まほいく実況プレイー全員生存ルートー   作:独資耶

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感想、評価ありがとうございます。


二話目

 はい、それでは前回の続きからやっていきましょう! 前回はチュートリアルの後にそのまま就寝したところですね。おはようございます! 魔法少女なら固い床でも関係ありません! 熟睡できます。

 

 現在時刻は朝の7時。朝ごはんを食べて今日の準備をしましょう。朝食はカロリーメイトに牛乳、いただきま-す。

うーんおいしい。ごちそうさまでした。こうやってゲーム内でもおいしく感じられるのはいいですね。それじゃあキャンディー集めの為に移動します、いってきまーす。

 

 

背中の荷物を落とさないように注意しつつ、目的地に到着しました。えーここはN市にある駅前の大通りから少しそれた道です。道幅も狭く、左右も背の高い建物もあるので昼間でもちょっと暗いのであんまり人は通らない場所ですね。それにここは警察の見回りから外れているので今からすることには良い立地です。

今から何をするかというと路上占い師をやりたいと思います。用意する物は簡単です。 パイプ椅子に小さな折り畳みテーブル、それと水晶。これを設置して、手書きのポップを横に立てたら完成です!

 

 

 今日は一日変身して夜になるまでここで時間をつぶします。お客さんがきたら適当にあいてしつつ相談にのることで、少量ですがキャンディーが稼げるんですよね。しかもこれは金策も兼ねていますから一石二鳥ですし、もう一つやりたい事もできるので一石三鳥といえるでしょう。

では夜まで長いのでスキップしていきます。

 

 

 

 

 

  段々と太陽が西の山に隠れ、辺りが暗くなってきましたね。昼間は疎らだった人も増えてきて活気があります。昼間はお客さんもゼロでしたが今の時間帯なら集客も期待できそうですね。頑張ります。

 

 

 

――あれから結構時間が立ちましたが、初日はあんまり稼げなかったですねー。でもお客さんは来たので口コミで宣伝してもらうことを期待しましょう。

 

「おい、嬢ちゃん」

 

「は~い、なんですか~? 占いなら一回千円ですよー」

 

 

 ?  何か怖そうな雰囲気のおじさんが声をかけてきましたね。ちなみに接客するときはスマイルとおっとりとした話し方を心がけています。私の経験ですが、魔法少女はどうしても美人過ぎて話し掛け辛いです。なので雰囲気や話し方だけでも工夫する様にするといいです。まぁこれはあくまで個人的な感想ですが。

 

「ここは鉄輪会の島なんだが、誰の許可を得て商売しているんだ? ここでやるなら払うもん払ってくれよ」

 

 あー、どうやらその筋の方みたいですね。原作でも出てくる、カラミティ・メアリが用心棒をしている鉄輪会のようです。

 

 そしてどうやらみかじめ料を要求されましたね。ここは素直に払ってもいいのですが、考えがあるので少し挑発します。

 

「うーん、お客さんじゃないんですか~?冷やかしなら帰ってくださいね~、お、じ、さ、ん?」

 

「このガキが舐めてんのか!!」

 

「やめてくださいよ~、荒事は嫌なんです~」

 

「女だから手が出ないと思ってっっっ――グェ!!」

 

  パンチが飛んできたので手を取って強引に後ろに投げて相手を仰向けに転がし、椅子から立ち上がってそのまま何が起こったか分かってない相手の顔のすぐ傍に高々と、足を上げてから思いっきりコンクリートを粉砕します。結果は放射線状に砕けたコンクリートに、少し耳が切れた青白い顔のおじさん。魔法少女の身体能力ならこれくらい簡単です。

 

「いきなり攻撃するなんて~、びっくりしたよ。あ~あ、迷惑料もらおうかなー」

 

「ば、化け物……! ヒィッ――!!」

 

  はい、十分脅せました。こうすることで明日は大勢お仲間を連れてきてくれます。

なんでこんなことをしているのは次回ヤクザさんが来た時にお話しましょう! 

えー、時間は……ちょうど約束の時間の一時間前ですね。集合場所に先に行って、待ってましょう!

 

 

 

 

 はい、到着しました。集合場所は周辺で一番高いビルの屋上ですね。見晴らしがいいですが少し風の音がうるさいのが残念です。

現在の装備は最初から装備しているナイフとゴーグルにマジカルフォン。まだ約束の時間まで待たないといけないので、隅っこのほうに座ってマジカルフォンでも弄って時間潰しします。うーん、何か面白いニュースでも載ってないかな~。

 

「…………………」

 

 

「…………………」

 

 

「…………………」

 

 

 

 ……なかなか来ませんね。魔法を使ってどこにいるか現在地を確認しましょう。えー魔法少女を探すっと……ノロノロとこちらに向かってくる点が一つ、そしてビルの上に一つ……あれっ? 点が二個しかないなぁ。おかしい、もっと細かく設定してみましょう。

 ……あ~分かったよく見たら点が重なってますね。HAHAHA、この点が私でこのすぐ横が……

 

 

 

「今、急に心拍数が上がりましたね。ようやく気付きました?」

 

「……はじめまして」

 

  お、音楽家ァー!

 し、失礼しました。ちょっとビビちゃいました。いつから隣にいたのか気付かなかったです。

 

「フフッ、はじめまして。驚かしてすみません、私は森の音楽家クラムベリーと申します。今日のレクチャー役の先輩魔法少女です」

 

 

「よろしくお願いします……」

 

 いきなり話し掛けてきた彼女はこのチャプターの実質的なラスボス、森の音楽家クラムベリーです。仮に交戦した場合、彼女を正面から倒す場合はよほど上手いこと立ち回らないと逆に屠られます。発現した魔法が強くても試験官なのでこちらの魔法はバレているので、当然対策してきて苦戦は必須です。格闘戦にしてもこちらは魔法少女としては新人なので、よほどのポテンシャルとセンスがないとステータス面で勝てません。なんでそんなにお前ステゴロ強いんだよ!

 ですので、交戦を避けるためできるだけ目を付けられないようにしましょう。運悪く目を付けられると殺し合いが始まった時に標的としてロックオンされますので目を付けられないように祈ります。

 ……何も話さないのも不自然なのでぎこちなくてもできる限り当たり障りのない会話を続けましょう。そうしているうちに三人目の魔法少女が来ましたね。会話を切り上げて二人のやり取りでも聞いておきます。

 

 

  ……ちょっとしたトラブルもありましたがクラムベリーがレクチャーする良い子の魔法少女講座は終わりました。始終クラムベリーにやる気がないのがわかるレクチャーでしたね。感想としては、ところどころ暗記した内容をそのまま話すひどい棒読みなので、聞いてる方も真面目に聞くのが馬鹿らしく感じられる内容でした。

 レクチャーが終わったのでこのまま解散の流れですが、家に帰るカラミティ・メアリを尾行します。ビルとビルの上を飛び移りながら、置いて行かれないように気をつけましょう。

 そうやって暫く尾行していると、メアリが開けた場所で止まりましたね、と今回はちょうど時間なのでここまで。ご視聴ありがとうございましたー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇森の音楽家クラムベリー

 

「――というわけでクラムベリーには二人のレクチャーを頼むぽん!」

 

 

 

「なぜ私が」

 

「記念すべきN市一人目と運命的な出会いを果たした二人目のどちらもプレミアムでメモリアルな魔法少女ぽん。ファヴがレクチャーやるよりクラムベリーが魔法少女かくあるべしというところをみせてやって欲しいぽん」

 

  候補生をそろそろ魔法少女にすると言って出掛け、帰って来たと思えばいきなり何をいっているのか。今しがた帰ってきたファブをみてそう思う。だいたい何故私がそんな事をしないといけないのか。

 確かに、私はこの魔法少女採用試験の監督であるが、別に清く正しい魔法少女として候補生を導く気なんてさらさら無い。試験を通して強い者との戦いを制し、相手を壊し勝利する事で生を実感するのが目的で、その為に試験官をしている。

 魔法少女を蟲毒の様に殺し合わせ、一番最後に残った者と戦い、その末に生き残った魔法少女がいれば合格させて正式な魔法少女にする。たまに戦いの最中に興が乗ってそのまま殺してしまい合格者0人になる場合もあるが、それがかえって「さすが多くの優秀な魔法少女を輩出した森の音楽家クラムベリーだ。よほど厳しい試験で合格者が出なかったのだろう」と、勝手に周りが勘違いしてくれるお陰で人事部からの評価もよく、今までやってこれた。

 

 

 そして今回の試験は質、量ともに通常の試験を上回っているとえらく自信満々でファブが言った。それが事実なら強者を求める私にとって喜ばしいことである。

 

「もう二人には約束したから頼むぽん。クラムベリーにはN市一人目の魔法少女としての先輩という設定でレクチャー役をお願いするぽん」

 

 

「……仕方ないですね。今回だけですよファヴ?」

 

 

「ありがとうぽん!」

 

 ――そんなやり取りをし、クラムベリーは夜の街並みを見下ろしながら建物の上を移動する。

 これから会うことになる新人の事を考えながら移動していると、目的地である周辺で一番高いビルが見えた。ビルからビルを跳躍しながら勢いをつけて大跳躍。そしてそのまま目的のビルに着地する。ビルの屋上といってもごちゃごちゃと空調設備やタンクが置いてあるので見通しが悪く、伸び伸びとした広い空間ではない。

 少し時間より早く到着してしまったかもしれないと思うが、すぐに私の耳がこの屋上にもう一人いることを気付かせる。

 音の発生源である心臓の鼓動の方向に歩いていくと、白いフードを被った魔法少女の姿がみえた。あれがファヴが話したハッピーチェイサーだろう。このまま普通に挨拶しようかと思ったが、余計な仕事を増やされた原因でもあるので少し驚かしてやろう。

 ――魔法を使用する。すると私の発する音だけが完全に消えた。私の魔法【音を自由自在に操ることができるよ】は小回りも効いて使いやすい魔法だ。こういった繊細な音の調節や大規模破壊の音の衝撃波まで自由に扱う事ができる。何時もの試験では滅多に全力で魔法を使うこともないが、今回の試験では魔法を全力で使ってもいい相手は現れるのか少し楽しみである。

 音を消して視界に注意しながら横に座る。見たところまだ此方に気付いている様子はない。少し落胆するが、新人なんてこんなものだと思いなおし服装を観察する。全身をすっぽり覆うフードに、顔には特徴的なゴーグル。フードからのぞく白い太股に、ぎちぎちにナイフホルダーに詰め込まれたナイフ達。

 

(占い師の恰好をした暗殺者……といったところですか)

 

 監督役としての経験からいうと、戦闘が得意な魔法少女といった感じはしないが、苦手とも感じられない。淡々と相手を処理するアサシンが一番しっくり来た。

しばらくそうやって観察していると鼓動が急に早くなる。ようやく此方に気付いたらしい。

 

「……はじめまして」

 

 今も鼓動が激しく波打っているが、表情にはでない。感情が顔に出ないだけなのか。

 観察は一旦終了し、普通に挨拶をする。そのまま並んで待っていても構わないのだが、相手はこちらに興味があるらしく急に質問を投げかけてくる。

 

「年齢はいくつ?」

「職業は?」

「身長・体重は?」

「音楽家というけれども何かやってるの?」

 

 振られた質問には適当に相槌を打ち、時間潰しをしていると、ビルの上に登ってくる音が聞こえた。これで現在N市にいる三人の魔法少女が集合したことになる。話を切り上げ、やって来た魔法少女カラミティ・メアリとハッピーチェイサーの前に立つ。

 

「はじめまして、カラミティ・メアリにハッピーチェイサー。森の音楽家クラムベリーと申します」

 

「ああ」

 

「……よろしくお願いします」

 

 魔法少女としてのレクチャーはつつがなく終わった。例え聞いている相手が欠伸をしたり飲酒をしたりしても、話が遮られなければ問題ない。

 

「何かご質問は?」

 

 最後に質問タイムに移行すると、メアリが酒を飲んでから右手の甲で口元を拭い、酒瓶の底でがしゃんと後ろの鉄柵を叩く。

 

 

 

「あんたがあたしの先輩だ、と」

 

 

「ええ」

 

 

「このゲーム、リリースから一週間しか経ってない」

 

 

「そうでしたかね」

 

 

「つまり先輩っても一週間早く魔法少女になったってだけだ」

 

 

「まぁそうなりますか」

 

 

「なんで上から見下ろしてんだ? たったの一週間しか違わないなら同期ってんだよ。違うかい? 先輩ぶって偉そうにくっちゃべってる理由が一週間早く魔法少女になったってこと以外にあるならいってみな。きいてやる」

 

 

 暫くメアリと黙って見つめ合う。ここでやりあってもいいが後でファブに怒られ面倒くさいことになるか……。とりあえず形だけの謝罪でもするかと口を開きかけると、今まで何もしゃべらなかったチェイサーが先に口を開く。

 

「質問いいですか」

 

「あん? 今はあたしがそいつに聞いてんだ、後にしな」

 

「どうだっていいじゃないですかそんなこと。マウントの取り合いなんて傍から見てても面白くないですし、全員同期でいいじゃないですかクラムベリーさん?」

 

「そうですね、失礼しましたカラミティ・メアリ。そんなつもりはなかったのですが……私の態度が偉そうに見えたというのであれば謝罪します」

 

「チッ。……あとで覚えておきなよ」

 

「……改めて質問いいですか?」

 

「どうぞ」

 

「人の為にいいことをしたらいいのは分かりました。けど、悪いことはしてはいけないんですか」

 

 チラリとメアリの方をみると黙って聞いている。どうやら興味があるらしい。

 

「態々いわずとも皆さんご存じのことですからね。それにもし悪事が露見すれば、魔法少女の資格をはく奪された上、魔法少女であった記憶も封印されます。やったことによりますが、人間の官憲に引き渡されることになるでしょう」

 

「ありがとうございます。聞きたいことは以上です」

 

 メアリの方も黙って酒瓶を傾けているので聞きたいことはなさそうだ。

 

「他にないですか? なにか困ったことがあればいつでも連絡を」そう告げたあと、その場はおひらきとなった。

 

 

 

 

 

 

 ねぐらに戻るためビルからビルを跳んで移動する。暫くそうして移動しているとレクチャーの最中一度も姿を現すことが無かったファブが姿を見せた。高速で移動しても問題無く傍に滞空している電脳妖精はすこしがっかりした感情を声色に乗せて話かけてくる。

 

「なんにも起こらなくて面白くないぽん。クラムベリーはどうぽん」

 

「つまらないですね。二人とも私を満足させてくれる気もしませんし」

 

「まぁ、まだまだ始まったばかりだから許してほしいポン。まだまだ候補生はいるぽん」

 

「あまり期待はしてませんが信じてますよ」

 

 

 そこで会話は途切れ、一人と一匹はねぐらに去って行った。

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