青薔薇と天才少年のコンチェルト   作:カトポン

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 皆さん、おはこんばにちは。
 今回は、前回登場した悠人の姉と名前だけ登場した妹が登場します。
 それでは、第19話をどうぞ。


第19話 神谷家の3兄弟

〈白金家 燐子の部屋〉

 

 私は今日もあこちゃんとメッセージアプリで会話してます。内容はあこちゃんのバンドの事です。

 

『って感じで、まだちょっと怒られはするけど、認められるようになってきた!』

『バンドとして息が合ってきたんだね。あこちゃんのドラムも、どんどん上手くなってるんじゃないかな』

『ふっ・・・これくらい造作もないことよ!』

「・・・ふふ。・・・最近バンドの話一色・・・本当に、楽しいんだ・・・」

 

 あこちゃんのメッセージを見て私は微笑みながらそう呟く。

 今まではNFOとかの話ばっかりだったのにここ最近はあこちゃんのバンドの話しかしていない。

 

『では特別に、我が同朋、りんりんにだけ、演奏中のバンドを見せてしんぜよう』

 

 あこちゃんから、そのメッセージが届いた後、しばらくして

 

「え?・・・動画・・・?」

 

 あこちゃんから送られてきたのは1本の動画だった。

 試しに動画を再生してみると

 

「・・・すごい。あこちゃんが、友希那さんと・・・」

『ありがとう。すごいね!全員で一つの音楽を作り上げてる。みんなでって、こういうことなんだね!』

『・・・・・・・・・・』

「・・・あれ?」

 

 既読はついてるのに、返信が無い。どうしたのかな?

 

『あこちゃん?』

 

 やっぱり、既読はついてるけど、返信が無い。あこちゃんは既読したらすぐ返信するので寝落ちしちゃったのかな?

 

〈宇田川家 リビング〉

 

「ぐ〜〜〜〜・・・むにゃむにゃ・・」

 

 燐子の推測通りあこは寝落ちしていた。

 涎が垂れかけているもののその寝顔はとても気持ち良さそうであった。

 

〈白金家 燐子の部屋〉

 

 あこちゃんが寝落ちするなんて滅多にない事だった。バンドの練習で疲れちゃったのかな?

 それに、この動画・・・・何だか身体が引き寄せられる感じがする・・・。

 

「・・・たとえば・・・もし・・・」

 

 もし、本当にあくまで、仮にだけれど、私のピアノをあこちゃんのドラムのように友希那さんたちの演奏に重ねたら。

 

「・・・どう・・・なるんだろう」

 

 動画に合わせてピアノを少しだけ、少しだけ弾いてみたらどうなるのか。気になった私はピアノを準備し、動画に合わせて少しだけピアノを弾いてみた。

 

「・・・・・・・・・・・!!」

 

 なに・・・これ・・・私・・・ずっと前から、こうやってたみたいに・・・すごく・・・楽しい・・・!

 そのまま、私は夢中にピアノを弾いていた。バンドの音楽にピアノを重ねて・・・

 

〈とある日曜日の夜〉

 

 俺は今、とある回転寿司のお店で人を待っている。もうそろそろで来ると思うんだが・・・

 

「お兄ーちゃんー!」

 

 俺より頭ひとつ以上低い背。セミロングの癖のない艶やかな黒髪を三つ編みハーフアップにした俺に勢いよくハグしてきた少女の名は神谷莉菜。俺の妹であり神谷家の末っ子だ。

 

「久しぶりだな、莉菜」

「うん!久しぶり、お兄ちゃん!」

 

 俺の方が身長高いから莉菜が上目遣いで見てくる。莉菜は俺より2つ下の現在中3で俺や姉ちゃんみたいに会社を経営とかはしてないが、JCモデルとして活動している。

 莉菜が俺の胸に顔をスリスリさせてくるのでだんだん愛玩動物に見えてくる。

 気づけば莉菜の頭を撫でていたが、妹だし嫌がってないから大丈夫だろ。

 

「悠人、久しぶりね」

「久しぶり、姉ちゃん」

 

 今度は背中の真ん中まで伸びた癖のない艶やかな長い黒髪をストレートロングにした女性がやって来た。

 この人が俺と莉菜の姉ちゃんの神谷瑠菜だ。

 

「立ち話もなんだし、店内に入らない?」

「そうね。そろそろ呼ばれるだろうし」

「もしかしてお兄ちゃん。予約してくれたの?」

「まぁな。日曜の夜は混むだろうし」

「さっすがお兄ちゃん。顔も心もイケメンだよ」

「そんなに褒めたって寿司しか出てこんぞ」

「そんなの最高じゃん!」

 

 店内に入るとすぐに呼ばれ、俺達はテーブル席に座る。

 

「何食う?」

「「鉄火巻」」

 

 息ぴったりな姉妹である。今日においてここまで息ぴったりな姉妹は居るのだろうか?

 

「じゃあ、3皿注文するわね」

「ん?何で3皿?」

「悠人も」「お兄ちゃんも」

「「食べるでしょ?」」

 

 ついでに俺の事も手に取るように分かる姉妹だった。

 

「まぁ、食べるけどさび抜きも食いたいから1皿追加で」

 

 レーンを通っていたわさびを2つ取って一つ姉ちゃんに渡す。

 姉ちゃんはというと、合計4皿の鉄火巻きを注文した。

 

「そうそう、悠人に電話で相談した件。無事に解決したわ」

「そりゃ良かった。で、原因は・・・」

「とある部の部長だったわ。元々余り良い噂は無かったけど、色々調べたらパワハラやらセクハラやら色々出てきたわ」

「それでクビにしたのか?」

「いえ、平社員として飼い殺しにしたわ。クビなんて生温いもの」

 

 姉ちゃんが飼い殺しってその部長は一体何をやったんだろう。

 

「お兄ちゃん、パワハラって嫌がってるのに体に触れたりする事だっけ?」

 

 そうだった。莉菜は神谷家に於いては珍しいアホの子だった。

 

「いや、莉菜が言ってるのはセクハラで、パワハラってのはパワーハラスメントの略で自らの権力や立場を利用した嫌がらせって事だ」

「なにそれ!最低じゃん!!」

 

 そりゃパワハラは最低以外の何物でもないからな。

 

「お兄ちゃんとお姉ちゃんはそんな事してないよね?」

「勿論してないわ」

「あぁ、俺もだ。と、鉄火巻き来たぞ」

 

 鉄火巻きが4皿来て俺は最初に取った2皿を莉菜と姉ちゃんに渡し、残る2皿も取る。

 1皿にはわさびを付け、醤油をかけて口に放り込む。やっぱり寿司は美味い。

 残りの一皿にはわさびを付けず鉄火巻きを味わった。

 

「やっぱりお寿司は美味しいね」

「そうね。今まで頑張ってきて良かったと思えるわね」

「そうだな。今日の寿司で英気を養っておかないとな」

 

 この後も仲良く談笑しつつ久しぶりの外食を楽しむ俺だった。




 如何でしたか?
 妹の莉菜は神谷家では珍しいアホの子という設定です。因みに声は鬼頭明里さんがしゃべくり007の時に披露したロリな妹がイメージです。皆から愛されるアホの子となるよう頑張ります。
 それでは次回をお楽しみに。
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