青薔薇と天才少年のコンチェルト   作:カトポン

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 どうも、おはこんばにちは。
 サブタイが某有名漫画に似ていますが、そこは気にしないでいただけると助かります。
 プライベートも、リアルの事情が少しは落ち着きそうですので投稿頻度も少しは上がるかもしれません。作者が基本マイペースなのでなんともいえませんが・・・。
 それでは第13話をどうぞ!


第13話 あこの心は砕けそうで砕けない

 学校からダッシュで家に帰り、必要な用具を持って昨日と同じスタジオまで全力疾走。友希那が予約したスタジオを受け付けの人に教えてもらい、スタジオに入る。

 時刻は3時55分。なんとか遅刻せずに済んだ。

 

「遅かったわね、悠人。紗夜もまだ来て無いけど何かあったのかしら?」

「俺が来る事は知ってたのか?」

「えぇ。紗夜から今日は来れると聞いたわ」

「紗夜の奴、あんな状況でよく連絡出来たな」

「すみません。遅れました」

 

 その紗夜もスタジオに到着した。

 

「紗夜も悠人もどうしてこんな時間ギリギリなのかしら?」

 

 俺と紗夜は放課後の出来事を話す。

 

「そう・・それなら仕方ないわ。さぁ、時間も余り無いのだから早く練習するわよ」

 

 友希那は俺と紗夜の事情を理解してくれたのでそれ以上は何も言わなかった。

 俺も背負っているケースからギターを取り出す。

 

「それが神谷さんの使っているギターですか?」

「あぁ。コイツが俺の一番の相棒だな」

「そのギターはもしや『International Guitar Championship』で使っていたものですか?」

「良く知ってるな」

 

 俺のギターはESPシリーズのHORIZONのオーダーメイドだ。

 黒と紺のシンプルなギターだが、世界で1本(展示品を除けばであるが)しかないギターだ。名称は『Revolution HORIZON』。意味は『革命の地平線』だ。

 

「ですが、何故神谷さんがギターを持って来ているんですか?」

「こういうのは実際に弾いて教えたりする方が良いからな。で、友希那。今日は何すんの?」

「まだ曲が出来上がってないから私の歌う曲を使って練習するわ」

「その曲は?」

「これよ」

 

 友希那から音源を渡される。イヤホンを付けて再生すると昨日友希那が歌っていた曲『魂のルフラン』が流れ始めた。

 

「この曲はいずれカバー曲にしたいのだけれどどうかしら?」

「良いと思うぞ。バンドの方向性によってはアレンジを加える事も考えて置いた方が良いが」

「貴方にそれはできるの?」

「あぁ。作曲とかアレンジは一応出来るぞ」

「なら、この曲のアレンジとこの作曲を任せても良いかしら」

 

 友希那から数枚のルーズリーフを渡される。何故ホチキスとかで止めたりしないのかは気にしてはいけない。

 ざっと、ルーズリーフに書かれているものを流し読みする。

 

「出来るかしら?」

「あぁ。出来たら連絡する」

「分かったわ。それと練習で使うTAB譜よ」

 

 友希那からTAB譜を受け取り頭の中に叩き込む。

 

「大体覚えた。2人とも始めてくれ」

 

 俺の合図で練習がスタートし、友希那は歌い紗夜はギターを始めた。

俺の役割は2人がフルで演奏した後絶対音感で気づいた所を指摘し、駄目だった所を重点的に個人練習で指導といった感じだ。紗夜のギターを見つつ、友希那の歌を聴くというのはしんどかったが2人の飲み込みが早いのでそこまで苦にならなかった。

 練習してから2時間程経ち、俺がそろそろ会社に行かなければいけない時間になった。

 

「友希那、悪いんだが・・・」

「えぇ、分かっているわ。今日の練習は此処までにしましょう」

「すまない」

「気にしなくて良いわ。そこを踏まえて貴方をメンバーにしたもの。それより明日は来れないようだけれど何か対策はあるのかしら?」

「あぁ。紗夜、これをお前にやる」

 

 俺はギターケースからタブレットを取り出し紗夜に渡す。

 

「俺が来れない日はそれを使って練習を撮影してくれ。そこには俺の連絡先が既に入っているから」

「しかし、動画は最大まで5分までしか送れませんが」

「安心しろ。昨日俺が動画を5分毎に自動で保存されるようにする為だけにアプリ作ってそのタブレットに入れたから」

 

 練習している時に5分毎に撮り直したり調整するのは面倒だろうと思い俺が携帯端末に最初から入っているカメラアプリをベースに自動で5分毎に保存されるように改良したアプリだ。

 因みにこのアプリを作り正常に作動するか確認していたら朝になっていたので今日の俺は一睡も出来なかった(学校でも寝ようしたが、授業の合間は煩く、授業中も紗夜に寝ようとするたびにシャーペンで刺された為寝ていない)。

 

「宜しいんですか?タブレットなんて高価な物を頂いて」

「構わんよ。タブレットなんて家に腐る程あるし、家で放置されてるよりも誰かに使われている方が良いだろ」

「分かりました。有り難く使わせて頂きます」

「別にそこまで畏まらなくて良いし、撮影とかでデータ量が圧迫されていくだろうから撮影以外に出来る事は少ないけどな」

「それでも私にくれるんですよね?」

「まぁな」

「でしたら、しっかり感謝は伝えるべきです。ありがとうございます」

「そういう事なら、どういたしまして」

 

 とりあえず紗夜のお礼を返して、俺達は片付けてスタジオを後にする。

 スタジオの予約をし、外に出た時だった。

 

「友希那さん、あのっ」

「帰って」

「うぐっ」

 

 何かを頼もうとしたあこが一瞬で断られた。

 そのままあこは大人しく帰っていく。

 出オチって二次元だけじゃなんだなと頭の隅で思いつつ俺は仕事の用意をする為に一度家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

〈数日後〉

 

「よ、よしっ。今日こそっ!友希さん、あのっ」

「帰って」

「はうっ」

 

〈数日後〉

 

「今度は絶対・・・友希那さんっ!!バンドに・・・」

「そろそろ諦めてください」

 

 友希那さんのバンドに入れてもらう為にあこは何回も頼んでるけど今日も駄目だった。

 

「ぐぬぅっ!今日もダメぇ〜?諦め無いもんっ!あこ本気なのに・・・何で伝わらないのかなぁ?」

 

 友希那さんに断られたあこは落ち込みながら家に帰る。

 どうしたら友希那さんのバンドに入れるんだろう。

 

「ただいま〜。はぁ・・・もうやんなんちゃうよぉ。りんりんに話聞いて貰おう・・・」

 

 りんりんにメッセージを送るとすぐにりんりんからメッセージがかえってきた。

 

『言葉だけじゃ、伝わらないかもしれないね』

『?じゃあどうしよ?』

『友希那さんの歌を好きになった瞬間みたいに、音で伝えられたら、良いのになって思った』

「・・・音、で・・・」

『私も、あの音を聞いた時、凄いと思ったから。あの感覚は、言葉だけじゃ上手く現せないと思う。バンドって、そういう感覚で繋がるってことかなって』

 

 りんりんのメッセージを見て、なんかちょっと分かった気がする。

 

「ただいま〜。・・・ってあこ、その顔。今日も不発だったみたいだな。『あこだけのカッコイイ人とバンドやる作戦』は」

 

 あことりんりんがメッセージの遣り取りをしている間におねーちゃんが帰って来た。

 おねーちゃんの名前は、宇田川巴って言ってあこの自慢のお姉ちゃんなんだよ。

 

「おねーちゃん、お帰り!そーなのっ。とくに、ギターの紗夜・・・さんがすっごい防御力なんだけど、認めて貰えるまで頑張るんだ!」

 

 おねーちゃんはあこの頭を優しく撫で始める。

 

「そうかそうか、頑張れよ・・・って紗夜さん?まさか湊さんとバンド組んだっていう紗夜さんの事か?」

「え?おねーちゃん知り合いなの?」

 

 あこの言葉におねーちゃんは笑い出した。

 

「おねーちゃん?どうしたの?」

「あこは知らなかったんだな。湊さんはうちの学校の高等部で、よく校内でもすれ違うよ。そうか、あこのカッコイイ人って湊さんだったんだな」

「そうなの!ライブで見た時にビビビッって来ちゃって!すっごくすっごくカッコイイんだ〜」

「湊さんなぁ・・・手強いだろうけど頑張れよ」

「うん!ありがとう、おねーちゃん」

「どういたしまして。そういえば、あこは知ってるか?湊さんはうちのダンス部のリサさんと親友だって」

「・・・えぇ〜!リサ姉の『親友』の話、あこ、よく聞いてるよーっ!!」

 

 リサ姉とは同じダンス部なので良くその話を聞いてた。誰かは今まで聞いた事がなかったけどそれが友希那さんだったなんて。

 

「リサ姉に友希那さんの事聞いてみようかな?」

「あこのしたいようにすれば良いんじゃないか?」

「うん!おねーちゃんの言うようにしてみるよ!!」

 

 絶対絶対友希那さんのバンドに入ってみせるんだから。




 如何でしたか?
 あこのメンタルは本当にダイヤモンドで出来てるんじゃないかと思うほど硬いですよね。
 宜しければ、お気に入り登録と評価をしていただけると嬉しいです。
 それでは、次回をお楽しみに。
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