気づいたら私、ロンのところに行ってました。
「ロン、何か言うことはないのですか?」
「く、クロー?」
「ハーマイオニーのこと。言うことはないのですか?」
「ぼくは何も言うことなんか」
「私に!言うことはないのですか!」
ハーマイオニーのことで私に言うことはないのですか。
ハリーは気づいた様です。
私は組分け以来、3人と会話らしい会話をしていませんでした。組が違うという理由で。
他の組の事は人づてに聞く程度。
勘違いしていたのです。
3人は仲良くやっているのだと。
だって同じ時間を過ごせているのですから。
会話だってでき、触れあえるのですから。
それなのに、ロンは彼女を傷つけた。
私は、彼女が傷つくまで気づくことができなかった。
「友だちだと思っていたのに!
言ってくれないとわかりません!」
ロンの気持ちも。
ハーマイオニーの気持ちも。
もちろんハリーの気持ちも。
わかるはずがない。
この時自分がどんな顔をしていたかはわかりません。
ロンの双子の兄曰く
「すっげー顔してたぜ(笑)」
とのことです。
解せぬ。
「…ごめん」
「謝る人が違います。わかりますね?ロン」
ロンはおとなしく頷きます。
「でわでわ。ハーマイオニーを迎えに行っ」
バタン!
突然大きな音を立てて扉が開かれました。
そして、クィレル先生が大広間に駆け込んできて
「と、トロールが……地下室に……。お知らせしなくてはと思って――」
と言い残し倒れ込みました。
へんじがない。ただのしかばねのようだ。
…と思ったのはここだけの話です。
トロール。
校内に。
もう生徒は大パニックです。
その場は校長が治めてくださり、生徒は寮に戻ることになりました。
「ハーマイオニーを迎えに行かないと」
ハリーがロンと私に言います。
「そっと抜ければいいよね?」
ロンも同意します。
「急ぎましょう」
ということで、私たち3人は女子トイレに急ぎます。
これだけ言うと変な意味っぽいですが
ハーマイオニーは地下室近くのトイレにいました。
トロールもきっと近くにいるはず。
「ハーマイオニー、いますか~」
(「とりあえず、ここは私がハーマイオニーを引きずり出します。話は後で」)
(「頼んだよ、クロー」)
ロンが入り口から外を見て、ハリーが後ろに控えてくれています。
カタンと音がします。
そして小さく
「い、いないわよ~」
ぶっふぉwww
ハーマイオニーーー!wwwなにこれかわいい!www
これ、相手が私だからやってますね?
うわwwwハリーとロンも笑いを堪えてますwww
いつもこうであればいいのに。
すすっと声が聞こえた戸に近づいて
「はい。かーくほーwww」
「クロー…
いないって言ったじゃない」
「きーこーえーまーせーん」
あれ?ハリーとロン驚いてますね?
ふふん。なにを隠そう私とハーマイオニーは図書館仲間なのですよ。
別名ガリ勉仲間。
じゃなくて、今は急がないと。
「ハーマイオニー、事情がありまして避難しないといけない状況なのですよー」
「避難って何から?」
「来たぞ!」
ロンが叫びます。
入り口の方を見ると、のっしのっしとトロールが入って来るところです。
「どうしよう?!」
「ノロマだけど勝てっこないぜ?!」
「逃げます!逃げるが勝ちです!」
私は即座にハーマイオニーの手を引いて走ろうとしました。
しかし、なぜ。
「うをぉぉぉぉぉぉ」
急に雄叫びをあげてトロールは私とハーマイオニーの方に突っ込んでくるじゃありませんか!
あ、やばい。
ハリーとロンは左右に避けていますが、私たちを助けるには離れすぎています。
私はとっさに
どんっ
「クロー?!」
ハーマイオニーを横へ突き飛ばしました。
私の身体は個室を突き破り壁に叩きつけられます。
いしき とびそう(おきろ)
いたい(おきろ)
ねむってしまえ(ともを まもれ)
1度瞑りそうになった目を開くと、ハリーが杖をトロールの鼻に差して掴まり振り回されているところでした。
ロンが杖を向けています。
ハーマイオニーが叫びます。
「ビュ~ン、ヒョイよ!!」
ロンが杖を振り叫びます。
「ウィンガーディアム・レビオーサ!」
ふわっ
トロールの持っていた棍棒が浮きました。
ハリーを引き剥がし、逆さ釣りにしていました。今にも棍棒で殴ろうとしていたところだったので、トロールは何が起きたのか分からず一瞬呆けます。
立ち上がることもできないまま、私は右手の人差し指を伸ばして上に上げます。
視線はトロール、の頭上に浮く棍棒。
そしてスッと一気に下ろし、同時に呟くように唱えます。
「神鳴(カミナリ)」
電光が走るのと同時に私の意識は今度こそ完全に途絶えました。
先生たちが現場に辿り着いたのはトロールが倒れ伏した後でした。
続きました。