この素晴らしいライダーに祝福を!   作:クロウド、

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意外なアイツの正体

「ウィズ〜、邪魔するよ〜!」

 

「あっ、カズマさん!いらっしゃいませ」

 

 俺達は服屋の次に、ウィズの魔道具店を訪れていた。その要件は、

 

「ウィズ、この店ってマナタイトってあるか?」

 

「できれば、そこそこ上質なものがあると助かる」

 

 俺の隣に来た滅が俺の言葉を補足する。なんでも、俺達の屋敷の地下にラボを作らいたいらしくそこの電源をマナタイトを代わりとしたいらしい。電力って、魔力で代替できたんだ。ゆくゆくは紅魔の里の研究所をまるまる引越しさせたいらしい。

 

「はい、これなどどうでしょう?」

 

 店の奥からもってきた鉱石、めぐみんの杖の先にもつけられている魔力を蓄積した鉱石『マナタイト』。滅はそれを吟味するように見ると、

 

「なるほど、ちょうどいいな。コレを五つ程頼めるか」

 

「はい、毎度ありがとうございますっ!」

 

 布に丁寧に梱包し、滅に渡す。彼女に言われた代金を俺が支払う。結構高いな……。

 

 他のメンバーは店の中を物色している。おい、アクア。ポーションに触れてやるな、聖水になるだろうが。

 

「ウィズ、この間は相談に乗ってくれてありがとうな」

 

「いえ、元気になってくれてよかったです。」

 

 そう言ってにこやかに笑ってくれるウィズ。ああ、女神はここにいたのか……。彼女はゆんゆんと並ぶ俺のここの癒やしかもしれない。

 

「ーーー前から聞こうと思っていたんだが、なぜ人間の街にリッチーが暮らしている?」

 

「「え?」」

 

「「「は?」」」

 

 滅がふと漏らした声に俺、ウィズ、ゆんゆん、フタバ、ユアが抜けた声を漏らす。

 

「お前、なんで知ってんだよ?」

 

「俺達の性能を甘く見るな、人間とアンデットの区別くらいつく、それこそアンデットの王と言われるリッチーならばな。デストロイヤーの一件で率先して、力を貸してくれたことから人間に危害を加えるようには感じられなかったのでさほど気にしていなかったが」

 

「あぁっ!そうよ、聞いてよカズマさん!」

 

 そこへ、アクアのやつがなにを思い出したのか声を上げて話に入ってくる。そして、その口からとんでもない言葉を吐き出す。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

「「「「ッ!!」」」」

 

 そのアクアの言葉に滅と兄貴がフォースライザーを懐から取り出す。その様子に慌てて二人とウィズの前に立つ。

 

「待ってくれ、二人共」

 

「どけっ、カズマ!」

 

「そいつが魔王軍の幹部なら、話は別だ。今ここで倒す」

 

 凄まじい殺気を放つ、二人。だが、俺は彼女が悪人だとは思えない。

 

「だから、待てって!ウィズ、どういうことだ説明してくれ!」

 

「は、はいぃ……。」

 

 二人の殺気に当てられ腰を抜かしているウィズに説明を要求する。

 

 取り敢えず、不躾だとは思ったが誤解を産まないようにリッチーになった経緯から話してもらった。

 

 ウィズの話を要約すると、彼女は俺達と戦ったデュラハン、ベルディアによって自分と仲間たちに『死の宣告』を喰らってしまった。他のメンバーは残された時間を悔いなく生きようとしたらしいがウィズだけは諦めきれずある悪魔と契約してリッチーになるための禁術をつかいリッチーへ、無事ベルディアを戦闘不能にして呪いを解除できたがリッチーとなってしまった手前冒険者をやるわけには行かず、初めて仲間と出会ったこの街で魔道具店を経営することになったらしい。

 

 幹部になったのは魔王軍とことを構えるつもりはなくあくまでお互い不干渉、中立を保つためのスタンスらしい。

 

「ーーーというわけだな、ウィズ」

 

「はい、その通りです」

 

 俺が彼女の話をまとめ、皆に向き直り、

 

「聞いてくれたとおりウィズは幹部って言っても、言っちまえば結界の維持だけのなんちゃって幹部だ。討伐する必要はない」

 

「筋は通っているな」

 

「確かに人間を襲ってないなら、ことを構える必要はないか」

 

「確かに寧ろそんなことをすれば私達のほうが悪者だな」

 

「ウィズさんはリッチーなのに良い方ですねっ!!」

 

 俺の言葉にさっきフォースライザーを構えていた滅、雷は納得しくれたらしい。ユアやゆんゆんもその話に感銘を受けたらしい。だが、ダンっと言う壁を叩く音で俺達の視線は壁を叩いた人物、フタバに視線が行く。

 

「お前ら本気で言ってるのかっ!?コイツは魔王軍の幹部、しかもリッチーだぞ!人間を殺してなかろうが、どのみち、人類の敵に変わりはねぇだろうが!!」

 

「なんてこと言うんだお前っ!?」

 

 俺は激情をほとばしらせるフタバに怒鳴り返す。いくら、迅の妹でも言っていいことと悪いことがある……!

 

「人間を襲ってないって話にしたってこの先、どうなるかは保証なんてねぇ!さらにいやぁ、コイツがいる限り魔王のいる城にすらはいれねぇ、だったらここでぶっ潰すのが自然だろうが」

 

「あの……アクア様の力があれば幹部を全員倒さなくても二、三人まで減らせば十分破壊できると思います」

 

「魔王軍幹部の言葉を誰が信じるッーーー!?」

 

「ーーーいや、デストロイヤーの結界を破壊したことを鑑みればあながち嘘でもないのだろう」

 

 ウィズの言葉を頭ごなしに否定しようとしたフタバだったが、滅がそれを冷静な声音で否定する。俺も流石に我慢の限界が来て、怒鳴りつける。

 

「いい加減にしろっ!確かにウィズはリッチーだし、魔王軍の幹部だ、だけど、お前はそれ以外のこの人を何も知らないだろうが!!」

 

「ちょ、カズマも落ち着きなさいよ……!」

 

「そうですよ!」

 

 段々ヒートアップし始める俺をアクアとめぐみんは宥めようとするが、フタバは尚も俺に噛み付いてくる。

 

「わかってんのか!?コイツがもしこの街に牙を向いたら……!」

 

「そのときはっ!ーーー俺が責任を持って対処する」

 

 俺は一度この人に助けられた。だから、この人が人間に危害を加える存在なんて考えたくない。

 

「それがどんだけ重いものかわかって言ってんのか!?」

 

「わかってるっ!!」

 

 俺達の言い争いはドンドンヒートアップしていく。俺とて、立ち直るきっかけをくれた恩人の一人である人物をここまで言われて引き下がれるほど人間性を捨てちゃいない。

 

「その辺にしておけ」

 

「ここでこんなことしてたら店に迷惑だろうが」

 

「滅……。」

 

「兄貴……ッ!」

 

 しかし、俺達の間に割って入った。冷静な二人、滅と兄貴によって口論は強制的に止めさせられた。

 

「どちらの言い分も筋は通っている。だが、今は彼女を信じてみるのも一計だ。彼女はデストロイヤーを止めるとき率先して魔法職を纏めていたからな」

 

「あぁ、それにだ。ホントにこの街をどうにかするつもりなら、自分から魔王軍幹部ですなんて言わねぇだろ」

 

「フタバ、私も彼女を信じてもいいと思う。」

 

「姉貴もかよ………わかったよ」

 

 フタバは兄二人と姉であるユアに云われ、引き下がる。だが、その目は全く納得してないらしくその証拠に一人店から出ようとしたとき鋭い目でウィズを見て、

 

「もしオレの前で妙なことをしてみろ……オレはお前を容赦なくぶっ潰す!オレはお前を絶対に認めねぇ!!」

 

 そう言って、不機嫌さを欠片も隠そうとせずバタンッという凄まじい音を鳴らして扉を占めながら、店を出ていった。

 

「ーーーウィズさん、私の妹が大変失礼なことを言ってしまった。アイツに変わって謝罪する。」

 

「いえ……アレが普通の反応だと思いますから……」

 

 フタバの代わりに頭を下げるユアにウィズはそう言うがいつも少し白い顔が更に青白くなったその顔色から割りと心に来てるものがあるのは俺の目から見ても明らかだった。流石のアクアもそこに追撃するほど無慈悲じゃないらしく、すごく気まずそうな顔をしている。

 

「俺からも謝罪する、先程の無礼な態度も合わせてな。そして出来ればアイツを許してやってほしい。アイツのあの態度も無理はないのでな」

 

「どういう意味だよ、滅?」

 

 ユアと同じようにウィズに頭を下げる滅の言葉を尋ね返すと、その答えは兄貴から帰ってきた。

 

「アイツの時間は数百年前からデストロイヤーの中で止まったままなんだよ。あの頃は今よりずっと魔王軍の進撃は激しかったからな。俺達やユアもアイツラに滅ぼされた国や村をいくつも見てきた」

 

 ーーーそのフタバの目から見たら形だけとは言え魔王軍の幹部であるウィズも同じ怒りの矛先の対象に当たるってわけか。

 

「ウィズ、視点の違いってやつだ。アンタは心はまだ人間だと思ってる。俺の目から見たアンタは人類の敵なんかじゃ決してない。」

 

「……ありがとうございます、カズマさん。ーーーわかりました、先程のフタバさんの言葉は気にしないことにします」

 

「ああ、それでいい」

 

 そうして、俺達はウィズの店をあとにした。

 

 ーーー迅、お前の妹とわかり合うのは中々に大変そうだよ。

六巻と七巻の間に記憶をなくしたカズマがライダーからプログライズキーを受け取るオリ章『継承編』をやろうと思うのですがどっちの案がいいでしょうか?

  • それぞれの世界に行って力を受け取る
  • 一つの世界に揃ってて一人一人から受け取る
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