ありふれた(平均)値で世界最強って言ったよね! 作:simasima
5、6日に一回のペースで投稿がやっとです。
もう少し早くしたいですが出来ません。ヤバイですね。
プリコネのアニメ面白いです。ヤバイですね。
ていぼう日誌の大野センパイ眼鏡でポニテでデカくて
ストライクでヤバイですね。
では本編です。
ピチョン
暗い穴の中、神水が錬成で作った桶の中に垂れる音がしている。
「うぐっう・・・うっ」
「ウウッ・・」
「ヒュグッ・・」
時折り男女のうめき声や嗚咽が混ざる。
ハジメ、経緯子、香織の声だ。
奈落の底に落ちてから一週間経っていた。
爪熊から逃がれたが錬成で造った横穴から動けずにいた。
爪熊に襲われたときハジメ達は生物としての根源的な恐怖
喰われると言う事に捕食者と非捕食者の絶対的上下関係に
心が折れてしまい抵抗する事を諦めてしまっていた。
水は川から汲んだのであるが、食糧は用意しておらず
ハジメは左腕を失った為の幻肢痛と飢餓感を神水を舐める事で和らげ
経緯子と香織も飢餓から神水を口に含むことをやめられず、
そのため意識が微睡みと強制的な覚醒を繰り返し、徐々にハジメ達の心を蝕んでいく。
(どうして南雲くんは苦しむの?私が守れなかったから?)
(なぜ守れなかった?アレが裏切った。どうして・・・あぁ、そうかぁ私なのかぁ)
(私から奪うために・・・
ハジメくんを傷つける全てのモノから。だから・・・2度と裏切りが無いように)
(ハジメくんを傷つけるモノは絶対に消す。潰そう。殺そう。・・・・そうすれば
守れるかな?・・・ハジメくん。・・・生きる・・・生きて・・・殺せな・・・・守る)
香織の心の底に鬼が棲みついた。
(・・・助けて・・お姉ちゃん・・・ハジメちゃんを)
(なぜ・・ハジメちゃんが苦しむの・・・私から奪うの)
(この世界も奪うの・・・私の大切な・・一緒に帰りたい)
(そう帰りたい・・ハジメちゃんと・・元の日々に)
(ハジメちゃんと一緒に帰りたい・・・帰る・・・帰って)
(好き・・・ハジメちゃんが好き・・離れるの嫌・・・)
(帰る・・お姉ちゃんの所に・・家に家族の・・帰る・・この世界がどうなっても
・・私は帰る・・・大切な人と一緒に・・)
(奪うモノ・・邪魔するモノは敵・・敵は排除しよう・・排除・・排除)
経緯子はハジメに対する気持ちを、
そして帰れるなら、世界を切り捨てると決意する。
(経緯子ちゃんと白崎さんがなぜ苦しまなきゃいけない)
(僕が彼女達が・・・原因はなんだ)
(神が理不尽に誘拐した・・・・)
(クラスメイトが裏切った・・・)
(僕の手は喰われた・・・)
ハジメは敵を求めた。理不尽に飢餓や痛みを与えるものはナニか?
(誰も助けてくれない・・・)
(この苦痛を消せるなら)
(・・・・・生きたい。なら・・)
(
ハジメの心の中が黒く染まり始め、不要なモノを捨てようとした時
経緯子のうわ言が耳に入る。
「帰りたい・・・ハジメちゃんとお姉ちゃんの・・・」
「経緯子ちゃん・・そうだ。お・・僕は」
ハジメは自分の両側に横たわる2人を首をめぐらして見る。
(白崎さん。僕を守ると言った女の子、僕を庇って一緒に落ちた女の子。
僕の事を優しくて強いと言ってくれた大切な女の子)
(経緯子ちゃん。僕が一番守りたい大切な女の子、そして僕が捨てずに来れたのは彼女がいたから。
学校でクラスの皆と関わりが持てたのは経緯子ちゃんが引き留めてくれたから。
だから僕は経緯子ちゃんが、一緒に帰りたいと言った“僕”をそして白崎さんが言ってくれた
優しさを捨てない)
ハジメは体を起こし、暗い思いを消すかのように頭を振ると
現状を打破するため考えをめぐらし、独言る。
「とにかく食糧をどうにかしないと・・今あるのは狼の魔物の肉だけだし
魔物の肉は毒だし・・もしかすると神水を使えば食えるかも・・・
僕だけなら賭けても良いけど。
彼女たちがいるし誰かに聞ければ、教えてナノさん?」
『なんでしょうか?ハジメ様』
「って返事があるわけが・・・エッ⁉︎返事がなんでや?」
『極限状態に追い詰められた事で、ハジメ様の思念波レベルが3に上がり
我々ナノマシンが質問に答えられるようになりました』
「そっかぁ(海里姉ちゃんは助けてくれてたんだよ)。早速聞きたいのだけど
神水使えば魔物の肉食べれるかな?」
『※解析中 はい。我々がサポートもしますので大丈夫です。
ただ最初は魔物の肉が体に与える影響のデータが少ない為
かなりの痛みをともなうと思われます』
答えを聞いたハジメは神水をコップに掬い、経緯子たちから少し離れた所で
収納していた二尾狼を出して食べるのに一番無難そうな太腿の肉をナイフで切り取る。
切り取った肉をハジメはしばらく見つめた後、意を決して生のまま噛り付く。
「うひぃ。堅いし・・マズ」
と悪態を吐きながらも飢えを満たすため咀嚼し飲み込んでいくハジメ。
そして空腹感が少し和らいだ時。
「あ?ーッ⁉︎ アギィイイ」
凄まじい痛みがハジメの全身を襲う。ハジメはすかさず神水を飲むも
「ぐぅああああ‼︎痛みが引かないぃい」
神水の効果なのか激痛で気を失うこともなく、
いつ終わるかわからない地獄にハジメは絶叫し転げ回っている。
「・・殺す・・守る・・あっ⁉︎」 「排除・・・はっ⁉︎」
「ハジメくん!」 「ハジメちゃん!」
「ひぎぃいいいい!アガガッアアアア」
経緯子と香織はハジメの絶叫で完全に心が堕ちる前に現実に引き戻される。
2人の間にいたはずのハジメが少し離れた所でのたうち回っている。
ハジメに近づき、その苦痛に耐える姿と肉体が変化していく様子に恐れ戸惑う。
2人の目の前でハジメの髪の色が抜け白くなり
所々血を吹き出しながら、その度体が大きく強く造り変えられていく。
身長が180センチ近くに伸び、筋肉量もかなり増え
服の下で見えないが赤黒い線が数本浮かび上がる。
香織が必死で治癒魔法を掛けるも効果が無く、
2人はハジメが苦痛に耐える姿を見守るしかなかった。
「うっ・・・」
いつ終わるかわからない苦痛からようやく開放されたハジメが目を開くと
「ハジメちゃん!ハジメちゃんのバカ!一人で無茶しないでとあんなに言ったのに!」
「そうだよ!ハジメくん!ハジメくんが痛がる姿を見るのはとても辛かったんだから!」
経緯子と香織に怒られた。
「うん。経緯子ちゃん、白崎さんごめんなさい。うぶっ!」
ハジメが謝罪の言葉が言い終わるやいなや、経緯子と香織の二人は
抱きつきハジメの名を繰り返しながら泣き続け、
ハジメは動くことも出来ず。気まずさと羞恥故に二人が泣き止むまで耐えていた。
「ハジメくん。大丈夫?痛くない?」
泣き止むまでハジメに抱きついてた恥ずかしさを
誤魔化すように香織が問いかける。
「幻肢痛も消えて、体も前より軽い感じがするよ」
「体が軽い?ハジメちゃんステータス確認してみて?」
経緯子に言われハジメがプレートをポケットから出してみると
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:8
天職:錬成師
筋力:100
体力:300
耐性:100
敏捷:200
魔力:300
魔耐:300
技能:錬成・技能 錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+錬成記憶][+錬成再生][+間接錬成]
・身体強化・超超超々微細機械補助・言語理解・※収納魔法アイテムボックス
(隠蔽中)・魔力操作・胃酸強化・纏雷・言語理解
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「・・なんでやねん」
と急成長したステータスを見て関西弁で突っ込み入れるハジメ
さらに技能が3個増えていた。とりあえず技能を検証してみる。
※魔力操作 詠唱せずとも錬成を行えた。
※胃酸強化 試しに魔物の肉をもう一度口にしたが痛みはこなかった。これで食べ物はどうにかなる。
※纏雷 言葉通り体に電気を纏わせる事が出来る。
どうやら魔物の肉を食べる事で、食べた魔物の固有魔法を習得出来るみたいだ。
一通りの検証が終わった後。経緯子と香織は
「「私も魔物の肉を食べる」」
ハジメは彼女達に自分が体験した地獄の様な苦痛を味わってもらいたくなかったが、
二人に食わないと奈落で生き延びる事が出来ないと言われしまうと認めるしかなかった。
二人は神水を入れたコップを片手に持ち、流石に生は嫌なのか火魔法で軽く炙った肉を
残った手で口に入れる。しばらく食べていると
「ひっぐ。グガガァァァアアア」
「うぅ?ギィギィヤアァアア」
二人は女性が出す声とは思えない叫びを上げ転げ回る。
そんな二人を見守ることしかできないハジメは
経緯子と香織も自分が苦痛で苦しんでる姿を見ていた時
今と同じ気持ちになってたと思うとさらに申し訳ない気持ちになる。
それ故にハジメは二人から目を背けず見守り続けた。
二人の肉体も変化していく。髪はハジメと同じように白くなり
性別の違いなのか身長は余り伸びず、代わりに女性としての
特徴が強調されていく。胸とお尻がワンサイズ大きくなり
腰はより括れ肉感的な美女に変わった。
やがて痛みもひき、多少息が荒いが二人はゆっくりと目を開けて
「ハァ・・ハァ 痛かったよ。覚悟はしてたけど、あんなに激しい痛みなんて
でもこれでハジメくんと一緒にいる事が出来るかな」
「フゥ・・・ハジメちゃん。あんなに激しいだなんて。体が何度壊れると
思ったかわからないよ。それでハジメちゃんに言っておきたい事があるの」
経緯子がハジメを正面か見つめる。その経緯子を見て香織が何かを察し
同じくハジメを見つめ
「私もハジメくんに伝えたい事があります」
ほぼ二人同時に
「「私はハジメ「ちゃん」「くん」が好きです。愛してます」」
二人に告白されたハジメは答える事が出来ないでいた。
(経緯子ちゃんも白崎さんも大切でどちらかなんて今、言えないよ)
経緯子と香織はそんなハジメのヘタレぐあいを察していたのか
「ハジメちゃん、今、返事しなくて良いよ。私が告白しておきたかっただけだし」
「私もかな。ただハジメくん。名前で呼んでくれないかな?」
「ハジメちゃん、私も呼んであげて良いと思うよ」
二人に名前で呼ぶように頼まれたハジメは告白に返答出来ない後ろめたさもあり
照れながら香織に
「これからは香織さんと呼ぶね」
「うん」
香織が幸せ一杯の笑みを浮べうなずく。
経緯子はその様子を微笑みを浮べ眺めていた。
昏い奈落の底で少しだけ明るい空気が流れていた。
おまけ
ハジメ 「ナノさんと話せるようになったよ」
香織 「ハジメくん凄い!」
経緯子 「ハジメちゃんのナノちゃんはどんな子なの?」
ハジメ (確か僕のイメージで変化するんだよな。趣味のメイ・・・!)
香織・経緯子 「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ハジメ 「こ・・コレだよ」
二人の圧力にヘタレたハジメはテラホークスのゼロ軍曹に簡単な手が
付いたメカぽいものをイメージするのだった。(漫画版のナノちゃん)
補足
奈落に落ちましたハジメくんですが、飢えは、ともかく水はあるので渇きは
回避できたし経緯子と香織も一緒なので孤独感が薄いので何とか変心せずにすみました。
あと自分の考えですが原作で魔物の肉を食べた変化は脳機能にも少なからず影響を与え
魔物の攻撃的性格も受け継いだのではないかと本作のハジメくんはナノちゃんによって
脳機能は最優先で保護されました。