ハイスクールDxD 〜うたわれるもの〜   作:フォートナー

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お待たせしました

特別試合、続きです

十日間の修行でやってきたことが、少しずつ本番でも形になってきました

それではLife . 18、どうぞ


Life . 18 女王です!涙です!三割です!?

 爆風が身体を押し返そうとするのに合わせて翼を広げ、その場から一度距離を取る

 

 正面ではユーベルーナも同じように後方へ下がりながら、既に次の魔法陣を展開していた

 

「思っていたよりやるじゃない」

 

「あら、それはどうも」

 

 周囲へ視線を走らせる

 

 今のところ他の眷属がこちらへ近づいてくる気配はない

 

 なら、このままでいい

 

 リアスから頼まれたのはユーベルーナを抑えること、倒せるならそれに越したことはないけれど、一人を追い掛けて周りが見えなくなるような真似をする必要もない

 

「でも、あなたが女王(クイーン)になってからまだ日が浅いのでしょう?」

 

「そうね」

 

 その事実自体は変わらない

 

「だったら──!」

 

 ユーベルーナの周囲に浮かんでいた魔法陣が一斉に光る

 

 左右、下、さらに頭上

 

 一つを避ければ、その先で次の爆発に巻き込まれるよう配置された攻撃が連続して起こり、辺り一帯が一瞬で煙に包まれた

 

「これで終わりよ!」

 

「そうかしら?」

 

「なっ!?」

 

 煙の中から雷を放つ

 

 真っ直ぐユーベルーナを狙ったものではなく、その周囲に展開されていた魔法陣の一つへ落とすと、発動しかけていた魔力が乱れて爆発の位置がずれた

 

 空いた場所へ身体を滑り込ませ、続けてもう一つの魔法陣へ雷を落とす

 

「くっ!」

 

 ユーベルーナもすぐに魔法陣を消して位置を変える

 

 速い、でも見えないほどじゃない

 

「さっきより動きが良くなってる……?」

 

「一度見たもの」

 

「それだけで!?」

 

 新しく得た力には、まだ慣れ切っていない

 

 でも、雷を扱うのも、戦うのも今に始まったことではない

 

 何より、あの修行中に何度も言われてきた

 

 目の前だけを見るな

 

 周りを見ろ

 

 相手が何を狙っているのか、その先まで見ろ

 

 右から爆発、避けた先へもう一つ

 

 なら、相手の狙い通りに避ける必要はない

 

 最初の魔力が膨らんだ瞬間に雷をぶつけ、爆発そのものを予定より早く起こす

 

「きゃっ!?」

 

 至近距離で起きた爆風にユーベルーナ自身の身体が揺れた

 

 その一瞬で十分

 

 一気に距離を詰める

 

「くっ!」

 

 ユーベルーナがこちらから離れるように横へ飛ぶ

 

 その逃げた先へ雷を落とす

 

「また──!」

 

 雷を避け、さらに進路を変える

 

 でも、そこへ逃げるのは見えていた

 

「バインド!」

 

「なっ!?」

 

 進路を変えた先でユーベルーナの身体が止まる

 

 長く拘束する必要はない

 

 一瞬あれば十分

 

「そこ──!」

 

「しまっ──」

 

 雷光がユーベルーナを捉え、その身体を大きく弾き飛ばす

 

 それでも落ちない

 

 空中で無理矢理体勢を整えようとするが、その動きも最初より明らかに鈍っている

 

「まだよ!」

 

「ええ、まだね」

 

 そのまま追い、逃げた先へ雷を落として進路を狭めていく

 

「くっ……!」

 

 ユーベルーナも防ぎながら逃れようとするが、雷を避けるたびに動ける方向が減っていく

 

 最後に放った雷を防いだところで、一気に間合いを詰める

 

 今度は避け切れない

 

 雷光が直撃し、ユーベルーナの身体が校舎の壁へ叩きつけられた

 

「う……っ」

 

 翼が一度大きく揺れ、そのまま高度が下がっていく

 

 あと一撃

 

 指先へ魔力を収束させ、雷光を生み出す

 

「これで──」

 

「まだよ……!」

 

 その時、ユーベルーナが懐へ手を入れた

 

 取り出したのは小さな容器

 

「それ……」

 

「フェニックスを甘く見ないことね」

 

 ユーベルーナが容器の中身を使った直後、傷だらけだった身体を淡い光が包み込む

 

 乱れていた呼吸が整い、身体に残っていた傷が見る間に癒えていった

 

「……フェニックスの涙」

 

「ええ」

 

 ユーベルーナが笑う

 

「残念だったわね」

 

「…………」

 

 本当に便利なものね

 

 聞いてはいたけれど、実際に目の前で使われると少し呆れる

 

 さっきまで追い詰めていた相手の傷が、ほとんど消えている

 

 対してこちらの消耗はそのまま

 

 随分不公平な仕切り直しだけど

 

「仕方ないわね」

 

「強がり?」

 

「いいえ」

 

 雷を纏い直しながら周囲を見る

 

 まだ誰も来ていない

 

 なら、やることは変わらない

 

「今度こそ倒せばいいだけでしょう?」

 

「言ってくれるじゃない!」

 

 side out 朱乃

 

 ──────────────────────

 

 side in ハク

 

 正面から突き出された槍を鉄扇で横へ流し、そのまま手首を返して二人目の拳を逸らす

 

 背後で風を切る音がした

 

 仙術で拾っていた気配に合わせて半歩動けば、背中を狙っていた蹴りが空を切った

 

「ちっ!」

 

「惜しい」

 

「こいつ……!」

 

 四人

 

 さっきからずっとこんな感じだ

 

 さっきのレイヴェル達とは違い、今度の四人は最初から人間だからと俺を甘く見ることもなく、互いの位置を確認しながら攻撃を重ねてくる

 

 とはいえ、倒すためにわざわざ出力を上げる必要はない

 

 この四人を俺のところへ引き付けておけるだけで、リアス先輩達へ向かう人数を四人減らせる

 

 なら、このまま相手をしていてくれた方が都合がいい

 

「余裕ぶっていられるのも今のうちよ!」

 

「別に余裕ぶってるわけじゃ──」

 

 少し離れた空から大きな爆発音が響いた

 

 続けて雷鳴が轟く

 

 さっきから何度も聞こえている朱乃とユーベルーナの戦闘音だが、今の爆発のあと、朱乃の相手をしている気配が一度大きく弱まった

 

「……ん?」

 

 イヤホンマイクから朱乃の声が入る

 

『ユーベルーナにフェニックスの涙を使われたわ』

 

「マジで?」

 

『ええ、傷はほとんど元通りね』

 

 便利すぎるだろそれ

 

 続けてイヤホンマイクからリアス先輩の声が聞こえる

 

『ハク? そっちは大丈夫?』

 

「大丈夫ですけど……」

 

 鉄扇で振り下ろされた剣を受け流し、横から来た一人の足を払う

 

 今まではこいつら四人を引き付けておけばそれでよかった

 

 だが、朱乃がかなり追い込んだ相手に涙を使われて仕切り直しになったなら、いつまでもここで付き合っている必要もない

 

「ちょっと急いだ方が良さそうですね」

 

『無理はしないで』

 

「了解」

 

「何を話している!」

 

「いや、こっちの話」

 

 四人がもう一度俺を囲む

 

 正面に二人、左右に一人ずつ

 

 今までならこのまま攻撃を受け流しながら時間を使えばよかったが、状況が変わった

 

「しゃあねぇ、本気の三割出すか」

 

「……三割だと?」

 

「ふざけるな!」

 

「いや、結構真面目」

 

 鉄扇を持ったまま、空いている手を腰へ回す

 

 柄へ指を掛けた瞬間、俺を囲んでいた四人の表情が変わった

 

「刀……?」

 

「ああ」

 

 九日目の模擬戦でも使った刀

 

 仮面は必要ない

 

 水も使わない

 

 刀を使って、仙術による身体強化もさっきまでより引き上げる

 

 それで十分だ

 

「行くぞ」

 

 抜刀

 

「っ──!」

 

 一人目が反応して槍を構える

 

 遅い

 

 踏み込みながら穂先を鉄扇で外へ弾き、そのまますれ違いざまに刀の峰を胴へ叩き込む

 

「がっ……!」

 

 止まらない

 

 二人目が拳を振り抜く前に懐へ入り、柄頭を鳩尾へ叩き込む

 

「ぐっ!?」

 

 その身体が崩れるより早く、右から来た三人目の剣へ刀を合わせる

 

「な──」

 

 力で受けず軌道だけを上へ逃がし、空いた脇腹へ鉄扇を打ち込む

 

「っ……!」

 

 最後

 

「このぉぉぉっ!」

 

 背後から魔力を纏った蹴りが迫る

 

 振り返る必要もない

 

 仙術で位置は分かっている

 

 一歩だけ前へ出て蹴りを外し、その勢いのまま身体を回して刀の峰を肩へ落とした

 

「え──」

 

 四人目の膝が崩れる

 

 ほとんど間を置かず、最初の一人から順に身体が光へ包まれた

 

『ライザー・フェニックス様の眷属四名、リタイア』

 

「……よし」

 

 刀を軽く振ってから鞘へ戻す

 

 流石に三割出せばこんなもんか

 

『……ハク』

 

「はい?」

 

 イヤホンマイクからリアス先輩の声が聞こえる

 

『今、何をしたの?』

 

「ちょっと急ぎました」

 

『一気に四人リタイアって聞こえたんだけど』

 

「四人いましたからね」

 

『そういうことを聞いてるんじゃないわよ』

 

「後で説明します」

 

『絶対よ』

 

「はいはい」

 

 さて

 

 朱乃の方へ行くか

 

 地面を蹴り、そのまま爆発音の聞こえる方向へ走る

 

 ──────────────────────

 

 校舎を越えたところで、上空へいくつもの魔法陣が見えた

 

 その中心にユーベルーナ

 

 少し離れた位置に朱乃

 

 ちょうど互いに次の攻撃を放とうとしていたらしい

 

 俺が屋根の上へ飛び乗ると、ユーベルーナの視線がこちらへ向き、その顔が固まった

 

「は……?」

 

「よっ」

 

「…………」

 

 返事がない

 

「悪い、待たせた」

 

「別に待ってないわよ」

 

 朱乃はいつも通りだ

 

「でしょうね」

 

「あなた……」

 

 ユーベルーナがようやく声を出す

 

「まさか、さっきの四人を……?」

 

「そういうこと」

 

「四人いたのよ!?」

 

「いたな」

 

「それを一人で!?」

 

「さっきまで普通に相手してたし」

 

「普通……?」

 

 何か言いたそうだが、俺に聞かれても困る

 

「それより朱乃」

 

「何?」

 

「手伝う?」

 

「必要ないわ」

 

「だよな」

 

「何しに来たのよ、あなた」

 

「応援?」

 

「帰っていいわよ」

 

「酷くない?」

 

 ユーベルーナの顔がさらに引き攣っている

 

「あなた達……戦闘中なの分かってるの?」

 

「もちろん」

 

「ええ」

 

 俺と朱乃の声が重なる

 

「だったら──!」

 

 ユーベルーナの周囲に魔法陣が一気に増えた

 

 今度は朱乃だけでなく、俺の方まで含めた範囲

 

「まとめて吹き飛びなさい!」

 

「ハク」

 

「手伝わないぞ」

 

「分かってるわよ、避けなさいって言ってるの」

 

「はいはい」

 

 攻撃範囲から外れるように一気に後方へ距離を取る

 

 そこでユーベルーナがイヤホンマイクへ手を当てた

 

「ライザー様?」

 

 広がっていた魔法陣の輝きが弱まる

 

 何かを聞いたユーベルーナの表情が変わった

 

「ですが、まだ私は──」

 

 再び何かを言われたのか、ユーベルーナが悔しそうに唇を噛む

 

「……承知しました」

 

 展開していた魔法陣が消えていく

 

「逃げるの?」

 

「命令よ」

 

 朱乃を睨みながら翼を広げる

 

「次は決着をつけるわ」

 

「ええ、いつでもどうぞ」

 

 ユーベルーナがその場を離れ、校舎の向こうへ消えていく

 

「追わなくていいのか?」

 

「ここで一人で追い掛ける方がまずいでしょう?」

 

「ちゃんと周り見てるな」

 

「誰に散々言われたと思ってるの?」

 

「俺かな」

 

「あなた以外に誰がいるのよ」

 

「そうでした」

 

 朱乃が呆れたように息を吐いたところで、少し離れた場所から金属同士がぶつかる音が聞こえた

 

「祐斗ね」

 

「行くか」

 

「ええ」

 

 二人で音のする方へ向かう

 

 ──────────────────────

 

 校舎脇へ出ると、木場とカーラマインが剣を打ち合わせていた

 

 何度も斬り結んだらしく、二人とも最初に見た時より服や身体に細かな傷が増えている

 

「祐斗!」

 

「朱乃先輩!」

 

 一瞬だけこちらを見て、すぐにカーラマインへ視線を戻す

 

 そのカーラマインもイヤホンマイクへ手を当て、一度大きく距離を取った

 

「ライザー様から撤退命令が出たわ、悪いけどここまでよ」

 

「そうはいかないかな」

 

「何ですって?」

 

「君をライザーのところまで戻したら、またそこで戦うことになる」

 

 木場の手に二本目の魔剣が現れる

 

「だったら、ここで終わらせるよ」

 

「言ってくれるじゃない!」

 

 カーラマインが踏み込む

 

 木場も正面から迎えた

 

 剣と剣がぶつかる寸前、木場の身体が僅かに横へずれる

 

「なっ!?」

 

 正面から受けると見せかけて外す

 

 勢いのまま前へ流れたカーラマインの横へ回り込み、二本目の魔剣を振るった

 

「っ!」

 

 カーラマインの身体が光に包まれる

 

『ライザー・フェニックス様の騎士(ナイト)一名、リタイア』

 

「ふぅ……」

 

「お疲れ、木場」

 

「ハク君」

 

「あそこで追わずに、相手の出方を見たのは良かったぞ」

 

「……それ、褒めてる?」

 

「褒めてる」

 

「ならいいけど」

 

 木場が苦笑しながら魔剣を消した

 

「部長達は?」

 

「あっち」

 

 朱乃が先に進む

 

「急ぎましょう」

 

「はい」

 

 俺達もその後を追った

 

 ──────────────────────

 

「イッセー、右!」

 

「分かってる!」

 

 角を曲がった瞬間、リアス先輩の声が聞こえた

 

 真紅の鎧を纏ったイッセーが攻撃を避け、そのままアーシアとの間へ入る

 

「アーシア、下がれ!」

 

「はい!」

 

 言われる前からアーシアも既に動いていた

 

 リアス先輩達と戦っている相手は三人

 

 そのうち一人には見覚えがある

 

 長い棍を構えたミラ

 

 あの時、イッセーへ棍を振り抜いてきた子だ

 

 どうやらライザーからの撤退命令を受けて戻る途中らしいが、リアス先輩達とぶつかり、簡単には抜けられないようだ

 

「イッセー、そのまま押して!」

 

 イッセーの拳が一人を押し返す

 

 追わない

 

 横から入ってきた二人目へ身体を向ける

 

「祐斗!」

 

「はい!」

 

 合流した木場が間へ入った

 

「朱乃!」

 

「ええ!」

 

 上から雷が落ちる

 

「なっ──」

 

 一気に流れが変わる

 

 でも、俺は入らない

 

 ここはもう、俺が手を出す必要はない

 

 リアス先輩が全員の位置を見ながら指示を出し、木場が進路を塞ぎ、朱乃が上から逃げ道を削る

 

 アーシアも後ろから全体を見ている

 

 そしてイッセーが、その全部を見ながら動く

 

「イッセー!」

 

 朱乃が手を差し出す

 

「おう!」

 

 その手へ籠手が触れ、青白い雷が真紅の鎧へ流れ込む

 

『Boost!!』

 

「おおおおおっ!」

 

 雷を纏った拳が一人目へ叩き込まれた

 

『ライザー・フェニックス様の眷属一名、リタイア』

 

「イッセー、次!」

 

「分かってる!」

 

 今度は勢いのまま一人で追わない

 

 木場が左を、朱乃が上を、リアス先輩が正面を塞ぐ

 

 逃げた先へイッセーが入る

 

「そこだぁぁぁっ!」

 

 振り抜いた拳が相手の胴を捉える

 

『続いてライザー・フェニックス様の眷属一名、リタイア』

 

 残ったミラが大きく後退した

 

「くっ……!」

 

「追わないで!」

 

「おう!」

 

 リアス先輩の声でイッセーが足を止める

 

 ミラはその隙に棍を構えたまま距離を広げ、別の廊下へ飛び込んでいった

 

「逃げたぞ、部長!」

 

「分かってるわ、追わなくていい」

 

「でも!」

 

「向こうの目的は撤退よ、こっちの目的はここで全員を倒すことじゃないわ」

 

「……分かった」

 

 イッセーが拳を下ろす

 

「ちゃんと止まれたな」

 

「今言う必要あるか!?」

 

「ある」

 

「絶対ない!」

 

「二人とも、今はそれどころじゃないでしょう」

 

 朱乃に言われて、イッセーが口を閉じた

 

 仙術で周囲を探る

 

 さっきまで散らばっていた気配の動きが変わっている

 

「向こう、本当に全員戻してるな」

 

「分かるの?」

 

「はい、リアス先輩」

 

 少し離れた場所にライザーの気配がある

 

 その周囲へ、五つの気配が集まりつつある

 

 そのうち一つは、さっきまで朱乃と戦っていたユーベルーナ

 

 もう一つは今逃げていったミラ

 

 残り三つも同じ場所へ向かっている

 

 なるほど、そういうことか

 

「ライザーも作戦を変えたみたいですね」

 

「そうね」

 

 リアス先輩が朱乃、木場、イッセー、アーシア、そして俺を順に見回した

 

「ここから先はまとまって行くわ」

 

「おう、部長!」

 

「はい、部長!」

 

「ええ」

 

「はい、部長さん!」

 

「了解」

 

 全員で校舎の奥へ進む

 

 もう途中で仕掛けてくる気配はない

 

 フェニックス側も、これ以上戦力を分散させるつもりはないらしい

 

 廊下を進み、階段を上がる

 

 その間に、五つの気配はライザーの周囲へ集まり、そこで動きを止めた

 

「五人残ってるんだよな?」

 

 イッセーが聞く

 

「ああ、ライザーを除いて五人」

 

「結構残ってんな……」

 

「十五人いたんだから、ここまで削っただけでも十分だろ」

 

「そうだけどよ」

 

「それに、ここまで来たんだ」

 

 前を歩くリアス先輩を見る

 

「あとは勝てばいい」

 

「……おう」

 

 先頭を歩いていたリアス先輩が、一つの大きな扉の前で止まった

 

「この先ね」

 

「みたいですね」

 

 俺は腰の刀へ一度だけ触れ、それから手を離す

 

 俺はライザー本人には手を出せない

 

 逆に、ライザーも俺へ直接攻撃は出来ない

 

 その規定は最後まで変わらない

 

 だが、残っている眷属まで相手に出来ないわけじゃない

 

「行くわよ」

 

 リアス先輩が扉へ手を掛ける

 

 扉が開いた

 

 その向こう、広い部屋の奥で椅子に座っていたライザーがゆっくりと顔を上げる

 

 傍らにはユーベルーナ

 

 その前には戦車(ルーク)のイザベラ

 

 さらに長い棍を持ったミラと、獣耳を生やした兵士(ポーン)のニー、リィ

 

 残っていた五人全員が、既にライザーの周囲へ集まっていた

 

「ようやく来たか、リアス」

 

 ライザーが椅子から立ち上がる

 

 リアス先輩も一歩前へ出た

 

「ええ、待たせたわね」

 

 人数だけなら、こっちも六人

 

 向こうもライザーを含めて六人

 

 そして向こうも、もうこっちを甘く見る気はないらしい

 

 ここまでの道は作った

 

 あとは──

 

 最後の一戦だ




ハク、三割

なお本人は結構真面目です

今回で残る眷属も五人となり、グレモリー側も全員合流しました

次回はいよいよライザーとの最終戦です

そしてハクはライザー本人へ直接攻撃出来ないので、ここからがリアス達の本番

次回もよろしくお願いします
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