ありふれた(平均)値で世界最強って言ったよね!   作:simasima

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15 現状打破に向けて

今回はほぼ状況説明です。

 

                              

 

 

 

 

まずは地上、教会や王国でのハジメ、経緯子、香織の

現在の扱いを記すと。

迷宮でいきなりエヒト神に呼ばれた神の使徒、勇者の仲間が

三人も失うという事態に特に教会は自分たちの権威が低下するのを恐れた。

一緒に落ちた三人の内、戦闘職でないハジメと経緯子が香織を

巻き込んで落ちたとして二人をおとしめ批判をかわすべきとの

意見も出たが、教皇イシュタル自らその意見を却下した。

ただそれは同情とかでなく、ハジメと経緯子の二人を故意に

批判したと自分を踏み付けた、海里が知ったら何をするかわからず

警戒したのだ。

なので勇者が成長するための試練であり。落ちた勇者の仲間の

救出に全力で協力することこそ神の意思であると発表したのだ。

 

一方、王国側では落ちたのが、戦闘力の無いハジメと経緯子なのが

不幸中の幸いと一部の貴族から批判的な言葉がでるもすぐに収まる。

なぜならハジメと経緯子が再現した地球の美容用品、シャンプーやリンス

以外にもクラスメイトの妙子等が携帯の化粧品入れのポーチを昼休みに

直すつもりでポケットに入れたまま転移したため本人らの希望もあり

スティックタイプのリップ、(トータスでは紅を水で溶いて使うタイプ)

やまつ毛を上向きに反らせるピューラーなどを経緯子が成分解析し

再現そしてハジメが道具や容器を複製した物が、

貴族の奥方の間で流行していたので悪く言えなかったのだ。どこの世界も

女性の美に対する欲求は強くそれに旦那は逆らうことができないのである。

ちなみに海里や経緯子と親しかったリリアーナは化粧品よりも

ハジメが再現したガラスペンが一度インクにつけると羽根ペンの何倍も

文字が書ける事に、これで仕事が捗ると大変良い笑顔で喜んでいた。

 

こうなると迷宮でトラップを作動させた。檜山に批判の矛先が向かう事と

なり厳罰をと言う声も高まるが、勇者である光輝が檜山が十分に反省してると

かばったのと教会側も厳罰に処す事で生徒たちをこれ以上萎縮させる事を

嫌ったため、十日程の自室謹慎で済まされたのだ。

以上が海里が王城に戻ってきた時の地上の様子であった。

 

 

畑山愛子は自分が農村を巡っている間に三人の生徒が迷宮での訓練で

行方不明(教会発表)にショックを受け寝込んでしまっている。

海里はそんな愛子の部屋を訪ねていた。

ベッドの上で愛子は上半身を起こし海里に申し訳なさそうに言う。

 

「すみません。情け無い姿を見せてしまい。栗原さん達が居なくなった事に

海里さんの方がショックが大きい筈なのに・・・」

 

「私なら大丈夫とは言えないですけど、

それはともかく経緯子にハジメちゃん、白崎さん、全員が生きてます。

なぜわかったのかは詳しく言えませんが。

無事なのは真実です私を信じて下さい」

 

「・・・肉親の海里さんが言うのなら、

生きてる事を教会や生徒の皆さんに教えたのですか?」

 

「八重樫さんと中村さん谷口さんの三人だけですね。

 彼女たちにも、ほかの人に話さないように言ってあります」

 

「そうですか。生きてると分かれば救出という名目で

戦いに駆り出せれる事になりそうです。心情的にも反対しにくいですし」

 

「畑山先生、今はまだ戦う事を拒否している生徒さん達に

教会や王国はやんわりと戦線復帰を促してるだけですが

いつ強行手段にでるかわかりません」

 

 

などと海里と話す内に愛子は生徒を守る教師の顔になっていき

そしてベッドの上で立ち上がり宣言する。

 

「今から!教会や国と交渉します!」

 

 

その後、愛子は不退転の決意をもって

戦争を拒否している生徒たちに戦いを強制するなら

自分は作農師として教会及び王国には協力しないと発言。

教会等側も愛子の作農師としての能力は検証結果から

愛子の協力が無いと戦争継続能力にかなりの違いが出るため

愛子の要望を受け入れる。なお海里は終始、愛子の後ろから

教会関係者に睨みをきかせており。

海里自身は愛子から離れ、これからは勇者等迷宮攻略組と

ともに迷宮に潜ると言った。教会側としても肉親の捜索と

言われると反対できず認めるしかなかった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ヒュンッと風切り音がする。雫が訓練場の片隅で型稽古していた。

何回か感触を確かめるように刀を振ると鞘に収め「ふうっ」と息を吐く。

 

(やはり一週間近く寝てたら思ったより鈍ってるわ)

 

軽く目を閉じ今の動きを頭の中で反芻している雫に声が掛かる。

 

「雫。ちょっといいかな」

 

「んっ優花?なに?」

 

と言い優花が雫に近づいてくる。親しげに話してるように聞こえるが

実は地球では同じクラスメイトというぐらいで接点はなかったのだが、

トータスに召喚され、また地球に残されたクラスメイトもいるためか

召喚された女生徒たちは仲間意識が強くなり

全員が地球にいた頃に比べて親しくなっていた。

 

「あのさぁ?経緯子のお姉さん城に帰って来たのよね?」

 

「うん。そうだけど、なにか海里さんに話?」

 

「話というか顔が会わせづらくて、実は私さぁ南雲に

迷宮で2度も助けられたのよ」

 

「二度?」

 

「一つはベヒモスのことだけど、その前に骸骨に殺されてそうになって

そのとき南雲が錬成でアイツらを橋から落として助けてくれたの」

 

「そんな事があったのね」

 

「なのに南雲たちが落ちた時何も出来なくて・・・

南雲に礼を言いたいのに、助けくれてありがとうと言いたいのに。

だから海里さんにどう・・・会えばいいのかわからないの・・・」

 

と最後のほうはその時のことを思い出したのか優花の声は震えていた。

同じく無力さを感じたのは雫もなので短く「そう・・」と答える。

短い沈黙の後、優花が雫に問いかける。

 

「雫はどうして立ち直れたの?鈴達からかなり酷かったって

聞いてたから、海里さんと会って何かあったの?」

 

「何かって言うか・・・私また迷宮を探索しようと思う」

 

「まさか雫。あなたまで三人が生きてるって思ってるんじゃ⁉︎」

 

真実を話せない雫はその答えと言わんばかりと優花を真っすぐに見つめる。

優花は小さい頃から実家の洋食屋の看板娘として手伝ってきたので

人を見る目はそれなりに養ってきたつもりだ。

そんな優花が今の雫を観るにまだやつれてはいるが、その瞳には

確固とした意志の光がみえる。それに優花はまさかと思いつつも、

その口から出た言葉は

 

「希望を持っていいのね?なら私も前に進もうと思う」

 

ここにまた一人の少女が自分の心を奮い立たせる。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

奈落 一匹の魔物、蹴り兎が何かを探るように

耳をせわしなく動かしている。

ピクッと何かを見つけたのか耳が一方向へ向き止まる。

その瞬間蹴り兎の頭が弾け飛び体が力を失い倒れる。

そして亡骸に近づく二つの影があった。

 

「フフフ。改良したコレなら楽に狩れるわ」

 

「そうだね。経緯子ちゃん、今日のご飯も狩れたし

ハジメくんの所に戻ろうかな。んっ収納」

 

と蹴り兎の死骸をアイテムボックス(収納魔法)に入れるのは

メイスらしきものを手にした香織だった。

その横には経緯子が立っている。

彼女は左手に長さ三十センチ程の筒が付いた

ポケットタイプのスリングショットを持っている。

コレはアイテムボックスに入れていた予備のチューブを使い

ポケットタイプに改造してその先端部に脱着が可能な金属製の筒を

取り付けたものだ。なぜわざわざ筒を取り付けたのか

それは魔物を食べて身に付けた技能“續雷”を使うことで

金属製の筒の中に電磁界を発生させ打ち出した金属球を

誘導、加速させる事で簡易なレールガンとなるのだ

普通なら球の装填は筒が付いてるために面倒なのだが

経緯子ならチューブの内側にアイテムボックスから

出すことができるので問題がない。

 

二人は周囲を警戒しながら、しばらく歩くと立ち止まり壁の一部をずらす。

すると人が屈んで入る事ができる穴が現れる。

二人はその穴に入りずらした壁を戻し入り口を塞ぐと

前に進むすぐに教室ぐらいの広さのある空間に出た所で

 

バアァン

 

轟音が響く。音の先にはトータスで見る筈の無い物

地球で知識はあっても実物を見ることはない

拳銃を右手に構えているハジメがいた。

 

「ハジメちゃん!完成したのね」

 

「うん。なんとか完成したよ。リボルバー式拳銃“ドンナー”が!」

 

と得意げにハジメが答えると香織が首をかしげ言う

 

「ド・・ドンナー?」

 

そして経緯子はハジメを優しい目でポツリと一言。

 

「ハジメちゃんだし」

 

その言葉にダメージを受けたハジメは「テンションが・・・愛着が」

とかぶつぶつ言う。香織が「うん。カッコイイよ」とか言って

励ますつもりで追い打ちかけたりしている。

三人がいる教室並み広さのある場所は実は

ハジメ達が最初に避難した横穴をハジメ調子にのって

ここまで広げたものだった。

なぜそうなったか、逃げ込むために造った穴は狭すぎたため

ハジメが錬成で拡げていると地上で見た事の無い鉱石を堀り出し

派生技能の“鉱物系鑑定”を使ってみると

 

 

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燃焼石

 

可燃性の鉱石。点火すると構成成分を燃料に燃焼する。燃焼を続けると次第に小さくなり、やがて燃え尽きる。密閉した場所で大量の燃焼石を一度に燃やすと爆発する可能性があり、その威力は量と圧縮率次第で上位の火属性魔法に匹敵する。

 

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タウル鉱石

 

黒色で硬い鉱石。硬度8(10段階評価で10が一番硬い)。衝撃や熱に強いが、冷気には弱い。冷やすことで脆くなる。熱を加えると再び結合する。

 

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この二つの鑑定結果を見た時ハジメの頭にある物が再現出来るのでは

「地球を舐めんなファンタジーする」事が可能かもと浮かぶ。

ついでに緑光石も鑑定してみると

 

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緑光石

 

魔力を吸収する性質を持った鉱石。魔力を溜め込むと淡い緑色の光を放つ。

 

また魔力を溜め込んだ状態で割ると、溜めていた分の光を一瞬で放出する。

 

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と出て地球で使用されている物を再現するのに使えそうだ。

 

それからのハジメは収納に困らない事から掘りまくり広げまくりで

大量の鉱石を手に入れ、ここまで穴が広がったのだ。

その途中で[+鉱物系探査]という技能を手に入れる事ができた。

それらを使い地球で人が最強となった象徴でもある銃の再現に挑んだ。

ハジメも銃の仕組みは知っていても当たり前だが設計など素人である。

何十回と試作を繰り返す。ナノさんのサポートがなければ

更にこの何倍も失敗をしたであろうが、そして完成したのが

タウル鉱石製六連リボルバー式拳銃“ドンナー”である。

ドンナーも“續雷”を使いレールガン化する事ができ最大威力は

対物ライフルの十倍を軽く上回る。

 

「これで攻撃力はカバーできるはずだよ。

だからここで使いこなす訓練してから迷宮の探索に出ようと思うけど」

 

立ち直ったハジメが二人に話す。

 

「そうだねハジメちゃん。このまま救助を待つ訳にいかないし。

お姉ちゃんでもさすがに、ここまですぐに来れないだろうし」

 

ちなみに経緯子たちは海里と連絡は取れないが自分達が生きてる事を

海里がナノマシン経緯で知っているであろうと察している。

と経緯子が答え香織が続く

 

「うん。そして三人で地上に出よう」

 

とハジメたちは真のオルクス大迷宮の攻略の準備に入るのだった。

 

 

 

 

 

                             

 

 

原作でも召喚された人数は明言されて無かったので

名前のわかるクラスメイトだけ召喚に巻き込まれた事に

しました。多分もう何人かいると思うけど

描写できないので絞りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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