ありふれた(平均)値で世界最強って言ったよね! 作:simasima
ウサギさんとの出会い回ですが。
少しあっさり風味かも
では本編です。
「なんでやねん」
転移の魔法陣で移動したハジメの
第一声はそれであった。
経緯子と香織もガッカリした顔している。
何故なら移動先は外で無く真っ黒な空間だったからだ。
「・・・隠れ家の出入り口隠すのが当たり前」
とユエに突っ込まれ確かにと思い自分達の
浮かれ具合に恥ずかしくなるハジメ達三人だった。
それから四人は洞窟らしき所を出口に向かって歩いていたが
ハジメ達の瞳に光が写った途端、光に向かって駆け出しそして外に飛び出すと
「外だぁああ」
「お日様だよぉ」
「戻ってきたし」
「・・・まぶしい」
ハジメ達は歓喜の声を上げ太陽をしばらく見上げた後
お互いの顔を見合わせて誰からとなく抱き合い
四人は笑いながらダンスするように回って
地面の出っ張りにつまずき四人は不格好な体勢で転ぶも
ハジメ達はかまわず笑い続ける中ふいに影が差した
それは双頭のティラノサウルス擬きの群れが彼らを囲んでいたからだ。
「もう少し感傷に浸っていたかったんだけどね」
ハジメはそう言ってホルスターからドンナーを抜き、香織と経緯子が
「そういえば
「ねぇユエさんどうなの?」
魔法のエキスパートのユエに質問してみると
「力ずくなら・・効率は10倍ぐらい」
「10倍と言うと下級魔法で上級の魔力が必要ってことか
ならここは僕に任せて」
「・・むぅ」
ユエは不満げな顔を浮かべるも
「まぁユエさん。適材適所でこの場所は魔法使いには鬼門だから
ハジメちゃんに任せましょう」
経緯子になだめられる。それと同時にハジメのドンナーの発射音が響き
一体の魔物の頭部が吹き飛ぶ
「”纏雷”は使えるか。放出系で無いしナノさんの補助で思ったより
魔力の負担はないや」
数分後、ハジメ達の周囲は魔物の死体で埋まっていた。
ハジメは白煙が微かに立ち昇るドンナーをホルスターにしまう
「もう近くには魔物はいないよ。ナノちゃん魔法は問題なく使えるし」
探索魔法で周囲を調べた経緯子がそう言って、香織はせっせと
魔物の死体を問題なくアイテムボックスに収納していた。
「んっ・・ずるい」
ユエはハジメや経緯子と香織がナノマシンの補助で負担を減らせる事に
口をとがらせ拗ねた様子を見せている。
そんな中でハジメは何やら考え事をしているとユエが質問してきた。
「ハジメ、どうしたの・・?」
「ライセン峡谷の魔物は凶悪だと聞いてたけど
あまりにも手応えが無かったから」
「奈落の魔物と比べてはダメ・・・ハジメ達が化け物なだけ」
「確かに奈落の魔物が外に居たら人類が終わるね」
魔物の死体を収納し終えた香織がたずねる。
「ハジメくん、これからどこに向かうの?」
「ハルツィナ樹海の方に行こうと思ってる」
「ハジメちゃん、ケモ耳を見たいの?お姉ちゃんとよくケモ耳少女の話で盛り上がってたし?」
経緯子がそんな事を言うと、ユエと香織はシラ~とした顔でハジメを見ている
ハジメは慌てて否定する。
「違うよ。準備も無しで砂漠を横断はきついし、樹海の近くには街もあるから
魔物の素材の換金や色々と買い出ししたいからだよ」
と言いながらハジメはアイテムボックスからサイドカーを出す
ハジメがサイドカーにまたがると香織はタンデムシートに側車には経緯子が
ユエはハジメとハンドルの間に座った。
ハジメ達はその後魔力駆動(ハジメの魔力を使用)サイドカーで時折、魔物を倒しながら順調に峡谷の出口近くまで進むと前方から
「だずけてぇ~食べられるぅ~」
切羽詰まった女の声が聞こえてきた
「魔物に追われてる娘うさ耳が付いてるね」
遠見の技能で姿を確認した経緯子が言うと香織は
「こんな所に兎人族が?峡谷って罪人の追放場所だよね?」
「ワルウサギ・・ハジメどうする」
「とりあえずは助けるよ。経緯子ちゃんお願い」
経緯子は側車に座ったままツバァイを構え、兎人族の少女を食べようとする
双頭ティラノの頭を撃ち抜き魔物はあっけなく横倒しに倒れる。
「し、死んでます…そんなダイヘドアが一撃なんて…」
兎人の少女は力無く横たわるダイヘドアと呼んだ魔物を驚愕の表情で見ていた。
ハジメ達はそんな彼女から万が一の場合対処できる距離をとりサイドカーを停車させる。ハジメ、経緯子、香織の三人は元々がお人好しでありそれ故に目の前で
死にそうになっている者をためらわず助けたが、奈落での戦いの経験から警戒は怠っていない。ハジメはサイドカーから降り兎人の少女に質問する。
「君はどうしてこんな所にいたの?」
ハジメの声で我に返った少女は兎人の脚力で一気にハジメに抱きつこうと飛び掛かる。
「やっと会えました私はシアでぶっ!」
シアと名乗った少女は空中で光の壁に顔からぶつかりズルズルと地面に落ち
尻を上げた格好でぴくぴくしていた。そして眉をぴくぴくさせている香織が
「ハジメくんにいきなり抱きつこうなんて痴女かな?かな?」
先程の光の壁は香織の天絶だった。さらにユエが追い打ちをかける。
「やっぱりワルウサギ・・・猥褻兎」
「余罪がないかコレを刺して吐かせようかしら」
と経緯子は小指サイズの薬を取り出しシアの尻を見ながらそう言った。
するとシアは身の危険を感じたのかガバッと身を起こし
「私!痴女でも猥褻でもありません!怪しげな薬は断固拒否します!
それはともかく先程は助けていただきありがとうございました。!
ついでに私の仲間も助けてください」
シアと名乗った少女はわりと厚かましかった。
ハジメはとりあえずは話を聞くことにした。
「私は兎人族ハウリアの長の娘シア・ハウリアと言います。実は……」
シアは事情を話始めたそれを要約すると
シア達、ハウリアと名乗る兎人族達は【ハルツィナ樹海】にてひっそりと暮らしていた。兎人族は、聴覚や隠密行動に優れているものの、他の亜人族に比べればスペックは低いらしく、突出したものがないので亜人族の中でも格下と見られる傾向が強いらしい。性格は総じて温厚で争いを嫌い、一つの集落全体を家族として扱う仲間同士の絆が深い種族だ。また、総じて容姿に優れており、帝国などに捕まり奴隷にされたときは愛玩用として人気の商品となる。
そんな兎人族の一つ、ハウリア族に、ある日異常な女の子が生まれた。兎人族は基本的に濃紺の髪をしているのだが、その子の髪は青みがかった白髪だったのだ。しかも、亜人族には無いはずの魔力まで有しており、直接魔力を操るすべと、とある固有魔法まで使えたのだ。
当然、一族は大いに困惑した。亜人族として有り得ない子が生まれたのだ。魔物と同様の力を持っているなど、普通なら迫害の対象となるだろう。しかし、彼女が生まれたのは家族の情が深い種族である兎人族だ。ハウリア族は女の子を見捨てるという選択肢を持たなかった。
しかし、樹海深部に存在する亜人族の国【フェアベルゲン】に女の子の存在がばれれば間違いなく処刑される。
故に、ハウリア族は女の子を隠し、十六年もの間ひっそりと育ててきた。だが、先日とうとう彼女の存在がばれてしまった。その為、ハウリア族はフェアベルゲンに捕まる前に一族ごと樹海を出たのだ。
行く宛もない彼等は、一先ず北の山脈地帯を目指すことにした。山の幸があれば生きていけるかもしれないと考えたからだ。未開地ではあるが、帝国や奴隷商に捕まり奴隷に堕とされてしまうよりはマシだ。
しかし、樹海を出て直ぐに運悪く帝国兵に見つかってしまったのだ
元々温厚で平和的な兎人族と魔法を使える訓練された帝国兵では比べるまでもない歴然とした戦力差があり、気がつけば半数以上が捕らわれてしまった。
全滅を避けるために必死に逃げ続け、ライセン大峡谷にたどり着いた彼等は、苦肉の策として峡谷へと逃げ込み、ほとぼりが冷めていなくなるのを待とうとしたのである。魔物に襲われるのと帝国兵がいなくなるのとどちらが早いかという賭けだった。
「それが先日の事で今はまだ魔物に見つかってませんが、それも時間の問題です。見つかれば全滅です。助けてください!」
悲痛な表情で懇願するシア。どうやら、シアは、ユエやハジメと同じ、この世界の例外というヤツらしい。特に、ユエと同じ、先祖返りと言うやつなのかもしれない。
身内を大切を失う辛さを知っているハジメと経緯子はお互いに頷き
ハジメはもう一台のバイクを出し経緯子がそれに跨ぐと
「シアさんの家族に合流するからそれに座って」
ハジメは側車に座るように言うとパアッと明るい表情を見せるシア
彼女が座るとハジメはバイクを走らせた。
ハジメは先程のシアの言葉に疑問をもっていたので質問する。
「さっきシアさんは”やっと会えた”と言ってたけど
どうして僕達の事を分かったのさ?」
「え? あ、はい。〝未来視〟といいまして、仮定した未来が見えます。もしこれを選択したら、その先どうなるか? みたいな……あと、危険が迫っているときは勝手に見えたりします。まぁ、見えた未来が絶対というわけではないですけど…… 少し前に見たんです! 貴方が私達を助けてくれている姿が! 実際、ちゃんと貴方に会えて助けられました!」
とシアが話すがなにやら疑問に思った香織が質問する。
「ねぇそんなに便利な固有魔法ならなぜバレたりしたのかな?」
シアは言葉をにごしながら答える。
「直前に未来視を使ってしまいまして・・」
「何に使ったのかな?」
「実は友人の恋の行方が気になってそれで使っちゃいましたぁ」
「「「この残念ウサギ!」」」
と突っ込みをハジメ達から受けたシアは両手の人差し指をチョンチョンし
両目から流れる涙をクラッカーのように揺らし反省の言葉をぶつぶつ言っていた
どこかのいなかっぺのようなシアを見てハジメは助けるの早まったかななどと考えてると並走する経緯子が探索魔法に何か引っかかったのか警告を発する。
「ハジメちゃん、前方の空に魔物の群れが旋回している」
その言葉にシアの顔は青ざめハジメはサイドカーに魔力を注ぎ速度を一気にあげた。
カム・ハウリアは絶望していたライセン峡谷に逃げ込み兎人の隠蔽能力の高さのおかげで今まで見つからずにこれたが遂に空を飛ぶ魔物”ハイベリア”に
所謂ワイバーンタイプの魔物に上空から発見されてしまった。ハイベリア達は岩陰に隠れるハウリア達を品定めをするように上空を旋回している。
「シア・・・」
族長の自分の娘のシアが未来視でなにか見たのか助けを呼んでくると昨晩、群れを飛び出しっていったが無事だろうか?
その時轟音が響いた。何かの見れば一匹のハイベリアが急降下し尻尾で岩を砕いた音でその場所にいた親子が慌てて這い出してくると
待ち構えていたハイベリアが再び急降下で襲い掛かる。その場にいるハウリア達が同胞の運命に絶望したが
ドパンッ!! ドパンッ!!
と乾いた音が響くと襲い掛かろうとしたハイベリアの頭部が爆散し、見慣れぬ二つの物体が猛スピードで突っ込んで来て
襲われてた者の側で急停止する。
「父様!みんな!助けに来ました!」
見知らぬ物体にはシアが乗っており事情を問おうと声を出すが連続する轟音に打ち消される。
降車したハジメ、経緯子、香織が上空のハイベリアを狙い撃ちしている音だった
数分後すべてのハイベリアが撃ち落とされた。
「お姉ちゃんありがとう」
ハウリアの女の子が香織にお礼を言っている。
香織と経緯子はハウリア達の怪我や体調不良を魔法や薬を使い治していた。
その間にハジメとユエはシアと族長のカムと話をしていた。
「助けていただきありがとうございます。私はこの群れの族長カム・ハウリアと申します」
「南雲ハジメです」
「・・ユエ」
「皆さまは大変お強いですね。ハイベリアをいとも簡単に倒すとは」
「そうですハジメさんはとても強いのですぅ」
シアが馴れ馴れしい態度で自慢する。
「・・ウザイ」
「私達はたまたま通りがかっただけですので直ぐに出発させて頂きます」
ハジメは二人にビジネスライクに答える。助けはしたがこの場にいる者を引き連れて旅をする余裕は無いので
何処かで線引きする必要がある。その言葉に顔を青ざめる二人だが
「私達は今から地上に上がりますが、後ろから勝手付いて来るのはかまいませんが崖上までです」
そのハジメの言葉にシアとカムは安堵するもシアが問う
「上に登った後は・・・」
「私達にも目的があります。なのでその先は無理ですよ」
そこに思いがけない所からシアに助けが入るユエである。
「ハジメ樹海に連れて行こう・・・案内が必要」
ユエの言葉にシアがここぞとばかりにセールストークをまくしたてる。
「そうですぅ。樹海は年中霧に覆われてヒト族だと迷う上他の獣人に見つかると襲われます。
私たちが案内すれば迷わないし無駄な争いも避けられるです」
ハジメは二人に答える。
「わかりました。案内してもらう代わりに樹海を抜けるまで私達が護衛すると言う事で良ければ契約しましょう」
ハジメ達はハウリア達と案内してもらう代わり護衛する約束を交わし
そして崖上に上がる階段状の通路を登り始めるのだった。
長くなったのでここで切ります。帝国兵との邂逅は次回に実は原作より幾日か
オルクス迷宮からの脱出は早いです。二人でなく四人で攻略なので。
すんなりとシアを助けたため残念ウサギ度が下がってしまいました。