も速く頭を潰せ……!!』

 

「了解っ!!」

 

 滅の指示を受け、俺はドライバーに装填されていたマンモスキーを押し込む。

 

Breaking Impact!

 

 腕のマンモスプレッサーがデストロイヤーの上空に射出される。俺はブレイキングマンモス更に上空へ跳躍し、巨大化したマンモスプレッサーを踏みつけ、まるで隕石のような速度でデストロイヤーの頭部めがけて落下していく。

 

『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』

 

 その重量の乗ったプレスはデストロイヤーの頭をもぎ取り、制御装置ごと大地を大きく砕いた。

 

 

 

グ イ ン パ ク ト

 

 

 

 制御装置を破壊され凄まじい爆炎とともにデストロイヤーは機能を停止した。

 

「ふぅ……。」

 

 大仕事が終わり、一息ついて落ち着いていると再び滅からの通信が入る。

 

『デストロイヤーの沈黙を確認した。研究所での作戦の通りこれから内部に侵入する』

 

「了解」

 

 俺はかねてからの作戦の通りドライバーからマンモスキーを抜き、ライジングホッパーとなってデストロイヤーの制御区画に飛び移りながら、研究所で滅と打ち合わせた作戦を思い出す。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『制御装置の破壊は説明したとおり至ってシンプルなものだ。だが、止めて終わりというわけにも行かない。父上の技術が二度と悪用できないようデストロイヤーは跡形も残らないように廃棄する』

 

『あんなデカイもんを、どうやってだよ?』

 

『元々、デストロイヤーは魔王軍を倒した場合新たな戦いの引き金にならないようそれぞれの脚にロケットが内蔵されており、最終的には宇宙に飛ばす設計になっていた。アークのせいで使用不能になってしまったがな。お前のライズフォンにそのプログラムを復活させるプログラムをインストールさせた』

 

『ここってファンタジーの世界だよね?アラタさんどんだけ現代的にさせてんだよ!?……まぁいいや、つまり、内部に侵入してそのプログラムをインストールさせるってことか?』

 

『あぁ、だが、内部にはアーク対策として全自動で動くトリロバイトマギア共が無数にいる。下手な犠牲を出さないために俺とお前の二人だけで乗り込むぞ』

 

『了解、迅のもう一人の兄貴も連れ出さないとな。それに……その、アラタさんや助手の二人も』

 

『ーーーあぁ』

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 スタッとデストロイヤーに着地し、思考をデストロイヤーの内部に移す。

 

「おぉ、いるいる……いやぁ、手厚い歓迎だなぁ」

 

 侵入者でる俺をいち早く検知し、無数のトリロバイトマギアが現れる。

 

『『『侵入者、排除!!』』』

 

「上等だ、やれるもんならやってみろ!!」

 

 俺はアタッシュカリバーを構えながらマギア達に向かって駆け出す。ここはあらゆる通信が効かないからな、ライダモデルの呼び出しも当然できない。ライジングホッパーでやりあうしかないが滅に鍛えられてライジングホッパーでも十分戦える。お陰で帰ってくるのギリギリになったけど。

 

 マギア達は向かってくる俺に無数の拳銃を向け銃口をこちらに向ける。俺はその弾丸の雨をアタッシュモードにしたカリバーで防御しながらかまわず突っ切る。

 

Kaban Strash!

 

 マギア達の懐に入りこむと再びカリバーを展開し、あたりのマギア達を一気に破壊する。そこへ、

 

Kaban Shoot!

 

「滅かっ!?」

 

 空中から無数の紫の矢が放たれマギアを一掃する。そこにアイツ専用のマシン、ライズスティンガーに乗って滅が現れる。まさか、デストロイヤーの脚をバイクで駆け上がってきたのか、こいつ……?

 

「にしてもっ、キリがないなっ!?」

 

「あぁ……だが、このマギア達はハッキングを受けないように完全に自動制御だ。倒す以外に道を開く方法がない」

 

「つうか、お前の弟はどうしたんだよ?ここにいるんだよな!?」

 

 口を動かしながらマギア達を倒す俺達。だが、一向に敵が減らない。ここ、どんだけマギアがいんだよ。

 

 そう思っていた矢先だった、

 

Zetumetu Dystopia!

 

 どこからか放たれた赤い稲妻がマギア達に降り注ぎ、感電したマギア達が一斉に爆散する。

 

「今のは……。」

 

 雷が放たれた方向に視線を向けると、そこにいたのは、

 

「赤い仮面ライダー?」

 

 そこにいたのは、腰に迅や滅と同じフォースライザーを腰に装着した。赤いライダースーツに黒い装甲を纏ったライダーだった。

 

「やっと来やがったのか……何年待たせるつもりだってんだ、ったく」

 

 赤いライダーは不怪訝な声を漏らしながらフォースライザーのアンカーを戻し、キーを抜いて変身を解除する。変身を解除するとそこにいたのはオレンジ色の作業服のような服を着た茶髪のイケメンだった。

 

「息災で何よりだ、雷」

 

「この状況でよくそんなのんきなことが言えんなぁ、滅ッ!!雷落とされてぇのか!?」

 

 まるで、ヤクザのように、話しかけてきた滅にガンを飛ばす男。今の口癖って、確かーーー迅が言ってた。じゃあ、コイツが、

 

「アンタが雷か?」

 

「アァ?そういうお前はゼロワンの資格者か、迅はどうした?ドライバーを渡したアイツがなんでいない?」

 

「迅は……。」

 

 雷の質問に俺は目を背けてしまう。そうだよな、滅は事前から知ってたが雷はずっとここにいたんだから迅の事を知るわけがない。

 

「どうした?さっさと答えろ」

 

「迅は魔王軍の幹部からコイツを守って破損した。今は俺の研究所でリペアの最中だ」

 

 言い出せない俺に変わって滅が雷の質問に答えた。

 

 俺は雷の顔を直視できず、雷の次の言葉を待つことしかできなかった。殴られる覚悟くらいはしておいたほうがいいと考えていると、雷に襟首を捕まれグイッと顔を近づけてきた。

 

「おい、その幹部ってやつは倒したんだろうな?」

 

「え?」

 

 予想外な質問に俺は呆けた声で返してしまった。

 

「倒したのか、倒してねぇのかハッキリ答えろッ!雷落とすぞッ!!」

 

「はっ、はいっ!!迅に代わって倒させていただきましたッ!!」

 

「………そうか」

 

「なんだ、殴られるとでも思ったか?アイツの犠牲をお前が無駄にしてたらそうしてたが、きっちりケジメをつけたならそれでいい」

 

 俺が雷の気迫に気圧されて答えると雷は服を離してデストロイヤーの内部へと歩を進める。そして、少し離れると首だけ振り向いて、一言呟くように尋ねてきた。

 

「ーーー俺の弟は強かったろ?」

 

「ッ!あぁ」

 

 そういって堂々とした態度で歩いていく背中は俺の目からはとてもかっこよく見えた。

 

「付いてこい、お前らがここに来たってことは発射プログラムを起動させるためだろ。ーーーその前にお前らには行かなきゃならないところがある」

 

「何処へつれて行くつもりだ?」

 

「お前にとっても馴染み深い奴らが眠ってる場所だよ」

 

「ッ!まさかっ……!?」

 

 滅が珍しく驚愕を表情に出した。滅にとっても馴染みの深い奴らが眠ってるって……一体。




感想評価、お待ちしています。

六巻と七巻の間に記憶をなくしたカズマがライダーからプログライズキーを受け取るオリ章『継承編』をやろうと思うのですがどっちの案がいいでしょうか?

  • それぞれの世界に行って力を受け取る
  • 一つの世界に揃ってて一人一人から受け取る

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