さて、本日6月17日は私の誕生日(誰も聞いてないし死ぬ程どうでも良い)な訳ですが、誰からも祝って貰えず、さらにはパシリにされて胸糞悪い今まで最悪な誕生日となりました。
これでも高校生なのに親からも祝って貰えない・・・まぁ、慣れちまったが・・・。
そんな事は宇宙の彼方にでも置いといて今回はいよいよ、友希那と悠人が対面します。
それでは、記念すべき第10話をどうぞ。
湊さんの探していた人物は今日編入してきた神谷さんだった。
「私達がFUTURE WORLD FES.に出場する上で彼は絶対にメンバーにしたいわ」
湊さんにそこまで言わせるなんて・・・確かに趣味は楽器演奏といっていましたが・・・。
「神谷さんでしたらこのライブハウスに居ましたよ」
「!?それは本当かしら!?」
「え、えぇ。私の近くで湊さんのライブを見ていましたし」
「すぐに探すわよ!」
湊さんはそう言って観客席の方へ急いで向かう。私も湊さんを見失わないよう追いかける。
「そういえば、紗夜は彼を知っているような口ぶりなのだけれど・・・」
「実は、私の通っている学校に神谷さんが編入したんです。どうやら去年までイギリスに居たようでして・・・」
「それで、今まで探しても見つからなかった訳だわ」
私達が観客席に着いた頃はあれだけ居た観客の大半が居なくなっており、神谷さんの姿は見当たらなかった。
「居ませんね」
「此処に居ないとなると外に居る可能性が高いわね。紗夜、急ぐわよ」
「分かりました」
私達は観客席を後にする。外に向かっている間に私は神谷さんの事を聞く事にした。
「湊さんはどうして神谷さんをそれ程までに求めているのですか?」
「そうね。貴女にも話しておいた方が良いわね」
湊さんは一息ついて口を開いた。
「私が神谷悠人を求めている理由は彼の音楽の才能よ」
「才能・・・」
『才能』という言葉に私は苦い気ものが込み上げてくるのを感じた。
まるで、あの娘の事を聞かされるような気分だ。
「えぇ。彼は音楽に愛され・・・いえ、愛されすぎでいるのよ」
「どういう事ですか?」
「まず、彼は様々な楽器を扱う事が出来る。少なくともバンドに置いて必要とされる楽器は全て弾く事が出来るわ」
バンドに置いて必要とされる楽器。それはギター、ベース、キーボード、ドラムの4つ。
神谷さんはそれら全ての楽器を弾けるというの?
「しかもただ弾けるだけじゃないわ。どの楽器であろうとプロとなんら変わらないわ。その証拠に彼は『International Guitar Championship』という世界一のギタリストを決める大会で最年少で優勝しているわ」
私はその言葉に言葉を失ってしまった。何故なら神谷さんが私がギター始めたきっかけであり目標となった人物だったからだ。
私がギターを始めた理由はあの娘の事もあるけどたまたまテレビで私と同年代に男の子が弾いていたギターに魅力されたからだ。
「神谷さんがそれほどの人だったなんて・・・」
「それだけじゃないわ。彼は特殊な絶対音感を持っているの」
絶対音感とはある音を単独で聞いた時に音の高さを認識できるといったものですが、湊さんは
「特殊な絶対音感とは一体どのようなものなのですか?」
「紗夜は絶対音感を知っているのよね」
「はい、知っています」
「絶対音感は単独で音を聞いた時にその音の高さを認識出来るものだけど彼の絶対音感の場合複数の音を聞いていても音の高さを認識出来るのよ」
そんな絶対音感は今まで聞いた事がない。
ここまで聞いて思ったが、湊さんが言った事は間違いなどではない。神谷さんの音楽の才能は有名な音楽家となんら変わらないものだと思わせるものだった。彼はそれ程までに音楽に愛されているのだ。
「彼の事を話している内に外に出たわね。紗夜、彼は居るかしら」
湊さんにそう聞かれた私は辺りを見渡す。
外は既に薄暗かったが、オープンカフェで白金さんともう一人の女子と喋っているスーツを着た同年代の男子がいた。あの人が神谷さんで間違いないだろう。
「あそこのスーツを着ている男子が神谷さんです」
「分かったわ。紗夜、行くわよ」
私と湊さんは神谷さんの方へと歩きだして行った。
友希那のライブが終わった後、俺達はライブハウスの隣ににあるオープンカフェでのんびりしていた。
「あそこにいるの友希那じゃない?」
あこが指を指している方を見ると友希那と何故か知らないが紗夜が居た。
「あこちゃん・・・あんまり・・・人に、指を指さない方が・・・良いよ・・・」
燐子があこに注意する。それに関しては俺も燐子と同じ考えだから何も言わないが・・・
(友希那と紗夜が俺達の方に来ていると思うのは気のせいか?)
そう思っていたが、二人は俺達の方にどんどん近づいて行き俺達の前まで来ると足を止めた。
なんで、俺達の方に来たのかさっぱり分からん。紗夜なんて今日知り合ったばっかだし、友希那に関しては名前こそ知っているが直接会うのは初めてだ。
とりあえず此処に来たわけを聞こうとしたが、俺より先に友希那が口を開いた。
「貴方が、神谷悠人かしら?」
「・・・あぁ」
一瞬しらばっくれようかなと考えたが、友希那が凄まじい程の圧をかけてきたので正直話す事にした。
流石、中の人が圧が強い相羽あいなさんなだけあるな。
「訳の分からない事を言わないでくれるかしら?今から話す事はとても大切な話なのだから」
なんで心読んでんだよとツッコミたいがそんな事をしたら俺の生命活動が停止しそうな圧を出しているので心の中に仕舞っておく事にした。
もはや、脅迫に等しいとかそんな生温いものではなく脅迫そのものである。
「分かった。で、俺になんの用だ湊友希那」
「そうね。まずは私と紗夜の演奏の評価をしてもらえないかしら?」
なるほど。友希那は俺の特殊な絶対音感を知っているのか。それで自分と紗夜の演奏を評価してもらいたいって訳か。
どうして自分だけでなく紗夜の演奏も評価するのか、そもそもバンドを組んでいた紗夜がメンバーとではなく友希那と一緒に居るのかは分からないが2人の間に何かしらの繋がりがあるのだろう。
とりあえず、俺は2人のライブを思い返しながら2人の演奏を評価すべく口を開いた。
「紗夜は基本的に正確に弾いてるから、ミスが殆ど無いんだが、強いて言うなら、ラストの曲のアウトロでコードチェンジが遅れてたのと、これもラストの曲だけど、サビに入る直前でほんの僅か音がずれてた。それで友希那は聞き入る程の歌声だったが、声の伸びがもう少しあったら良かったのと、歌い始めで少し遅れてちょっとずれてたってところだな」
「流石ね」
「私もコードチェンジが遅れたのは分かりますが、サビの直前で音がずれてたのは気づかなかったです」
「あれは絶対音感とかもってない限り気づかないような微々たるものだからな。気づかない人の方が多い」
こんな感じで2人の演奏を評価した訳だが、一体友希那は何が目的なのかさっばり分からない。
「で、目的が終わったのならさっさと帰ってくれないか?俺はこの後しなくちゃいけない事があるんだから」
「なら手短に伝えるわ。神・・・いえ、悠人。私達とバンドを組んで欲しい」
「
「何を言っているのかしら?紗夜が居るじゃない」
どういう事だ。紗夜は友希那とは別のバンドのメンバーだった筈だ。掛け持ちなんて出来ないだろうし・・・まさか。
「紗夜、お前あのバンドを脱退したのか?」
「えぇ。私と他のメンバーとの意見が違ったので脱退するの事になりました」
そこを友希那がバンドの話を持ちかけてメンバーになった訳か。紗夜が所属してたバンドも勿体ないことしてるな。いくら意見が違うからって紗夜があのバンドを支えていたようなもんなのに。
「それで、悠人は私達とバンドを組んでくれるかしら?」
「悪いが、それは出来ない」
「・・・理由を聞いても良いかしら?」
僅かな間があったが友希那がそう聞いてきた。
「今の俺を見たら察しがつくと思うだろうが、働いているんだよ。それに家庭の事情もあるからやめる事も出来ないし、信じてもらえないだろうがそれなりに高い役職だから休む事だって難しい」
「アルバイトって訳じゃないんですよね・・・」
「只のアルバイトがこんなスーツ着るか?」
今の俺が着ているのはそれなりの値段がするスーツだ。少なくとも高校生が着るようなものではないとは分かる筈だ。
「仕事を休むって事が出来ない以上練習や下手したららライブなんかにも参加出来ない。そんなのは、いくら演奏技術が高くても邪魔だろ?だから、友希那達とバンドを組む事は出来ない」
「・・・そう。なら、マネージャー兼コーチとしてならどうかしら?仕事とかでいけない日は休んで貰って構わないわ」
「本当にそれで良いのか?」
「貴方が私達とバンドを組んで貰えるなら構わないわ。ただ、休んでいる日の対策はして欲しいわ」
「分かった。これからよろしく友希那、紗夜」
「よろしくお願いします」
「えぇ。で、悠人。これからしなくちゃいけない事があるって言ってたげど大丈夫なのかしら?」
友希那にそう言われて腕時計で時間を確認する。最後に確認した時(燐子とあこと喋っている時に一度確認した)からだいぶ時間が経っていた。
「そろそろ行かなくちゃいけないな。燐子、あこ。またな」
「・・・うん、またね・・・」
「さよなら、悠人さん」
「友希那と紗夜もまたな。今後の予定はとりあえず紗夜を通して教えてくれ」
「分かったわ」
「分かりました」
友希那と紗夜が了承したのを確認して俺はカフェを後にしたのだった。
如何でしたか?友希那としては悠人は何がなんでも自分のバンドに加えたいので最大限譲歩しマネージャー兼コーチとして自分からバンドメンバーにしました。
まぁ、悠人は一企業の社長ですから普通ならライブハウスなんかに行ってる暇なんて無いでしょうがそこは有能秘書(G騒動でポンコツキャラと思われるかもしれませんが本来は優秀な秘書なのです。虫とかが極度に苦手ですが・・・)が上手い事スケジュールを管理してくれていると思っていて下さい。
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それでは、また次回お会いしましょう。