ありふれた(平均)値で世界最強って言ったよね!   作:simasima

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32 ヒト

少しキツイ表現があります。

 

では本編です。

 

 

 

 

                           

 

 

 

ハジメ達はハウリア達を引き連れライセン峡谷の崖上に出るための階段を上がっていた。シアがハジメに問いかける。

 

「あの~ハジメさんはいいのですか?」

 

「ああ僕たちが上に居るだろう帝国兵と敵対する事?」

 

「はい。私達を連れてだと確実に争いに

それは同じ人間族と敵対することですから」

 

「シアさんは僕たちが帝国兵と争う所を"未来視”で視たんだよね」

 

「はい、ですが・・」

 

「帝国兵、人間族と争う事に思うところはないよ

でも無駄に争う気もないけどね」

 

「ハジメさんは人間族なのに何故兎人を守ってくれるのですか」

 

「君たちを守ると契約したからねそれだけだよ

それと帝国兵に引き渡したりはしないよ。帝国兵の数が多くてもね」

 

ハジメは何でもない口調でそう答える。

そこに経緯子がハジメに声を掛ける。

 

「ハジメちゃん上に三十人ぐらいいるよ」

 

その言葉にハウリア達の間に不安と緊張が走る。

しかしハジメ、香織にユエは何の動揺も見せずにそのまま登り遂に峡谷の上に出る。

 

そこには数台の馬車と真新しい野営の跡があり経緯子の言葉どおりに帝国兵がたむろしておりハウリア達を引き連れたハジメ達を見ると思いの外

早くハウリア達が戻って来たことに喜びながら先頭にいるハジメ達に声をかける。

 

「ほう、えらい早く逃げ帰ってきたな。先頭にいるのは亜人じゃねぇな」

 

帝国兵の小隊長らしき人物がハジメに質問しハジメはビジネススマイルで答える。

 

「私は人間の冒険者で峡谷で魔物狩りをしていたところ兎人達をみつけまして連れて行くところです」

 

「こんな所まで狩りとはご苦労なことだが、兎人は置いていってもらおうか?

そいつらは俺たちが先に目を付けてたからな」

 

「捕まえたのは私です。他人の奴隷に手を出すのは違法でしょう」

 

ハジメは笑顔のままそう答えると小隊長は不機嫌な顔を浮かべるもハジメの側にいる女性を

極上のビスクドールの如き美貌を持つ金髪少女ユエに

白髪長髪の肉感的美女の香織に

白髪のおとなしそうな可愛いお嬢様に見える経緯子

彼女たち三人を見て下衆な笑みを浮かべると

 

「身の程をわきまえろよ坊主。しかし連れの女どもはえらく別嬪じゃねぇか?

その女どもに俺たちの相手をさせれば多少はお目こぼししてやるよ」

 

その言葉に経緯子たちは嫌悪感を隠そうとしない表情をしハジメは無機質に答える。

 

「お断りします。私の大切な女たちなので」

 

「そうかい!だったら!てめえの手足をぶった切って目の前で女どもを犯してから

お前を殺して女たちは奴隷として売っぱらてやるブバァ⁉」

 

小隊長は最後まで話す事が出来なかった何故なら彼の頭は縦に割れられていたからだ。

 

「ハジメくんを殺す?なら敵でお前たちを許さないかな?かな?」

 

香織が右手の中指の指輪から光の細い鎖が伸びその先端には手のひらサイズの円盤があり光の刃が丸鋸みたいになっていた。

これによって小隊長は頭を切られたのだった。これは香織がハジメに協力して作ったアーティファクト”光鎖刃ヨーヨー”で

指輪と円盤を細い光鎖で結びノコギリ状の光刃を出し入れできる。近中距離用の香織専用の武器で

この先様々な光刃技で八つ裂きカオリンの異名を持つ事になる彼女の始まりの武器である。

 

「小隊長おぉおぶっ・・・」

 

続いて側にいた副長らしき男の首に紫色のゴムの様なものが巻き付くとジュッという音と共に男の首が落ちる。

 

「ハジメちゃんを奪う?なら排除するよぉ」

 

ゴム状の紐は経緯子の左手、紫色の手袋の人差し指から伸びていた。このゴム状の紐はサソリモドキの溶解液を経緯子が生成魔法で合成したもので

普段は無害だが一定の魔力を加えると粘度が変化しなおかつ溶解液として性質を取り戻す。経緯子はそれを鞭のように使い男の首を落としたのだ。

 

経緯子はすかさず左に溶解液の鞭を振り三人の帝国兵の首を溶かした。同じく香織も光鎖刃ヨーヨーを右に薙ぎ帝国兵を三人切り裂く

瞬く間に小隊長を含む八人の仲間を殺された帝国兵たちだが練度が高いのか後衛の兵士達が直ぐに魔法の詠唱に入る。

 

ドッパパァアアアンン

 

重なり合った銃声が聞こえ詠唱していた帝国兵六人の頭部が吹き飛ぶ。見ればハジメの構えたドンナーから白煙が上がっている。

 

(ヒト相手に”纏雷”は不要か、経緯子ちゃんも香織も僕のことには沸点が低すぎるかな。注意しないとね)

 

ハジメは己が初めて人を殺したのに冷静に現状を把握していた。

その後わずかな時間で一人を残し帝国兵は全滅した。

尋問するために残した帝国兵にハジメは質問する。

 

「捕まえた兎人族は何処にいる」

 

「・・本隊はまだ品定めと選別をしてるはず」

 

兵士は震えながら本隊のいる方向を指さす。

 

「品定めと選別・・・」

 

その言葉の意味を理解したハジメはすかさず魔導二輪車を出し走り出す。

 

「なぁ正直に話したんだ助けてくれよ」

 

帝国兵は残った二人経緯子と香織に懇願するが経緯子は左手を座り込んでいる男の頭上に伸ばすと溶解液の雫をたらした。

 

 

 

 

 

十分とかからずハジメは帝国兵の宿営地に着く。

そこには十台の馬車と50人程の帝国兵が見える。

 

「見慣れない物に乗って何者だお前?」

 

二輪車にまたがったハジメに帝国兵が尋問する。

ハジメはその問いかけに

 

(とりあえずやって来たけど。亜人奴隷は帝国だと合法で

この人たちも正規の兵士で気に食わないからと力ずくは不味いよな)

 

などと考えていると正面の馬車の陰から半裸の兎人族の女性がフラフラとでてくる。

見れば彼女は顔の左目の辺りに火傷を負いその部分は皮膚が爛れていた。

彼女はハジメをその虚ろな目で見る。いやハジメがそう感じただけで彼女の絶望に満ちた瞳は何も見て無かったのか知れない。

 

赤い噴水。彼女の頭が落ち首から吹き上がり体が一、二歩進んだ所で倒れる。

彼女を追うように乱れた服装の帝国兵が出て来てハジメに対応していた兵士に声をかける。

 

「具合は良かったが。あの火傷じゃ売り物にならないから魔法で思わず処分しちまったわぁ」

 

「オイオイ良かったのなら俺も味わいたかったのにかってに処分するなよ」

 

「そう言うな。使えそうな傷ものならまだ何匹かいるから楽しめるぜ。ヒッヒッ」

 

「見張り早く交代してくれよ。お預けはつれぇぜ。ガハハハッ」

 

見張りに話しかけた男がハジメに気づき

 

「坊主。体だけだがまだホカホカで使えるから。アレとならやってもいいぞ。イッヒヒッ」

 

「そいつはイイ直後だと締まるらしいぞワハハ」

 

ドバンッ!ドバンッ!銃声ではないハジメが右手で帝国兵の顔を万を超えるステータスで殴り粉砕した音だ。

ハジメは怒りと嫌悪感からドンナーでも義手でもなく素手で殺した。

そしてハジメは腰のホルスターからドンナーとシュラークを抜いた異常に気づき向かって来る帝国兵たちに。

 

 

 

帝国軍隊長グリッド・ハーフは全力で走っていた。

 

「ハァハァ・・あの化け物は俺の部下が・・」

 

彼は逃げていた瞬く間に轟音を響かせながら理解不能な攻撃で100人近い部下を殺した白髪の化け物から

充分に距離が離れた所で立ち止まり息を整える。

 

「はぁ・・追いかけては来てねぇ。・・帝国に戻ったら残りの連隊を全て引き連れて殺してやる化け・・!」

 

恨み言を全て言う前に赤い霧になった。ハジメがシュラーゲンで対物ライフルで狙撃したからだ。

音速を遥かに超えるレールガンの前には人の体など文字通りの霧散するしかない。

 

 

 

ハジメがバイクで駆け出して直ぐに経緯子はこの場を香織とユエに任せ追いかけて行った。

香織が淡々とハウリア達の移動の準備を進めていると帝国兵の死体の処理を済ませたユエが言った。

 

「香織・・経緯子だけでいいの」

 

「ユエ・・私達は初めて人を殺したんだ。でも私は何も感じなかった魔物を狩るのと変わらなかったかな。

ハジメくんはそんな私に心を痛めてるかも」

 

「だから・・経緯子だけに・・・香織の負け犬」

 

「負け犬・・ユエ!」

 

「香織はハジメに自分を受け入れられない不安から逃げた・・ハジメは私達を拒否すると思う」

 

「そんな事はないよ。ハジメくんは私達の側にいてくれる。

・・・ありがとうユエ」

 

「んっ・・なら早く片付けてハジメと合流」

 

 

 

 

 

 

経緯子がハジメに追いついた時、ハジメは首を斬られた女の瞼を閉じアイテムボックスに収納する所だった。

その後帝国兵に既に殺されていた20人程の主に老人たちの死体を二人は回収し

事情が解らずハジメがハウリア達と護衛契約を結んだ事を知らないため

固まり怯えた目でハジメと経緯子を見る生き残りのハウリア達を無視して

二人は帝国兵の死体を一か所に集め

 

「”溶解の風(ルストハリケーン)”」

 

経緯子の魔法で消し去った。

その後ハウリア達に馬車に乗るように指示ハジメが帝国兵を殲滅する所をみた彼らは素直に従う。

そんな様子を眺めながら経緯子はハジメに言う。

 

「ハジメちゃん。人を殺したのに私は何も感じなかった」

 

「僕もだけどね。それについて後悔はないけど。力を化け物じみた力を持ったから命を奪う事にハードルが低くなった気がするよ」

 

「迷宮だと生き残るための戦いが優先だったから。でもハジメちゃん私たちは一人じゃないから」

 

「そうだね。経緯子ちゃんに香織、ユエがいてくれるならきっとヒトでいられる」

 

「うん。そしてお姉ちゃんに再会して家に帰ろう」

 

「経緯子ちゃん皆で帰るよ絶対」

 

 

その後香織たちと合流し生き残った100人のハウリア達の乗った。

馬車を引き連れてハルツィナ樹海に向かうハジメ達だった。

 

 

 

そのころ

 

「フューレンよ!私は帰って来た!」

 

乗合馬車から降りたサングラスをした海里が火のついていないコーンパイプを咥えそう叫んだ。

 

「海里さんがこの街に来るの初めてではないかしら」

 

とすかさず雫がツッコミを入れるが海里(マイル)のこれは定番の言わずにいれないネタである。

雫はオールバックの軍人の方のネタとは違うのねとか思いながら海里に問いかける。

 

「これからどうします?」

 

「先ずはハンターと・・いや冒険者登録しましょう雫さん」

 

中立商業都市フューレンそこは悪徳と野心、成功と挫折とをコンクリートミキサーにかけてブチまけた。

大陸一栄える街そこに海里と雫の二人が降り立った。

 

 

 

 

                       

 

 

原作より早くシアと出会ったのでハウリア達は大所帯になり。帝国兵がその分亡くなりました。

ハジメは見なくていいものを見てしまいましたが。

 

光鎖刃ヨーヨーの元ネタはV!V!ビクトリーのロボです。八つ裂きカオリンは八つ裂きポーリンからです。

 

経緯子の溶解液の手袋は感情が高ぶると人工皮膚が溶けて濃硫酸になるメタルなスケルトンお嬢様の漫画からです。

 

上手くまとめられなかったので香織とユエのやり取り後で書き直すかも

 

次回は海里の飲むコーヒーは苦いかもです。

 

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