今回もオールリサ視点でございます。悠人の言葉で絶賛お悩み中の彼女ですが、果たして彼女はどの選択を選ぶのか!・・・って書いても原作知ってる人なら分かりますよね。
それでは、第16話をどうぞ!
「懐かしいなぁ〜。このスタジオーーって感じの空気☆最後に入ったの、中2の夏休みだっけ?」
スタジオに着いたアタシは久しぶりに来たスタジオに懐かしさを覚えていた。
「中1よ。忘れたの?中2の時は、海にばかり行ってたじゃない」
「えっ。海って友希那さんも行ったんですか?ま、まさかビーチでライブしたり・・・?超カッコイイ・・・」
「私は行ってない」
確かに友希那はいなかったね。アタシとしては一緒に行きたかったんだけど。
スタジオの部屋の前まで来ると、友希那は扉を開けて中に入る。
「神谷さん。ここはどうやったら・・」
「あ〜。ここか。ここはこうして・・」
スタジオの中には、悠人とおそらく、紗夜って子がいた。どうやら、ギターを教えていた所らしい。
「湊さん、この人達は?」
「友希那どうしたんだ?あことリサを連れて」
「あ、挨拶が遅れちゃってゴメンね!悠人は知ってるだろうけど、アタシは今井リサ。友希那の幼馴染で、今日は見学に来ましたっ♪」
「悠人さんは知ってるけど、宇田川あこですっ!今日はドラムのオーディションをしてもらいに来ましたっ!」
「・・・オーディション?」
「ごめんなさい、リサが・・・あ、いいえ。私がその・・・彼女のテストを許したの」
「・・・ということは・・・実力のある方なんですよね?」
「・・・努力はしているらしいわ。勝手に練習時間を使ってごめんなさい。5分で終わらせるから」
「俺は大丈夫だ。実際メンバー集めは難航してたし丁度良いだろ」
「私も湊さんの選出なら構いません。・・・ただ・・・少し・・・意外です。貴方はどんな形であれ、音楽に私情を持ち込まない人だと思っていたから」
「その価値感は合致しているつもりよ。二人とも実力が無ければすぐに帰って貰うわ」
「はい、分かってます!」
「えっ?アタシも?」
「見学は終わり。紗夜の顔ならもう見たでしょう。・・・リサ。昔、遊びで入ってた時とは違うの」
「・・・あっ。そ、そうだったね。あはは、ごめんごめん!その時はすぐ帰るって♪なんか・・・アタシ一瞬、昔に戻った気になっちゃったな〜」
「リサ姉!あこ絶対合格するように頑張るからっ」
「ん、そうだね。よしっ、あこファイト☆」
「オーディションですが、ベースをどうしますか?出来れば、ベースもいると、リズム隊として総合的な評価が出来るんだけれど・・・」
「そうね。悠人、貴方ベースも弾けたわよね。頼んでもいいかしら」
「分かった。受付で借りに行ってくるからその間に準備しといてくれ」
悠人はドアノブに手をかけ、受付に向かおうとしている。
それを見ていたアタシは言いようのない物が込み上げてきた。このままだと確実に後悔する・・・ふいにアタシはそう思ってしまった。
けど、何に・・・ううん、アタシはもう分かってる。このままだと友希那はアタシの手に届かない所へ行ってしまう事を。
それを自覚した瞬間、アタシの本当にしたい事を理解した。
アタシは・・・アタシは友希那の隣に居たい。友希那の隣で演奏したい!
悠人も言っていた。『どの選択を決めるのかはアタシ自身。どれを選ぶのは自由だが、後悔だけはしないように』って・・・。
なら、アタシは友希那の隣に居る事を選ぶ。例え、この選択が間違っていたとしても後悔はしない。
他の誰でもないアタシ自身が選んだ選択なのだから!
「あ、あのさっ。アタシが弾いちゃダメかな?」
「リサ?」
「えっ、リサ姉ベーシストだったの!?」
みんな驚いている。ただ、悠人は予想通りというかアタシが弾く事を予期していたのか余り驚いていない。
「昔ちょっとやってたんだよね。だから、アタシが弾きたい。駄目かな?」
「俺は構わない。。リサがバンドに入るなら、ドラムとベースのメンバーが早く決まる可能性もある訳だし。ただ、これは実際にステージに立つ友希那と紗夜が決めてくれ」
「湊さん。今井さんは経験者何ですか?」
「一応。譜面で一通り弾く事は、今でも出来ると思う」
「一通り・・・ね・・・」
「あ、このネイル?大丈夫、大丈夫!アタシ、指弾きはしないから」
「分かりました。私はあくまで宇田川さんのテストなら、問題ありません」
「私も構わないわ」
「ありがとう二人とも。待ってて、ベース借りてくるから!」
アタシはスタジオを出て、受付でベースを借りると急いでスタジオに戻る。
久しぶりにやるチューニングを手早く済ませ、準備が終わった事を友希那に伝える。
「悠人、審査をお願いしても良いかしら?」
「了解」
「それじゃいくわよ」
友希那の言葉で、アタシ達は演奏を始める。
(・・・!なに・・・?)
(・・・この感じ・・・?見えない力に引っ張られるみたいに、指が・・・!)
(・・・凄い!練習の時より、もっと上手に叩ける。・・・って、あれ?でも、何か不思議な・・・?)
嘘・・・アタシしばらく弾いてないのに。指が音に惹きつけられるかのように動いてく。
そのまま最後まで自分の意思では無い何かによって演奏していった。
「「・・・・・・・・・・」」
「あの・・・さっきからみんな、黙ってるけど・・・あこ・・・バンドには入れないんですか?」
「・・・悠人どうだったかしら?」
「そうだな・・・。まず、あこだけど、周りを合わせようとしてたんだけど全体的にちょっと走ってたかな。リサは、ブランクがあるからかミスタッチが所々あった。だけど、友希那達も感じたはずだ。技術とはまた違う何かを」
「ええ」
「私も感じました」
「あの、あこは・・・バンドに入れるんですか?」
「入れるか入れないかは友希那達が決める事だ」
「そうね・・・。合格よ。紗夜の意見は?」
「いえ、私も同意です。ただ・・・その・・・」
「いやったぁーーーっ!!!それにしても、なんか、なんか、凄かった!!!初めて合わせたのに、勝手に体が動いて!!」
「!アタシも・・・!あこもそう思ったんだ。これが、悠人の言ってた技術とはまた違う何かなのかな?」
「多分、リサやあこの感じたもので合ってるぞ。それと、友希那と紗夜もか」
悠人は友希那達の方を見る。
アタシも悠人に釣られて2人を見ると、2人ともアタシと同じくらい驚いていた。
「もしかして、2人も・・・?」
「そうですね。これは・・・」
「その場所、曲、楽器、機材、メンバー・・・。技術やコンディションでは無い、その時、その瞬間にしか揃い得ない条件下でだけ奏でられる『音』・・・」
「バンドの・・・醍醐味とでも言うのかしら。ミュージシャンの誰もが体験出来るものではない・・・雑誌のインタビューなどで見かけた事があるけれど、まさか・・」
「言うならば『バンドのキセキ』だな」
「『バンドのキセキ』。うん、あこもそんな気がする」
「うん。マジック!って感じ♪」
「その言い方は肯定できないけれど・・・でも、そうね。皆さん貴重な体験をありがとう。後は、ベースとキーボードのメンバーさえいれば・・・」
「え、ベースならここにリサ姉がいるじゃん!」
「いや、アタシは、その・・・ヘルプ・・・で弾いただけで〜・・・」
確かに、アタシは友希那の隣で演奏したい。
だけど、それはもっと上手くなってからじゃないと駄目だとも思っていた。
「今井さんはあくまで宇田川さんのオーディションに付き合う為に弾いただけ。そうですよね?」
「でもバンドメンバーを探してるんだよね?こんな良い演奏出来たのに、何でメンバーにしないの・・・?」
「・・・確かに、技術的にはまだ、メンバーとは認められ無いわ」「あ・・・、そ、そりゃそうだよね。はは・・・」
自覚はしてたけど、面と向かって言われるとグサリと心に刺さる。
「ただ、・・・足りないところはあるけど、確かに今のセッションは良かった。紗夜もそれは認めるでしょう?」
「私は・・・!確かに今の曲だけに限れば、良かったですが・・・」
「俺は、リサをメンバーに加えるべきだと思う。確かに、リサはまだ技術的にはメンバーとは認められ無い。けど、こんなに良いセッションを出来る人がいるとは思えない。足りない所は俺が教えて埋め合わせる」
「なら、バンド組もうよ。この5人で!」
「・・・・・・リサ、私達とバンド、組まないかしら?」
「え?・・・マジで?」
アタシは友希那の言った事が信じられずにこんな返答になってしまった。
だって、夢だとは思いたくないけど本当に現実なのか疑ってしまう程にアタシは困惑してしまっているのだから。
「ただし、これからの練習次第よ」
「うん、アタシ頑張る。友希那の隣に相応しい演奏が出来るように頑張るよ」
こうして、アタシとあこは友希那のバンドに入る事になった。
友希那のバンドのメンバーは残す所キーボードだけ。友希那の夢は着実に近づいていった。
如何でしたか?これで、あことリサがRoseliaメンバーとなり残るはりんりんだけどなりました。やっとあと1人の所まで来ました。ここまで16話、20話を目処に第1章を終わらせたいですが、どうなることやら。
少なくとも1話1話が短いのもありますが、Roseliaを結成させるのに20話近く使うのはこの小説ぐらいでしょうが、そこには目を瞑っていただきたいです。
さて、宣伝になりますが、此方の別次元でな物語となる『少年と少女の決闘生活』を投稿中です。不定期ですが、見ていただけると嬉しいです。
感想、評価、お気に入り登録などをしていただけると作者のモチベーションがupします。どんなコメントも待っていますので沢山のコメントが来るのを待っています。
それでは、また次回お会いしましょう。