丁嵐聖子 腹の中
(…あったかい、これは何だというのだ)
丁嵐家
「奥さま気張ってください!」
女は腹式呼吸をし全身に力を入れる
助産婦は出てきた頭を力を入れながら引っ張り出す
「ヴーうー、はあはあ、ひーひーふうううう、ひーひー」
∴∴∴∴∴
「空次ー」
「はぁーい」
ただいま俺は絶賛お遊び中である。前世では火力発電所の作業員だった俺だが今世ではなんと明治末期の子供である。
うんまあ平成でも子供時期があったから明治の子供は正式な称号ではないか…美術商の息子(次男)というのが正確な今の称号か。。
そんな明治にタイムトラベルした俺は美術商の息子として裕福に育っている。ただ目標がないかというと当然ある。それはアジアのロックフェラーとなることだ。むしろロックフェラーを食ってやるぜ。
なぜこんなことをいうかと言えば今の時代は明治末期1899年。そのうち世界大戦が勃発し、戦争に行く羽目になってしまうそれを回避する方法は二つ政府高官となること或いは大金持ちとなって政府に献金することこの二つしかない赤紙なんぞ送られた日にゃ絶望ですよ。
もちろんここが俺の知る明治と違う可能性は十分に存在する。それならそれでいいが外を見る限りめちゃめちゃ文明レベルの発展した世の中ではないということは俺の知る限りの石油精製法を使えば、世界の石油市場を席捲できるはずだ。
世界シェアに食い込もうモノならもしかしたら第二次世界大戦を阻止できるかもしれない。
世の中は必ず動き出すはずだ。さあ世界よ俺とともに踊ろうではないかハハハハハ 知識とは力だなw
そんなわけで僕はおにいちゃんと蹴鞠を全力を出して行う。あー本読みテー
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四歳児となった俺は手習いを習うこととなった。しかし手習いはもちろん現代知識をもつ俺には簡単なことよ。まあ文字に関してはやはり昔の日本ならいカナと漢字を使った文、平成では消滅していた漢字もあるためまあまあ大変だったがそれももう終わり。
「お兄ちゃんあそぼー」
「空次か…」
孤高の天才児である俺は12歳児の兄はもうとっくに追い抜いてしまった。おかげで両親は俺をちやほやするよっておにいちゃんは不機嫌極まりない。本当にごめんねただ早熟なだけなんだけど。
「ごめん。今日はそろばんの手習いがあるんだ」
「そっか…わかった…」
全力で寂しいがおをするそうすると
「わかったよ。帰ったらあそぼう」
お兄ちゃんは俺の顔に冷たくあたったのを後悔したのか態度が軟化した。たくちょろいぜ
「わかった待ってる!」
と笑顔かわいすぎるスキルを使うとお兄ちゃんはワシワシと頭をなでた。俺は前世では親にも兄にも恵まれなかっただからこういう兄弟のやり取りみたいなことをするととてもうれしい
早熟なおれが天才と呼ばれること以外は本当にこの家族生まれたことを感謝している。ほんとうにとにかく幸せな感じだ。
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6歳児になった俺は手習いを卒業し美術商の小姓として働き始めた。美術品というのはいつの時代も美しいものだと心から思う。
両親は大きな骨董店を経営しており僕は商品の値札付けと経理を任せられている。五歳児に経理を任すとかちょっと前世では考えられない。まあこちらでも超特殊だが。
まあこちらで早いうちから働くことになるうちの兄貴も商品の仕入れを一部任されているし、こっちでは男の子≒働き手だ
師走、勘定方として金勘定をして一日が終わり家族団らんで食事をとろうと食卓に着くと明らかに父の機嫌がいい、
「お父さん今日ずいぶん機嫌がいいけど何かあったの?」
兄が食事をとり始める前に聞くと待ってましたとばかりに父が答えた
「実はいい掛け軸を買ったんだ」
「掛け軸かあそんなに有名な書き手だったの」
「いいや書き手は不明だがなんともいえん出来でな不思議な魅力がある、しかも二束三文で手に入ったんだよ」
「そりゃあ凄いなんでそんないい掛け軸が二束三文なの?」
父が言うには遺品整理の依頼がありお邪魔した収集家の家の金庫に眠っていたらしい。これはなんだと遺族の方々に聞くとなんと死んだじい様が趣味で集めていたものだという
それにしてもほかのモノはきれいに飾ってあるのにこんなにいい掛け軸が飾ってないのかと聞くと掛け軸に鬼が出るとじい様が叫びながら金庫に封印したらしい遺族もそれを知っているから引き取ってくれるなら二束三文でいいということだ
「ええ…父さん其れって曰くつきじゃないの?」
兄が不満そうに尋ねる
「まあ曰く付きでもすぐに手放してしまえば大丈夫さ、あれだけいい掛け軸だすぐに買い手は見つかる」
「明日僕が掛け軸の収集家の方に声をかけてみるよ」
「なんだよ空也怖いのか?」
父が煽ると
「怖くなんかないよ!ただ家族になんか会ってからじゃ遅いからいってるだけ!」
もう図星だよと言わんばかりに兄が怒るのでちょっとわらけてくる
「あらあら、大丈夫よ空也のことは母さんが守ってあげるから」
母さんも持ち前の癒し系の声で面白がるので俺も参戦する
「兄様は俺が守る!」
そういうと、父が空次のがずいぶん肝が据わっているなとニヤニヤするため兄はもうこれ位以上くらい赤く頬を染め上げた
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食事が終わる寝る身支度をしていると兄がいいものを見せてやると言って自分の部屋に俺を引っ張った
そして兄が机の中から取り出したのは一本の脇差だったそれを兄がぬくと刃の根元には悪鬼滅殺と書かれていた。
何よりも美しいのはその刀身が淡い空色になっていることだった。
「見ろこれ今日お得意様に無理やり連れてかれた闇市でみつけたんだ。俺の持ってた金全部使っちまった」
本当に美しいその刃物に言葉を失い見とれていると
「実はこれをお前にあげようと思ってな」
兄の不意打ちに本当に大きな声を出してしまう
「えええいいの!?」
「本当はお前の誕生日のお祝いを買おうと思ってたんだ、だけどこれをあまりに欲しくて買ってしまったからすべての金を使い果たしちまったしな」
「それでもこんな高いもの…」
「まあいいんだお前正直子供用のおもちゃを買ってもらったって上辺だけ喜んでおしまいだろ」
うぐっばれてたのか…おれが反論しようとすると兄が指を立てる。
「ただし正直だか子供のお前にこれを持たすのはよくない、だから元服までこれは俺が預かるいいな!」
正直今すぐほしい欲しいけど兄の言うことは正論過ぎて言い返しようがない
「わかりました、でもたまに兄さまのその脇差をみてうっとりしてもいいですか?」
。
兄が少し考えて
「いいぞでも必ず俺に許可を取って俺の前で見ること。」
といった
俺はその日の夜その美しい脇差を忘れられず眠りにつくことができなかった。淡い空色の刀身が瞼の裏に張り付いて離れない
朝日が差し始めるとようやく眠くなりはじめ短い睡眠をとった。
最高の誕生日プレゼントだった。
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数時間後起きると家の中に人がいなかった事件は昨晩おきていた。
書き終えました次いよいよ鬼が出ます
主人公が戦い始めるのは四話以降だと思います