今回は新しい同居人と、大きな大きなホロロ鳥のお話です
それではLife .21、どうぞ!
Life . 21 ホロロ鳥です!転校生です!顔合わせです!
数日後
「お久しぶりです、
「久しぶり」
玄関先で頭を下げる
「…………」
でかい
電話で聞いてはいた
普通のホロロ鳥より遥かに大きくて、
けど、実物を見るのと聞くだけじゃ全然違う
現代のホロロ鳥が、俺の知っているホロロン鳥に繋がるものらしいってところまでは、この前散々調べた
それでもこいつは明らかに普通じゃない
俺の記憶にある普通のホロロン鳥とは比べものにならない大きさだ
この大きさで思い出すのは──一羽しかいない
「こいつがココ?」
「はい、この子がココです」
「ココ、今日からここでお世話になるんだから、ちゃんとご挨拶しようね」
「ホロロ……ホロロロ……」
低く大きな鳴き声が辺りに響く
「…………」
電話越しでもでかい声だと思ったけど、近くで聞くと余計でかいな
ココがゆっくり首を動かし、俺を見る
「…………」
「…………」
じっと見られる
「何だ?」
「ホロロ……」
一歩、ココが近づいてきた
「ん?」
横へ一歩ずれる
ココも横へ一歩
「…………」
もう一歩
またついてくる
「ココ?」
今度は反対側へ動いてみる
ココも向きを変えた
「お前、俺に何か用?」
「ホロロロ、ホロロロ~♪」
「何で嬉しそうなんだよ」
少し距離を取る
ココが追ってくる
さらに離れる
また追ってくる
「待て待て」
「ホロロロ~♪」
「絶対俺についてきてるだろ、これ」
「あ、あれ……?」
「普段からこうなの?」
「いえ……人懐っこい子ではあるんですけど、初めて会った方をこんなに追いかけることは……」
「じゃあ何で俺なんだよ」
言っている間にも距離が縮まる
「ホロロロ、ホロロロ~♪」
ついに目の前まで来たココが、その大きな身体を擦りつけてきた
「うおっ」
「ココ!?」
重い
ただ擦り寄ってるだけなのに普通に重い
「お前な、もうちょっと加減を──」
少し押して離そうとする
離れない
むしろさらに身体を寄せてきた
「ちょっ」
「ホロロロ~♪」
「コ、ココ駄目っ、止まって……お願い……!」
けどココは止まらない
俺が後ろへ下がれば、その分だけ前へ出てくる
「待てって」
一歩
「ホロロ~♪」
「おい」
もう一歩
さらに一歩
「ちょっ、待っ──」
ドサッ
「…………」
「
完全に押し切られた
倒れた俺の上へ、そのままココの巨体がのしかかってくる
「ホロロロ、ホロロロ~♪」
「お前は楽しそうだな!」
こっちは全然楽しくない
というか重い
「ココ、退いて!
「ホロロ~♪」
「ココ!」
動かない
もう一度押す
やっぱり動かない
「す、すみません、
「いや、大丈夫……ではないけど、まだ大丈夫」
その気になれば、退かすことくらいは出来る
でも、こいつに敵意があるわけじゃない
むしろ嫌になるくらい懐かれてる
それを力任せにどかすのも違うだろ
「あの、手を!」
「ん?」
「わたしが引っ張ります!」
「いきます!」
「お、おう」
「よ、よいしょ……!」
ぐいっ
「いだだだだだ!」
「あっ!?」
「
「す、すみません!」
そりゃそうだ
上に乗ってるココが一ミリも動いてないのに、俺だけ引っ張ったらこうなる
「もう一度──」
「待て待て待て! 次やったら肩が外れる!」
「す、すみません……!」
「ホロロロ~♪」
「お前はちょっと黙ってろ!」
何なんだこいつ
いや
この光景
ものすごく嫌な既視感がある
大きな鳥に追いかけられて
じゃれつかれて
止めようとする女の子の言うことは全然聞かなくて
最後には押し倒される
「…………まさかな」
「ホロロ?」
ココが首を傾げる
「その顔やめろ、余計似て見える」
「……何、この大きなホロロ鳥」
聞き慣れた声がして、顔だけそちらへ向ける
その視線がゆっくり下へ動き、ココの下敷きになっている俺で止まった
「……あれ、ハク潰されてる」
「見れば分かるだろ!」
「どうしてそうなったの?」
「俺が聞きたい」
「ホロロロ、ホロロロ~♪」
「楽しそうだね、この子」
「こっちは全然楽しくない」
「あ、あの……ココっていうんです」
「ココ?」
「はい……わたしが言っても全然退いてくれなくて……」
「そっか」
「仕方のない子、あまり、おいたは駄目だよ」
そう言いながら、ココの首元を優しく撫でる
「ホロロロ……」
さっきまでご機嫌で俺を押さえ込んでいたココが、気持ち良さそうに目を細める
「ほら」
「ホロロ……」
すると、何を言っても動かなかったココが何事もなかったように身体を起こした
「…………」
「退いた」
「退きました……」
俺と
ようやく身体を起こし、肩を軽く回す
「だ、大丈夫ですか、
「ああ……肩も無事」
「本当にすみません……」
「いや、
「あ……」
そこで
「助けていただいて、ありがとうございました」
「ううん、気にしなくていいよ」
「そういえば、まだ挨拶してなかったね」
柔らかく笑う
「初めまして、
「あ……はい」
「
「うん、よろしく、
「よろしくお願いします、
挨拶を終えた
少し考えるように首を傾げた
「仲が良すぎるんじゃないかな」
「え?」
「ココは、
「友達……ですか?」
「うん、だから止められても、遊んでもらってるくらいに思ってるのかも」
「……そうなの、ココ?」
「ホロロロ?」
「…………」
今の絶対返事しただろ
「否定はしてないかな」
「そ、そうなんでしょうか……」
「ホロロロ~♪」
嬉しそうに鳴いたあと、ココは──
また俺のところへ来た
「…………」
「ホロロ?」
「何でまたこっち来るんだよ」
大きな頭を俺の肩へ擦りつけてくる
「今度は倒すなよ」
「ホロロロ~♪」
「分かってないだろ」
改めて目の前の二人と一羽を見る
ルルティエを思い出さずにはいられない
ココポを思い出さずにはいられないココ
そして、このやり取り
おばちゃん曰く、少し混ぜたらしいけど──
「…………」
少しって何だよ
……お前ら本当に何なんだよ
「ハク?」
「いや、何でもない」
考えたところで答えが出るわけでもない
「とりあえず荷物入れるか」
「あ、はい!」
「
「ありがとう、クオン」
まずは
俺達は荷物を持ち、家の中へ入っていった
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「ここが
「わぁ……」
荷物を運び終え、空いていた部屋へ案内する
「本当に使わせていただいていいんでしょうか」
「そのために空けたんだから使ってくれ、それに成人するまで、そのたび実家から東京まで往復する方が大変なんだろ?」
「はい……ありがとうございます、
まだ荷物が置かれただけで殺風景だけど、これから本人が使いやすいようにしていけばいい
「ココの方も見に行くか?」
「はい!」
さっきまでより明らかに返事が早い
やっぱりココのことになると分かりやすいな
家の裏手へ回る
山側にはココが休めるだけの広さを取ってある
普通のホロロ鳥ならここまで必要ないんだろうけど、あの大きさだと下手な小屋じゃ窮屈だ
「こんなに広く……」
「狭いよりいいだろ」
「はい……ココ、よかったね」
「ホロロロ~♪」
ココも気に入ったらしく、その場を歩き回る
しばらく周囲を見ていたと思ったら──
また俺のところへ来た
「…………また来た」
「ホロロ?」
頭を擦りつけてくる
「お前、今度は乗るなよ」
「ホロロロ~♪」
「分かってる?」
当然返事はない
「随分気に入られたね、ハク」
「嬉しいけど複雑なんだよ」
「どうして?」
「なんとなく」
「変なの」
説明出来るわけがない
前世で遊んだゲームの鳥に、動きまでそっくりなんです、なんて
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その日の夕食は、いつもより賑やかな食卓になった
最初こそ
「どう? 少しは落ち着いたかな」
「はい、
「そんなに畏まらなくていいにゃ」
「姉様が一番遠慮しませんから」
「
「そのままの意味です」
「ご主人、
「俺に振るな」
いつものやり取りに、
まあ
これなら生活の方は大丈夫そうだな
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翌朝
「緊張してる?」
駒王学園へ向かいながら聞くと、隣を歩いていた
「少しだけ……転校自体、慣れていませんので」
「普通は慣れるほどしないからな」
「それもそうですね」
「大丈夫だよ、
反対側を歩いていた
「ハクもいるし、
「ありがとうございます、
昨日よりは自然に話せている
この二人は問題なさそうだな
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「それじゃあ今日は転校生を紹介する」
担任の言葉で教室がざわつく
扉が開き、
「
軽く頭を下げる
その瞬間、今度は男子の方からざわめきが起きた
まあ、そうなるよな
本人は視線が集まって余計緊張してるみたいだけど
簡単な紹介が終わり、席も決まる
そして最初の休み時間になった瞬間──
「
「趣味とかある?」
「駒王町来たことある?」
あっという間に女子達に囲まれた
良かった
こういうのは最初が肝心だからな
「そういえば、
「え?」
嫌な予感がする
「あ、はい……以前一度お会いしたことがありまして、それと──」
待て
「昨日から、
教室が静まり返った
「…………」
「…………」
「…………」
あれ?
「今、なんて?」
「え?」
「
「は、はい……昨日から、
男子達の視線が一斉に俺へ向いた
「おい
「何だよ」
「お前……」
「
「
「三大お姉さまの
「…………いるけど」
「そこに
「うるせぇ!」
何なんだよ三大お姉さまって
というか何で俺が責められてるんだ
「許せねぇ……」
「人生の格差を感じる……」
「こんなの間違ってる……」
…………あれ?
この光景
何処かで見たことあるぞ
隣を見る
イッセーが腕を組んで、物凄く穏やかな顔で俺を見ていた
「…………」
「…………」
何も言ってない
何も言ってないのに分かる
「今まで笑って悪かった」
「やっと分かったか」
「……ああ、身に染みた」
こいつ
ずっとこんな目に遭ってたのか
「でも、うちは事情があって
「俺だってそうだよ!!」
「お前の場合アーシアと部長だろ」
「事情があるのは一緒だろうが!」
確かに
今まで笑って見てた側だったから分からなかったけど、当事者になると理不尽だなこれ
「聞いたか! 兵藤まで認めたぞ!」
「二人とも敵だ!」
「何でだよ!」
「ハク、聞こえてるにゃ」
教室の入り口から声が聞こえた
「……
「三大お姉さまって呼ばれてるにゃ、私」
何故ちょっと嬉しそうなんだよ
「本物だ!」
「
「お前ら余計うるさくなるな!」
「笑ってるだろ」
「笑ってないかな」
「目を見て言え」
「無理かな」
「おい」
結局その後も休み時間になるたびに似たようなことを聞かれ続けた
……イッセー
今まで本当にすまなかった
そう思ったところで──
キーンコーンカーンコーン
昼休みを告げるチャイムが鳴った
─────────────────────────
「
「あ……はい、ぜひ」
さっそく女子数人から声を掛けられ、
朝に比べれば随分表情も柔らかくなっている
「
「いいの? それじゃ、お邪魔しようかな」
うん
これなら本当に大丈夫そうだな
そう思いながら俺も昼飯を取り出そうとしたところで──
「ハク」
「ん?」
イッセーが俺の机までやってくる
「とりあえず飯食おうぜ、あとで部室行くだろ?」
「ああ」
昼休みにはオカ研で集まるらしい
俺はイッセーと一緒に昼飯を広げた
少し離れたところでは、アーシアが女子数人に囲まれて楽しそうに昼食を取っている
「アーシアも随分馴染んだな」
「ああ」
イッセーが嬉しそうに笑う
転校してきたばかりの頃はどうなることかと思ったけど、最近じゃ普通に女子の輪へ混ざっている姿を見るようになった
その中にいた眼鏡の女子が、こちらへ一瞬視線を向ける
確か桐生だったか
何やら楽しそうな顔をすると、アーシアへ顔を寄せた
「あのさ、アーシア」
「はい?」
「兵藤君とはどこまでいってるの?」
「ぶっ!」
隣でイッセーが盛大にむせた
アーシアも一瞬きょとんとしたあと、みるみる顔を赤くしていく
「ど、どこまで……ですか?」
「だって一緒に暮らしてるんでしょ?」
「は、はい……」
「じゃあ彼氏みたいなものじゃない」
「か、彼氏……!」
アーシアの顔が一気に真っ赤になった
「ち、違います! イッセーさんとは、その……!」
両手を振りながら必死に否定している
「ハク、助けてくれ」
「自分で行け、話題の中心お前だろ」
「くそっ!」
イッセーが立ち上がり、アーシア達の方へ向かっていく
からかわれてはいるけど、アーシアも本気で嫌がっているわけじゃない
それなら俺が入ることでもないか
少し前まで友達を作ることすら不安そうだったことを思えば、こういうやり取りが出来るようになっただけでも随分変わったものだ
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昼食を終えたあと
「そろそろ部室行くか」
「はい!」
ようやく桐生から解放されたアーシアが、イッセーの隣へ並ぶ
俺も二人について教室を出ようとすると、
「ハクも行くの?」
「ああ、昼休みにちょっと集まりがあるらしい」
「そっか、じゃあ
「よろしくお願いします、
「うん、任せて」
「じゃあ頼んだ」
二人と別れ、俺達はオカ研部室へ向かった
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部室には、リアス先輩に朱乃、黒歌、
そしてソファには、オカ研の部員ではない女子生徒が一人座っている
駒王学園の生徒会長、支取蒼那
悪魔なのは、入学して間もない頃から気付いていた
原作通りなら、その正体も知っている
ソーナ・シトリー
シトリー家の次期当主
ただ、今の世界が俺の知っている通りに進む保証はない
この世界でも同じなのかは、本人から正式に聞けばいい
その後ろには男子生徒が一人立っている
あの顔にも見覚えはある
匙元士郎
こちらも原作通りなら蒼那の眷属だ
まあ、今は黙っておこう
「来たわね、イッセー、アーシア、ハク」
リアス先輩がこちらを見る
「部長、生徒会長までいるんですね」
イッセーが少し意外そうに蒼那を見る
「ええ、今日はあなた達に紹介しておきたいことがあってね」
「紹介?」
「まずは彼女、支取蒼那、この学園の生徒会長よ」
「それは知ってますけど……」
イッセーが蒼那へ視線を向ける
「この人も悪魔なんですよね?」
「ええ、そうよ」
リアス先輩がそのまま蒼那へ視線を移した
「そして正式に紹介しておくわ、彼女の本当の名は、ソーナ・シトリー」
「シトリー?」
イッセーの表情が変わる
「ええ、シトリー家の次期当主で、私と同じ上級悪魔よ」
「次期当主!?」
アーシアも驚いたように目を丸くしている
俺は改めて支取先輩──ソーナ・シトリーを見る
やっぱりか
「改めまして、ソーナ・シトリーです」
蒼那は静かに頭を下げる
「学園では生徒会長として接することになりますが、こちらでもよろしくお願いします」
「兵藤一誠です、よろしくお願いします」
「アーシア・アルジェントです、よろしくお願いします」
二人も頭を下げる
蒼那の視線が俺へ向いた
「
「こちらこそ」
こうして直接話すのは初めてだ
学校では何度も姿を見ているけど、向こうも俺のことは知っていたらしい
まあ、生徒会長なら不思議でもないか
「そして──」
蒼那が自分の後ろへ視線を向ける
「こちらが匙元士郎です」
「匙元士郎です、よろしく」
男子生徒が軽く頭を下げる
やっぱり匙だったか
「彼は私の眷属で、
「お前も悪魔なんだな」
イッセーが匙を見る
「ああ、そういうお前もだろ?」
「まあな」
短く言葉を交わしたあと、イッセーが匙へ手を差し出した
「よろしくな、匙」
「ああ、よろしく」
二人が握手する
今のところは普通だ
続いて匙がアーシアを見る
「アーシアさんも、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします」
アーシアが微笑みながら手を差し出す
その瞬間、イッセーの眉がぴくっと動いた
おい
まさか
「イッセー」
「なんだよ」
「ただの挨拶だぞ」
「分かってるよ!」
分かってる顔じゃねぇ
匙も呆れたようにイッセーを見る
「なんなんだよ、お前……」
「アーシアに変なことすんなよ」
「するか!」
「二人とも」
蒼那の静かな声が落ちる
それだけで二人が揃って口を閉じた
リアス先輩は額へ手を当て、朱乃は口元を隠して楽しそうに笑っている
木場も苦笑していた
まあ
仲良くなれるかどうかはともかく、少なくとも退屈はしなさそうだな
「さて」
二人が静かになったところで、蒼那が眼鏡の位置を軽く直した
「今回こうして顔を合わせてもらったのには、理由があります」
「理由?」
イッセーが聞き返す
「この学園では、リアスと私がそれぞれ悪魔として活動しています」
「同じ学園にいる以上、お互いの仲間くらいは知っておいた方がいいわ」
リアス先輩も蒼那の言葉に続く
「ああ、なるほど」
イッセーが納得したように頷いた
学校では普通の生徒会とオカ研だけど、裏では二人とも上級悪魔
それぞれ仲間もいるんだから、顔すら知らないよりは知っていた方がいいだろう
「そういうことです」
蒼那が頷く
「今後、学園内で顔を合わせることもあるでしょうから」
「では、私達はそろそろ失礼します」
蒼那が立ち上がる
匙もその後ろへ続いた
「生徒会の仕事もありますので」
「忙しいんですね」
アーシアが言うと、蒼那は僅かに笑う
「これでも生徒会長ですから」
そのまま扉へ向かい──途中で足を止めた
「そういえば、リアス」
「何?」
「もうすぐ球技大会ですね」
ほんの一瞬、二人の間の空気が変わった気がした
「ええ、そうね」
リアス先輩が笑う
「今年も楽しみにしているわ」
「こちらもです」
蒼那も同じように笑う
二人とも笑っている
笑っているんだけど
なんでだろうな
妙に怖い
「……ハク」
イッセーが小声で話しかけてくる
「なんだ」
「あの二人、仲悪いのか?」
「俺に聞くな」
むしろ仲が悪かったら、こんな分かりやすく競い合わない気もするけどな
「会長、そろそろ」
「ええ」
匙に促され、蒼那が扉を開ける
「それでは皆さん、また学園で」
「失礼します」
二人が部室を出ていく
扉が閉まったところで、イッセーがリアス先輩を見る
「部長」
「何かしら?」
「生徒会長と仲悪いんですか?」
普通に聞いたな、こいつ
リアス先輩は少し目を丸くしたあと、小さく笑った
「仲が悪いわけではないわ」
「そうなんですか?」
「昔から何かと競うことが多いだけよ」
「ライバルということですね」
アーシアが納得したように言う
「そうね」
リアス先輩が腕を組む
「だから今年の球技大会も負けるつもりはないわ」
その目は完全に本気だった
「……なんか大変そうだな」
「他人事みたいに言ってるけど、イッセーも参加するのよ?」
「分かってますよ」
イッセーが苦笑する
俺も同じ学園の生徒なんだから当然参加することになる
まあ
普通の学校行事だ
そこまで変なことにはならないだろ
多分
キーンコーンカーンコーン
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った
「そろそろ戻るか」
「おう」
「はい!」
俺達は部室を出て、それぞれ教室へ戻る
とりあえず午後の授業を乗り切るとしよう
ということで、
ココ、でかい
そしてハクもようやく、イッセーが普段どんな目に遭っていたのか身をもって理解しました
後半では支取蒼那――ソーナ・シトリー、そして匙元士郎とも正式に顔合わせ
次回はいよいよ球技大会です