転校生が二人増え、ハクの周りはさらに賑やかに
そして、平和な学校生活だけで終わるはずもなく……
それではLife.30、よろしくお願いします!
Life . 30 転校生です!総督です!会談です!?
あれから数日後
朝のホームルームが始まり、担任が教室へ入ってきた
その後ろには見覚えのある二人の姿がある
「今日は転校生を二人紹介する」
まあ、ここまでは予想通りだ
ただ、
イッセーを見ると、あいつも似たような顔をしている
アーシアはゼノヴィアの姿を見て嬉しそうにしていた
「まずは自己紹介を」
「ああ」
促されたゼノヴィアが一歩前へ出る
「ゼノヴィア・クァルタだ、よろしく頼む」
短いが、実にゼノヴィアらしい自己紹介だった
教室のあちこちから声が上がる中、本人はまるで気にした様子もない
そして次に担任へ促され、
その視線がこちらへ流れてきて、俺のところで止まった
「ほえ?」
少し目を丸くした後、顔を綻ばせる
「おにーさん、おった」
教室の空気が止まる
いや、止めたのは間違いなく
「……おにーさん?」
近くから誰かの声が聞こえ、嫌な予感がした
「なぁなぁ、おにーさんもこのクラスなんやねぇ」
「ああ、そうみたいだな」
「良かったやえ、それなら安心やねぇ」
イッセーも何とも言えない顔でこちらを見ていた
その顔はやめろ、何を言いたいのか大体分かる
「
クラスの一人から声が飛んでくる
「まあ、少し前にな」
「そうなんよ、おにーさんにはお世話になってるんえ」
そこまでは問題ない
問題は、その次だった
「今もおにーさんの家でお世話になってるんよ」
……おい
一拍遅れて教室が騒がしくなる
「また
「今度の転校生も!?」
「どういうことだよ!」
絶対に笑ってるだろ、クオン
イッセーと目が合うと、何も言わず妙に生温かい目を向けてきた
……ああ、分かってる
前にも分かったつもりではいたが、自分が騒ぎの中心に置かれると余計に身に染みる
イッセーも今までこんな感じだったんだな
「なぁなぁ、おにーさん」
「なんだ」
「ウチ、まだ名前言ってないんよ」
「誰のせいだと思ってる」
「ほえ?」
本当に分かってない顔をするな
担任が一度大きく咳払いすると、ようやく教室が少し静かになった
「……
「うん」
「ウチ、
にこりと笑って頭を下げる
最初からそれだけなら、普通の転校生で終わったんだがな
俺の平穏な学校生活は、朝のホームルーム開始五分で崩壊した
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一時限目が終わると、当然のように二人の転校生の周りには人が集まった
ゼノヴィアは次々飛んでくる質問へ淡々と答え、
あの調子なら学校に馴染むのは早そうだ
俺がそんなことを考えていると、人の輪を抜けてきた
「なぁなぁ、おにーさん」
「今度は何だ」
「せっかく同じクラスになったんやもん、おにーさんの友達も紹介してほしいんよ」
「友達?」
「うん、朝から一緒におった人たち」
そう言って
そこへ
「じゃあ改めてな、こいつがイッセー」
「こいつって言うなよ、兵藤一誠だ、イッセーでいいぜ」
「アーシア・アルジェントです、よろしくお願いします」
「私は先ほど名乗ったな、ゼノヴィアだ」
「ウチは
「よろしくな」
「よろしくお願いします」
「ああ、よろしく」
「しかしハク、お前また朝から派手にやったな」
「俺がやったみたいに言うな」
「でもハクさん、もう結構噂になってますよ」
「ほら見ろ」
「何でお前が勝ち誇る」
イッセーが笑い、俺は溜息を吐く
「でも、良かったね
「うん、知ってる人がおると安心やねぇ」
「ゼノヴィアは一人暮らしなんけ?」
「ああ」
「ほえ、そうなん?」
「そうだ」
「すごいなぁ、ウチやったらちょっと寂しくなりそうやえ」
「必要なら一人でも問題ない」
「ゼノヴィアらしいな」
イッセーが苦笑すると、ゼノヴィアは首を傾げる
「そうか?」
「そういうとこがな」
アーシアがくすくす笑っていた
「そういえば
「うん、そうなんよ、今はおにーさんの家でお世話になってるんえ」
「
「はい、私もです」
「クオンは隣だしな」
「なんで私まで数に入ってるの?」
「いや、隣だろ」
「それはそうだけど」
そんな俺達を見比べていたイッセーが、しみじみと口を開いた
「……ハクの周り、いつの間にか随分賑やかになったよな」
「お前にだけは言われたくない」
「なんでだよ!」
そこへ予鈴が鳴り、教室に散っていた連中も自分の席へ戻り始める
「またあとでなぁ」
「ああ」
◇
その日の放課後
悪魔の仕事が入っている連中は一度部室へ集まり、それぞれの仕事へ向かうらしい
俺も学校を出て大神家へ戻り、しばらくすると隣の道場には俺、
道場の中央では
何度か相手を替えながら組手を繰り返し、俺と
「さっきより良くなってるぞ、
「はい、兄さま!」
「クオンも無理に追わなくていい、相手の動きを見てからで十分だ」
「分かってる、もう一度お願い」
「ご主人、次は私とやるにゃ」
「さっきやっただろ」
「もう一回にゃ」
「元気だな、お前は」
そんなやり取りを繰り返している間、道場の端では
最初は大人しく座っていたんだが、時間が経つにつれて少しずつ身体が前へ出てきていた
「なぁなぁ、おにーさん」
「ん?」
「ウチともやってくれへん?」
「やっぱりやりたかったのか」
「うひひ、見てたらうずうずしてきたんよ」
「いいぞ」
「ホントけ?」
「ああ、ただし無茶はするなよ」
「うん」
俺と
「最初はこのままでいいのか?」
「うん、まずはこれでやってみたいんよ」
「分かった」
「うん」
side out ハク
─────────────────────────
side in イッセー
「よっしゃ、今度こそ!」
「その台詞、さっきも聞いたぞ」
「うるせぇ、今度は勝つ!」
画面の中で俺のキャラが走り出す
今日の契約先で頼まれたのは、まさかのゲームの相手だった
最初は何を言ってるんだと思ったが、願いを叶えるのが悪魔の仕事なら、これも立派な契約なんだろう
「そこだ」
「あっ、ちょ――!」
また俺のキャラが吹き飛ばされた
「……強すぎないっすか?」
「お前が前のめりなんだよ、攻める時に分かりやすい」
「マジかよ……」
コントローラーを握ったまま、隣のおっさんを見る
妙に気さくで、ゲームもやたら上手い
ただ、最初に会った時からずっと妙な引っ掛かりがあった
どこかで見たような気がする
けど、どこだったかまでは思い出せない
「もう一戦やるか?」
「当然!」
「ははっ、そういうところは赤龍帝らしいな」
「…………え?」
俺の手が止まった
「今、何て言った?」
「ん?」
「赤龍帝って言ったよな?」
「ああ」
「何でそれ知ってるんだよ」
俺が睨むと、おっさんは少しだけ笑った
「まあ、その話は後だ」
「後って――」
「その前に、もう一人呼んどくか」
「もう一人?」
「ああ、お前も知ってる奴だ」
「誰だよ」
「来りゃ分かる」
そう言って、おっさんは携帯へ手を伸ばした
side out イッセー
─────────────────────────
side in ハク
先に動いたのは
踏み込みと同時に間合いを詰め、迷いなくこちらへ入ってくる
速い
拳を受け流すと、その力へ逆らわず身体を回し、反対側から蹴りが飛んできた
上体を逸らしてかわす
「へぇ」
「うひひ」
楽しそうに笑ったまま、もう次へ繋げてくる
数合合わせただけでも分かる
こいつ、体術もかなり出来るな
俺が少しだけ速度を上げると、
「おにーさん、まだ速くなるん?」
「さてな」
「うひひ、楽しいんよ」
また一気に距離を詰めてくる
こちらから踏み込めば受けるだけではなく、身体をずらして次の動きへ繋げてくる
しばらく打ち合ったところで、
「なぁなぁ、おにーさん」
「ん?」
そこには稽古用の木槍が立て掛けてあった
「次、あれ借りてもいいけ?」
「槍か?」
「うん」
「構わないぞ」
「ありがとうな~」
そのままこちらへ向き直る
さっきまでと表情はほとんど変わっていない
なのに構えた瞬間、明らかに雰囲気が変わった
こっちが本命か
「いくえ、おにーさん」
「来い」
やっぱりさっきまでとは違う
体術だけでも十分強かったが、槍を持ってから動きがさらに自然になった
突きを横へかわす
そのまま懐へ入ろうと踏み込むが、
すぐに柄を引きながら身体をずらし、空いた手でこちらの腕を払ってくる
受け流し、さらに前へ出る
今度は足が飛んできた
「っと」
後ろへ下がった俺へ、間を置かず再び木槍が伸びる
近付けば体術、離れれば槍
どっちかだけ見ていればいい相手じゃない
「うひひ、おにーさん、やっぱり強いなぁ」
「お前もな」
「ホントけ?」
「ああ」
なら、こっちももう少し上げてみるか
俺が一段速度を上げると、
「ふわぁ、まだ速くなるん?」
「さてな」
「うひひ、ウチもまだまだやるんよ」
また木槍が走る
かわし、踏み込み、今度はこちらから間合いを潰す
だが
「ハク、楽しそうだね」
「そう見えるか?」
「見えるよ」
「ご主人、顔が笑ってるにゃ」
「兄さま、楽しそうです」
三方向から言われた
「……お前らな」
「なぁなぁ、おにーさん」
声がした時には、
「よそ見してていいけ?」
「っ――」
身体を捻ってかわす
危なかった
「うひひ、惜しかったなぁ」
「今のは危なかったぞ」
「ホントけ?」
「ああ、なら次は――」
「おにーちゃん、電話ー!」
道場の外から大きな声が響いた
俺と
「……ちょうどいいところだったのになぁ」
「悪い、ちょっと行ってくる」
「うん、また続きやってくれへん?」
「ああ、約束する」
「うひひ、それなら安心やねぇ」
道場を出て家へ戻る
リビングでは、道場へ行く前に置いていった携帯が鳴り続けていた
「おにーちゃん、ずっと鳴ってたよ」
「悪い、
「うん」
電話に出る
「もしもし」
『よう、ハク』
聞き慣れた声だった
「珍しいな、そっちから掛けてくるなんて」
『ちょっと来てほしくてな』
「今からか?」
『ああ』
そこで一度、向こうの声が止まる
『オシュトルとして、うちに来い』
「…………」
その一言で用件の種類は大体分かった
ただ遊びに来いという話じゃない
「分かった、すぐ向かう」
『頼む』
通話が切れる
道場へ戻ると、
「悪い、呼び出しが入った」
「今から?」
「ああ」
「そっかぁ、続きはまた今度やねぇ」
「ああ」
「約束やえ?」
「忘れないよ」
俺は道場を後にした
side out ハク
─────────────────────────
side in イッセー
「……で、さっきの話」
「ああ」
ゲームは一旦止まっていた
俺は向かいに座るおっさんから目を離さない
「なんで俺が赤龍帝だって知ってる」
「そろそろ名乗っといた方が早そうだな」
「名乗る?」
おっさんが椅子へ深く座り直す
「俺の名前はアザゼル」
「…………は?」
「グリゴリの総督、堕天使のトップをやってる」
「アザゼル……?」
その名前は知っている
知らないわけがない
ハクが小学生の頃から付き合いのある、堕天使の総督
「お前が……アザゼル!?」
「そういうことだ」
「いや待て、じゃあこの顔……」
もう一度よく見る
どこかで見たことがあるという感覚
ずっと引っ掛かっていた記憶が、一気に昔まで遡って――
「あーーーーっ!!」
「うるせぇ!」
「思い出した! ガキの頃、公園にいたおっさん!」
「やっとそこまで繋がったか」
「マジかよ! あのおっさんがアザゼルだったのかよ!」
「何年前の話だと思ってんだ」
「そりゃすぐ出てこねぇよ!」
頭の中で今までの話が次々に繋がっていく
ハクが小学生の頃からアザゼルと知り合いだったこと
その時はオシュトルと名乗っていたこと
そして、こいつがさっき呼ぶと言った相手
「……待て」
「ん?」
「あいつって、まさか」
その時、玄関側から人が来た気配がした
「来たみたいだな」
しばらくして扉が開く
「お呼びとのことで参った、総督殿」
仮面姿の男が部屋へ入ってきた
「おう、来たかオシュトル」
その姿を見て、俺は思わず額を押さえた
「やっぱハク呼んだのかよ!」
仮面越しの視線がこちらへ向く
「これは、先客がおられたか」
「先客って俺だよ!」
「ははっ、相変わらず仲いいな、お前ら」
「総督殿、そのように見えるのであれば、恐らく気のせいであろう」
「気のせいじゃねぇよ!」
なんかいつものハクと喋ってる時より疲れるぞ、このモード
「まあいいや、俺の仕事はもう終わりなんだろ?」
「ああ、付き合わせて悪かったな」
「契約分はちゃんと払えよ」
「そこは心配すんな」
俺は立ち上がる
扉のところで一度振り返り、二人を見る
「じゃあな、ハク……じゃなくて、今はオシュトルか」
仮面の男が僅かに頷いた
「うむ、また明日」
「おう」
俺はそのまま契約先を後にした
side out イッセー
─────────────────────────
side in ハク
イッセーが帰り、扉が閉じる
改めてアザゼルへ向き直った
「さて、総督殿」
「おう」
「某をこの名で呼ばれた理由、お聞かせ願いたい」
「話は単純だ」
アザゼルが先ほどまでの軽い雰囲気を少し引っ込める
「近いうちに会談がある」
「会談とは?」
「ああ、詳しいことは明日グレモリー側から正式に聞くだろうから、俺からはそこまでだ」
そこで一度言葉を切り、こちらを見る
「ただ、一つだけ先に伝えとく」
「何でありましょうか」
「お前も当事者として呼ばれてる」
「某が?」
「ああ」
アザゼルの目が仮面へ向く
「
一拍置いて、はっきりと言った
「オシュトルとしてだ」
「…………」
なるほど
だからわざわざこの姿で来いと言ったわけか
「一つ伺ってもよろしいか」
「なんだ?」
「何故、某が呼ばれたのでありましょうか」
「……お前、自分が外からどう見られてると思ってる?」
「どう、と申されましても」
アザゼルが呆れたように息を吐く
「昔から俺と直接やり取りしてる」
「それは事実でありますな」
「バラキエルとも繋がりがある」
「それも否定は出来ませぬ」
「グリゴリの施設まで使ってる」
「……総督殿に紹介いただいたものでありますが」
「で、決定打がこの前のコカビエルだ」
「…………」
嫌な予感がした
「外から見りゃ、勝手に動いたコカビエルを、俺の指示でオシュトルが潰しに行ったようにしか見えねぇ」
「…………」
言われてみればそう見える
俺がどういう理由であの場へ行ったのかなんて、事情を知らない連中には分からない
アザゼルと昔から繋がりがあり、そのアザゼルと対立したコカビエルの前へオシュトルが現れた
そして外から見れば、俺がアザゼルの指示でコカビエルを潰しに行ったように見える
……うん
ひどいな、これ
「某はグリゴリへ属した覚えはありませぬが」
「俺も所属させた覚えはねぇよ」
「では」
「実際に所属してるかと、周りからどう見えるかは別だ」
「…………」
「今のお前は三勢力から見りゃ、ほぼ完全に堕天使側の人間だ」
いつの間にそんなことになったんだよ
いや、経緯を並べられると反論しづらいんだけど
「故に、
「そういうことだ」
「承知致しました」
「話が早くて助かる」
「正式な話は明日聞け、今日はそれを先に知らせたかった」
「それだけでありましょうか」
「今夜はな」
妙に含みのある言い方だが、これ以上は話す気がないらしい
「では某は失礼する」
「おう、またなオシュトル」
「総督殿も、あまり遊び過ぎぬよう」
「最後にそれ言うか?」
俺は一礼し、その場を後にした
◇
翌日の昼休み
朝からいつも通り授業を受けていたが、昨日のことが少し気になっていた
俺の両親と
だから
けど、昨日の動きはただ武術を習っているだけのものには見えなかった
あれは実際に相手とやり合ったことのある動きだ
昼休みになって少ししてから、俺は
「
「ん~? なんなん、おにーさん」
「昨日のことなんだけど」
「昨日?」
「道場だよ」
「ああ」
思い出したのか、
「楽しかったなぁ、また続きやってくれへん?」
「それもあるけど、今は別の話だ」
「ほえ?」
「お前、あの戦い方は家の仕事で覚えたのか?」
「ん~、それもあるんよ」
「やっぱりか」
「なんで分かったん?」
「動き見ればなんとなくな」
武術の型だけ覚えた奴と、実際に相手へ使ってきた奴じゃ動きが違う
昨日の
「じゃあ、お前も実際に裏の仕事をやってたのか?」
「うん」
「……狩る側で?」
「そうなんよ」
あっさり返ってきた
やっぱりそこまでやってたのか
「ウチも家の仕事、やってたんよ」
「何を相手に?」
「異形とか、そういうのやねぇ」
なるほど
こいつ、裏を知ってるどころか普通に現場側だったのか
「なぁなぁ、おにーさん」
「ん?」
「もしかして、おにーさん知らんかったん?」
「お前の親が裏の仕事をしてるのは知ってた」
「うん」
「けど、お前まで直接やってたとは聞いてなかった」
「そうなん?」
「ああ」
本人にとってはそこまで隠すようなことでもなかったらしい
「じゃあ、三勢力って言葉は?」
「三勢力?」
「ああ」
「ん~……
「内容は覚えてるか?」
「そこまでは覚えてないんよ」
「なるほど」
名前を聞いたことがある程度か
「じゃあ、グレモリーは?」
「誰なん、それ?」
「知らないか」
「うん」
「この町の裏の事情については?」
「ん~? そこまでは知らないんよ」
「悪魔の眷属とか、悪魔の駒は?」
「……なんなん、それ?」
そこまでは完全に知らないらしい
大体分かった
異形を狩る側として裏世界の実戦経験はある
けど、三勢力については聞いた覚えがある程度で、この町の勢力関係や悪魔社会の仕組みまでは知らない
「なぁなぁ、おにーさん」
「なんだ?」
「さっきからなんでそんなこと聞くん?」
「お前がどこまで知ってるのか確認したかった」
「なんで?」
「この町で暮らすなら、知っておいた方がいいことがある」
「ほえ?」
「今日の放課後、少し付き合ってくれ」
「ウチが?」
「ああ」
「どこ行くん?」
「オカルト研究部」
「……オカルト研究部?」
「ああ」
「さっきの話と関係あるんけ?」
「ある」
少し考えるようにした後、
「分かったんよ」
「いいのか?」
「おにーさんがそこまで言うなら、行ってみたいなぁ」
「助かる」
「どんな人がおるん?」
「それは着いてからのお楽しみだ」
「ん~、また隠すん?」
「説明するより早い」
「おにーさん、最近そればっかりやねぇ」
「便利なんだよ」
念のためリアス先輩へ一言だけ入れておく
『今日の放課後、
しばらくして返事が来た
『転校してきた子ね?』
『はい』
『分かったわ、詳しい話は来てから聞くわ』
これでいい
その辺りは本人もいるところで話せばいいだろう
◇
そして放課後
「なぁなぁ、おにーさん」
「ん?」
隣を歩く
「オカルト研究部って、こっちにあるん?」
「ああ」
「普通の校舎と雰囲気違うなぁ」
「旧校舎だからな」
「ふ~ん」
興味深そうに辺りを見回しながら、
「それで、誰を紹介してくれるん?」
「着けば分かる」
「またそれなん?」
「説明するより早い」
「ん~、秘密っぽいなぁ」
「まあ、普通の話ではないな」
「さっき聞いた話の続きなんやろ?」
「ああ」
昨日までは俺も
まさか実際に異形を狩る側だったとは思わなかったが、これなら話は早い
ただし、裏の世界で戦ってきたことと、この町の事情を知っていることは別だ
三勢力については聞いた覚えがある程度
グレモリーについては知らない
悪魔の眷属や悪魔の駒についても知らない
なら、俺一人で全部説明するより当人達を紹介した方がいい
やがてオカルト研究部の部室前まで着く
「ここだ」
「ここなん?」
「ああ」
「なぁなぁ、おにーさん」
「なんだ?」
「ホントにオカルト研究部なんよね?」
「名前はな」
「名前は?」
「入れば分かる」
「またそれやねぇ」
俺は扉へ手を掛けた
この中にいるリアス先輩達は、
そして
まずはそこからだな
というわけで、ゼノヴィアと葵が駒王学園へ転校してきました
葵は見た目や話し方こそ柔らかいですが、実際は異形を狩る側の人間です
ただし裏世界の政治事情にはそこまで詳しくなく、三勢力についても「父様《ととさま》がなんか言うとったなぁ~」程度
そしてハクは本人の知らないところで、すっかり「堕天使側のオシュトル」として認識されていました
本人はグリゴリに所属した覚えなんてないんですけどね(笑)
次回はオカルト研究部で葵への説明と、いよいよ三勢力会談の話へ入っていきますというわけで、ゼノヴィアと葵が駒王学園へ転校してきました
葵は見た目や話し方こそ柔らかいですが、実際は異形を狩る側の人間です
ただし裏世界の政治事情にはそこまで詳しくなく、三勢力についても「父様《ととさま》がなんか言うとったなぁ~」程度
そしてハクは本人の知らないところで、すっかり「堕天使側のオシュトル」として認識されていました
本人はグリゴリに所属した覚えなんてないんですけどね(笑)
次回はオカルト研究部で葵への説明と、いよいよ三勢力会談の話へ入っていきます
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