ありふれた(平均)値で世界最強って言ったよね!   作:simasima

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やっとありふれ二次における方向性が出るステータス回です


05 ステータス

 

まず、集まった生徒達に十二センチ×七センチ位の銀色のプレートが配られた。

クラスメイト達が不思議そうに配られたプレートを見ていると

自分たちの教育係の責任者でもある騎士団長メルド・ロギンスが、

直々に説明を始める。対外的にも対内的にも“勇者様一行”を

半端な者に預けるわけにいかないと言うことらしい。

 

メルド団長本人も「面倒な雑事を副長に押し付ける事が助かった」と

豪快に笑って言っており、また彼は生徒たちに

「これから戦友になろうってのに何時迄も他人行儀に話せるか!」

と他の騎士団員達にも普通に接するように忠告するくらいだ。

そんな豪放磊落で実直なメルドを見て、ハジメは教会の

人達に比べてずっと信用できると感じてた。

 

「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。

そこに一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。

それで所持者が登録される。〝ステータスオープン〟と言えば

表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? 

そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

 

「アーティファクト?」

 

「アーティファクトっていうのはな、現代じゃ再現できない強力な能力を持った魔法の道具のことだ。まだ神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。

そのステータスプレートもその一つでな、昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通はアーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、

これは一般市民にも流通している。身分証明に便利だからな」

 

その言葉に従い、皆プレートの魔法陣に血を垂らす。すると、魔法陣が一瞬輝いた。

そのすぐ後あちこちで「ステータスオープン」との声が上がる。

 

もちろん海里もプレートに血を垂らしたのだが

ステータスを見て彼女はやっぱりと乾いた笑顔を浮かべた。

海里のプレートにはこう表示されていた。

 

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栗原 海里 18歳 女 レベル1

転職 魔法剣士・異世界転生者

筋力 2300

体力 3300

耐性 1100

敏捷 1700

魔力 6000

魔耐 6000

技能 全属性適正・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・怪力・加速・

探知・光学迷彩・収納魔法《アイテムボックス》・超超超々微細機械加護・言語理解

 

=======================================================

 

レベル1でこれはおかしいのは海里も分かる。古いゲームばかりしていた海里だが

国民的RPGぐらいはした事はある。でも最新ではない為、『呪文が違います』と『消えてしまいました』を

経験している。いきなり四桁はおかしい。

このまま見せると「私、やっちゃいました」案件である。

 

(うう・・・ナノちゃんどうしょう?)

 

『今後の事考えると。ある程度は強く見せた方が良いので。取り敢えず

我々がプレートの表示を一桁誤魔化します』

 

(そうだね。それでお願いするね)

 

「経緯子はどうだったの?」

 

と隣に立っている経緯子に話しかける。

経緯子は自分のステータスプレートを海里に見せる。

 

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栗原経緯子 17歳 女 レベル1

天職 薬剤師

筋力 5

体力 10

耐性 20

敏捷 10

魔力 50

魔耐 30

技能 調合・水魔法・火魔法・超超超々微細機械補助・言語理解

 

================================================

 

どうやら経緯子は生産職のようだ。お姉ちゃんはどうだったのと

経緯子が聞いてくるがそのまま見せるか?

一桁誤魔化しただけだとまだ拙いかな、と海里が考えていると

メルドから皆に説明が入る。

 

「全員見られたか?説明するぞ?まず、最初に〝レベル〟があるだろう? 

それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。

つまりレベルとは、その人間が到達できる領域の現在値を示しているというわけだ。レベル100ということは自分の潜在能力を全て発揮した極致ということだからな。そんな奴はそうそういない」  

 

「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。」

 

 メルド団長の言葉から推測すると、魔物を倒しただけでステータスが一気に上昇するということはないらしい。地道に腕を磨かなければならないようだ。

 

「次に〝天職〟ってのがあるだろう? それは言うなれば〝才能〟だ。末尾にある〝技能〟と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、

戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが

百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多い。

後大体レベル1の平均は10ぐらいだな。お前たちならその数倍から数十倍は高いだろうがな! 

ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」

 

ふと近くにいるハジメをみると何か焦っている様に見える。

何かあったのだろうか?海里と経緯子がハジメに声掛けようとすると

前の方から声が上がる。

 

「ほ~う、流石勇者様だな。レベル1ですでに全能力値が三桁とは、それにこの技能の数もすごいな!

規格外な奴め!頼もしい限りだ!」

 

「いや〜、あはは・・・」

 

早速、光輝がステータスプレートをメルドに見せたらしい。

それに続いてクラスメイト達も見せていく。皆が戦闘職で光輝に及ばないも充分チートだ。

ただ、香織と雫の技能に首を傾げる様子を見せるメルドがいた。

 

あとはハジメ、経緯子、海里と愛子先生になった。

まずは経緯子が自分のステータスプレートを見せた。

 

「薬剤師か生産職だな。その名の通りで回復薬とかを作る天職で調合を生業にしてるものは大体持っている。

(それに何か解らない技能を彼女も持ってるな)まぁ戦闘向きじゃないな」

 

「だが各種薬は大事だ。生産職だと言っても気にしなくていい」

 

彼の期待を外れていただろうが、経緯子を気遣うメルドはやはり人が良いのだろう。

 

「はい。お気遣いありがとうございます。私は戦う事に向いて無いので、

この天職で良かった思ってますから」

 

「大丈夫だよ!経緯子さん戦えなくても俺が守ってあげるから、安心していいよ」

 

と勇者様がキラキライケメンスマイルで声掛けるが、経緯子はそれに苦笑いし後ろに下がる。

ハジメが続いてメルドにステータスプレートを見せた。

それを見てメルドは微妙な表情でプレートを見る。

 

「ああ、そのなんだ錬成師と言うのは、言ってみれば鍛治師の事だ・・・」

 

二人続けて生産職が出て歯切れ悪くハジメの天職説明するメルド。

その様子にハジメの事妬んでいる男子生徒檜山がここぞばかりに

嫌らしい笑み浮かべながら声を張り上げる。

 

「メルドさん、錬成師って珍しい天職なんっすか〜?」

 

「・・・いや鍛治師の十人に一人は持ってる。国お抱え職人は全員持ってるな」

 

「おいおい、南雲〜。お前そんなで戦えるわけ?」

 

檜山が、実にウザイ感じで肩を組もうとすると

 

「君はハジメちゃんに何が言いたいのぉ?」

 

海里が無表情で低い声で問いかける。その声に檜山は思わずハジメから離れるも

びびった事を誤魔化す様にはやし立てる。

 

「天職がショボイ分ステータスは高いんだよな〜?戦えるって言うならプレート見せてみろよ〜?

南雲ハジメさんよぉ〜」

 

ハジメは檜山対して

 

(コイツ、異世界に呼ばれて戦争すると解ってない?だからココで日本と同じ事が出来るのかな)

 

と考えながら投げやり気味にプレートを渡した。

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル1

天職 錬成師

筋力 10

体力 10

耐性 10

敏捷 10

魔力 10

魔耐 10

技能 錬成・超超超々微細機械補助・言語理解

 

================================================

 

ハジメのプレートを見て笑い出す。

 

「ぶっはははっ〜、なんだこれオール10の一般人じゃねぇかぁよう‼︎」

 

プレートを掲げ更に煽ろうとする。その様子に経緯子と香織が憤然と動き出そうとしたが

 

「はえっ?・・・」

 

檜山の間抜けな声を出す。手にしていたプレートがない。

いつの間に、取り返したのかハジメのプレートが海里の手にあった。

 

海里はそのプレートを凝視している。何故か海里の体が震えていた。

しばらくプレートを見ていたが顔上げ、プレートを返しながらハジメの顔見る。

 

ハジメは

 

(海里姉ちゃんだから馬鹿にしたりは無いだろうけど、同情されるのも僕は・・・・)

 

と思い海里の顔を見るとそこには

 

キラキラした瞳で見ている海里がいた。それはまさしく憧れを見る表情だった。

 

その海里の眩しい表情に疑問を感じながらも、顔を赤らめるハジメ。

 

「す・・すごいよ!ハジメちゃん!なんて素晴らしい値!これこそ平均だよ!

中間値とかで無くて!私が憧れてた値だよ!これすなわち平均美ィ‼︎だよ」

 

と良く解らないが「平均」を賛美する、海里。

実は海里が転生する時に神様みたいな人に望んだのが普通、平均だった。

でも実際は全種族の中間値で、私tueee になったのだ。だからこそ普通に凄く憧れてる。

 

その謎テンションに周りの人間が固まっていた中メルドが声を掛ける。

やはり頼もしいアニキだ。

「あっ、すまないが・・・貴女のステータスも見せて欲しいのだが?」

 

少し遠慮がちに問いかける。あのイシュタル教皇を召喚早々踏み潰したと

噂に聞いた人物と警戒している様だ。

 

海里がプレートとメルドに渡し、それを見てメルドは困惑の表情を浮かべ

 

「レベル1で勇者の倍から数倍の能力値とは・・・・それに天職の魔法剣士はまだ解るが、

もうひとつの天職“異世界転生者”とはなんだ・・・・?」

 

「異世界転生」その言葉を聞いて生徒たちが騒がしくなる。

 

「本当に?あの転生・・?」

 

「あの人栗原さんお姉さんで、死んだんだろ」

 

「今、ココに居るんだから本当じゃ?」

 

あちこちで好き勝手に話し始める。そんな喧騒を無視して下手に隠して変に勘繰られよりは、

事実を話す方がいいと考え、自ら事情を話し始める。

 

「異世界転生、その名の通り私はそこに居る。経緯子の姉で彼女たちの世界で事故で死んだ後に

別の世界に生まれ変わって“ハンター”という職業を生業にしてました。それで何故か

経緯子達の召喚に巻き込まれてトータスに呼ばれました。その理由はわかりません」

 

「ハンターとは?どういう職業なんだ?差し障り無ければ話してくれ」

 

「そうですね。魔物を狩ったり、商人を護衛してました」

 

「ホゥ、こちらでいうと冒険者というわけだ。実戦をすでに経験してるのか。

向こうの魔物とやらも一度見てみたいものだな」

 

と騎士団長らしく魔物に興味がある様だ。

 

「じゃ見てみますか?」

 

と海里は収納魔法で収納していたオークを選んで出す。

突然2m弱の魔物が現れた事に驚くメルドたちだが

生徒たちはその魔物が豚顔以外ほぼ人型なのに気持ちを悪くする者も現れる。

そしてまた何気に収納してメルドに言う。

 

「今のが、私の世界では一般的な魔物のオークです」

 

「おぉ・・・貴重な物見せてもらい、感謝する」

 

と海里に礼を述べながらメルドは考える。

 

(今のが収納魔法か。どの位収納出来るのか気になるが?

今はそれよりも、彼女は戦争参加に志願制を求めたと聞いた。

だからこそ人型の魔物オークとやらを出したのか?

戦う事に忌避感を覚えさせ、安易に判断させない為に・・・

やはり一筋縄ではいかない人物みたいだ)

 

と海里の株が彼の中で上がりまくりだった。当の本人海里は、

自分にとっての、ありふれた魔物のオーク出しただけで

メルドが思っている様な事は一切考えていない。

 

海里のステータスや魔物の衝撃が凄く、ハジメが落ち込む暇も無いうちに

ステータスの申請が終わった。

 

ちなみに愛子先生は作農師で食料チートでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




経緯子の天職は薬剤師になりました。これはのうきんとのクロスなら
FUNA作品繋がりのポーションからです。ろうきんだと話が終わってしまうので
ポーションをありふれ風にし薬剤師にしました。後は容器チートをどこまで出すか悩みます。

海里は自称してた魔法剣士にステータスはティオと神の使徒を参考に
決めました。
ナノマシンの表記は無理やり漢字です。トータスのシステムが
誤訳して精霊のなんとかとかも考えましたがこちらにしました。
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