ありふれた(平均)値で世界最強って言ったよね!   作:simasima

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25 激闘!奈落の底の大決戦

色々と難産でしたが何とか更新出来ました。

では本編です。

 

 

 

 

              

 

 

 

 ボツッ‼

 

光の中に穴が開いた

 

ドッガァアアアン‼

 

刹那の間、遅れて轟音が響き渡る。

 

「んっ・・・ボンバー」

 

ユエが今、轟音を響かせた物の

後ろに立ちどっかの遊撃隊長のような

セリフを呟いている。

ハジメ、経緯子、香織の三人は

横に立ちそれに触れていた。

 

音の正体それはハジメが造った大型兵器

”8.8cm FlaK 36”擬き通称アハトアハトである。

ハジメとしては動力があればロンメル戦車にでもしたかったが

現時点では無理なので普通に備え付けタイプで我慢した。

そしてこれは最大でハジメ、経緯子、香織の三人が協力しての

纏雷利用したレールガンとして撃てるため

モデルのアハトアハトの数十倍以上の破壊力を持っている。

 

それをハジメ達は迷宮の最下層と思われる

幾つもの柱が並ぶ部屋の奥の荘厳な扉の前に

現れた召喚の魔法陣の光が収まりきらない内に

魔物が具現化したギリギリを狙い撃ちしたのだ。

 

88ミリ弾をくらった件の魔物の

全長30メートルはあろう巨大な体は

中央が抉られ周辺の空気がプラズマ化

する程の弾速によって傷口は融解し

ぐつぐつと音を立てていた。

 

88ミリ砲弾も摩擦熱に耐えきれず

融解したためか魔物の後ろの

扉を破壊することにはならなかったようだ。

 

「やったね!ハジメくん!」

 

香織が喜びの声を上げユエが

 

「アンブッシュ・・・慈悲はない」

 

経緯子が横たわる死骸を見ながら

 

「かなり大きいわね、怪獣って感じ

首が何本かあるみたいだしヤマタノオロチ?」

 

「正面から戦うと厄介そうだし

不意打ちで倒せて良かった・・・⁉」

 

ハジメがあっさりと倒せた事に安堵した言葉を言ったとき

抉れている魔物の死骸の中央部から光が漏れ出し

 

「まさか?この光は召喚」

 

光は輝きを増し爆発する。

光が収まるとそこには

 

グッララァアアアン

 

いびつな亀の甲羅の様な体に表面から

色違いの八本のヌッメとした皮膚を持つ蛇の様な

例えるなら深海ザメラプカだろうか

生えており思い思いにうねっている。

そして体の中央正面、亀の頭の所からは

一回り大きくそして太い頭が生えている魔物が存在した。

 

「倒したのに何でナノさん解る?」

 

ハジメがナノマシンに質問する。

 

『倒すタイミングが早すぎたため、再召喚されたみたいです

後、転送事故で死骸と融合してしまいあのような歪な姿に

なってしまったと推測します』

 

どうやらハジメ達の倒すタイミングが早すぎたため

迷宮ののシステムがバグり再召喚されたようだ。

しかも転送された時死体と融合し皮膚が気持ち悪い事になってる。

 

もう一度アハトアハトを撃とうにも再装填には

未だハジメ達では三十秒はかかる。

その時赤頭が火炎放射を放ち

ハジメと香織は右に経緯子とユエは左に飛び

火炎放射を避けるがアハトアハトは炎に包まれる。

 

「チィッ」

 

ハジメが横跳びしながらドンナーで

赤頭を狙い撃ち破壊するが白頭が鳴くと

すぐさま再生される。

ならばと経緯子がツヴァイで白頭を狙うが

黄頭に阻まれる黄色は防御力が高いのか弾丸ははじかれる。

 

「”緋槍”」

 

ユエが魔法を放つも青頭の氷の槍の魔法に迎撃される。

そんなユエに緑頭からの風の刃が迫る。

 

「”聖絶”」

 

と香織の魔法で止められる。

その時中央の大きな頭が香織の方へ向き

銀色の首の鋭い眼光に射貫かれた香織は硬直してしまう。

動きを止めた香織に銀首の放った極光がせまるが

香織の前にハジメが割り込み光に飲み込まれる。

香織も直撃こそしなかったが余波で飛ばされ

 

「ハジメくん!」

 

顔を上げた香織が見たものは

全身から煙をあげゆっくりと前のめりに倒れるハジメだった。

咄嗟に義手とドンナーを顔面の盾にしたため二つとも融解している。

香織はハジメに駆け寄り神水を飲ますも

いつも通りに治癒していかない。

銀首の極光には体組織を崩壊させる毒も含まれており

今は神水の超回復で体の崩壊を何とか抑えてる状態であり

そんなハジメを見た香織は

 

「いやっハジメくん、また守れなかった・・・」

 

ハジメの横に後悔の言葉を呟きへたり込んでしまった。

 

「香織!ハジメちゃんは立ち上がる!だから香織!あなたにまかせる!」

 

経緯子の叫びが香織の耳に届く

 

「ユエさんはハジメちゃんと香織さんの守りを」

 

「まかせて・・」

 

「私はアイツの注意をひく」

 

経緯子は香織の返事も待たずに

バグヒュドラに向かって行った。

その経緯子の後ろ姿に香織は思った。

 

(私は経緯子ちゃんに任された同じ人を愛した女として

そうだ私はあの夜、ハジメ君と約束したどんな怪我でも治すと)

 

「私。白崎香織の天職は・・」

 

「治療師!白崎香織だぁああ!」

 

香織は己を鼓舞し火傷だらけのハジメの体に

両手の平をかざしまずは診察を開始する。

ハジメの皮膚を内蔵を神経や骨のみならず

血や細胞一つ一つまで調べていく

愛する男の全てが知りたい(ストーカー気質)という

情念の濃さに香織専属のナノマシンもその思念波の強度に

合わせ活性化しハジメの体を高速でなおかつ精密に診察していく。

 

(腎臓を保護してそこの動脈の流れをと神水の超回復をサポートして治癒魔法使えば)

 

香織は診察結果からハジメの体を治すための最適解を導き出し

そして己の全てを捧げる覚悟でハジメに繊細にそして大胆に

治療魔法かけていく香織であった。

そんな中

 

「”緋槍!風刃!天絶!”」

 

ユエがハジメと治療に集中する香織を守るため

銀頭から放たれる光弾を相殺し時には結界で防ぐ。

 

ドパァン!

 

経緯子はバグヒュドラの背中から生える首が

ハジメ達に向かないように右手でツヴァイを撃ち

頭を破壊していくが白頭によってすぐさま再生される。

白頭を狙うが黄頭のガードが固く当てられない。

ならばと左手に持った直径が10㎝程の寸胴な銃から

 

ぼんっ!

 

と音がしてひゅるると円筒状の物がバグヒュドラの

頭上に飛んでいきバン!と破裂すると中からタール状の液体が

散らばりバグヒュドラの背中が炎に包まれる。

経緯子が左手に持っていたものは各種の手榴弾や薬剤弾を

飛ばすためにハジメが作ったグレネードランチャーだ。

 

燃え盛る炎の中から風の刃が経緯子に向かい飛んでくる。

それを避けながら経緯子は

 

(頭が一度に全部ダメージを負ったから、これで私を先に排除しようとするはず)

 

バグヒュドラにとっての脅威度を上げ

攻撃が自分に集中することに成功するが

 

(ハジメちゃん。あまり持たないよ私)

 

ハジメは極光で受けたダメージで意識が混沌としている中

自分の体の傷が癒され更に魔物の肉で変質した体に残る

少し濁った様な感覚が無くなっていき

五感が研ぎ澄まされていき新しい何かが目覚めたと感じた

 

これは香織のハジメの全てを癒すという情念の深さから

傷を治すだけでなく同時にハジメの体を無意識の内に

ナノマシンの力を借り細胞単位で調整した結果であった。

 

黒頭がユエを見るなり

 

「いやぁあああ」

 

突然ユエの絶叫が響きわたる。

経緯子がバグヒュドラの魔法を搔い潜りながら

ユエを見ると彼女は体を震わせ絶叫し立すくんでいる

その隙を見逃す銀頭でなくその口に魔力が収束していく

 

「チィッまたあの光を撃つ気!」

 

経緯子はアイテムボックスから直接

試作の特殊弾をグレネードに装填し

銀頭に向けて撃つ。

特殊弾は銀頭の頭上で炸裂し赤みがかった粒子が

銀頭を包むと収束された魔力が霧散していく。

この弾の中にはユエを封印していた立方体を

細かく砕いたものを容れていた。

魔力吸収弾というべきものだ。

 

「きゃっ」

 

経緯子はユエの方に目を離したため

飛んできた氷弾にはじき飛ばされてしまう。

 

「一人はイヤ・・」

 

ユエは青い顔で呟き続けているが

その耳元で銃声が響き黒頭が破裂する

ユエの頭の横に銃口から煙が出ている

ドライを持った右手が突き出ている。

 

「ユエ。私たちはここにいるよ」

 

と香織が左手で背中からユエを抱きしめ

優しく語りかける。

銃声とユエに何かしらの悪夢を見せていた

黒頭が倒されたためユエは正気に戻り

 

「また一人になる幻覚を見せられた

ハジメ達に見捨てられる・・・」

 

香織は更に腕に力をこめ抱きしめ

 

「私もハジメ君も経緯子ちゃんもユエのそばにいるよ」

 

「んっ・・もう平気・・香織。ハジメは?」

 

「ハジメくんはあそこだよ」

 

香織はドライで指し示す。

そこには倒れた経緯子を喰らおうとした青頭が

新たに得た天歩〟の最終派生技能[+瞬光]使い

一瞬に間合いを詰めたハジメに顎を蹴り上げられ

その後ドンナーの予備のシュラークによって破壊される所だった。

 

「経緯子ちゃん」

 

「ハジメちゃん」

 

ハジメは経緯子を抱き上げユエと香織の所に戻る。

 

「香織!ユエ!経緯子ちゃん一気に決めるよ!」

 

ハジメが立ち上がったとはいえ

長期戦は無理そうなので短期決戦でいくことにする。

 

「うん!」

 

「・・四人なら負けない」

 

「私たちが勝利するし」

 

ハジメはアイテムボックスから対物ライフルのシュラーゲンを取り出す。

それを合図に四人が動き出す。

 

「みんな目と耳を!」

 

経緯子がまずグレネードランチャーを撃ち

轟音と閃光が部屋全体を覆いつくす。

ハジメが作ったスタングレネードを使ったのだ。

バグヒュドラの首が混乱してる中

 

「”三重光縛鎖”」

 

香織が光縛鎖を一気に重ね掛けし

バグヒュドラの首の動きを封じる。

 

経緯子が”空力”でバグヒュドラの頭上に飛び上がり

アイテムボックスから一抱えする大きさの壺をだし

中身をぶちまける。その中身とは液状化したフラム鉱石だ。

 

「”蒼天”」

 

そこに魔力を充分に練り上げた

上級魔法をユエが放つ

青白い太陽がバグヒュドラの背に落ち

爆発的にバグヒュドラの全身が炎に包まれ

白頭も再生する間もなく融解していく。

 

そんな中でも銀頭が極光を出そうとするが

 

「チェックメイト」

 

それより早くハジメがシュラーゲンを伏せ撃ちで銀頭を打ち抜く

ドンナーの十数倍の威力を持つ弾丸は見事に頭から尻まで大穴開ける。

バグヒュドラの背中の首は全て焼け落ち胴体中央は貫通し奥の扉がみえる。

 

 

ハジメ達は動かなくなったバグヒュドラを油断なく囲んでいる。

ハジメが意を決して近づきその死骸をアイテムボックスに回収する。

再び魔法陣が光る事はなかった。

 

「今回は無事に倒した事になったよ」

 

と安堵の言葉を漏らすハジメ

 

「でももう限界・・・」

 

と言って倒れこむハジメを経緯子が支えた時

 

ゴゴゴゴゴッ

 

音を立てて奥の扉が開いていく。

 

「香織さん、ハジメちゃんを」

 

経緯子が香織にハジメを預け

一人扉に歩いていく

 

(探索魔法には魔物の反応はないけど)

 

経緯子が扉を抜けるとそこには・・・・

 

 

香織とユエが固唾をのんで見守ってると

扉から再び顔出した経緯子が満面の笑みを浮かべ

 

「私たちは勝ったぞぉお‼」

 

歓喜の雄叫びを上げた。

 

 

 

 

 

                  

 

 

今回は久しぶりのマジな戦闘回でした。

ヒュドラを先制ブッパで終わらせるのもと思い

色々悩んで遅くなりました。

 

ロンメル戦車、昭和なのでタイガーでキングタイガーなのです。

戦車で思い出したのですが旭日の艦隊に出てきたあの芋虫もドンナーでした。

 

次回はまたゆるくなると思います。

 

 

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