青薔薇と天才少年のコンチェルト   作:カトポン

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 どうも、おはこんばにちは。
 今回はタイトルから分かると思いますが、今まで出番が少なかったあのキャラが出てきます。そして、サブタイが久しぶりにシンプルと思いきや、12話が割とシンプルだった・・・自分の小説なのに覚えてないってどうなんだろう?
 そんな事はともかく、第14話をどうぞ。


第14話 陽だまりの選択肢

 あこが友希那達にバンドに入れて貰えるように毎日頼み込んで来るようになった。

 ここまで頼み込んで来るならメンバーにしても良いんじゃないかと思うが、それを決めるのはバンドのリーダーである友希那であって俺じゃない。

 珍しく仕事もないのでコーヒーを飲もうと俺はコンビニに来ていた。

 何故コンビニなのかと思う人もいるだろうが、コンビニのコーヒーは意外と馬鹿に出来ないのだ。味は羽沢珈琲店には劣るが、値段が安い割に旨いのである。コスパだけを考えればコンビニのコーヒーは間違いなくトップに分類されるだろう。

 

「すみません。ホットのブレンドを1つって・・・リサ?」

 

 コンビニに入り、早速レジでコーヒーを頼もうとするとレジに居たのはあの日、俺とぶつかった今井リサだった。

 

「あ、悠人。久しぶり〜それでホットコーヒーだっけ?」

「あ、あぁ」

 

 こんな形で再開するとは思っていなかっただけに言葉が詰まってしまった。

 

「サイズは?」

「Lで」

「180円になります」

 

 あんまり小銭を持っていない俺が奇跡的に180円持っていたのでそれを渡す。

 

「丁度お預かりします。お待たせしました。このカップをマシンにセットして下さい」

 

 リサからカップを受け取りレジの近くに置いてあるマシンにセットする。

 

「ねぇ、悠人。アタシ、後数分でシフト上がるからバイト終わったご褒美に何か買って欲しいな〜」

「良いぞ。何が欲しい」

「え?良いの?冗談で言ったんだけど・・・」

「冗談なら帰るぞ」

 

 コーヒーを淹れ終わったのでマシンから取り外してコンビニから出ようとすると・・・

 

「じょじょ、冗談じゃないから。何か買ってよ悠人」

 

 あまりの止め方に俺は向きを変えてレジに戻る。

 

「はぁ・・・何が欲しいんだよ」

「良いの?」

「良いから、さっさと決めてコーヒーを飲ませてくれ」

 

 早くしてくれないと、せっかくのコーヒーが冷めちまう。

 

「えーっと、シュークリーム?」

「質問に疑問で返すな」

「そこは質問に質問で返すなー!じゃないの?」

「お前は『?』が付いてりゃ全部質問だと思ってんのか」

「流石のアタシでもそれぐらい分かるよ」

「むしろ、分かってなけゃ高校生としてヤバイだろ」

「いや〜アタシの知り合いにそれを知ってるかどうか怪しい人が居るから」

「マジかよ」

 

 ソイツ、国語の成績大丈夫なのか?そんな事も分からないとか赤点でもおかしくないだろ。

 

「まぁ、さっきの事は置いといてシュークリームで良いのか?」

「うん。お願い」

 

 商品棚からシュークリームを探してレジに持って行く。

 会計を済ませ、外でコーヒーを飲んでいるとバイトが終わったリサがやって来た。

 

「お待たせ、悠人」

「バイト、お疲れさん」

 

 リサにシュークリームを渡し、コーヒーを口に含む。

 

「にしても、こんな形で再会するとはな」

「そうだね。あの時はアタシのせいでぶつかってごめんね」

「気にすんな。アレは俺の不注意でもあった訳だし。それよりも、お前は友希那に追いついたのか?」

「え?何で知ってるの?」

「知ってるも何も友希那を見失うって普通に言ってたぞ」

「アハハ・・・急いでたから全然覚えてないや」

 

 それにしても、リサが追いかけいた友希那はあの友希那なんだろうか?少し知りたい事もあるので、揺さぶりをかけてみよう。

 

「なぁ、リサが追いかけていた友希那って人は湊友希那なんだよな」

「!友希那を知ってるの?」

「まぁな。といっても友希那本人と面識があった訳じゃないがな」

「どういうこと?」

「俺はギターやベース、ドラムやキーボードを弾けるんだがそれらは全て友希那のお父さん・・・師匠が組んでたバンド・・・『Bule Trajectry』のメンバーから教えられたんだよ」

 

 音楽の基礎知識や歌は友希那のお父さんから、それ以外はそれぞれの楽器担当の人から教えて貰った。キーボード担当だった人にはピアノも教わっていたので、バイオリンを除けば全て『Bule Trajectry』のメンバーから教わった事になる。

 

「実の事を言うと、リサの事も師匠から聞いている。リサ、ベース弾けるんだろ?それに、師匠からはリサと友希那は良く一緒に居るって聞かされたけど、リサは友希那と一緒に居たのにライブハウスには行かなかった。それはどうしてなんだ?」

「悠人が友希那のお父さんの事を知ってるなら、友希那とお父さんのバンドがどうなったか知ってるよね」

「あぁ。事務所の意向によってメジャー受けをする曲を作ることを強要され、強要された曲でFUTURE WORLD FES.に挑んで負け、売れなくなって解散した」

 

 それを聞いたのはイギリスに居た頃だったが、その時の俺は自分の事に手一杯で他の事を思う余裕がなかった。ある程度、心に余裕が出来てもモヤモヤとした感情が渦巻くだけではっきりと言葉に出来なかった。

 事務所の意向も一経営者として分からなくもない。ノルマだってある訳だし、そのノルマを達成させようとあれこれ注文なんかもするだろう。だが、『Bule Trajectry』への考慮もせずにあれこれ注文するのはどうだろうと思った。この考えは、きっと一経営者として見れば甘い考えなんだろうがどうしてもそう思ってしまった。

 

「おそらくだが、友希那はFUTURE WORLD FES.に出場する為にバンドのメンバーを集めてるんじゃないのか?師匠の音楽を認めさせる為に」

「・・・そこまで知ってるんだね・・・」

「友希那にバンドのメンバーになって欲しいって頼まれたからな」

「!悠人はメンバーになったの?」

「一応な。ただ、色々と事情があるからマネージャー兼コーチとしてメンバーに入ったよ」

「そっか。なら、友希那の事をよろしくね」

 

 リサはそう言っているが、その顔は何処か寂しげで悲しみを帯びていた。

 そんな顔をされると、何とかさせてあげたいと思う。

 

(仕方ない・・・背中を押してやるか)

「それは、リサにも言えるんじゃないか?」

「え・・・?」

「リサは本当に今のままで満足してるのか?」

「どういうこと?」

「このまま遠くから友希那を遠くから見守るだけで良いのかって事だ」

「それは・・・」

「リサには今、2つの選択肢がある。今までと同じように遠くから友希那を見守るか、ベース担当として友希那を隣で支えるか。それを決めるのはリサだ」

 

 俺はコーヒーを飲み干してゴミ箱に捨てると、コンビニを後にしようとする。

 

「どの選択を選ぶかは自由だが、後悔だけはしないようにな」

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

「悪いが、俺に出来るのは此処までだ。じゃあな」

 

 俺は一度も振り返る事なくコンビニを後にした。




 如何でしたか?リサが登場したり、悠人に関する事が新たに明らかになったり、割と重要な回なんじゃないでしょうか。
 そろそろリサとあこもメンバーに加わりそうで、Roseliaの結成も少しずつですが近づいています。何話で第1章が終わるか分かりませんが(因みにリメイク前では13話で終わっていて、第14話の内容はリメイク前の9話ですので、第1章だけで20話いっても全然おかしくない・・・本当に何話で終わるんだ?)少しずつ進めて参ります。
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 それでは、また次回お会いしましょう。
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