コードインリバース ~護士の因子~   作:偽薬

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コーディン率いる新人達。

彼らの活躍により、下級リバース獣のファングロウは撃破されたのだった。


第7話 ~その男、驕慢につき~

「全員揃ったので、本部に戻りましょう」

 

コーディン、ファラデー、ロクショウ、ゾル。

 

ファングロウの討伐を終えた一行は、ビークルの中に戻っていた。

 

しかし、発射しようとした直前、警告音が響き渡った。

 

「緊急信号か……!発信源は!?」

 

慌てた様子のコーディンが確認をとる。

 

「C部隊からです!」

 

その言葉にファラデーが食いついた。

 

「C部隊……!?カスケードとテルミットがいるところだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐわっ……!」

 

大きな蛇のリバース獣、カーマ。

 

その尻尾に吹き飛ばされ、カスケードは岩壁に叩きつけられた。

 

衝撃で破れたスーツはたちまち修復されるが、繊維に覆われていない顔は打撲の痣が赤く腫れあがっていた。

 

「うぁっ……くっ……こいつはかなり厳しいぞ」

 

その時、後方からビークルが飛んできて荒っぽく着陸。

 

中からファラデーが血相変えて駆け出してきた。

 

「大丈夫かカスケード!いったい何があったんだ!」

 

「ファラデー……俺はいい、それよりあいつの口元を見ろ!」

 

「……!?そんな……ッ!!」

 

ファラデーは衝撃のあまりその場に立ち尽くした。

 

カーマの口からはみ出ているものは……

 

「テルミットが……呑み込まれた!!」

 

女性の足だ。

 

C部隊に女性は1名しかいないはずだった。

 

既に上半身を呑まれたテルミットが懸命に足をばたつかせている。

 

「なんということだ……」

 

「そういうことか」

 

コーディンとロクショウもビークルの中から出てきた。

 

「立てるか、カスケード」

 

「はい、まだなんとか」

 

「ならビークル内で応急処置をしてもらえ。俺達はこれから腹部に衝撃を与えてテルミットを吐き出させる」

 

そう言うや否や、コーディンは自身の専用武器フラクチュアを槍投げの如く投げ飛ばした。

 

ロクショウは前方に出て落ちてくるテルミットを受け止める体制に入っている。

 

しかし、カスケードの表情は晴れなかった。

 

「無理です!無理なんです!!奴のあの表皮!脂肪ッ!俺達が奴を倒せなかった理由もそこにある!」

 

次の瞬間、フラクチュアはカランと音を立てて地面に転げ落ちていた。

 

いや、確実にカーマの腹部に命中していた。それは間違いない。

 

しかし、カーマのゴムクッションのように分厚く柔軟性のある脂肪に弾き飛ばされてしまったのだ。

 

「隊長のフラクチュアが通らない!?」

 

ロクショウは予想外の事態に動揺した。

 

カーマの尻尾が再びしなり、ロクショウに襲い掛かった。

 

「つぁっ!」

 

残像が見えるほどの超スピードで走ってきたコーディンが尻尾にパンチで迎撃する。

 

その拳で一瞬静止した尻尾にロクショウも触れる、本部に戻りましょう」

コーディン、ファラデー、ロクショウ、ゾル。

 

ファングロウの討伐を終えた一行は、ビークルの中に戻っていた。

 

しかし、発射しようとした直前、警告音が響き渡った。

 

「緊急信号か……!発信源は!?」

 

慌てた様子のコーディンが確認をとる。

 

「C部隊からです!」

 

その言葉にファラデーが食いついた。

 

「C部隊……!?カスケードとテルミットがいるところだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐわっ……!」

 

大きな蛇のリバース獣、カーマ。

 

その尻尾に吹き飛ばされ、カスケードは岩壁に叩きつけられた。

 

衝撃で破れたスーツはたちまち修復されるが、繊維に覆われていない顔は打撲の痣が赤く腫れあがっていた。

 

「うぁっ……くっ……こいつはかなり厳しいぞ」

 

その時、後方からビークルが飛んできて荒っぽく着陸。

 

中からファラデーが血相変えて駆け出してきた。

 

「大丈夫かカスケード!いったい何があったんだ!」

 

「ファラデー……俺はいい、それよりあいつの口元を見ろ!」

 

「……!?そんな……ッ!!」

 

ファラデーは衝撃のあまりその場に立ち尽くした。

 

カーマの口からはみ出ているものは……

 

「テルミットが……呑み込まれた!!」

 

女性の足だ。

 

C部隊に女性は1名しかいないはずだった。

 

既に上半身を呑まれたテルミットが懸命に足をばたつかせている。

 

「なんということだ……」

 

「そういうことか」

 

コーディンとロクショウもビークルの中から出てきた。

 

「立てるか、カスケード」

 

「はい、まだなんとか」

 

「ならビークル内で応急処置をしてもらえ。俺達はこれから腹部に衝撃を与えてテルミットを吐き出させる」

 

そう言うや否や、コーディンは自身の専用武器フラクチュアを槍投げの如く投げ飛ばした。

 

ロクショウは前方に出て落ちてくるテルミットを受け止める体制に入っている。

 

しかし、カスケードの表情は晴れなかった。

 

「無理です!無理なんです!!奴のあの表皮!脂肪ッ!俺達が奴を倒せなかった理由もそこにある!」

 

次の瞬間、フラクチュアはカランと音を立てて地面に転げ落ちていた。

 

いや、確実にカーマの腹部に命中していた。それは間違いない。

 

しかし、カーマのゴムクッションのように分厚く柔軟性のある脂肪に弾き飛ばされてしまったのだ。

 

「隊長のフラクチュアが通らない!?」

 

ロクショウは予想外の事態に動揺した。

 

カーマの尻尾が再びしなり、ロクショウに襲い掛かった。

 

「つぁっ!」

 

残像が見えるほどの超スピードで走ってきたコーディンが尻尾にパンチで迎撃する。

 

「くっ……!」

 

コーディンは弾力にはじかれて飛ばされていったが、その打撃で一瞬遅くなった尻尾にロクショウも触れる。

 

「"平林"!」

 

攻撃の軌道を逸らせ、地面に叩きつけようという魂胆だ。

 

「うおっ!?」

 

しかし、叩きつけられたのはロクショウの方だった。

 

「うああああああッ!!こ、こいつの表皮……"滑る"!俺の拳法が、全く通らないっ!」

 

後方に吹き飛ばされたコーディンは、地面に着地し、前方を見た。

 

(直接触れてわかった……奴の脂肪には直接的な打撃はほとんど通らない!)

 

コーディンの専用武器フラクチュアは、彼の能力に合わせて開発されたものだ。

 

コーディンの能力。

 

それは"隙間に亜空間を作り出す"というもの。

 

かなり使い勝手の悪い能力だが、実戦経験を積む内にコーディンはある法則を見つけた。

 

それは『手で直接でなく、自分が持っている棒などを触れさせても亜空間は発生する』というものだ。

 

フラクチュアはその性質を利用した武器だ。

 

触れた相手に微細な震動を与えることで細胞の隙間を作り、そこに亜空間を作ることによって崩壊させる。

 

この武器により、リバース獣との戦いにおいてコーディンは最強になった。

 

しかし、今相対するカーマにはそれも通じない。

 

奴の脂肪はゴムまりのように柔らかく、隙間が生じる余地もない。

 

即ち、コーディンにとって相性最悪の敵というわけだ。

 

最強イコール無敵というわけではない。

 

「しかし……このままではテルミットとロクショウが!」

 

ロクショウはすり潰される胡麻のように地面にこすりつけられている。

 

テルミットの足ももうつま先しか見えなくなっている。

 

万事休すかと思われたその時。

 

「はぁ~……ダセェんだよォォォォォお前らのやり方!隊長が下位種相手に手こずって、恥ずかしくないの?」

 

「何?」

 

声がする方を振り返ると、そこには三白眼の戦闘員がいた。

 

「お前、確かヤコブとかいう新人か……お前こそただ見ているだけじゃあないのか?」

 

「ぐおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

カーマに投げられたロクショウがヤコブ達の前に飛ばされてきた。

 

ヤコブはしゃがみ込み、ロクショウの腕を掴んだ。

 

「すまん……俺はもうダメだ……」

 

「いーや、まだまだ体張ってもらうぜ」

 

そう言うと、ヤコブは突然ロクショウの体を空中に投げ飛ばした!

 

「な……なにをッ!?」

 

「戦えない戦造人間など、必要ない!」

 

「ロクショウ!?ヤコブ貴様ーッ!何のつもりだ!!」

 

「慌てんなよ。戦いの役に立ってもらうだから……まあ見てな」

 

無防備なまま宙を舞うロクショウ。

 

それに反応したカーマは、ロクショウに食らいつこうと口を突き出した。

 

「!!」

 

しかし、突如カーマは動きを止め、苦しそうに唸り始めた。

 

目の前の獲物に夢中になるあまり、テルミットをのどに詰まらせてしまったらしい。

 

「よぉし……これで討伐できる」

 

満足げな表情を浮かべるヤコブを見て、コーディンは複雑な心境だった。

 

今の行動によってカーマ打倒に近づいたのは確かだ。

 

しかし、そのために平気で仲間を犠牲にするそのスタンスに、前隊長ボイルの面影を感じずにはいられなかった。

 

「隊長!」

 

背後から聞こえたカスケードの声で、コーディンは現実に引き戻された。

 

カスケードと一緒にファラデーも走ってきた。

 

「今、テルミットから連絡が入ったんです!」

 

「……!」

 

どうやらテルミットはカーマの喉元にうまいこと留まっているらしい。

 

つまり、テルミットはまだ再起不能ではないということだ。

 

「とどめは俺達にやらせてください!」

 

「何か策があるようだな。いいだろう」

 

カスケードは戦造人間専用銃『イレイザー』を腰のホルスターから取り出した。

 

イレイザーは、戦造人間の生命エネルギーを弾丸に変換して発射する装置だ。

 

大抵の戦造人間からは直接殴った方が強いという理由からあまり使われていないのだが、カスケードはこのイレイザーを愛用していた。

 

「俺の”弾”は、壁をすり抜ける」

 

そう呟くと、カーマに向けて弾丸を数発発射した。

 

弾はカスケードの宣言通り、カーマの首の肉をすり抜け、体内へと入っていった。

 

「~~~~~~~~!?」

 

途端にカーマが身をよじらせ、口からテルミットを吐き出した。

 

「おっと」

 

降ってきたテルミットの体を受け止めるカスケード。

 

「おい!今のは一体なんだ!何をやったんだよ!」

 

何が何だかわからないという様子でファラデーが尋ねた。

 

「俺の弾は壁をすり抜けるってことはさっき言ったな?その弾をテルミットが蹴り飛ばして体内の内臓に拡散したって寸法よ」

 

「ふぅうう~……正直言ってかなり命の危険を感じたわ……かろうじて喉頭にしがみつけたけどね」

 

カーマが地面に倒れこんで痙攣し始めた。

 

「さっ、最後の一撃頼むぜファラデー」

 

「お、おう!」

 

カーマの口が開いた瞬間。

 

「ンンンンンスパァァァァァァキンッッッッッッッ!!!!」

 

ファラデーの拳から電流がほとばしり、カーマの口から全身に入り込んだ。

 

「HGONNNNNNNN!」

 

声にならない悲鳴と共にカーマは息絶えたのだった。

 

喜ぶファラデー達を他所に、コーディンの表情は重いままだ。

 

(下位種の中でもかなり強い方だった……そろそろ下位種の数を抑えるのも限界か……?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅう……」

 

ヤコブに投げ飛ばされたロクショウは遠い地面に落下していた。

 

「あの野郎……うっ……ひとまず戻らなくては……ハッ!?」

 

地べたを這うロクショウの目の前にいたのは、ゾルだった。

 

「ゾル……?お前、ビークル内で待機していたはずじゃ……」

 

「おいおい、酷い反応だな……俺はお前を迎えに来たんだぞ?」

 

ロクショウはゾルの本当の目的を薄々察していた。

 

ゾルは仲間を迎えに来るような男ではない。

 

「その前に、もう少し怪我してもらう。再起不能になるぐらいにな!!」

 

ゾルは足を上げ、既に満身創痍なロクショウの背中を凄まじい力で踏みつけた。

 

「ぬあぁぁああああああああああああああああああああああああああああッッッ!?」

 

あまりの激痛にロクショウは失神してしまった。

 

「ふん、元非戦闘員の成り上がりがしゃしゃり出やがって……これでしばらくは病棟から出られまい」

 

そう呟くと、ゾルはロクショウの体を引きずりながらビークルへ戻っていった。

 

 




「あんまり戦績が芳しくないね」

「ロクショウをやったのはお前か?」

「ここでやり合ってもいい」

「遂に出てきたか、上位種ッ!」


次回  『ネクスト・ステージ』
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