ありふれた(平均)値で世界最強って言ったよね!   作:simasima

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16 再挑戦!裏と表の大迷宮

今回は海里がはっちゃけます。

でも鼻つまみでないし華の落ちこぼれでもないよ。

と古いネタがでてきますので悪しからず。

 

では本編です。

 

 

                    

 

 

海里は王都で一週間過ごした後、ホルアドの街に来ていた。

生徒たちが再びオルクス大迷宮に挑むからである。

前回と違い光輝組、檜山組、永山組の三パーティだけで

園部組は参加していない。そこに海里と雫がペアで同行する。

光輝は海里と雫を自分のパーティに入れたいみたいだが、

さすがに雫のアノ時の剣幕を知っている恵理と鈴から

今すぐは無理と止められた。

檜山のパーティは検討に値せず。永山のパーティは清水が

とある理由で抜けたとは言えバランスも連携もとれてるので

無理に入る必要も無い。

なのでオールラウンダーである海里と

前衛で切り込み役である雫が

多少バランスが悪くともペアで行動する事になった。

 

という事で今、生徒たちと共に海里は迷宮の入り口に立っている。

 

「ここが地獄の冒険者養成施設。通称“オルクスの穴”ね」

 

「海里さん?なにその胡散臭い呼び名は?」

 

「雫さん!(※海里は雫から名前で呼ぶように頼まれた)あなたは!

虎よ虎になるのよ!」

 

「覆面はかぶらないわ!」

 

雫は懐かしのTV特集なので元ネタを知ってるのか海里に突っ込む。

と海里は今迄のストレスからか、初っ端からおっさんネタに走っている。

 

 

ともかく前回と同じくメルド等騎士団に率いられ

迷宮に入った海里と生徒たち。

しばらく歩くと大胸筋を見せびらかすラットマンが現れる。

海里は迷宮に潜るのは今回が初めてなのでメルドが

 

「海里。おまえの魔法剣士の力を見せてもらっていいか?」

 

その言葉にうなずくと海里はラットマンの前にでる。

ラットマンが海里に殴りかかってくるが、海里はそれを横にステップして躱すと

腕をクロスさせた後、己の額付近に右の拳を逆手に構え左の拳は腰に添えて

 

「飛竜!三段蹴り!」

 

と叫ぶとラットマンの肩に飛び蹴りをしその反動で空中で一回転し

今度は頭を蹴り再びそのまま空中で一回転最後は胸に蹴りを入れ

ラットマンを蹴り飛ばした。現実にこの様な動きは不可能だが

海里にはナノちゃん由来の重力魔法があるのでそれで再現した。

おまえの魔法で無く「おまえの空手をみせてやる」海里である。

 

引き続き下層へと進んでいくと、今後はハジメ達も戦ったモーザドックが

数十匹の群れで現れる。手を貸そうとする生徒たちを海里は制すと

一人でモーザドックの群れに突っ込む。襲いかかってくるモーザドック達を

パチンコ玉大の鉄球を指で弾くいわゆる指弾である。右に左に指を弾く度に

モーザドックは倒れていく。あるときは片手を背中に回し反対の手で弾き

そしてステップを踏みながら両手でリズムをとるように腕を振りながら弾き

最後に腕を正面と背中に回しそれぞれ違う目標に弾き終わらせてた。

その素晴らしきダンスな戦い方に遠藤という名の生徒は何か

己の琴線に触れるものがあった。

 

そして二十階層に辿りつく。次の階に降りる階段を目指して歩いていると

海里の頭頂部の髪が垂直に立ついわゆる妖怪アンテナである。

間をおかず壁に擬態していたロックマウントがわらわらと姿をあらわす。

ロックマウントは海里に向け咆哮を上げようとするが、それより速く海里が

 

「ウー ヤー ター!!」

 

と叫ぶとロックマウントたちは地震にあったかのように揺れその後、硬直する。

説明しよう。コレは海里の26の秘密のひとつ[ミラクルボイス]である。

前方の空間を超高速振動させ敵の体内に振動伝播させ陸奥圓明流の

無空波のように内部から麻痺させる技だ。

海里は側にいる岩に擬態したまま硬直している、ロックマウントを

持ち上げるとそれを全力で硬直し動けないロックマウントの群れに投げつける。

ストライクだ。これが魔法剣士の力とドヤってる海里を見た生徒たちは

 

(魔法も剣も使ってねぇ⁉︎)

 

と心で突っ込みを入れる。経緯子たちが居なくなったストレスをやりたい放題の

ネタを魔物たちにぶつけて海里はスッキリした顔していたが。

ある方向の迷宮の壁を見たとき表情を強張らせる。

そこは迷宮の修復機能でグランツ鉱石は隠れているが

騎士団によって注意を促すマーキングがされているトラップが隠れてる所だ。

海里はその一角を立ち止まり凝視していた。

そんな海里の胸中を察して雫は気にかけるように言葉を漏らす。

 

「海里さん・・・・」

 

 

 

その後階段の手前まで進んで降りる前に小休止を取ることになった。

雫が海里に小言で話しかけてる。

 

「あの〜海里さん・・・付いて来てくれませんか?」

 

これはお花摘みにという事である。迷宮内にトイレなど無いので

物陰でとなるのだが一人だと魔物がいるために危険なので最低でも

安全のため二人で行く事になっている。

 

「雫さん。任せて良い物があるわ」

 

と海里は高さ2メートル縦横1メートルぐらいの

長方形のボックスを収納魔法で取り出す。

これこそ海里謹製[ベヒモスが踏んでも壊れない移動要塞型トイレ]だ。

これに女生徒たちは海里に感謝し喜んだ。

男子?その辺で立ってすれば良いのだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

海里がやりたい放題してたころの王城の訓練場

シュバッ! 一本のナイフが空気を切り裂き進む。その先には

剣を構えた騎士が立っていた。目の前に迫ったナイフを横薙ぎに

払うとナイフが飛んできた方向へ走り出す。二本、三本と続いて

飛んで来るが、剣で払わず軽く左右にステップし躱し走る速度を

ほとんど落さずに前進しナイフを投げた人物を剣の間合いに捉える。

上段に振りかぶり剣を件の人物の頭をめがけ振り下ろす。

頭上に迫る剣にビクッと硬直してしまうその人物。しかし騎士の剣は

そのまま振り下ろされず、頭頂部スレスレの所で止められる。

 

「はい!ここまでです。優花様」

 

騎士は女性であった。彼女の名前はクゼリー・レイル、怜悧な目元そして

キリッとした眉と引き締まった口元と髪はセンターより少し左側で分けた

金髪ストレートで実直さが表に出ている美人だ。

彼女は女生徒達の訓練を担当する女騎士のまとめ役を任され

メルドの信頼も篤い優秀な人物である。

 

「ふぅ〜 ありがとうございました」

 

礼を言う優花にクゼリーは今の模擬戦の感想を述べる。

 

「投擲の精度は流石天職持ちですが。ナイフの軌道がストレートで

読みやすいです。フェイントやナイフの速度に変化をつけてみればと

後は斬りつけられた時、体が固まってしまうのはいただけません」

 

「迷宮での事を思い出して」

 

優花はトラウムソルジャーに頭を叩き割られかけたのが

どうしてフラッシュバックし固まってしまう。

 

「私・・ダメなのかな恐怖に勝てないや。助けもらったのに

アイツに次は大丈夫と言いたいのに・・・」

 

「優花様、一度覚えた恐怖は中々消えません。焦ってはだめですよ。

それにこうして訓練して前に進もうとする気持ちが有れば大丈夫ですよ」

 

「う〜んでもさぁ」

 

「“アイツ”とはもしかするとハジメ様のことですか?」

 

「うん。非戦闘職の無力だと言われてたのに南雲は皆の前に立って動いたのに

私は戦う力があるのに未だに戦えない」

 

クゼリーは思う彼、南雲ハジメ事。あの時クゼリーも迷宮の訓練に女生徒の

お守り役として参加していたが、あのナョッとした少年の活躍が

なければ無事に戻って来れたか分からない、教会は勇者光輝が生きてると

公言しているので救出に全力で当たると言ってるがクゼリー本人は

教会の権威を落とさないため方便だと思っている。

なので優花に他の者に聞かれたら騎士としては不味い質問をしてみる。

 

「優花様は再会を勇者の言葉信じているのですか?」

 

「天之河の?それはないわ〜アイツは無意識かワザとか

分からないけど南雲の事は省いてるし!」

 

優花の答えにクゼリーは優花の願望

自分のに都合の良い現実として見ているなら

人はあっさりと死ぬとありふれた事実に再び

さらされた時、優花はあぶないのでないかと思う。

 

「では何を信じてるのですか優花様は?」

 

「経緯子のお姉さん、海里さんだと思う

海里さんが戻って雫も立ち直ったから

だからきっと会えると思ってる」

 

(なるほど海里様ですか、彼女ならもしかしてと)

 

「海里様が“生きている”と言われたのですか?」

 

「ううん、海里さんは言ってないと思う・・・」

 

優花は言葉を濁す。優花はまだ海里に話しかける事ができずにいた。

 

「でも・・・雫や海里さんを見かけた感じからそうなのかなと」

 

「そうですか。ハジメ様がうらやましいですね。優花様が再会を

信じてこんなに頑張っているのですから?」

 

「イヤイヤ!クゼリーさん!南雲だけじゃないし!

経緯子と香織も会いたいしさぁ!このままだと自分が

悔しいから訓練してもらってるだけだから!」

 

「はい。わかりました。今日はここまでにしておきましょう」

 

とクゼリーは訓練を切り上げるのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

奈落、真のオルクス大迷宮の中を三つの影が空を駆けていた。

ハジメ、経緯子、香織の三人である。

彼らは蹴り兎を食べる事で天歩[+縮地]・[+空力]という技能を得た。

[+縮地]は良く格闘漫画で出くるような強く踏み込む事で間合いを詰める

事が出来る派生技能で連続で使えば目にも止まらぬ速さで移動可能だ。

 

面白いのは[+空力]でコレは空中に足場を某結界師の結界の

様なものを作りその上に立つ事で短時間だが空に浮かぶ事が出来る。

 

これらの技能を使いこなすのにハジメ達は苦労した。

ハジメの造りだした拠点の天井に頭をぶつけ

時には床に顔からダイブし何度も見せられないよ状態になりかけ

その治療のため香織の技能に[+高速治療]・[+精密診療]の技能が

増えるぐらい痛い目にあったが、そのおかげで今は

完全に技能を三人共使いこなしてている。

 

ハジメ達は会得した技能を十全に活用して迷宮の壁をけり

時には空力で空中に足場を作り迷宮内を高速で目的のものを

探していた。経緯子がハジメと香織に立ち止まる様にハンドサインを出す。

経緯子の探査魔法に引っかかった様だ。思念波の同調レベルの関係から

海里の妹の経緯子が三人の中で探査魔法の範囲が広く斥候役を担うことが多い。

目的のもの“爪熊”を見つける。探査魔法を使ってなので爪熊は

ハジメ達に気が付いていない。ハジメ達はすぐに爪熊に仕掛けず

迷宮の闇に紛れる。

 

爪熊は餌を探していた。爪熊の鼻がなにか嗅ぎ取り鼻の穴が広がり

爪熊はその臭いに喜ぶなぜなら前に食べたご馳走と同じ臭いだからだ

臭いのする方向へ向かって迷宮の通路を悠然と進むと四つ路に

別れた所に出る。爪熊はもう覚えてないがここはハジメ達が

爪熊に襲われハジメの腕が喰われ所だ。爪熊のいる通路の正面の

道の入り口に前に食い損ねた獲物がいたハジメである。

 

(かかったね。僕達は生き物としてお前に屈したけど今からヒトらしく

お前を狩って先に行かせてもらうよ)

 

ハジメ達は迷宮を探索する前に爪熊との因縁を自分たちが乗り越える

最初の壁であると考え前に進むため爪熊を狩ることに決めたのだ。

 

ハジメの前に赤い液体が入った皿が置かれたいた。

この皿には経緯子がハジメの血を解析し新たに得た技能[+成分合成]

を使いハジメの血の匂いがする液体を入れてある。

 

最初に爪熊見つけた後この場所に誘い出すため用意していたものだ

これをハジメが微風の魔法(ナノちゃんのおかげでハジメも弱い魔法は使える)

で血の匂いを爪熊の通路に送りこうして誘いだしたのだ。

 

爪熊がこの階層では敵う者など言わんとばかりにハジメに

ゆっくりと近づいて来る。ハジメとの距離が10メートルに近づいた時

ハジメが呟く

 

「慢心だね」

 

と同時に爪熊の足元にポッカリと穴が空く前もってハジメが錬成で

穴を開けて蓋だけしておき、今また錬成で蓋を消したのだ。

穴に落ちた爪熊に天井から瓶が投げ入れられる。

爪熊の頭に当たると瓶が割れ赤い粉が飛び散り

穴の中で爪熊が転げ回る。この粉はアイテムボックスに残っていた

カプサイシンの液を乾燥させた物だ、所謂熊避けスプレーの中味だ。

爪熊がなんとか穴から這い出そう穴の縁に爪をかけた時、

ザッシュと手首が切断される。

 

「コレでおあいこかな。ちゃんと手は食べてあげるからね」

 

天井の陰に隠れてた香織が降り立ち手にしているロッドの先端に

”光刃“出現させ切り落としたのだ。

ハジメの隣に同じく天井に隠れて薬品の容器を落とした経緯子も

降り立ち、ハジメを真ん中に右に香織、左に経緯子と並び

三人はそれぞれドンナーとハジメが経緯子と香織に造り上げた

ドンナーより小振りな”ツヴァイ“と”ドライ“を構え

爪熊に狙いを定める。爪熊がハジメ達に風爪を飛ばそうとするも先に

 

ドバアァァンン   

 

と三発の銃声が重なり爪熊の頭を吹き飛ばした。

ハジメ達は獣を罠にはめ人らしく狩ったのである。

 

(自己満足だけど前に進むためケジメはつけられたかな)

 

とハジメ少し感傷にひったている側で

 

「経緯子ちゃん、熊の手ってどっちが美味しかったかな?

右手かな?左手かな?」

 

「香織さんあれはどちらかで蜂蜜を取るとかで美味いとかで

ここには蜂蜜なんてないからどっちも同じだよ」

 

と香織と経緯子はこの一週間程ですっかり狩ガールになってしまっていた。

ハジメ達は爪熊をアイテムボックスにしまい拠点に戻るのだった。

一休みすれば迷宮攻略に動き出すことを決意して。

 

 

 

 

                  

 

 

 

 

海里は迷宮の攻略に参加しました。

ハジメ達は原作と違い正面からでなく罠にかけ爪熊を倒しました。

ハジメに人として知恵を使い乗り越え欲しくてこうなりました。

 

あと優花のシーンがなぜか増える。自分は思ったよりハジメ✖️優花推し

なのかもしれない。優花がメインヒロインの話を書いてみたいけど、

どうメインに持っていくか今のところ思い浮かばないのでパスかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

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