空模様   作:不死ノ山

3 / 10
いよいよ鬼滅の刃っぽくなっていきます。弟子入りが五話以降なのでいつまでたっても呼吸使わねえじゃねえかとか言わないでください。


一方的なデスゲームの始まり

眠りに入ると静かに夢を見る。

見知らぬ家の前に立っている俺は暗い明りのない家に入るとそこは意外にもよく見おぼえがある食卓を囲む居間だった。しばらくすると母が味噌汁を作るにおいが香ってくる。また新しい扉が目の前に現れる俺はその扉に手をかける、手をかけると背筋に悪寒が走る急いで扉を開ける。

そこにあったのは地獄血まみれで倒れる母と父そしてそれを食らう金色に輝くお釈迦様その閉じているはずの目はぎろりと開いて血走っている。

俺は狂ったように叫ぶ

 

∴∴∴∴∴

「…次起きろ!空次起きろ!」

目を覚ますと血まみれの兄の顔がある。寝ぼけているのか。もう一度目をこする

 

「起きろおおおおお!」

兄上が今までで一番大きな声を出す。びっくりして裏返った声で大きく「はい!」と返事をしてしまう

そこで初めて夢の続きでないと気付く

 

夢じゃない血まみれの兄上は本物だ!

何があったのだ。一生懸命今何が起こっているのか理解しようと血液が超速で脳に集まっていくのを感じる。

 

「兄上!な、なにがあったというのですか!」

 

「鬼だ!鬼が出たんだ!父も母も鬼に喰われた…鬼が喰ったんだ。信じられないだろうが本当に鬼が出て父と母を食ったんだ!いいか空次お前だけでも逃げろ!これをもって逃げろ。俺はアイツに狙われてるらしい。奴が来る前に」

何を言っているかわからなかった。でも兄の顔から緊急事態なのはわかった。

 

「待ってくださ」

途中まで口に出したところでしゃべるのをやめた。誰かが近づいてくるのがわかった。廊下がキィッキィーと鳴く音が聞こえた。

 

その音は俺の部屋の前で止まった。

 

「兄上逃げましょう窓から逃げれば逃げ切れます。」

兄にそういうと兄は首をゆっくり首を横に振った。

 

「俺はもう無理だあいつに目をつけられた。いいか逃げるんだどれだけ疲れても夜明けまで逃げ続けろいいな。兄ちゃんはお前をあい」

 

兄がそこまで言うとバシュッという音が兄の言葉を遮った

 

「え」

次の瞬間俺の目の前の兄は頭と首から下が別々になっていた。

 

「ヒャアフフフフふふふふ、捕まえたぞ捕まえた♪稀血だ稀血ぃーーーー」

兄の首を切り離した男は奇声を上げて喜んだ。

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃあああああああああん」

今まで出したことのない声の扉が開いた

 

「うん、まだ子供がいたのか稀血に興奮しすぎて気づかなかったぜ」

鬼は少しあごの下を掻くと

 

「おいガキィ、いま俺は本当に機嫌がいい一旦お前を逃がしてやるよ。この稀血を食べてからおまえを食いに追いかけてやる匂いは覚えた。文字通り鬼ごっこだ!がんばって生きてみろよガキィ」

何を言っているだこいつは 人を食うだと一体何の話をしているんだ。

 

「お前は…お前はなんなんだ!一体お前は何者なんだあああああああああ」

 

「うん?俺か俺はなア万福、鬼だ!」

「まあ正確には血鬼術の一部なのだがそんなことを理解する必要はない俺は掛け軸に住む鬼。」

「考えたことはないか?人間は本当に食物連鎖の頂点なのかってそ、俺たち鬼はその頂点の人間を食らって生きる者たちのことだよw傷がついてもすぐに回復、寿命もねえそれこそが鬼!さあさあ逃げろクソガキが今から俺は食事をとるんでね邪魔をしないでゲームに興じろ!たのしもうぜえ!」

 

「うわあああああああああ」

大声を出して窓を突き破って、俺は逃げ出した。

五分だったか十分だったか走り続けた。所詮は子供の体これだけの運動すぐに疲れ果ててしまう。

足を止めるとアドレナリンの分泌が落ち着いたのか高揚感が消え思考がクリアになってくる。

なんだよ。何だというんだどうしようもない男だ。おれはずっと生きてきて特別な人間だと思ってきた。というか特別な人間に決まっている。だって前世の記憶があってしかもその記憶は未来のもので、世界の市場ですら本気を出せば牛耳れると思っていた。

それなのに目の前に迫った化け物に対して何もできず、しかもただ死を待つだけなんて今までの自分の傲慢さを恥じる。父と母と兄を殺されて何もできず尻尾を巻いて逃げることしかできない愚図だ。根性なしだ。この野郎、家族は俺に本当の家族愛を注いでくれた。俺なんかまがい物、本当の家族ではないのにも関わらずだ。死んだ父、母、兄は転生できるのだろうか。今世で果たせなかった思いを来世では晴らせるのだろうか。

 

「クソ、クソ、クソ、クソおおおおおおお」

頭がグルグル回る。

「俺は、俺は根性なしじゃない」

やってやるやってやるどっちにしろ死ぬんだったら一矢報いてやる。好き勝手にさせねえぞ鬼!!

 

∴∴∴∴∴

side万福

 

ムシャムシャガキっ

 

うめええうめえええ

「最高だぜ」

稀血味は最高だぜこれなら本体もだいぶ強くなれるはず

 

万福という鬼は血鬼術で本体の分身をほかの物質に宿らせることができる鬼だった。

この方法は万福が考えた最高の食物供給システム、本来鬼は食料を食べれば食べるほど強くなることができる。しかし一所にとどまり多くの人間を食べると鬼狩りを呼び寄せてしまう。そして強い鬼狩りに当たればそれまでの努力は水の泡となる。

しかしながら分身ならば死んでも本体には何ら影響がない、よって思う存分人間を食い散らかすことができる。それでもし鬼狩りが来て殺されたら新しい分身をモノに植え付ければいい本体はのうのうと分身を植え付けているだけで半永久的に食料を得ることができるのだ。

 

 

「最高の味だ」

「前の爺には騙されてろくに飯も食べられなかったからな」

あの爺もっと多くの人間を連れてくるなんて言って俺を閉じ込めやがって許せねえクソが

 

「それにしてもうまかったぜ、さて食後の腹ごなしにデザートでも探しに行くか」

バンバンバン

突然の破裂音と一緒に体に風穴があく

 

「いってええええ!」

窓の外から攻撃された!どういうことだ鬼狩りか!?

 

外から叫ぶ声が聞こえる。

「おおおおおい、このクソ鬼が今から手前をぶっ殺してやる。こっちへ来てみろこのしょんべん漏らしがああああ」

万福は理解するのに時間がかかった。その声は先ほど逃がした子供の声だった。わざわざ戻ってきたのか。何のために…そんなこと決まっている今の俺の現状を見ればわかる。奴は俺に攻撃してきたつまりこの俺を殺しに来たのだ。

 

「クソガキいいいい、なめた真似してんじゃねえよ‼」

「殺す、殺す、殺す、殺す」

怒りがすべてを支配する。

 

すかさず外へ飛び出し弾丸のきた方向へ攻撃を仕掛けようとするがすぐに攻撃を止める。

「チッ逃げやがったか」

少年の姿はすでになかった

 

「でもな、どれだけ逃げても仕方ないんだよ。俺にはこの鼻があるからな!」

匂いを使って少年の位置を探るそこで万福は気づく

「あいつ体全体に泥を塗ってやがるのか」

 

「でもな匂いは嘘をつかねえんだヨおおおおおおお、ヒヒャハハッハハ」

 

∴∴∴∴∴

side空次

 

「やってやった!やってやったぞおおおおお」

 

「よしこれであとは奴を葬るだけだ」

 

「見せてやる。見せてやるぜ俺こそ丁嵐 空次だ」

 

∴∴∴∴∴

side万福

 

「匂うぞ、匂うぞ、分かるぞ、分かるぞ」

万福は少年の気配がする場所へ近づいていくそして扉の前で止まるとこみ上げる笑いをこらえる

 

「泥で自分のにおいを隠すのはいい手だったな、だが使う武器も考えておくべきだったな。プンプン匂ってんだよおおお使い立ての硝煙のにおいがなぁぁあ」

勢いよくドアをぶち破る…しかしそこにあったのは一丁の銃のみ

 

「くそおそおおおおおおおおおおお、なんだなんだ!むかつくガキだぜ!かならず殺してやる」

頭の回るクソガキが殺してやる殺してやるううう

 

少年を追う方法がなくなった万福はあたり一帯を壊し始める。

 

「クソがa!くそがあ!」

万福は暴れていた。目に入るものすべてを破壊する。自分の気まぐれで逃がした少年にこれだけおちょくられたことに文字通り鬼のように怒った。何よりイラつかせたのは自分は少年の罠にまんまとはまり掌の上でおどらされていたこと。しかも今の自分には少年を確実に殺す術がないこと。そのことこそ八つ当たりの原因であった。

 

一通り暴れた万福は冷静さを取り戻していた。おそらく朝になれば掛け軸はまた少年の手によって封印されてしまうだろう。ならばいま分身である俺がすべきことは一つ

 

「少しでも多く栄養を本体に送ってやる!ここいらの人間みなごろしだ、朝まで暴れ続けてやる」

万福がそう決め一歩踏み出そうとした瞬間”ブスリ”鈍い音とともに内蔵がえぐられる感覚

 

「よおクソ鬼。ゲームは俺の完全勝利だぜ」

万福は笑った。最高の気分だった。獲物が戻ってきたのだから

 

∴∴∴∴∴




なぜ空次が出てきたのでしょうか。朝まで待てばいいのに、目立ちたがり屋はこれだから困る。いよいよ次話決着です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。