何やかんやあり11歳になった。
尋常小学校は3年で飛び級卒業した。もう最速すぎてビビったらしい9歳から中学校に行き今年卒業である。もうクソ天才すぎて高校のほうから僕を取りたいという申し出がきた。しかし迷っている。
それは俺には野望があったからだ。あったというのは正確を記すためだ。つまり今はない、その野望は鬼を絶滅させることだ。
五年前俺は鬼の分身を殺した。最後に奴が放った言葉を読み取るにこの世には鬼はアイツだけなく、ほかにもいるらしい。
家族を殺した鬼を許せなかった。鬼を殺せるように修行をした。左腕を右腕並みの力が出せるようにしたし、だいぶ走り込んだりもした。
剣術道場に通い竹刀をブンブン振った。柔術もかじり子供の体ながらそこら辺のチンピラには負けない。
年がたつにつれて憎しみの感情はどんどん薄れていった。いや恨んではいるが他の道が見え始めてるということだ。
このまま高校大学へと進みエリートとしてこの国に貢献する未来だ。五年前には必ず鬼を殺すと決意をしたにもかかわらず。年月とは恐ろしいものである。
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俺はいつものもっとも下座の席に着いた。
「どこの高校に行くか決めたか?空次」
最近は俺の名前しかあがらない。まあそれも俺ができすぎるからなのだが…やめてほしい。清吉さんには感謝はしているのだが俺が注目されるたび、要吉の嫉妬が激しくなるからだ。要吉は本当は11歳にもかかわらず140センチもある。
だからと言って負けることはあり得ないが、それでもやり返しがなしというルールでは至極めんどくさいのだ。
「空次さん、東京の高校はどう?将来帝大も視野に入っているのだから東京に住んでならしておけばいいじゃない」
道子がそういうと「まだ11だぞ一人暮らしなど…」と清吉が言うと「全寮制の学校に決まってるじゃない」とあきれたように言う。
道子が東京を薦めるのは別に遠くにやりたいという悪意からではない。純粋にそう思っているからだ。俺はこの五年間の間で経理を見直し、知識を与え、この葵屋を立て直した。
名物を作ることによって葵屋はこの宿場町一番の宿屋になり、うわさを聞きつけ遠方からわざわざ足を運ぶ人もいるくらいだ。この功績により道子は純粋に俺を尊敬するようになったのだ。
そして要吉の嫉妬は加速した…
正直どこに行こうか本当に迷ってしまっている…
「東京の学校も考えてみます」
本当にどうしようか考えものだ…
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進路に迷っていると、奇妙な噂を耳にした。山に鬼が出たという噂だ山にある村の人が次々と人が行方不明になっているというものだ。しかも山を下ってきているらしい。
俺はこの噂を聞いたとき、雷に打たれた。天命だと思った。神が俺に鬼を殺せと言っている気がした。俺は人生をこのチャンスにすべてをかけることにする。天命に任せ、俺がこれからどう生きるべきか。
噂からして鬼は明日にでも降りてくるはずだ。
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思った通り次の日夜中で歩いていたものが行方不明になった。俺はその次の日から夜、皆が寝静まると一人外にでて鬼を探した。
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三日目鬼はなかなか姿を現さない。行方不明者も三日前から出ていない。
もう次の街に行ってしまったのだろうか。そんなことを考えながら夜の大道理を歩いていると。ガス灯の下で子供がうずくまっている。
正確には子供の鬼だ。見た瞬間にわかった。俺の右目がそういっている。
あの鬼の毒は右腕を怪力ともう一つ能力を与えてくれた。右目に映るものの思考を読めるというといいすぎだが、その人が何を考えているか大体わかる。
俺の右目は人のオーラを見ることができる。正直オーラなのかもわからないが便宜的にそう呼ばせてもらう。
そのオーラの揺らぎの変化によって相手が何を考えているか。読むのだ。
その少年のオーラは人間のそれとはまったく違う。禍々しく、卑しい…こいつは鬼だ
兄からもらった短刀を懐にあるのを確認し少年鬼に近づいて話しかける。
「どうしたんだい」
何も答えない少年
「困ったなー、なにか言ってもらわないとわからないよ…」
そういうとガス灯の届かない暗がりをさす。
「えーん。あそこに鬼がいるんだ」
何だこの大根演技は演じる気があるのか。わざとらしい演技にあきれる
俺はその演技騙されたふりをして、わざとらしく「何もいないぞー」なんていって暗がりを探すふりをする。
「なーんてな噂が立って外を出歩く人間が多くなっちまって困ってたんだ」
「いただきまぁぁぁす」
ザシュッ
一閃とびかかってきた子供鬼の顔面が半分斬れる
「ぐわあああああああ。いってええ、いってええよ」
「うるせえよ。クソ鬼、てめえら鬼は斬られようが何しようが関係ないんだろさっさと再生しろ。俺がてめえの首を落としてやるんだからな。」
「クソッ鬼狩りだったのかおまええ」
「うるせえよ、なんだそれ。俺はお前を殺すものだ!」
まだ自分の体には長い脇差を振るう。やっと剣術道場に通ってたことが身を結んだ。
よかったと思う
横、突き、縦斬り、牽制の攻撃はことごとくよけられてしまう。
やはり鬼というのは人間より数段身体能力が上らしい、でもな…こっちも並な鍛え方をしていないんだよ。
「喰らえええええ」
全力の突きを放つ、突きは首の端に刺さりブスリと貫通する。そのまま横薙ぎを放って首をはねる。
「やったあ」
俺は深呼吸をして興奮を抑える。数十秒勝利の余韻に浸り”ふう”と息を吐いてから家に帰ろうと歩き出す。
するとさっき鬼を殺したあたりからビキビキッビキビキビリという骨がにひびが入るような固いものを破るような音が響く
”血鬼術 身体操作 倍化”
後ろを向くと先ほどの子供鬼は四メートルを超える大きさになっている。
「なんで…首ははねたはず」
「馬鹿めなんだ新人の鬼狩りか?鬼の首はな一刀のもと薄皮一枚残さず斬らねえとな」
「あれだけ斬られちまったら俺の力じゃ修復に結構かかっちまったけどな」
「俺の首は刎ねられねえ!!」
まただ…また調子に乗った俺は…
鬼に襲われたあの日転生者である俺は自分は何ら特別ではないと理解したのにも関わらずだ…
年月が…平穏な暮らしがまた俺を調子に乗らせた…ああ死ぬのかここで。調子に乗ったばっかりに
50センチはあるであろう拳に力をいれ俺に拳を振り下ろす
「よくもやってくれたな、ぐちゃぐちゃにしてやるぜええ」
走馬灯で今までの人生を振りかえさせられる。死ぬというのはこんなに
スパッ
風切り音とともに、鬼の手は斬り飛ばされ宙を舞う。
視界の隅に空を飛ぶ天狗をとらえる。…天狗!?いやお面かびっくりした。
天狗の面をした男は俺を守るように俺の前に立つ
「少年、遅れてすまない」
そういうと男は飛んだ
”水の呼吸 壱ノ型 水面斬り”
次の瞬間鬼の首は二つに分かたれていた。
鬼自身も首だけ落ちて何をされたかわからないという顔をしている。
鬼は数秒後「そうか首を斬られたのか」と言って塵芥となった。
「大丈夫か。少年。」
天狗男は俺に手を差し伸べる。俺はその男の手を取る。━━固‼ その男の手は象の肌のように固い、さすが超剣技の使い手
「ありがとうございました」
「うむ…その刀どこで手に入れた?」
「これですか、昔兄が古美術商をやってまして闇市で買ってきてくれたんです」
「そうか…」
沈黙が訪れる
「あのっ貴方は鬼狩りと呼ばれる方なのでしょうか」
「いかにも」
やっぱりそうだ
「俺は丁嵐 空次です。あの…昔鬼に家族を殺されて、それで…敵討ちをしたくて…それでその…俺を鬼狩りにしてください」
突然のことで言葉はまとまらない
また沈黙。やばい言葉がまとまってなくて伝わらなかったのか。それともバカだと思われたか。実際そんなに頭良くないけど、ダメなのかやっぱりダメなのか?
「わしの名は鱗滝左近次、狭霧山という場所で鬼狩りの育手をやっている。育手とは文字通り鬼殺の剣士を育てる者のことだ。心が決まったら訪れろ剣士にふさわしいかテストしてやる」
「覚悟が決まれば狭霧山でまた会おう」
そういうと壮年の男は走って行ってしまった。
それにしても今まであった誰よりも静かなオーラをしていた。まるで透き通るような池の水
次の日、優しい顔の白髪交じりの壮年の男がチェックアウトした。鱗滝さんは葵屋に泊まっていた。
話しかけると「鱗滝などしらん」といったので、帳簿には鱗滝と書いてありますよ。と言うと鱗滝さんはめちゃめちゃ赤くなった。
今月中学を卒業したら伺うことを伝えた。
主人公は水の呼吸の剣士になります。花の1907年組です