ありふれた(平均)値で世界最強って言ったよね! 作:simasima
闇の中を落下していく途中、ハジメ達の意識も闇に飲まれる。
『万が一の時は助けてね』
とのお願いに応えた。ハジメ達専属ナノマシンによって
ハジメ達は球形のバリヤーに包まれゆっくり闇の中落ちて行く。
落下していく途中の横穴から水が激しく吹き出している所があり
水流に吹き飛ばされ壁に押し付けられたりしたが、最終的に途中の
横穴の一つに押し込まれ、今は幅5メートル程の川の岸に乗り上げていた。
そこでバリヤーは解除され、岸辺に横たわるハジメ達まだ意識は
戻ってない様だ。そこにハジメ達に何かが近付いてくる。
ナノマシン達は自主的に守るためそれに対して行動する。
「・・・・・んっ⁉︎ここは?確か橋から落ちて・・・はっ
経緯子ちゃん?白崎さん?」
意識の戻ったハジメは二人をすぐ探そうと起き上がろうとするが、
その必要もなくハジメの両側に倒れていた。二人ともまだ意識は戻ってない様だが、
胸は規則正しく上下しており、見たところ外傷もなそうな事に
ほっと一息つくハジメだが、体を起こし首を巡らせると
「ヒャッ⁉︎」
と思わず声を上げる。なぜならハジメ達の側、川と反対側
よく見ると奥に続く通路が見える方向に魔物が二体倒れていた。
二本の白い尻尾ある狼のような魔物だ。無傷に見えるが、2匹とも
額に半径5センチ程の穴が空いていた。血は流れおらず傷は炭化しており
何かで焼かれたようだ。レーザー光線で焼かれたら、ああなるのかなとハジメは考えた。
「・・・んっ」 「うぅ・・ん」
「経緯子ちゃん、白崎さん」
「ハジメちゃん」 「南雲くん」
「二人とも体は? 痛い所はない?」
「私は大丈夫。香織さんは魔法で吹き飛ばされからどこかけがしてない?」
「不思議と痛みもけがも消えたみたい。ココは何処なのかな?」
「迷宮の下層だとは思う。そこに死んでる魔物を図鑑で見た事が無いから
かなり下に落ちて流されたはずだよ」
「「ヒッ」」
と魔物の死骸を見て悲鳴を上げる経緯子と香織を見てハジメは
死骸をこのまま置いておくのも精神衛生状よくないので
とりあえず収納魔法で回収した。
「私たちがけが一つせず。無事なのはナノちゃんたちが守ってくれたからみたいだし」
「私のけがも治してくれたみたい、ナノちゃんには感謝かな」
「僕たちに近付いた魔物を倒してくた」
と各々が言った後、三人は顔を見合わせ肯くと揃って
「「「ナノちゃん(さん)守ってくれてありがとう」」」
と返事がないのは分かっていても、お礼だけは言っておきたかった。
そのあとハジメ達は川の水を経緯子が鑑定し飲料に問題無しとでたので、
錬成を使い川辺の石で容器を作り水をくんで収納、奥に続く通路に入っていく
低層の四角い通路ではなく人の手が入ってないように見える。
自然の洞窟そのものといった感じだ。
しかし通路そのものはかなり広く道幅は低層の4、5倍ありそうだ。
整地などされておらず、歩きにくいが身を隠す所は豊富にあり
ハジメ達は周囲を警戒しながら物陰から物陰へ慎重に進んで行く。
三人が疲労を感じ始める程、進むと目の前に分かれ道が現れる。
三方向に分かれおり、ハジメ達は手近な岩に隠れどの道に進むか話してると
視界の端で何かが動いた気がして慌てて三人は頭を低くする。
ハジメは顔を少し出し様子を伺うと中央の通路に白い毛玉が跳ねていた。
ウサギだった、但し大きさは中型犬くらいあり後ろ足が異様に発達している。
赤黒い線が血管のよう幾本も体に走っており、それが脈動どしているのが、
なんとも不気味だった。今まで見た魔物と比べてもあきらかにヤバイ魔物に感じる。
とにかく中央の道は避け、ウサギの位置から右の通路が見つかりにくそうだ。
ハジメ達はウサギが後ろをみたとき、岩影から飛びだしだが、
ウサギはハジメ達に気づいたのか、振り向き「キュウ」と鳴くと
飛び上がり、空中を蹴って近づいてくる。そしてさらにそのまま空中でより高く飛び
体を一回転させ天井を蹴りハジメに向かって飛び蹴りをしてくる。
ハジメが避けらないと身構えると
「“聖絶”」
香織が結界を張りなんとか逸らすことができるも、ウサギが着地した所は陥没しており。
もう一度蹴りをくらえば次は無理そうだ。ハジメたち三人がウサギと睨み合っていると
いきなりウサギが耳をせわしなく動かし始め、ハジメ達を無視して振り向き
ウサギの体が震えて始める。なにかとハジメ達はウサギの向いてる方向
自分たちが逃げ込もうとしていた通路の方を見る。
体長が2メートルはあるクマの様な魔物がいた。但し足元まで伸びた太くて長い腕に、
三十センチありそうな鋭い爪が三本生えている。熊の魔物、爪熊はウサギとハジメ達を
睥睨している。一匹と三人は硬直し動けない。爪熊が「グルッ」と唸るとウサギは
夢から覚めたように逃走を開始するが爪熊がウサギにに向かって腕を振るうと
直接爪が体に触れてないにもかかわらず
ウサギの体が両断される。爪熊は悠然とウサギの死骸に近づき、その長い爪を
フォークの様に突き刺し音をたて喰らい始める。その音にハジメ達は自らの
死に恐怖し爪熊の反対方向に走り出す。後少しで通路に入ろうとする時
最後尾を走っていたハジメがゴウッと風が唸る音と同時に強烈な衝撃が
ハジメの左側面を襲い壁に叩きつけられる。ふっと意識が一瞬とぶも
「「キャアアアァアア」」
と経緯子と香織の悲鳴が聞こえ意識が戻る。爪熊は何かを咀嚼していた
見覚えのある腕だった、なぜあんな所に答えはすぐにわかった
ハジメの左腕が肘から先が無かったのだ。
「あガァアアアア」
ハジメが絶叫を上げる。経緯子と香織はその光景に恐怖で
へたり込んでしまい動く事が出来ない。
その内ハジメの腕を食べ終えた熊爪がゆっくりとハジメ達に歩いてくる。
一気に切り裂こうとせず。魔物の肉と違いハジメの腕は旨かったのか
三人を無駄無く丸かじりするつもりなのかも知れない。
「いぎっ・・錬成」
ハジメは痛みと恐怖の中錬成を使い穴を開け自分たちを落とし
すぐに蓋をして。横穴を錬成で開け爪熊が床を掻く音に怯えてながら
ひたすら錬成を唱え奥へ奥へと進んで行く経緯子と香織も
ハジメの後ろを這って続く、いつしか錬成の声が聞こえなくなる。
気を失ったようだ。ハジメが錬成で手を伸ばした先には青く光る石が露出していた。
「ああ・・南雲くん目を開けて。経緯ちゃん・・治癒を魔法かけても・・
南雲くん、どんどん弱っていくよ・・」
左腕の切断面は香織の魔法で塞がれたが血が多く流れ過ぎたのか。
ハジメの呼吸は弱っていくばかりだ。
「香織さんこれを使えばハジメちゃんを助けられるかも」
と経緯子はコップに入った液体を見せる。
「経緯子ちゃんこれは?」
「そこの青く光る石から滲み出てる水、鑑定したら[神水]とでたの、伝説の霊薬らしいの・・・」
すぐハジメに飲まそうとするもハジメは飲み込め無い。経緯子はハジメの頭を起こし
コップの神水を口に含むとハジメの口を押し開け自分の口を重ねハジメの喉に
神水を流し込む。香織は経緯子の行為に呆気にとられるもハジメ呼吸が安定してきた事に
嗚咽をもらす。経緯子はハジメの頭を優しく抱きかかえていた。
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同じ頃地上では
ハジメ達が落ちた後、半狂乱になり叫び暴れてる雫を
メルドが当て身で意識を刈り取り、自ら雫を担ぎ
残りの生徒たち達を無事に迷宮から脱出させた。
今、生徒たちが泊まる宿の集会室で1人の生徒が
皆の前でトラップを作動させた事土下座し謝罪していた。
生徒たち達は宿に戻り落ち着くとハジメ達が落ちた原因である。
自分勝手な行動でトラップを作動させた。檜山を問い詰めていた。
ハジメだけで無く香織と経緯子の人気者の2人も
落ちたショックは大きかったのだ。三人に自分たちが助けられかつ
自分たちだけが助かった罪悪感に耐えられず糾弾せずいられなかったのだ。
「皆。檜山も充分に反省してるし。ワザとトラップ作動させたわけではないんだ。
これ以上責め無くても良いだろう?これから二人を助けに行く仲間なんだから」
と光輝が檜山を庇う発言をし、これで許そうとするが
「天之河!今の謝罪だけで檜山を許すの?経緯子に香織。それにな・・・南雲も
落ちたんだよ。コイツの自分勝手な行動のせいで!謝罪だけじゃケジメを付けさないと
きっと同じ事をする。それに目が覚めて無い雫や経緯子のお姉さんが帰ってきた時
にどう言えばいいの?」
優花が光輝に涙声になりながら詰め寄るも
「事故なんだから、彼1人に責任を負わせるのは良くないよ。園部さん」
「天之河・・南雲と経緯子だけじゃなく“香織”も落ちたのに簡単に許せるの?」
「香織と経緯子さんを早く助けに行かないと、皆で力を合わせる時だから
仲間同士許しあわないとダメだろ?」
「・・・・助ける?」
「そうだよ。園部さん2人は生きて助けを待っている!」
「・・・ン?(何?元々思い込み強かったけどココまで・・・?)」
と優花は光輝の言葉に得体の知れない何か感じ取るも、
気のせいの域を出ない。
結局、檜山の処分は自分たちだけでは無理なのでメルドや畑山先生に
任すしかないと、言う事で終わった。
ハジメの腕は食われしまいました。
そして光輝は・・・言語理解は怖いです。頭が○ァになるかもだから、
ネタは置いといて彼は召喚された魔法陣の中心に居たのが思考が
あそこまで頑なになった原因かと考えたりするわけです。