ありふれた(平均)値で世界最強って言ったよね!   作:simasima

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33 ハルツィナ樹海にて

ひと月以上更新が空きましたが

年内に出来ました。

 

前回でお気に入りが500を越え、返事が遅いにもかかわらず感想も100を越えました。

ありがとうございました。

 

樹海での出来事を適度にカットしつつ書きました。

 

では本編です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                         

 

 

 

「これは凄いや」

 

「きれいな所ね」

 

「住んでみたいかな?」

 

「んっ・・良い」

 

ハジメ達は口々にフェアベルゲンを褒め称えていた。

フェアベルゲン、それは亜人の国の首都で高さ30mはある木々を利用して作られた

自然と調和した素晴らしい街だ。

その言葉にハジメ達を先導している亜人達やハウリア達も誇らしげだ。

なぜハジメ達が亜人達に先導されフェアベルゲンに来てるのかというと

ハルツィナ樹海にハウリア達を連れて入ったのだが

108人もいては隠蔽も何もなく樹海に入ってすぐに

見廻りの亜人達に見つかってしまったが。

そこはハジメ達が脅迫もといOHANASIして穏便に

フェアベルゲンに案内してもらうことになったからだ。

 

そして住人から好奇と侮蔑の目を向けられながら

ハジメ達は指定された長老たちとの会談場所に到着する。

 

 

 

 

 

 

 

「……なるほど。試練に神代魔法、それに神の盤上か……」

 

各部族の長老のまとめ役の森人(エルフ)のアルフレリックが呟く。

彼はハジメ達から、この世界が神の玩具だと知らされても顔色一つ変えなかった。

曰く「我々亜人に元々この世界は優しくてない」と言うことらしい。

そしてハジメが大迷宮を攻略した証を見せると

すんなりと大樹の元に行く事を許可する。

それは何故か代々攻略者に敵対するなと伝えられているからだそうだ。

しかしそこに別の長老から横やりが入る、熊の亜人ジンであった。

彼にはハウリア達を後ろに従え座るハジメ達が華奢な人族にしか見えず、とても敵対するべからずと伝わる強者に思えなかったので

 

「ならば。今この場で試してやろう⁉」

 

と言うなりハジメに殴り掛かる。二メートル半の巨躯を持つジンの岩の様な拳が

ハジメを叩き潰すと周りの亜人達は考えたが、それは驚愕とともにそれは否定された。

 

ズドンッ!

 

衝撃音と共に振り下ろされた拳は、ハジメの左腕に掴み止められていたからだ。

 

「温い拳ですね。私としては穏便にすましたいのですが?」

 

ハジメはジンの拳を掴み止めながら静かに長老達に問うが

 

「クソがっ!」

 

ジンはもう片方の腕で殴り掛かる。その時ハジメの隣に座っていた経緯子が指で何かを弾く

そして正露○の様な物がジンの鼻の穴にスポっと入り、

ハジメはこれから起こる事に巻き込まれたくない為

ジンを長老側に手加減して押し返す。

ジンはバランスを崩し他の長老達が座って居たところに尻もちをついたその時

 

「ぶらああああああぶううぶぶ!!!!!」

 

口からキラキラした液体(自主規制)を盛大に吐き出したのみならず下の方も何やら漏れている。

彼の瞳は焦点が合っておらず転げ回っていた。そんなジンの様子に心配し近づいた亜人達もすぐに

ジンと同じように吐き散らかしのたうち回る。そんな中アルフレリックが口を抑え込み上げるものに耐えながら話す。

 

「とんでもない臭気たまらん・・・うぷっ」

 

経緯子がジンの鼻の穴に向かって飛ばした物、

それは亜人、主に獣人系対策として合成した。

奈落の魔物の、特にくさい物を集め作った。体熱で表面のコーティングが溶け臭いが活性化する丸薬である。

姉の海里もマイルの世界で同じ様なモノを作っていたので、そのへんはやはり姉妹であった。

しぶきがかからないように”聖絶”で防いでる香織と、

悪臭を防ぐため”風壁”で自分達の周囲を覆っているユエ。

アルフレリックがそんなハジメ達と色々と液をまき散らす同胞を見ながら

 

「ハジメ殿あつかましいと思うが臭いを何とかしてくれまいか?これでは話もできんのでな」

 

と懇願してくる。ハジメも見苦しい光景が続くのもなんだかなぁと思い香織に頼む。

 

「”匂い分子吸着(ファブリーズ )”」

 

香織はハジメくんが言うならと、嫌々ながらナノちゃんの生活魔法である消臭魔法を使った。

消臭系の魔法は香織が一番うまかったかおりだけに。

 

色んなモノを掃除した後、長老達は仕切り直した。

とは言えこの場には森人のアルフレリックと土人(ドワーフ)のグゼの二人だけだ

後の長老達は獣人系の為軒並みダウンしいている。

グゼがハジメ達にくってかかる。

 

「お前達。同胞にこの仕打ち。どういうつもりだ」

 

「どうも何もいきなり殴り掛かられたのは私の方です。肉体的に傷つけ無いように配慮しましたが何か問題でも?礼儀を欠いたのはそちら側でしょう」

 

ハジメは坦々と言葉を返す。

グゼは納得せずさらに抗議しようとするがアルフレリックに止められる。

 

「グゼ、気持ちはわかるが、そのくらいにしておけ。彼の言い分は正論だ」

 

 アルフレリックの諌めの言葉に、立ち上がりかけたグゼは、表情を歪めてドスンッと音を立てながら座り込んだ。そのまま、むっつりと黙り込む。

 

「南雲ハジメ。我らフェアベルゲンの長老衆は、お前さんを口伝の資格者として認める。故に、お前さんと敵対はしないというのが総意だ……可能な限り、末端の者にも手を出さないように伝える。……しかし……」

 

「絶対じゃない……ですか」

 

「ああ。知っての通り、亜人族は人間族をよく思っていない。正直、憎んでいるとも言える。血気盛んな者達は、長老会議の通達を無視する可能性を否定できない。特に、今回獣人系の種族は醜態を晒し面子を潰されたからな」

 

「それで?」

 

 アルフレリックの話しを聞いてもハジメの顔色は変わらない。すべきことをしただけであり、すべきことをするだけだという意志が、その瞳から見て取れる。アルフレリックは、その意志を理解した上で、長老として同じく意志の宿った瞳を向ける。

 

「お前さんを襲った者達を殺さないで欲しい」

 

「……殺意を向けてくる相手に手加減して欲しいと?」

 

「そうだ。お前さんの実力なら可能だろう?」

 

「あの熊の人が手練だというなら、可能か否かで言えば可能だろうけどただ・・・」

 

ドン!わざとらしく音を立て経緯子がツボを床に置き言った。

 

「ぶっかけられていいなら好きにすればいいわ?」

 

そして香織が笑顔で

 

「次は消臭サービスは無いかな」

 

 

「悪魔め・・・」

 

グゼが顔をしかめ呟きアルフレリックが言葉を続ける。

 

「お前達、大樹への案内はどうする我々から出すのは難しいが」

 

「ハウリア族に案内してもらう約束してます。彼らを守るかわりにね」

 

グゼがあきれたように顔を左右に振り言う。

 

「ハウリア族に案内してもらえるとは思わないことだ。そいつらは罪人。フェアベルゲンの掟に基づいて裁きを与える。何があって同道していたのか知らんが、ここでお別れだ。忌まわしき魔物の性質を持つ子とそれを匿った罪。フェアベルゲンを危険に晒したも同然なのだ。既に長老会議で処刑処分が下っている」

 

 グゼの言葉に、シアは泣きそうな表情で震え、カム達は一様に諦めたような表情をしている。この期に及んで、誰もシアを責めないのだから情の深さは折紙付きだ。

 

「長老様方! どうか、どうか一族だけはご寛恕を! どうか!」

 

「シア! 止めなさい! 皆、覚悟は出来ている。お前には何の落ち度もないのだ。そんな家族を見捨ててまで生きたいとは思わない。ハウリア族の皆で何度も何度も話し合って決めたことなのだ。お前が気に病む必要はない」

 

「でも、父様!」

 

 土下座しながら必死に寛恕を請うシアだったが、グゼの言葉に容赦はなかった。

 

「既に決定したことだ。ハウリア族は全員処刑する。フェアベルゲンを謀らなければ忌み子の追放だけで済んだかもしれんのにな」

 

と言い放った時、この場の空気が一気に冷え重たくなる。それはハジメからだ

 

「それは困りますねぇ。私は彼らを守ると約束したのです。

忌み子なんて下らない理由で処刑だんてねぇ」

 

ハジメからのプレシャーの中アルフレリックはなんとか言葉にする。

 

「なら案内はこちらが用意し、刑は忌み子だけで他は見逃すがどうする?」

 

ハジメはチラッとシアを見ると迷いなく言った。

 

「案内はハウリア族にしてもらいます。それに守ると言った中に

忌み子と呼ばれるシアさんももちろん入ってます。

ですのでもしそちらが手を出すのであれば覚悟して下さい」

 

「我ら全てを敵に回してもか・・」

 

「それでもです」

 

シアは先程ハジメが自分を見た時から己の胸の高鳴りが上がり続けていた。

そして今ハジメが、ためらいもせず全てから守ると言ったとき己がおちる未来を視た。

そしてはハジメが静かにだがここにいる。

長老達以外に遠巻きにしている亜人達にも聞こえる声で

 

「私は忌み子を魔力を使えるからと処刑するのは

亜人達が魔法を使えないから差別する人族と変わらないと思うのですが」

 

その言葉にアルフレリックは思うところがあるのか

ため息をつきながら言った

 

「…ハウリア達には手を出さんことにするが。しかし今すぐに大樹に行くのは無理だぞ」

 

「なぜです」

 

「大樹の周囲は特に霧が濃く我々でも迷う。

たどり着くには月に何日かある霧が薄くなる日にいくしかない。

その日はまだ半月程先だが?ハウリア達から聞かなかったのか?」

 

 

「カムさん?」

 

 

「あっ、いや、その何といいますか…ほら、色々ありましたから、つい忘れていたといいますか

私も小さい時に行ったことがあるだけで、周期のことは意識してなかったといいますか……」

 

 

 しどろもどろになって必死に言い訳するカムだったが

、ハジメ達四人のジト目に耐えられなくなったのか逆ギレしだした。

 

 

「ええい、シア、それにお前達も! なぜ、途中で教えてくれなかったのだ! お前達も周期のことは知っているだろ!」

 

 

「なっ、父様、逆ギレですかっ! 私は、父様が自信たっぷりに請け負うから、

てっきりちょうど周期だったのかと思って……つまり、父様が悪いですぅ!」

 

 

「そうですよ、僕たちも、あれ? おかしいな? 

とは思ったけど、族長があまりに自信たっぷりだったから」

 

 

「族長、何かやたら張り切ってたし」

 

 

 逆ギレするカムに、シアが更に逆ギレし、他の兎人族達も目を逸らしながら、さり気なく責任を擦り付ける。

 

 

「お、お前達! それでも家族か! これは、あれだ、そう! 連帯責任だ! 連帯責任!」

 

「あっ、汚い! お父様汚いですよぉ! 一人でお仕置きされるのが怖いからって、道連れなんてぇ!」

 

「族長! 私達まで巻き込まないで下さい!」

 

「バカモン! 先程の経緯子殿の悪魔の所業を見ていただろう!

 一人で臭くなるなんて絶対に嫌だ!」

 

「あんた、それでも族長ですか!」

 

 

亜人族の中でも情の深さは随一の種族といわれる兎人族。

だが彼等は、ぎゃあぎゃあと騒ぎながら互いに責任を擦り付け合っていた。

ハジメはそんな光景に先程の処刑の庇い合いが三文芝居に思えてくる。

シアだけで無く皆、残念なウサギばかりだった。

 

カムの悪魔の所業、発言に経緯子の目は座り目つきが一気に悪くなり

香織は動きの無い笑顔でハウリア達を見ている。

今度はハウリア達にぶっかけられる事になるのかと思われたが

 

「見苦しい・・・・」

 

ユエが目の前の光景に我慢できずそう言うと

宝物庫の指輪から先端にコウモリのエンブレムが付いた1メートル弱の横笛を取り出し

 

「後始末が楽なお仕置き・・・スーパーソニック」

 

と言うと笛を吹いたするとハウリア達が耳を塞ぎながらのたうち回る。

 

「この音は・・・」 「背筋がぁ!!!」  「頭が割れるぅうう」 「ヒイぎぃい」

 

「脳が沸騰するですぅ」 「止めて・・・」 「ゆ・・ユエ殿」

 

ユエが吹いた笛はこれも亜人向けにハジメが作った。

非殺傷用アーティファクト“ノーキルの笛“であり。

別にハウリア達の良心に訴え掛けてるのでなく、

人族と亜人と可聴域の差を利用した黒板を引っ掻く様な等不快な超音波を出す笛であり

ひらたく言うなら凄い嫌な犬笛である。

ノーキルの笛は音の指向性を自由に操作できるため

長老達に被害は出なかったが、のたうち回るハウリア達を見て彼らは改めてこう思った。

 

 

『『悪魔の所業』』

 

 

 

                         

 

 

非殺傷な手段なので原作よりまし?

のうきんの対獣人戦を参考にしましたが。色々と周囲に被害が出てしまいました。

 

 

次回はハウリア強化(凶化)編?です。

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