ありふれた(平均)値で世界最強って言ったよね!   作:simasima

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少しふざけ過ぎたかも

では本編です。

 

 

                  

 

 

数十個の土を盛って作った、小山の前で

生き残った108人のハウリア達は族長のカムを中心に集まり

首を垂れていた。

 

小山、それはハウリア達の集落の近くに造った。

ハジメがアイテムボックスに収納した

帝国兵に殺された同胞達を埋葬した墓であった。

 

最後尾で同じく黙禱を捧げていた、ハジメ達だったが頃合いを見て。

墓の前に立ち、ハジメがハウリア達にこれからの事を述べる。

 

「あなた方には今から戦闘訓練を受けてもらおうと思います」

 

その発言にハウリア達の間に困惑と動揺が広がり

そんな中シアが代表して質問する。

 

「えーハジメさん戦闘訓練というのは・・」

 

「そのままの意味ですよシアさん。どうせ、二週間はここに足止めなのので

その間にあなた達、ハウリアを一端の戦闘技術者に育てるつもりです」

 

「な、なぜ、そのようなことを・・・」

 

「簡単なことだよ。シアさん達との約束は、

案内が終わるまで守るというものです。

案内が終わった後、どうするか考えてますか?」

 

 

ハウリア族達が互いに顔を見合わせ、ふるふると首を振る。

カムも難しい表情だ。漠然と不安は感じていたが、

激動に次ぐ激動で頭の隅に追いやられていたようだ。

あるいは、考えないようにしていたのか。

 

「僕達と別れた後は、何の庇護もなくなり強者に喰われるだけです」

 

一拍置き、ハジメはハウリア達を見渡し言う。

 

「その時あなた達は、どうします?蹂躙され黙ってますか?

なにもできず、ただ跪きますか?そして僕の後ろの小山を無駄に増やしますか?」

 

 誰も言葉を発さず重苦しい空気が辺りを満たす。そして、ポツリと誰かが零した。

 

「そんなものいいわけがない」

 

 その言葉に触発されたようにハウリア族が顔を上げ始める。シアは既に決然とした表情だ。

 

「なら答えは一つ。強くなる。それだけです。喰われたくなかったら強くなるそれだけです」

 

「ですが、私達は兎人族です。虎人族や熊人族のような強靭な肉体も

翼人族や土人族のように特殊な技能も持っていません・・・とても、そのような・・・」

 

「かっての自分は仲間の中で”最弱”、ステータスは一般人並みで技能も平凡だったよ。

経緯子ちゃんも香織も戦闘に向いてなかった。でも生き延びた」

 

ハジメの告白にハウリア族は例外なく驚愕を顕にする。

ライセン大峡谷の凶悪な魔物も、戦闘能力に優れた熊人族の長老も、

苦もなく一蹴したハジメ達が〝最弱〟で戦闘に向いてないなど誰が信じられるというのか。

 

「強くなれるかどうかは関係ない。なるしかなかった。

でないと僕も経緯子ちゃんも香織もただの餌だった」

 

ハジメの言葉に経緯子と香織も続く。

 

「使えるものは、何でも使い、利用して生き延びたよぉ」

 

「見た目も心も色々と変わったけど。ハジメくんや経緯子ちゃんと共に

戦って生き抜いた。そこに後悔は無いよ」

 

三人はそう言って、ハウリア達を見据え、ハジメが問う。

 

「今回の様な幸運は二度とあり得ません。

このままだと次は屍を晒すだけです。

今なら僕達が、あなた達の絶望を打ち砕く手助けができます。

どうします?これが最初で最後の問です」

 

ハジメの問いかけに、黙り込み顔を見合わせるハウリア族。

しかし、そんな彼等を尻目に、先程からずっと決然とした表情を浮かべていたシアが立ち上がった。

 

「やります。私に戦い方を教えてください! もう、弱いままは嫌です!」

 

 樹海の全てに響けと言わんばかりの叫び。これ以上ない程思いを込めた宣言。

シアとて争いは嫌いだ。怖いし痛いし、何より傷つくのも傷つけるのも悲しい。

しかし、一族を窮地に追い込んだのは紛れもなく自分が原因であり、

このまま何も出来ずに滅ぶなど絶対に許容できない。とあるもう一つの目的のためにも、

シアは兎人族としての本質に逆らってでも強くなりたかった。

そのシアの魂からの叫びと不退転の瞳に、他のハウリア族も立ち上がり始め

やがて女子供含め全員が立ち上がり。カムが一歩前に出てハジメ達に返答する。

 

「ハジメ殿。宜しくお願いします」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

とハウリア達の訓練が始まったのだが、さすがにハウリア族、108人分の武器は用意しておらず。

幾らかの試作の小太刀を渡して、後の分はハジメは今から作る事になった。

その間2、3日は経緯子と香織がハウリア族の面倒を見る事になった。

ユエはというと、シアに魔力の使い方を教えていた。

 

ハウリア達に戦う術を教えることになった。

経緯子と香織だが体系的な戦闘術を学んできたわけではないため

先ずは魔物をけしかけ、戦う事に慣れさせる事にしたのだが。

 

 

「ああ、どうか罪深い私を許しくれぇ~」

 

「ごめんなさいっ! ごめんなさいっ! それでも私はやるしかないのぉ!」

 

「ふっ、これが刃を向けた私への罰というわけか……当然の結果だな……

 

「族長! そんなこと言わないで下さい! 罪深いのは皆一緒です!」

 

「そうです! いつか裁かれるときが来るとしても、それは今じゃない! 立って下さい! 族長!」

 

「僕達は、もう戻れぬ道に踏み込んでしまったんだ。族長、行けるところまで一緒に逝きましょうよ」

 

「お、お前達……そうだな。こんな所で立ち止まっている訳にはいかない。死んでしまった彼(小さなネズミっぽい魔物)のためにも、この死を乗り越えて私達は進もう!」

 

「「「「「「「「族長!」」」」」」」」

 

 

 

と魔物を倒すたびに、目の前で三文芝居が繰り広げられる。

そんなハウリア達に経緯子と香織も我慢できずに突っ込む。

 

 

「だぁああ! めんどくさいよ! 魔物一体殺すたびに、いちいち大げさだし! 

なんなの? ホント何なんですかぁ?」 

 

「うざっ! 何でドラマチックな感じになってんのかな? 黙って殺ろうよ!

 即殺しよ! 魔物に向かって〝彼〟とか言うとか! キモイんじゃないかな!?かな?」

 

そう、ハウリア族達が頑張っているのは分かるのだが、その性質故か、魔物を殺すたびに訳のわからないドラマが生まれるのだ。

何度も見られた光景であり、経緯子と香織も何度も指摘しているのだが一向に直らない事から、いい加減、堪忍袋の緒が切れそうなのである。

二人の怒りを多分に含んだ声にビクッと体を震わせながらも、「そうは言っても……」とか「だっていくら魔物でも可哀想で……」とかブツブツと呟くハウリア族達。

 

経緯子の眼付きが、徐々に悪くなり。

香織は笑顔が固まっていく。

見かねたハウリア族の少年が、経緯子と香織を宥めようと近づく。

この少年、ライセン大峡谷でハイベリアに喰われそうになっていたところを

間一髪ハジメ達に助けられ、特に懐いている子だ。

しかし、進み出た少年は2人に何か言おうとして、突如、その場を飛び退いた。

訝しそうな経緯子が少年に尋ねる。

 

「? どうしたの?」

 

 少年は、そっと足元のそれに手を這わせながら経緯子に答えた。

 

「あ、うん。このお花さんを踏みそうになって……よかった。気がつかなかったら、潰しちゃうところだったよ。

こんなに綺麗なのに、踏んじゃったら可愛そうだもんね」

 

「お、お花さん?」

 

「うん! お姉ちゃんたち! 僕、お花さんが大好きなんだ! 

この辺は、綺麗なお花さんが多いから訓練中も潰さないようにするのが大変なんだ~」

 

ニコニコと微笑むウサミミ少年。周囲のハウリア族達も微笑ましそうに少年を見つめている。

経緯子はすっかり座った目で、ハウリア達を見てつぶやく

 

「そっか、そうなんだぁ。変にぴょんぴょんしてると思ったら”お花”かぁ」

 

そしてハウリア達を凶悪になった目付きで睨み

 

「あなた達の頭が、お花畑だとよぉおくわかりました。・・・だから」

 

経緯子の気に飲まれるハウリア達は息を吞む

 

「「「だから・・・・?」」」

 

「あんたたち!皆!尻出せやぁあああ!!」

 

 

 

   

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ハジメがハウリア達の武器を用意し終わり、ハウリア達の訓練場に来ると

目の前はお花畑だった。ただし花はハウリア達の尻尾に咲いている。

正確には尻〇から茎が伸びていた。ハウリアさんマジお花畑である。

 

経緯子は座薬を、あのアルラウネ擬きの胞子を仕込んだ薬を

ハウリア達に突っ込んだ。どうやって刺したかは乙女の秘密(笑)である。

 

残ってた養分で咲いた花だが、元々の自由に体を操る力はなくなり

効果としては理性が緩くなり、生存本能と闘争本能が表に出やすくなり

其の上、普段無意識に抑えてる肉体的な制限が外れやすくなっている。

 

なので今、ハジメの前でハウリア達が魔物を狩っているのだが

 

「バルッ」

 

「こいつらの匂いを消してやるッ!」

 

「バルル バルル」

 

バルバルバルバル!バルバル!

 

「どげええええっ!」

 

これが!これが!ハウリアだ!と花とは違う、何かに寄生された状態になっていた。

別の方向を見ると香織が怪我をしたハウリア達を治療していたが

 

「これで大丈夫だよ」

 

「香織さん、ありがとうございます。ハジメ様に感謝を」

 

「はい、これで治ったよ」

 

「ありがとうございます。全てはハジメ様のために」

 

何やら怪しげなセリフがハジメの耳に入る。

ハジメが難しい表情をうかべながら立っていると

経緯子と香織が近づいて来て。

 

「どうハジメちゃん。性格の矯正に苦労したし」

 

「ハジメくんの素晴らしさを皆に語ったよ」

 

「経緯子ちゃん・・香織‥これはなに?」

 

能天気にハジメに聞いてくる二人に、ハジメは笑顔を引きつらせ質問する。

でこうなった顛末をまとめると

 

ハウリア達の闘争を嫌悪する性格を、

短期間で矯正するために薬を使う。

     ↓

生存本能と闘争本能が覚醒。

だが無理矢理なので精神と体が疲労

     ↓

心の支えとして香織が回復魔法をかけながら

ハジメの素晴らしさを語る。

     ↓

薬で理性が薄くなっていた(元々自白剤として調合)

 

なので、豊臣秀吉が木ノ下藤吉郎だった頃の、

怪しい宗教ハジ目教が生まれそうだった。

 

「経緯子ちゃん!香織!これはあかん!あかんで!

目がいっちゃてるやん!わいは教祖なんていややでぇ!」

 

ハジメが斜め上の様子に関西弁でまくしたてる。

そのハジメの剣幕に経緯子と香織も、やりすぎたかもと反省し

 

「でもハジメちゃん。薬で彼らの枷を軽くしただけだし・・」

 

「私もハジメくんの良さを少し、お話ししただけ・・・」

 

幾らかの言い訳し、それを聞いたハジメはため息をつくと。

 

ドッパパァアアアンン

 

とゴム弾をドンナーで連射して、ハウリア達の花を撃ち落とす。

花が落ちキョトンと立ちすくすハウリア達に間をおかず

ハジメがドンナーを上に向けて撃ち威圧を込め叫ぶ。

 

「先ずはお前らの穴という穴からヤクを抜くぞ!」

 

そして再び威嚇射撃し

 

「風穴!開けられたくなければ!さっさと走りやがれ!」

 

「は・・ハジメ殿」

 

ハジメの言葉使いの豹変ぶりに、少し理性の戻ったカムが問いかけるが

 

「お前たちみたいな薄汚い”ピー”に質問する権利は無い!”ピー”らしく!黙って走れ!」

 

今度はハウリア達の足元を撃つと

 

「「「「ひぃーー」」」

 

と彼らは追い立てられ、走り始める。

 

「ハジメちゃん?」

 

「荒い言葉のハジメくんも良いかな」

 

「戦いへの忌避感は無くなったみたいだとして。

集団として軍隊式トレーニングをやるからね二人とも」

 

「「二人とも?」」

 

「僕に続いて経緯子ちゃんも香織も、叫んでね」

 

「えー”ピー”で”ピー”なんてはずかしいし・・・」

 

と*に薬を突っ込んだ経緯子が今更に言い。

 

「”ピー”とか叫ばせるとか・・ハジメくん。プ・レ・イかな」

 

香織が頭ピンクなセリフを言う。

 

ガッン! ガッン!

 

ハジメはドンナーで二人の頭をこづく

 

「二人がやり過ぎたせいだろ。僕に続いて叫んでよ!」

 

ドパンッ! ドパンッ!

 

「”ピー”ども”ピー”して”ピー”されたいのか」

 

そしてハジメに小突かれ、涙目になった。経緯子と香織もハジメに続いてハウリア達を罵倒するのだった。

 

「「”ピー”で”ピー”に”ピー”されたいのか!豚がぁ」」

 

幾日も銃声と罵声が樹海に響いた。

 

 

 

 

 

                   

 

 

少し中途半端ですが、ここできります。

何か少し下品になったかも

生徒会役員共一挙見ながら書いたからかな・・・

 

 

 

 

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