未熟な文章ですが、これからも本作の主人公、ぶっ飛び少女ハナコちゃんを温かい目で見守っていただけると幸いです。
不定期更新ですが、よろしくお願いします。
ヒグマはスタンドを出現させながらハナコの方にに突っ込んできた。急いで体勢を整えて、素早くヒグマのスタンドを見極める。よくよく見ると、大きな骸骨のようなスタンドだが、足が無い。
どうやら変態が言っていた、レーザーのような能力は持っているがスピードは本体に依存していそうだ。腕力はあるかも知れないが、一瞬の隙を突くことが出来れば、一発で仕留められる。
私だってやればできる!
ハナコはヒグマに向かって走った。回避する方向は左か右、どちらの腕を振り下ろすかによる。
右腕を大きく振りかぶった。つまり、進むべき方向は左だ。そのまま、見えないレーザーを避ける為には熊とスタンドの死角に入るしか無い。
スタンドの顔はまだハナコの方を向いていた。このままだと撃たれてしまう。が、当たらなければいいのだ。
ハナコは本体の赤ん坊を抱えて自分の周りを黒い赤ん坊で覆った。一か八かの賭けだが、これで背を低くして走り抜ければ、レーザーは適当な黒い赤ん坊を割るだけで自滅してくれるんじゃ無いかという、ちょっと思いつきの作戦である。
しかし、やるしか無かった。そして、この作戦が成功しても、もう能力があの変態にバレてしまっているので直ぐに変態への攻撃を始めるしかない。
予想通り、レーザーはハナコの顔面スレスレを通り抜け、四つほど割れた黒い赤ん坊からの汁が、ヒグマの主に顔にジャストミートした。致死量に達したため、黒く変色し黒い赤ん坊へと変化する。
次は変態を仕留める。
変態もとうとうスタンド能力を出現させ、私を待ち構えている。そんな時には、特性の釘バットが活躍するのである。
変態のスタンドは確かに貧弱で戦闘向きでは無さそうだが、成人男子ほどの体格はある。だから、殴られたり蹴られたりしたら女の私は吹っ飛んでしまう。稼働範囲が短ければ私は高確率で勝てる。また、ガード系の能力じゃなきゃ勝てる。
ハナコが釘バットを選んだ理由は、風船を割りやすいからだ。
ハナコのスタンド、血塗れの子以外の黒は、風船のような弾力を兼ね備えているので、触れるだけじゃ割れない。逆にツンツンしていたりすると、効果は抜群。
自らのスタンドを稼働域ギリギリの10メートルまで伸ばす。変態はハナコが正面から突っ込んでくるわけじゃ無いと悟り、距離を詰め始めた。やはり、変態のスタンドは稼働範囲が狭いうえ、戦闘向きでは無いのだろう。
変態はスタンドを傘のように扱い、なんとかハナコの赤ん坊の汁を防ごうとしている様子だ。
「ああ、君と遊んでる余裕なんて無かったね……!」
「女だからって油断したそっちが迂闊なんだよ!」
死体処理を始めてから大量に増えた、黒い赤ん坊のスタンドが舞台の上を黒雲のように覆い隠した。
お互いの距離はすでに1メートル先程までに迫っている。ハナコは急いで釘バットを全力で投げた。投げるのには自信があるハナコなので、すぐに変態の方を向き、ゴルフクラブでの攻撃を避けようと打算する。
しかし、奴は肉弾戦に慣れていた。
素人のハナコの動きなどお見通しかのように、スタンドでハナコの脇腹を蹴り、バランスを崩したところにゴルフクラブを横殴りに側頭部を狙って振りかぶった。が、ハナコもやられているだけの女では無い。ゴルフクラブを左手でしっかりと頭をガードした。
「ぐぇ」
それでも腕に鈍痛が走る。カエルが潰れたような声が口から漏れて、脳が揺れる感覚がした。
しかし、止まるわけには行かないのだ。相手を恐れて恐怖に落ちた時こそ、相手に突っ込んで不意をつけ。
「いだあぁあぁい!!」
「ギャッ!」
口から本音が漏れたが、そんな事気にしてられない。ハナコが引くかと思っていた変態は、突っ込んできた事に対応が遅れ、押し倒された。また、股間を思いっきり踏まれて涙が滲んでいた。
しかし、奴も諦められない。ハナコの髪を引っ張り上げてグーパンを顔にお見舞いし、首に手をかけようとした。
ハナコもハナコで負けてられない。首に手を掛けられそうになったところで人差し指を反対の右目に突き入れた。
「あああああ!」
余程痛かったようで、叫び声が上がる。
好機だと言わんばかりにハナコは距離をとり舞台の上を逃げた。先程投げた釘バッドは落ちた衝撃で真っ二つになっていた。
すでに黒い赤ん坊が地面から10メートルのところで、釘バットで割られ、赤ん坊汁の雨が降り注いでいたので、あの時から1分も有れば、変態は致死量に達して死ぬことが確定していたのだった。
先ほどの攻防を私が凌げばハナコの勝ち、変態がハナコを殴り殺せば変態の勝ち。
ハナコに逃げられたところですでに金髪の変態シャナの運命は決まっていたのだ。
「ああ、負けちゃったよ……ハナコちゃん結構好みだったのにね。」
己の死を確信した変態男シャナは、最後の最後までブレずに言葉を続けた。
「僕が勝ってたら、君に酷いことなんてしないのにね。ただちょっと悪戯してから気持ちいいまま殺してあげるつもりだったのに、○*○を★★★して僕の●◇●で○○○したかったのに残念♡」
※シャナの言葉は下品すぎて、チンコウンコパイパイ言ってる私の小説でもそのまま書くことは出来ませんので一部効果音を加えさせていただきます。
ハナコも傷ついた体を引きずりながら変態に近づいていった。どことなくハナコは思い詰めた顔をしている。
彼の側まで行き、お互いよくやった、頑張ったなどと、称賛の言葉を与え………………
………るわけもなく。
「うううぅ、クソったれがよぉ!いてぇんだよこのウンコ!」
ハナコは動かなくなって、さらに体から小さくなりつつある変態の頭をガンガン蹴っていた。わざわざ痛む体を引きずって至近距離まで来てやる事が小学生レベルである。
「バーカバーカウンコチンコ、死ね死ね変態!!」
さて、1人暴言を吐き続けるハナコであるが、ホール全体は異様な空気に包まれていた。
まァ、規格外の金持ちが集まるこのギャンブルで金がどうこう言うケチはいないが、究極の咬ませ犬であったはずの女が優勝者として舞台上に残っていることに唖然としていた。
また、この事を予想していたかのように、周りを嘲笑っている美しい男に対して、イライラを募らせていた。
「い、イカサマだ!」
「そうだ、こいつが送り込んだのは凄腕の女刺客だったんだ!」
「ズルじゃ無いか!」
などと、他の観客達はハナコを参加させたDIOに対し、文句を言っている。文句を言ってはいるのだが、DIOが規格外の美形なので小声でしか言えてないところが面白いところだ。
「DIO様消しますか?」
と、ヴァニラ・アイスが尋ねるが、
「いや、勝手にさせてやれ。私は今気分がいいのだ。」
「御意。」
「ハナコさんが勝ったからよかったものの、これ負けてたら観客皆殺しでしたよ。」
テレンスは呆れたように呟いた。DIOは大金が手に入り嬉しいようだ。
「死ねェ!このビチグソがぁ〜!!あっはっはっはっは!」
もうすぐ黒い赤ん坊になる絶命した変態男を、満足気に罵倒するハナコの笑顔は輝いていた。
***
賞金を受け取ったDIO様とハナコ
「よくやったぞハナコ」
「きゃ〜!DIO様〜!」
なんて嬉しい言葉なんだろう。
ハナコはDIOに、デスマッチでの優勝を熱い抱擁という形で褒められていた。ハナコはDIOに対して異性としての感情は無いけれど素直に、信頼されて、そして実力で勝ち取った優勝がハナコを有頂天にさせていた。
「ああ、DIO様私やりましたよ!DIO様の期待に応えることが出来ました!」
「ああ、よくやった、お前は最高の女だハナコ。」
「きゃー!きゃー!きゃー!」
こういう時に悪ノリするのがDIOの悪い癖である、と執事テレンスは思う。今のDIOは内心、何も気付いていないハナコを褒めちぎってバカにしているのだ。
ヴァニラはDIOの企みを知っているはずなのに、「なんて部下思いな…!グズン、グズン。」と涙ぐんでいた。アホである。
「クククク、お前がタフで助かった。本当に感謝しているんだ。」
「いえいえいえ、これも全てDIO様の投資が私を勇気付けてくれたおかげでございます!」
「少しノリで女から貰った金を突っ込んでしまったから、あのヒグマがスタンド使いだと知ったとき内心びくびくしたぞ。」
「それでも私は勝利を勝ち取りました!」
「そうだお前はいい女だ!」
「やあったぁ!私、DIO様が女から貰った金を20倍にしました!」
「そうだ!お前は俺が女から貰った金を20したんだ!すごいじゃ無いかァ〜!」
あ、DIO様調子に乗ってネタバレしたな。そして、ハナコはハイになって全然気づいていない。
テレンスはため息をつきながら冷静に傍観していた。ヴァニラは「ううぅ、DIO様なんと美しい無性の愛…!」と号泣している。アホである。
DIO様抱っこして!とガキのように強請るハナコを、DIOは脇の下を持ち上げくるくると回転した。
「あっはははは、私はDIO様が女から………エ、女から?」
ハナコが気付いた。
「アレ、ア、でも、DIO様が女性からお金を貰うのはいつもの事…」
「失礼な奴め。」
「いつ貰ったんですか?エ、50億全部ですか?」
「いや、10億は………いや、アレも全部女が俺に貢いできたどうでもいい金だ。」
「………アレ、DIO様ってどっかの会社経営してましたよね?そのお金が主な財産で…エ、エ、関係ないお金って何ですか?屋敷の経費を削って…アレ、えっと、DIO様のポケットマネーですよね?」
「ウン?………まァ10億の方は今まで私が女を抱いた時の賃金だし、40億も私がギャンブルをすることを知った何処ぞの女が急に寄越して来た金だから………ウン、私のポケットマネーだな。」
「そっ………そおですよねぇ〜!」
ハナコは混乱していた。
お金を私にかけてくれた事は嬉しい。けれど、普段から暇してるこの人だし、なくなっても痛くも無い金を私にかけて小遣い稼ぎしようとしたんじゃあないか、と考えてしまった。素直に喜べなくなって来た。
なにより、初めて人に熱く信頼されたという自信がおられそうで怖くなった。
「必死になるお前は中々に見ものだった。」
「あははははは………」
お金と言う目に見える大切なモノは賭けたが、その金も思い入れのないものである。
「さて、ホテルに戻るか。今日はこの金で飲みたい気分だ。」
「車を手配いたしますね。」
「うう〜、私は感激です、DIO様ぁ〜!」
ハナコは現実を見据えて悲しくなった。
この二ヶ月仕事に慣れて、何か忘れていたが、そもそもDIOはクソ野郎のカスなのだった。
それがスタンダード、ハナコにだけ特別辛辣と言うことはない。
それをハナコが忘れていただけのこと。
忘れて距離感を誤った、片思いのような事をしたハナコが悪いのだ。自分の失態を、相手に八つ当たりするのは良くない。大体、全部分かってただろう、ハナコの職場は吸血鬼を相手にする特殊な職場だ。
人の価値観なんて、私より無いんだから。
お金は賭けた。私の実力を信じてはいた。嘘なんかじゃない。
それでもハナコには、純粋な信頼を信じていた時の嬉しさと今のギャップに、心の何かが辛くなって来た。
「私が馬鹿なだけでした………」
「当たり前だろう。」
「ははは、そもそもDIO様私の事ただの都合のいい女くらいにしか思ってませんしね。」
「当たり前だろう。」
「いや、褒めてくれただけいい方ですよね。」
「めんどくさい女だな。」
ハナコは大人になろうと思った。
自分はもうなんでも1人でできる大人だと思っていたけれど、本当に信頼した人に裏切られたらした経験は無かったし、ちょっと辛かった。でもそれが、自分を大人にしてくれる、誰もが通る道だと思って我慢する事にした。
「ン〜?なんだ小娘、まさか悲しいのか?オイオイ、それは理不尽ってもんだろう?俺はお前の才能を見込んでしっかり投資したのに、金の出所にケチつけて、俺の信頼を疑うのかァ?」
ハナコが明らかにショックを受けているところを見ると、なんだか愉快な気分になって来た。自分の方が上だと思い知らせる瞬間が好きなのはDIOの昔からの悪い癖だった。
テレンスはDIOが調子に乗っているところを見て、ああまた馬鹿やってるな、と再度思っていた。なんやかんや言って、弱いものいじめが好きなDIOの性質をテレンスはよく分かっていた。
ヴァニラは感動で泣いている、全然現状を理解していない。アホだから。
「………。」
「泣くのか?この厚かましい女め。泣けばいいと思ってる女はタチが悪い。お前もそういう部類の女か?俺の信頼をさらに裏切るのか?」
「………すみません」
「うるさい黙れ、謝れば済むと思うなよこのガキが。」
DIOはそう言ってハナコの頭を鷲掴んで投げ飛ばした。
ハナコは深く息を吐いた。起き上がって歩き出したDIOに無言で付いていく。
何も出来ないからだ。
私は帰る場所の無い、ただのガキだと言うことを思い知らされて、必死に涙を堪えていた。
そして、ハナコは1人「お前はトランクに乗れ」と言われたのでボロボロのドレス姿でトランクに蹲っていた。
トランクに入ったのを確認してDIOはテレンス、ヴァニラを連れて別の車に乗り込み発進させた。
普通にいじめっ子である。
ハナコは20分後に発信しない車を不審に思いトランクから這い出ようとしたが、鍵がかけられていて出れなかった。ハナコはトランクの中で泣いていた。
DIOは終始調子に乗っていただけだが、ハナコの心に深い傷跡を残したのだった。
「………………殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる」
この時のハナコは、本気でDIOを殺してやろうと考えていたのであった。少し経ってみると静かに怒りが湧き上がってくるというのは人間よくある事である。
ハナコの逆襲します。
To be continued
ハナコのクソどうでもいい話 その④
この時のDIO様はまだ時を止められません。
ハナコの底力なめんなよーーーー☆