ありふれた(平均)値で世界最強って言ったよね!   作:simasima

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28 リベンジのリベンジ

恵里の里の字を前回まで間違えて変換してました。

一応全話を修正しました。情けない事です。

後感想ありがとうございます。

いつも返事が遅くなり申し訳ありません。

 

では本編です。

 

 

 

 

 

                  

 

 

小川の水面が光を反射し涼し気にきらめいている。

一人の男が釣り糸を垂れていた。

その男はハジメだった。

彼は今、白く俗世を離れた仙人の様な雰囲気を醸し出している。

 

隠れ家のリビングに経緯子、香織、ユエの三人が集まり

 

「爛れてしまったよぉ」

 

「爛れまくりかな?」

 

「・・・爛れた」

 

とまぁ彼女達は地上に戻る事が出来る事になった

安心感と解放感それと若さからの好奇心で

色々とはかどってしまったのだ。

その結果が大賢者ハジメくんの誕生であった。

 

「とにかく乱れた性活週間は終わらせて

旅の準備と訓練をしないと」

 

経緯子が反省の言葉を言い香織が続く

 

「ハジメくん。頑張りすぎるから

私たちで抑えないとだめだよね」

 

「ププッ・・香織笑える・・・回復魔法で

ハジメをハッスル・・・抑える?」

 

どうやら香織は回復魔法を使い

延長戦を続けてたようだ。

まるでどこかの八男の胸の大きな聖女様みたいに。

 

「むぅユエはアノ時に血を吸うからハジメくんから搾りすぎだよ」

 

「イイ・・ハジメエキス・・上下同時・・んっ」

 

「ユエ!欲望を抑えなよ、封印で溜まりすぎたのかな⁉」

 

「香織こそ覚えたての・・エテ香織」

 

香織とユエの何故お互いの性活を知っているのかは

知らないが、責任を擦りつけ合う二人だった。

 

「経緯子ちゃんはなぜ関係ないよって顔をしてるのかな?」

 

「ヌルヌルを調合・・経緯子はヌルヌルが好き」

 

「お風呂でハジメくんを綺麗にしてるよね。

経緯子ちゃん自分の体をヌルヌルにして」

 

「香織さん、ユエさん見てたの・・?」

 

二人に自分のプレイを暴露される経緯子

彼女は書庫にあったどこかの解放者が残した

そういう薬液のレシピを見つけ

つい好奇心から調合して試したらハマったのだ。

 

とにかく経緯子達は自制する事にし

三対一はなかなか厳しいと現実を知るハジメだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

経緯子達が爛れた生活を反省してた頃

海里達攻略組は二十階層の隠し階段を使い

ベヒモスの魔法陣がある橋の上に居た

崩落箇所は未だ完全に修復してなかったが

そこは海里(マイル)の出番でパッパッと分身して

橋渡したのでなく土魔法で修復しついで

橋の強化もした海里だった。

そして海里達が橋の中央にきた時

前回と同じく橋の両側の魔法陣が輝き

トラウムソルジャーとベヒモスが召喚される。

 

「神速剣3倍!」

 

犬耳剣士モードの雫がトラウムソルジャーの群れに斬り込む

雫は前回の事がありベヒモス戦から外され

トラウムソルジャーの魔法陣の破壊を任されていた。

 

雫はその素早さを生かし斬り倒すのは最小限に留め

トラウムソルジャーの群れを掻い潜り

召喚の魔法陣の前に来ると

 

(ナノちゃん手加減よろしくね)

 

「烈風斬・弱!」

 

と魔法陣を床ごとえぐり飛ばす。

今回はキチンと加減をお願いしたので

橋に大穴が開くことはなかった。

 

残りのトラウムソルジャーを斬り倒した雫は

 

「ふ~皆は大丈夫かしら」

 

と橋の反対側を見ると

光輝達はベヒモスを押してるようだ。

橋の中央よりでは海里がメルド団長等と見守っていた

海里が参戦すると光輝達の実績にならないので

後方で待機してた。

 

メルドは光輝達が順調に戦っていることに安堵しつつ

隣に立つ海里を見て今回の遠征直前の執務室でのやり取りを思い出す。

 

「海里は商隊の護衛もした事があるのだよな」

 

「メルドさん、そうですけど何か?」

 

「魔物以外に盗賊とかと戦った事もあるよな?」

 

「もちろんありますよ」

 

「盗賊達を斬る事をどう思う」

 

「お金になったので手加減はしましたけど、

見逃して真面目に生きてる人が被害をうけると嫌なので

盗賊が死んでもその時はその時だと思いますよ」

 

「そうか・・・」

 

海里はそのメルドの態度に

赤き誓いでのある出来事を思い出し

メルドに疑問をぶつける。

 

「メルドさん彼らに雫さん達に

盗賊か何かをけしかけるつもりですか?」

 

海里は一拍おき低い声で言う。

 

「殺人を経験させるためにぃ・・」

 

メルドは海里のいつもと違う重い雰囲気に押されながら

 

「魔人族との戦いでいざという時のためにな」

 

「それは無駄ですよ。殺したと殺せるは

全然違いますよ。覚悟と理由が曖昧なら特に」

 

「しかし魔人族とは戦争中で敵だからな」

 

「それはメルドさん達の認識で

彼らの中では魔人族という”人間”は

実感のある敵ではないですよ。

言わしてもらえば居場所がないのと

帰るために微かな希望にすがって

戦ってる子達がほとんどですよ」

 

メルドは彼らが望んでトータスに

来たわけではない事実を指摘され

言葉に詰まる。

 

「とにかく彼らは年月を掛け教育された兵士でなく

即席で命がけでこの世界の人間を守るほど愛着はないし

そんな人間に人殺しさせても人を殺した人間になるだけで

戦士にはなりませんよ」

 

しばし沈黙する二人、やがてメルドが口を開く

 

「もし殺人を彼らに強制したら海里はどうする」

 

「メルドさんに言うとあなたの立場が不味くなるとだけ」

 

「・・・そうか」

 

海里は覚悟と自分の意志が無い殺す練習には意味がないと考えてるが

それ以上に経緯子とハジメを出来る限り元のありふれた日常に帰したいと

思っている。なのでクラスメイトに殺人をしてほしくないのだ。

メルドは海里とのやり取りを思い出しながら

 

(とは言えいざという時のため等身大の人形で練習はすべきだと思うので

少林寺木製ゴーレムなら用意します。と海里はいってたがショウリンジてなんだ?)

 

と疑問を浮かべ前方の光輝達の戦いを見ていた。

 

ベヒモスが飛び上がり前衛の光輝達を飛び越え

後衛の魔法組に迫るそして着弾し衝撃波が発生するが

今回は橋に亀裂が入らずベヒモスの角もめり込まない

海里の魔法で橋は特殊ナノカーボンでコーティングされており

崩落の心配はない。

 

そして衝撃波の発生と同時に光のドームが現れる。

咄嗟に鈴が詠唱を省略し結界を張ったのだ。

だが魔力の込める力が少ないのか結界にはヒビが入っていた。

鈴は両手を前に突き出し懸命に結界を維持していた。

 

「ぅううう! 負けるもんかぁー!」

 

しかしベヒモスの攻撃が続き鈴が「破られる」と

思ったとき鈴の体がペカーと輝き結界が強化される。

真央の付与魔法〝纏光〟だ更に綾子が〝譲天〟を使い

鈴の魔力を底上げする。綾子は香織の代わりの

残った治療師として香織に報いるためにもと

今まで魔法技量を上げてきたその結果である。

 

「これなら!マオマオ!アヤヤ!愛してる」

 

結界は修復され、ベヒモスの攻撃を防ぎきる。

ベヒモスは肩で息をしている鈴に狙いを定め

怒りの雄叫びを開けようと口を開いたとき

ぽいっと何かの容器が投げ込まれ

 

「ぎぃやがぁあああああ!!!」

 

とのたうち回る。実は遠藤浩介が人知れず

ベヒモスに近づき経緯子が残していた

”スーパーホット玉”を口に放り込んだのだ。

 

その時、海里とナノマシンは戦慄していた。

遠藤が目の前にいるのに探索魔法からも逃れたからだ。

 

『彼は世界からの認識すら逃れられる。量子レベルではなく

そんな生命体がいるとは驚きです』

 

(地球も不思議生物がいるんだねぇ)

 

海里とナノマシンに謎生命体と認識される遠藤だった。

 

光輝達、前衛組はのたうち回るベヒモスを

ボコ殴りしていたが

 

「下がって」

 

後衛組の代表恵里から声が掛かりベヒモスから離れると

 

 

「「「「「〝炎天〟」」」」」

 

と五人同時の上級魔法が放たれ

ベヒモスをアッという間に燃やし尽くした。

 

 

「そうだ! 俺達の勝ちだ!」

 

 

キラリと輝く聖剣を掲げながら勝鬨を上げる光輝。一斉に歓声が沸きあがった。

男子連中は肩を叩き合い、女子達はお互いに抱き合って喜びを表にしている。

 

 

見守っていた雫が犬耳をパタパタさせながら光輝達に駆け寄ってくる。

その雫の様子を見た光輝は

 

(やっぱり雫は俺の事を)

 

だが雫、光輝をスルー鈴達女子に近づく

 

「鈴、恵里、綾子、真央。みんなやったわね。

怪我してない?」

 

「大丈夫だよシズシズ皆無事だよ」

 

と鈴の言葉に他の三人も頷く。

 

「そうよかった」

 

安堵の表情を浮かべる雫に

 

「雫、俺はアイツをベヒモスを倒したぞ」

 

光輝が声を掛ける。

 

「そうね。その言葉を最初に言うのは私ではないと思うのだけど」

 

雫は恵里に視線を向ける。

光輝は雫の対応に戸惑いながらも恵里を見る

雫、恵里、光輝の間に流れる微妙な空気に

鈴、真央、綾子は三人の間に何があったのか

野次馬根性丸出しで見ていた。

 

「光輝君。私たちは勝ったよ」

 

恵里が光輝に静かに言う。

 

「そうだ俺たちは勝ったんだ」

 

光輝は恵里と視線を合わせず答える。

そして沈黙である。

 

 

「ひゃい」

 

雫が声を上げる。見れば鈴が雫の胸を後ろから揉んでいた。

 

「シズシズ~鈴は頑張って疲れたのだ。

この豊かな実で癒して欲しいなぁ~」

 

鈴はいつものように悪ふざけを始める。

光輝はそれに合わせこの場を離れた。

そんな光輝を恵理は見ながら

 

(僕は光輝君が欲しくてつながったけど満たされない。

僕が望み欲したものはナニ?答えは?光輝君?)

 

恵理はこの間から感じる虚無感に自問自答する。

その彼女の疑問に答える者はそばに居ない。

恵里を含め色々と先送りされていく。

 

その後、海里達はベヒモス側の階段を下ると

65階層の次の階層に降りる階段の側に出ることが出来た。

これで崩落した通路を迂回し迷宮の攻略を続ける事ができる。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ふ~」

 

ため息を漏らし疲れた様子で四十代ぐらいの細身の男がソファーに腰を降ろす。

おなじ位の歳のセミロングの女性が声をかける。

 

「あなた、何かわかった?」

 

「ダメだ前回の報告会と同じだ」

 

「そう・・」

 

二人の男女はハジメの両親の南雲愁と菫だ。

愁は先程まで集団失踪事件の保護者説明会に出ていた。

 

「子供がいなくなるのはキツイな」

 

「そうね・・栗原さんは大丈夫かしら

海里ちゃんの事があったから」

 

「経緯子ちゃんが明るさを取り戻した矢先だからな」

 

彼らは自分達の友人である栗原夫妻の事を考えるとさらに憂鬱になる。

栗原夫妻は長女海里を亡くしてまだ三回忌もすまさない内に

次女の経緯子が行方不明になったのだから

 

「あいつと栗原と言ったんだがこの状況は異世界転移みたいだなと」

 

「うん・・」

 

「でな転移があるなら転生もあって

転生した海里ちゃんがハジメと経緯子ちゃんを

守ってくれてるんじゃないかって」

 

「海里ちゃんならありそうね」

 

それは本来子供の無事を思う願望で

痛々しい冗談じみた妄想だったが

事実を言い当ていた。

 

残された者は帰って来ることを祈る事しかできなかった。

 

 

 

                  

 

 

経緯子たちのハッスル週間でした。

男女比1体3なら仕方ないですね。

ハジメくんは色々と技能を上げないとです。

 

地上組は海里と雫を除きベヒモスと再戦です。

真央と綾子の二人で原作の香織と同じ活躍をしてもらいました。

海里とメルドの訓練についての話はのうきんでのレーナの過去と盗賊絡みの

話からある意味、ありふれ原作の意見を否定するような形になりました。

 

恵里と光輝は迷宮に入り二人きりになる機会が無くなりこじれそうです。

 

 

 

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