魔法の話   作:犬屋小鳥本部

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過去か夢か

時間は過ぎ、城…今ではしっかりとした学校ですね。

学校の外では二人の魔法使いがやんちゃしているようです。しかも卒業生ですと?

なんたる無様な…

ダンブルドアとグリンデンバルトとかいう…知っているような知らないような知らないような、そんな名前だった気がします。

気がするだけです。

 

4人の魔法使いたちが去った後、私の意識体は徐々に形を変えました。

ほら。~に毛が生えた程度の物って言葉、あるでしょう?あれです。

つまり、元々よくわからない未確認黒い物体が未確認黒いもふもふへと形を変えただけです。

ちょっとだけ目に優しい。

その為、ホグワーツ周辺の森の生き物たちとは良好な関係が築けました。というか、私も「森の動物」の一員と化しています。

 

さて、情勢も安定してきたみたいなので私は外へ出掛けてきます。

森の仲間に見送られ、徒歩?で旅する毛玉。

もっふーーー

今さらですが、毛玉には特別な能力はありませんので!魔力はありますよ、たっぷりと!

この!もふもふに!静電気の如く魔力を蓄積させているのです!

 

私のことは置いといて、この先の家に何かありそうな感じがします。ただの勘です。

でも、重要なもの。

私たち野性動物にとって、勘などの本能はとても重要なものです。時にそれは生死をも左右します。

 

この先にあるのは、きっと命に関わる物。

 

少し歩くと、一軒の家がありました。私はその中に入り込み、そして、見つけました。

指輪です。

更にいうと、指輪についている宝石をです。

「蘇りの石」。

死の秘宝のひとつであり、すでに死んでしまった人を生き返らすことが出来る石。

 

指輪についていたその石を私はそっと取り外し

 

 

 

飲み込んだ。

 

 

 

大丈夫。きっとこれでいいはず。

用は済んだので私はその家を去りました。

 

 

飲み込んだ石の影響か、それ以降意識が途切れ途切れになります。

まあ、それ以外の理由もあるのでしょうね。

ですが、あの子に会うまでは眠れません。

 

更に時間が過ぎ、私はあの子に出会いました。

見た瞬間「ああ…これはまずい。」と直感的に感じました。

トム・マールヴォロ・リドル。

後の厨二病お辞儀さま(笑)もとい、ヴォルデモート様です。

会ったときの会話は今でも覚えているくらい最悪でした。

むしろスリザリンの対応の方がマシでした。

「今日の夕食か?」

「(いらっ)煙草さんですか?」

「は?」

「だって、トム・マルヴォーロ・リトル」

生き物認定さえされませんでしたよ、私。

ああ、スリザリン。貴方はなんて優しかったのでしょうか…!一応癒しの獣とか言ってくれてましたし。

 

とにかく目の前の方を何とかしましょう。

まだ10才にも満たない彼ですが、絶対に今後何かやらかします。犯罪者予備軍です。

おちょくるのはやめときます。

しばらくはこの子と一緒にいましょう。

強い魔力を感じるので、あの学校へ行くことになるでしょうから。

 

「しばらくはあなたといますよ」

「お前はなんなんだ」

「ただの毛玉です」

「毛玉?」

「以前そう呼ばれていました」

「毛玉か」「毛玉です」

「喋る毛玉か」「喋る毛玉です」

「毛玉の分際で」「人間の分際で」

「喋るだけだろう」「魔法を使う人間は化け物ですか」

「僕だけが特別だ」「私は他のものと変わりありませんよ」

「世界はくだらない」「私はまだ世界を知りません」

「命に価値などない」「貴方の命にも価値はないのですか」

たくさん話をしました。いつだって意見は対立してしまいますが、あの子も私も最後まで自分を譲りませんでした。

価値観の違いも、種族が違うからという理由で許されていたのでしょうね。

 

理解しようとしなくても、自然と私たちは互いのことが解るようになっていました。

「どうして僕と一緒にいる?」

「私は貴方を好きではありませんが、嫌いでもありません。それに、貴方の未来を見てみたいのです」

 

 

貴方の未来で出逢いたいのです。

 

 

一緒にいる理由はありませんでした。ただなんとなく。

 

私はあの子の名前を呼ぶことはしませんでした。あの子自身、自分の名前を気に入ってはいませんでしたから。

 

さあ、あの子も11才になりました。

ホグワーツ魔法学校へ行きましょうか。

 

 

 

 

毛玉認定された私ですが、この扱いは2回目なので大目に見ましょう。

 

とりあえずは里帰りです。

 

 

ホグワーツは、私を待っててくれるでしょうか。

 

今も、昔も、そして

 

未来も。

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