青薔薇と天才少年のコンチェルト   作:カトポン

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 どうも、おはこんばにちは。
 今回はRoseliaメンバー全員と新たな登場人物が登場します。果たして誰が登場するのか楽しみにしていてください。
 それでは第17話をどうぞ。


第17話 想いと不安そして決意

 リサとあこがバンドのメンバーに加わり、明日も練習(俺、仕事で来れない)とある事を告げ、その日は解散となった。

 

「リサ、俺は明日来れなくてな・・・」

「えぇっ!?友希那には言ったの?ていうか、友希那が許可くれるの?」

「言ってないけど、後で連絡するし俺がメンバーに加わる条件で仕事がある日は休んで良い事になってるんだよ」

 

 俺の言葉にリサは目ん玉が飛び出るんじゃないかと思うくらい目を見開く。

 

「へ?仕事?アルバイトじゃなくて?」

「バイトじゃない。そもそもアルバイトだったらバンドに加わる時にたぶん辞めてる」

「高校生で働いている人初めて見たよ」

「まぁ、高校生で働いている奴は希少種だろうな」

 

 その癖一企業の社長である俺は希少種の中でも最高レアリティだろう。

 

「まぁ、そんな事は置いといてだな。明日は来れないから。とりあえず明日は友希那の指示に従ってくれ。で、此処からが本題だが俺と連絡先交換しないか?」

「良いけど何か理由はあるの?」

「メンバーなんだから連絡は取り合えた方が良いだろうと思って。リサ以外とは全員連絡先交換したし」

「確かにそうだね。それじゃパッパッと済ませちゃお」

 

 お互いスマホを取り出し、連絡先交換する。

 

「そういえば、リサってベース弾く時指かピックどっちでやるって言ったけ?」

「悠人、聞いてなかったの?アタシ、基本的に指弾きはしないよ」

「そ、そうか・・・」

「どうしたの?」

「い、いや〜なんでもないよ〜」

 

 どうしよ。ベースとかピック使った事無いんだけど大丈夫かな?

 俺はこの先ちょっと不安になってしまった。

 

「じゃ、じゃあ俺は帰るから。またな、リサ」

「またね」

 

 リサが居なくなったのを確認すると大きなため息をひとつ。

 

「はぁ・・・。大丈夫かな、俺・・・」

 

 その呟きは夜の住宅街に消えていくのであった。

 

〈白金家 燐子の部屋〉

 

『でね!あこもリサ姉も加入して良いよって言われて!今日の事は一生忘れない!!!』

『オーディション合格おめでとう!あこちゃんの努力が認められたんだね』

 

 私は今、自分の部屋であこちゃんとメッセージアプリでメッセージを送り合っています。

 

『でも、努力だけじゃ無いかも』

『どういうこと?』

 

 不思議に思った私はあこちゃんにそうメッセージを送る。

 

『曲が始まったら、勝手に体が動いたの!すっごく上手に叩けて、リサ姉はマジック。悠人さんは『バンドのキセキ』って言ってて、あこも悠人さんと同じ風に思ったんだよ。他のメンバーも、いつもより上手く演奏出来たって。友希那さんもそう言ってたんだよ!みんなそう思ったんだよ!凄くない!?』

『そんな事があるんだ。うん、バントって凄いね』

『凄いよ!やっぱりバンドって最高!みんなで演奏するのって楽し過ぎる!今までずっと一人で練習してたから、超感動したよ!』

「・・・みんな・・で・・・」

 

 私は3歳の頃にピアノを始めた。その理由は悠くんのピアノを弾く姿に憧れだからだ。

 お父さんとお母さんに頼んでピアノを買ってもらって悠くんとも一緒に連弾したり、悠くんの弾くバイオリンとセッションしたりしたけど、それは誰かと一緒に弾きたいというよりも悠くんと一緒だからっていう気持ちの方が大きかった気がする。

 そう思うと、今まで誰かと一緒になんて考えた事は今までなかったかもしれない。

 

『みんなで集まると、何が起こるか分からない!キセキって、たぶんこーいうことだよ!』

「・・・キセキ・・・」

『バンドきっと成功するね。私も応援する』

『ありがとう、りんりん!本当に嬉しいよ!りんりんも何か音楽始めてみたら、この感じが分かるよ!』

 

 そういえば、あこちゃんにピアノを弾ける事まだ話してなかった。

 

『バンド名はまだ決まって無いんだ。りんりん何が良いと思う?』

 

 バンド・・・一体どんなものなんだろう・・・。

 

『りんりん?もしかしてもうゲーム、インした?なら我も出陣するのでしばし待たれよ!』

「・・・あっ」

 

 考え事をしてたせいであこちゃんのメッセージに気づかなかった。私は慌ててあこちゃんにメッセージを返す。

 

『まだ、インしてないよ。その前にもう少し、あこちゃんのバンドの話を聞いたら駄目かな?』

『任せよ!今宵は一晩中語り明かそうぞ!』

『ありがとう。嬉しい』

「・・・バンドの話・・・不思議だけど・・・聞いてる、だけで・・・凄く・・・楽しい・・・」

 

 私はあこちゃんのバンドの話を一晩中聞いた。この時、私がバンドに興味を持っていると知らずに・・・。

 

〈氷川家 紗夜の部屋〉

 

 私は今日のセッションを振り返りながら、ある事を調べていた。

 

「おかえり〜!・・・おねーちゃん、何見てるの?」

「!日菜。スマホ覗き込まないでって言ってるでしょ!」

 

 私は急いでスマホの画面を変える。

 私のスマホを覗き込もうとしたのは私の双子の妹である氷川日菜。私と違い努力せずになんでも出来てしまう天才少女です。まるで神谷さんと同じように。

 神谷さんにも普通の人には持ち合わせていないような物を持っています。5つまでの音の高さを同時に認識する絶対音感。練習中に言ってましたが、彼があれだけの楽器を弾けるのは少なからず彼の絶対音感のおかげらしいです。彼の事だから努力はしているでしょうがそれでも日菜と同じ特別なものを持っている。そして、私はそんな日菜にコンプレックスを抱いており、神谷さんの事も若干苦手意識があります。

 

「さっきの何のサイト?確か・・・FUTURE WORLD FES.って書いてあった気がするけどロックのイベント?」

「これは私の事で、日菜には関係無い」

「・・・そっか〜。関係無いか。じゃーさ、じゃーさ、リビング行かない?おねーちゃんの好きなわんこの番組、お父さんが見てるよ」

「録画してあるから、後で見るわ。今忙しいの。大体、日菜は犬、別に好きじゃないでしょ」

「でも、おねーちゃん好きじゃん?あたし達双子じゃん?たまには一緒に何かしても・・・」

紗夜「いつもあなたは、一緒の事ばかりするじゃない」

 

 私は日菜の『たまにはに一緒に何かしても』という言葉を聞いて自分の感情が口から溢れ出た。

 

「・・・!おねーちゃん、あたしは・・・」

 

 尚も私の言葉は止まらない。激流となって言葉を紡ぎ出す。

 

「同じ日に生まれて、私の方が少しだけ先に生まれたからって、何で同じ事をされないといけないの?もう高校生なんだから、お互い干渉しないって決めたでしょう。はやく、自分の部屋に帰ってちょうだい。私はやる事があるの」

「・・・分かった。・・・あの。・・・ごめんね?」

 

 日菜はしょんぼりとした様子で私の部屋から出て行った。

 これだけは日菜に知られたく無いのだ。もし、『フェス』の事が日菜に知られたら、私の真似をして、必ず自分も出ると言ってくる。そして今までしてきた事のように、私の努力を、軽々と才能で追い抜いていく。

 

「比べられるのは、もうたくさん。・・・必ず、頂点を獲ってみせる・・・」

 

 そして、『フェス』とは別に私はある事を調べる。

 それは神谷さんの事だ。神谷さんとライブハウスで会った時に着ていたスーツ。あれは高校生が手に入る代物・・・いや、そもそもの段階で高校生(・・・)が必要とする代物じゃない。

 

「神谷さん・・・貴方は、何者なんですか・・・」

 

 私は、神谷さんの事について調べ始めた。その先に衝撃的な事実が待っているとは知らずに・・・

 

〈今井家・湊家の前〉

 

 アタシ達は、あのセッションが終わった後みんな、ライブハウスを後にした。悠人は凄い顔をしてたけど多分大丈夫だろう。

 

「いや〜〜、なんか驚きの展開だよね☆友希那とバンドか。うん、アタシ頑張んなきゃ!」

「リサ、本当にバンドに入って良かったのかしら?確かに、あの時のセッションは良かったけど、技術的にはメンバーとして認められ無いのよ。いくら、悠人がリサの足りない所を埋め合わせるといってもリサにとって相当過酷なものになるわ」

「ん、分かってる。でもさ、アタシ・・友希那をほっとけないから。アタシには友希那を一人にさせないっていう使命があるからね。だから、バンドもやる」

「バンドは、そういうのと関係・・」

「うん。バンドはバンドで良い。アタシはそんな友希那の近くにいたいの。これは、自分で選んだ事だから」

 

 悠人が自分の選択肢は自分で決める事を教えてくれなかったら、自分の思いに気づかないままでいたかもしれない。仮に、気づいたとしても今も迷っていた事だろう。だから、自分が友希那の隣で演奏する事を選んだ事は後悔はしていない。そして、いつか友希那がちゃんと昔みたいに笑えるようになるまで隣で支えたい。

 

「・・・ついてこれなくなったら、幼馴染でも・・・抜けてもらうから」

「はーいっ!そのために、練習頑張りまーすっ!」

「バンドメンバーが揃ったら、FUTURE WORLD FES.出場の為の為のコンテストに出る。それは、ちゃんと分かってるの?」

「うん・・・そうだね。分かってる」

「メジャーで『売れる音楽』を強要され、苦しんでいたお父さんを、『今の君達の音楽は要らない』と切り捨てたあのフェス・・・お父さんは、そのせいで音楽を辞めた。ずっと、憧れていたステージに拒まれて・・・だから、絶対に失敗は許されない。許さないから」

「うん。アタシはブランクもあるし、みんなより技術もない。でも、頑張るよ」

 

 友希那がそんな顔をしているうちは、離れるわけには、いかないから。

 

「・・・なら、好きにして」

「うん!!」

 

 アタシと友希那はそれぞれの想いを胸に秘め、家の中に入った。




 如何でしたか?
 新たな登場人物は日菜ちゃんでした。そして、燐子がピアノを始めた理由が幼馴染の悠人に影響されて始めたというオリジナル設定が判明しました。
 燐子と一緒に連弾・・・羨まし過ぎるだろ。
 おい、悠人そこ代われと書いた私はそう思います。
 宜しければ、評価、お気に入り登録、感想をお願いします。どれか1つでもしていただけると作者のモチベupなので。
 それではまた次回お会いしましょう。
 
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