ありふれた(平均)値で世界最強って言ったよね! 作:simasima
○○は何がはいりますか?
その答えは本編で。
いきなりだが現在のハジメたちのステータスは下記の通りである。
=====================================
南雲ハジメ 17歳 男 レベル:52
天職:錬成師
筋力:1080
体力:1250
耐性:960
敏捷:1140
魔力:860
魔耐:860
技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成]・
[+錬成記憶][+錬成再生][+間接錬成]魔力操作・胃酸強化・纏雷[+周波数調整]・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]
・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・
身体強化・超超超々微細機械補助[+土魔法A][+探索魔法C][+生活魔法D]*(魔法名の後のアルファベットはナノマシンとの同調レベルのランクS~E)
・言語理解・アイテムボックス
=====================================
栗原経緯子 17歳 女 レベル52
天職 薬剤師
筋力 :850
体力 :920
耐性 :830
敏捷 :1020
魔力 :1560
魔耐 :1540
技能 調合[+成分解析][+成分抽出][+液体系鑑定][+生物系鑑定][+液体合成][+自動合成]・身体強化・
魔力操作・胃酸強化・纏雷[+周波数調整]・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・
遠見・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・
水魔法[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動]
・火魔法[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇]
・超超超々微細機械補助[+水魔法A][+土魔法C][+探索魔法A][+分析魔法A][+生活魔法A]・言語理解・アイテムボックス
====================================
白崎香織 17歳 女 レベル:52
天職:治癒師
筋力:980
体力:960
耐性:960
敏捷:1080
魔力:1680
魔耐:1680
技能:回復魔法[+効果上昇][+回復速度上昇][+イメージ補強力上昇][+浸透看破][+範囲効果上昇][+遠隔回復効果上昇]
[+状態異常回復効果上昇][+消費魔力減少][+魔力効率上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動][+付加発動][+高速治療][+精密診療]
・光属性適性[+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動]
・高速魔力回復[+瞑想]・魔力操作・胃酸強化・纏雷[+周波数調整]・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]
・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・
身体強化・超超超々微細機械補助[+治療魔法A][+光波魔法A][+探索魔法C][+生活魔法B]・言語理解・アイテムボックス
====================================
迷宮の一角、袋小路になった所で
ハジメ、経緯子、香織の三人は期待と不安を感じながら
今から自分たちが挑む物を見る。
そこには高さ3メートルはある装飾された荘厳な両開きの扉
そして守護するように扉の脇には壁に半身が埋まっている
一対のサイクロプスの石像がある。
そして三人は意思を確認し合う様に頷き合うと
ハジメはドンナーを構え経緯子と香織はそれぞれ長巻を手にし
罠を警戒しながら慎重に歩を進める。特に何事もなく扉の前にたどり着く。
扉の中央に二つの窪みのある魔法陣が描かれているのが確認できる。
「ん~わからない?結構勉強したけどこんな式見たことないや」
城に居る時はハジメは錬成の修練の合間、己の力不足を補うため図書室に
入り浸りこの世界の知識を漁っていた。特に魔法陣については
地球で父親のゲームのプログラムに関わっていたのと
ココロの奥底に沈めたナニカに引っ掛かり熱心に調べていた。
そんなハジメが魔法陣の式を全く読み取れずにいる。
「経緯子ちゃんと香織さんは何かわかる?」
ハジメと一緒に訓練の合間図書室で本を読んでいた二人に聞いてみるが、
「ハジメくん私も見たことないかな」
「ハジメちゃん魔法陣は分からないけど
たぶんそこの二つの窪みに鍵になる
ものを嵌めない扉が開かない?」
経緯子の言うとおり鍵がいるとしたら
なおのこと扉を開けないといけない。
ハジメはここは押してダメでも押し通すと決め
「二人とも今から僕が錬成で強引に行くから
左右の対処は任せるね」
ハジメの言葉に二人はすぐに
左の像は経緯子が右は香織が何かあれば
動けるように身構える。
ハジメは精密な操作がいらないので
左の義手で扉に触れると錬成を開始する。
その途端、扉から赤い放電が走りハジメの義手を弾き飛ばす。
義手のカバーは所々が焦げていた。
(もう少し威力があったらアレがやばかったかも)
とハジメが内心焦っていると異変が起こる。
オォオオオオ‼
突然、野太い雄叫びが響くが
直ぐに鳴りやむ
ドシャ! ドシャ!
と二つの落下音が聞こえるそれは何か
扉の放電を合図にサイクロプスの石像は石化が解け
口を開き歓喜の雄叫び上げた刹那に
経緯子が風爪をまとった長巻の刃で
香織は光刃をまとった刃を使い
それぞれがサイクロプスの頭部を下あごから切り離し
その頭部が落下した音である。
無防備に大口を開けるのが悪いと狩れる時に狩る。
見せ場など考慮しない経緯子と香織であった。
哀れサイクロプス、壁に半身が埋まったまま退場である。
ハジメはしばらくサイクロプスの死骸を見ていたが
何か思いついたのかサイクロプスの胸部を切り開き
魔石を取り出すと扉の窪みに合わせてみるとピッタリ収まった。
その直後、魔石から魔法陣に魔力が送られ
何かが割れる音がしたとおもうと同時に周囲の壁が発光し
扉の前の袋小路が光で満たされる。
ハジメたちは警戒しながら慎重に扉を開く。
扉の奥は光一つない真っ黒な空間が広がっていた。
が手前の袋小路からの明かりによって
部屋の全容が明らかになってくる。
中は大理石のような艶やかな石で出来ていて
幾本もの太い柱が規則正しく奥へ向かって二列に並んでいる。
そして部屋の中央には巨大な立方体の石が置かれている。
その立方体を注視していたハジメたちは
何かが立方体の前面中央から生えていることに気づき
「きゃっ」
と香織が久方ぶり女の子らしい悲鳴をあげハジメにしがみつく。
そしてソレを指さしながら
「お・・・お化けぇ?」
とか細い声を出す。香織は昔から幽霊の類が苦手のなのだ
人外と化した今でもそうらしい物理が効かないせいだろうか。
香織の指の先には長い金髪が女幽霊のように垂れ下がり
その髪の隙間から低高度の月を思わせる紅色の瞳がのぞいてる。
年は十二、三くらいの少女の胸像だった。
「・・・だれ?」
掠れた、弱々しい女の子の声が胸像から発せられる。
「人?生きてる?」
とハジメは声を出し硬直し
経緯子と香織も呆然と女の子を見いる。
そんなハジメたちに長い事声を出していなかったのか
掠れて呟きのようだが必死さが伝わる声で
「お願い・・・助けて・・・何でもするから」
女の子は何とか動く首で必死で顔を上げ懇願する。
その様にハジメは眉を寄せ考え込む。
そして経緯子が静かに言葉を返す。
「あのね、こんな奈落の底に封印されている。
あなたを”はい”そうですかと簡単に助ける
わけにはいかないし。
みたところ迷宮脱出の鍵もなさそうだしね」
突き放す様な言葉に女の子はさらに
必死に泣きそうな表情で訴える。
「ちがう!ケホッ・・私、悪くない・・私・・」
「裏切られただけ!」
その言葉に三人はそれぞれ、心が揺さぶられる。
一番揺さぶられたのは香織だった。
何故なら香織が目撃したこと檜山が
ハジメに魔法を放った事をハジメ達には言っておらず。
真実は香織の胸に秘められたままだ。
香織はあんな奴がハジメの心に少しでも残るのが嫌だった
けじめは自分だけでつけるつもりだ。
経緯子はハジメの安全を考えるなら見捨てるのもと
同時にハジメなら見捨てないだろうとも考えていたが
裏切りの言葉を聞いたハジメをみて、やっぱりと思う。
ハジメは直ぐにでも助けたかったが
経緯子と香織に危険が及ぶリスクを考えると
判断できずにいたが”裏切り”の言葉で決断する。
「ハジメくん」
と香織がそして経緯子が
「ハジメちゃん」
とハジメの心情を察して声をかけると
「ごめん!二人とも僕の我儘に付き合って」
そのハジメの言葉に二人はただ微笑み頷く。
そして三人は経緯子が探索魔法で警戒しながら
慎重に件の女の子にゆっくり近づいて行く。
「私、先祖返りの吸血鬼・・・すごい力もってる・・
だから役に立つ・・から」
女の子はハジメ達に見捨てられまいと
己のことを語り始める。
「昔、国の皆のために頑張った・・・でもおじ様が
・・・これから自分が王になる・・すごい力がある私は危険だって
・・殺せないから・・封印するって・・ここに・・」
「あなたはどこかの国のお姫様とかだったのかな?」
香織が尋ねると彼女は頷き、ハジメも気になることを尋ねる。
「殺せないってなぜ?」
「・・勝手に治る。怪我しても直ぐ治る。
首切られてもその内に治る」
「それは凄いわね。吸血鬼というだけの事はあるし
他にも何かあるの?」
経緯子が地球での吸血鬼をイメージしながら感心する。
「直接、魔力が操れる・・・陣もいらない」
なるほど無詠唱で魔法を連発できるなら
まさしくチートだとハジメは思った。
そうこう話しているうちに女の子を封印している
立方体に手が届くところまでハジメ達は進んだ。
「助けて・・・」
目の前のハジメ達を見つめさらに懇願する。
ハジメ達その言葉に行動で返事をする。
経緯子は女の子の正面に立ち
ハジメは立方体の側面に手を置き。
香織がハジメの横で周囲の警戒を開始する。
「あっ」
女の子はハジメ達の意図に気付いたのか
大きく目を見開く。
ハジメは錬成を開始するが、
立方体はハジメの紅色の魔力を弾く
それでも少しだが立方体に魔力は浸透していく
「ぐっ、抵抗が強い・・でも今の僕なら!」
ハジメは更に魔力をつぎ込む。
「まだまだぁ!」
と上級魔法の必要量を超える魔力を
気合いと共につぎ込む。
どんどん輝きを増す紅い光を
女の子はこの光景を一瞬も見逃さまいと
ジッと見つめ続ける。
さらにハジメはヤケとばかりに
魔力を全放出する。
今やハジメ自身が紅く輝いている。
そのハジメの姿に経緯子は
自分の時と同じく助けると決めたなら
最後まで諦めず全力を尽くす姿勢に
ハジメを愛おしく思えて仕方なくなる。
だからこそ助けた女がもし裏切ったなら
躊躇せず排除するそのために正面に立ったのだから。
ついに立方体はハジメの錬成に敗北する。
女の子を封じていた立方体はドロッと流れ落ちていき。
胸が腰が足がとあらわになり
一糸纏わぬ姿がハジメの前に現れるが
一瞬のちに経緯子がアイテムボックスから出した
魔物の皮で作ったマントで彼女の裸を隠す。
自分の裸をまだ見せてないのに
先に他の女の裸をハジメに
見せる事などできない。
ハジメはへたり込み魔力の使い過ぎから
肩で息をしていると
「お疲れさまハジメくん」
と香織が労いの言葉とともに回復魔法をかける。
女の子は封印が解けた時座り込み
まだうまく足に力が入らないようだ
しかし同じくうまく動かせない自分の手を
ハジメの地面についている手の上に重ねる。
重ねられた手は小さく震えていた。
彼女の紅い瞳はハジメを見つめ
そして小さく震える声ではっきりと告げる。
「・・・ありがとう」
その言葉に震える手にハジメは助けて良かったと思った。
ハジメは考える。彼女はどれほど
この暗闇の中で過ごしたのだろうと
よく発狂しなかったものだと
これも再生の力のせいなのか
だとすれば狂うに狂えずこの闇の中
過ごすのは拷問そのもだろうと
彼女は重ねた手をそのままに尋ねる。
「・・・名前、なに?」
「僕はハジメ、南雲ハジメ」
「私はカオリ、白崎香織だよ」
「ケイコ、栗原経緯子よ」
女の子は今聞いたハジメ達の名前を
「ハジメ、ハジメ、カオリ,カオリ、ケイコ、ケイコ」
と大事なもの心に刻むように繰り返し呟く。
ハジメが彼女に名前を尋ねると思わぬ答えを返される。
「・・・名前つけて・・封印前の名前はいらない。
・・・ハジメにつけて欲しい」
「そうは言っても」
とハジメはためらっていると
香織が言う
「ハジメくん付けてあげて」
香織も普段なら
ハジメの手に手を重ねられたら嫉妬もするが
いまは流石に同情心が先に立ち
そして自分が暗闇の中で生きていくために
ハジメを守るために
心をいくらか作り変えたような
同じような理由だと思うとハジメにお願いしてしまうのだった。
ハジメは香織の言葉の後
今も立って周囲の警戒をしている
経緯子を見れば彼女はハジメちゃんに
任せると言わんばかりの態度を示す。
ハジメは頬を指でかきながら少し考えて
彼女に新しい名前を告げる。
「”ユエ”なんてどう?僕たちの故郷の言葉で
月を表すんだよ。最初に君を見たとき
その金色の髪と紅い目が夜に浮かぶ月に見えたから」
若干、気障すぎるかなとハジメは照れながら
名前とその理由を話す。
「ユエ・・・ユエ!んっ今日からユエ
ありがとう」
どうやら気にいって貰えた様子に安堵するハジメに
経緯子が警告を発する。
「ハジメちゃん!香織さん!真上で動きが」
言葉と同時にハジメはユエを抱え縮地でその場をはなれる。
勿論、香織もすでに飛びのいている。
ハジメ達が柱の陰に隠れると同時に
ユエが封印されていた所に
天井から何かが落ちてきて
部屋全体に地響きが広がる。
そして着地と同時に巻き上げられた
砂ぼこりが収まったとき
そこには巨大なサソリモドキというべき魔物がいた。
やっとユエを出せました。サソリモドキとの戦闘は
次回に持ち越しです。