ムルタ・アズラエル滅殺RTA ブーステッドマンチャート   作:ちゅーに菌

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感想や評価ありがとうございます。楽しんでいただけて何よりです。感想は次話投稿後には一気に返信せていただきます。また、ポリシーとして全て返信させていただきますので、些細なことでもどしどしお寄せください。


ヘリオポリス宙域戦

 

 

 ヘリオポリスを瓦解RTAはっじまるよー!

 

 いきなりですけれど、このハイドラガンダムを造ったブルーコスモスの奴らに一言だけ言いたいです。お前精神状態おかしいよ……。

 

 オーブ連合内のブルーコスモス派の情報と、ブルーコスモス内にも多少いるというコーディネーターが中心に開発した主人公専用の試作ガンダムという時点で色々と考えるべきでした……。

 ガンダムWで、"殺人的な加速だ!"とかトールギスのスーパーバーニアを噴かせた某さしずめ火消しの風(プリベンター・ウインド)さんは言っていましたが、このハイドラガンダムは常にそんな感じです。

 ローンちゃんが純粋にStage5のブーステッドマンとして、人間を超越した身体能力と耐久性を有しているため、搭乗者を保護する上で必要不可欠な筈のリミッターが一切、最初からこのハイドラガンダムには掛けられていないので、この時点でフリーダムやジャスティスと互角か、それ以上の機動性と攻撃力を引き出せているようです。

 要するにそもそもナチュラルやコーディネーターどころか、マトモな人間が乗れるように全く設計されていない、常に暴走状態のようですね。人間の屑がこの野郎……。

 他作品で例えるなら身体負担のみのアーマード・コアのプロトタイプ・ネクスト辺りでしょうか……? なんで、それで普通にピンピンしてるのローンちゃん……?(唖然)

 

 その上、Wガンダムの設定通りなんですが、フェイズシフト装甲などの他の5機に標準装備で付いている特殊装甲は、一切備わっておりません。まあ、オーブ連合が中心に開発した機体ではないでしょうし、ある種当然と言えるかも知れませんね。

 ……ってことはこれ、5機のガンダムに近いというよりも、パチモノのモビルフォース ガンガルじゃねーか!? ウッソだろお前!? 

 あ、そっかぁ……(納得)。そう言われて見れば、ハイドラガンダムって他のWガンダムのガンダムに比べてガンダム要素無さ過ぎますものね(適当)

 

 

>そう遠くない再会だったな"世界樹の悪魔"よ!

 

>アッハハハハ! あのときの沈んでくれなかった方ですねぇ……? また私の手を煩わせるのは許せないですけど……自分から来てくれたなら今度こそ安心して沈んでくださいね!

 

>世界樹の悪魔!? このイカれた女がメビウス・ゼロ単機でジンを25機も撃墜したあの!?

 

>――♪ クルーゼ隊長で防戦一方の相手かぁ……。機体も随分カッコよくなってんなぁ。

 

>イザークさん! ディアッカさん! クルーゼ隊長が引き付けてくれているうちに隙を見て着艦しましょう!

 

 

 そして現在、ローンちゃんは右手にバスターカノン、左手にEMFシールド、両肩をショルダークローに変形させ、どう見ても悪魔のような出で立ちで、クルーゼ隊長と交戦していました。

 

 経緯としては、ヘリオポリスの襲撃から真っ先にローンちゃんはハイドラガンダムを起動して、目についたガンダム3機――デュエルガンダムに乗るイザーク・ジュール、バスターガンダムに乗るディアッカ・エルスマン、ブリッツガンダムに乗るニコル・アマルフィにとりあえず突撃したところ、ガンダム3機は初期のストライクガンダムと同様にOSの書き換えなどの戦闘を行うための下準備が整っていなかったため、ヘリオポリス内からヘリオポリスの宙域まで離脱し、それをひたすら追撃した結果、気がつけばクルーゼ隊の本体に突撃していました。

 普通の人間がこんな状況になれば、まずいですよ!となって身を引くところを、ローンちゃんはいいよ!来いよ!と突き進んだ結果がこれですよ(半笑い)。前世、猪か何かなんですかねローンちゃんは?

 

 また、シグーに乗るクルーゼ隊長がヴェサリウスから出て来て迎え撃っていますが、シグーとハイドラガンダムという無茶苦茶な性能差によって、"世界樹攻防戦"のときのように回避盾になっています。コイツ、いつも避けてんな(感銘)

 

 ちなみになのですが、クルーゼ隊長が情報をリークさせるなどしてナチュラルとコーディネーターの戦争を泥沼化させなければ、巡りめぐって彼と繋がっているムルタ・アズラエル――失礼あずにゃんがドミニオンに乗って来ない可能性が大いにあるため、彼にはなんとしてもジェネシス防衛戦で死んで貰う必要があります。

 そのため、仮にローンちゃんがクルーゼ隊長を殺しそうになった場合は、手動操作に切り替えてでも止めますので、クルーゼ隊長ファンのホモの方々は安心して見ることが出来ますね。お前を殺す(生存フラグ)

 

>一体、何が!? クルーゼ隊長! 今援護します!

 

 追い付いたイージスガンダム――アスラン・ザラこと未来(Destiny)のなろう系ハーレム主人公のアスランくんが、困惑した様子をしてクルーゼ隊長とローンちゃんの戦闘に参戦しました。どうやらアスランくんはちゃんとOSやら装備やらを整える時間があったようです。イージスガンダムもビームライフルぐらいしか装備がありませんしね。ということは、そろそろミゲルくんがストライクガンダムに1回倒された頃合いですね。

 うーん、ならEN(エネルギー)も70%ぐらいになりそうなのでそろそろ補給してもいいですし、一旦ローンちゃんはヘリオポリス内に下がりましょうか。ローンちゃんが撤退さえすれば、クルーゼ隊長もムウさんとじゃれ始めるでしょうし――。

 ん? そう言えばヘリオポリス宙域にムウさんが居ませんね。落とされたってことは無いでしょうし、滞在していた他の地球連合軍はクルーゼ隊に壊滅させられたでしょうけど……となるとまさか、クルーゼ隊長ったら既にムウさんをしばいてメビウス・ゼロを丸裸にしてヘリオポリス内に追い返してからローンちゃんと戦ってるってことです……? 本気も本気ですねぇ……ニュータイプ的直感でムウさんどころではないことに気づいたのでしょうか?

 

 うーん、となるとローンちゃんが下手に退いてクルーゼ隊がどう出るかもわからなくなりましたし、まだここで退くわけにはいかなくなりましたね。最低でもアーク・エンジェルが隔壁を破壊して脱出し、ヘリオポリス内で粗方整備を終える頃――ヘリオポリスが警報レベル8になるぐらいまで時間を稼がねばならなくなりました。ちなみに今は6です。EN持ちますかね……?

 それにHPも流石に――うわ……ハイドラガンダムのHP減ってすらいねぇ……。クルーゼ隊長のシグーのM7070 28mmバルカンシステム内装防盾どころか、戦艦の弾幕ひとつすら被弾してないってマジかよ……。

 

 仕方ない、ならAIに指示を出すことにしますか。基本的にこのゲームのAIは他のGジェネシリーズに漏れず、自由行動にさせておくと使えるものはEN消費を一切気にせずにバカスカ使ってすぐにガス欠を起こす困ったちゃんなんですけど、一応省エネモードもあるんですよ。某RPGで言うところの"特技を使うな"って奴ですね。

 まあ、実際のところビームサーベルとか、バルカンとか必然的にレンジの短い武器しか使わなくなりますので、返ってターン数が増える上に消費ENも結果的に大差無いという誰得仕様になってしまっているため、産廃機能なんですが、こういう撃破するうまあじのない耐久戦では使えますね。

 ん? よく見たらこのハイドラガンダム。設定のみにある武装の"ビームナギナタ"を積んでるじゃないですか。2基を繋げることでビームナギナタとして機能する他、ショルダークローに装備することができる素敵装備です。

 しかし、ビームサーベルと、ショルダークローと、ビームナギナタを積んでる射撃特化機体って一体なんなんですかね……うにゃぴ。

 

 よっしゃ、(格闘武器を)ぶちこんでやるぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『許さない……どれだけ私の手を煩わせれば気が済むの!?』

 

 

 現在、ヘリオポリス宙域で新型機の強奪作戦を遂行中、突如として現れた新型モビルスーツの1体にクルーゼ隊そのものが押し込まれている。

 

 それは黒と灰色を基調とした非常に巨大なモビルスーツであり、ジンが前に立ったならば頭部の位置がコックピットと胸部の間にあるほどだ。そして、何よりも凡そ戦争の象徴足る英雄というものからは程遠い、"悪魔的で魔王的"なその外観は、ナチュラルの果てしないコーディネーターへの憎悪を現しているようで、直接対峙しているクルーゼですらおぞましさを覚えていた。

 

 また、それを駆けるパイロットは"世界樹攻防戦"にて、ただ1度の戦闘でザフト軍にジン25機、ナスカ級3隻という未曾有の大打撃を個人で与えた本物の英雄――いや、ザフト軍と地球連合軍の双方に呼ばれている"世界樹の悪魔"という通り名から同胞である筈の者にさえ畏怖を抱かれていることは明白であろう。

 

 現在はクルーゼ隊を率いるラウ・ル・クルーゼが新型機のシグーで相手をし、それにモビルスーツ――ハイドラが何故か他の事が一切眼中にないと言い切れるレベルで夢中のため、どうにか維持出来ているようなものだ。赤い新型機――イージスに乗るアスラン・ザラが加勢に入ったため、クルーゼは戦闘以外を思考する余裕が生まれる。

 

 仮にクルーゼがいなければ、とっくにクルーゼ隊の戦艦3隻、ナスカ級――ヴェサリウス、ローラシア級――ガモフ、ローラシア級は魔王のようなこのハイドラに墜とされていた事であろう。

 

 するとこれまで両肩のショルダークローに内蔵されているビーム砲による攻撃が主体だったハイドラは、シグーとイージスから距離を取りつつ、ショルダークローを畳み、バスターライフルとEMFシールドを肩に戻すと、スカートからビームサーベルを取り出す。

 

『この手で嬲り殺す……!』

 

 そして、掌から刃を抜くようにビームサーベルを抜き放つ。その刃は本来黄色い配色をしていたが、暗い宇宙に晒されることで赤みを帯びた橙色のようにも見え、彼女の理不尽極まりない恨みが具現化したようにさえ思える。

 そして、再びバーニアを噴かすとやや近くにいたイージスに向かって斬り掛かり、体格差にものを言わせて頭上から振り下ろした。

 

『ぐっ……!? コイツ……!』

 

 イージスは両腕が発生源のビームサーベルを2本発生させ、ハイドラを迎え撃つ。互いに互いのビームサーベルを避け、空を切ったことで振りかぶった体勢になり、若干体勢が崩れる。

 

『このッ……!』

 

 それを好機と見たアスランはイージスの両脚のクローを発生源とするビームサーベルを1本出現させ、受け止めた体勢のまま蹴り上げた。

 しかし、ハイドラは即座にスラスターを噴かして近距離にいるイージスとの距離を更に詰めたことで、イージスの両脚のビームサーベルでは攻撃が届かなくなる。

 

『しまっ――』

 

 イージスの爪先のクローはハイドラの胴体を斬ることはなく、更に動揺と蹴る動作により機体の軸がブレたことで、脛ごとハイドラの小脇に抱えられるようにすっぽりと収まった。

 その上、ハイドラの両手でイージスのビームサーベルの発生源よりも根本を掴まれた事で変形すら不可能な状況に陥る。

 

 そして、脚を抱えられたまま、ハイドラはイージスの両腕をそれぞれ逆の方向に引き始めた。

 

『捕まえたぁ……! バッタみたいに腕を引き千切ってあげます……!』

 

『しまっ――』

 

『迂闊だよ!』

 

『チィ……』

 

『うおぉぉぉ!!!?』

 

『ほう……よい、判断だな』

 

 次の瞬間に振り下ろされるというタイミングで、シグーからM7070 28mmバルカンシステム内装防盾で掃射をしてきたため、イージスそのものを乱雑に振るい、無理矢理方向転換をさせて即席の盾にすることでバルカン掃射を防いだ。

 イージスはフェイズシフト装甲により全くの無傷であるが、搭乗しているアスランには異音と衝撃がダイレクトに伝わるため、思わず叫び声を上げる。

 ちなみに感心した様子のクルーゼはハイドラへと接近しながらも全くバルカン掃射の手を緩めることはなく、イージスの背を盾にしているハイドラを撃ち、結果としてほとんどイージスに命中していた。しかし、体格差のあるハイドラの腕を主に狙っているため、ハイドラがビームサーベルを振るわぬよう牽制にはなっているであろう。

 

『ぐぅぅぅ……!』

 

 イージスは盾にされながら僅かに解放された瞬間に両腕のビームサーベルでハイドラを斬ろうと腕を動かすが、それに反応したハイドラは掴んでいるイージスの脚を引き再び体勢を崩させる。そして、シグーの方に向かって蹴り飛ばしつつ距離を取った。

 

 そして、何かに気づいたのか、ハイドラがナスカ級のヴェサリウスの方を眺め、更にスカートから2本のビームサーベルを取り出すとそれを連結させ、ビームナギナタにするとビームサーベルを持つ手とは逆の手で構える。

 朧気に橙色に輝く1本のビームサーベルと、1本のビームナギナタを構える黒い魔王のようなハイドラは、クルーゼですら触れてはいけない相手という感覚を抱かせた。

 

 その直後のタイミングで3機のガンダム――ブリッツ、デュエル、バスターがガモフから発進し、一直線にハイドラを包囲するように集結する。

 

『クルーゼ隊長! 今合流します!』

 

『何を遊んでいるアスラン!』

 

『こんなに早くバスターの初陣とはな!』

 

 ザフト軍と地球連合軍の最新鋭機5体にたった1体に囲まれる。常人ならば誰であれ、この絶望的な状況に畏怖のひとつでも浮かべることだろう。

 

 しかし、ハイドラのパイロット――クローセル・レヴィアタンはこの状況で昂り、頬を赤く染めて、通信機越しでもわかるほど息を荒げていた。

 

『アッハハハハ!! 素敵……殺せるものがこんなに……! 楽しい嬉しい……許せない! 悪い宇宙人は1匹残らず踏み潰してあげなきゃァァ!!!』

 

『な、なんなんだコイツは……!?』

 

 デュエルのパイロット――イザーク・ジュールが思わずそう呟くのも仕方なかろう。まさに異常。頭のネジが外れているとしか思えない様子なのだ。まあ、実際のところ文字通りの意味で、その通りなのだから始末に負えない話である。

 

 そして、案の定5対1の状況で、数的不利の筈のハイドラは、遠距離型のために一番離れた位置にいたバスターに向かって一直線に突撃を開始した。

 

『嘘だろ……!』

 

 バスターのパイロット――ディアッカ・エルスマンは4体のモビルスーツを無視して最も離れた機体を狙うという奇行を通り越して自殺行為に等しい手段を取ったハイドラにそう溢す。

 無論、そんなことを5機が許す筈もなく、それぞれの位置から一斉に射撃武器で掃射を掛け、色とりどりのビームと実弾がハイドラへと迫った。

 しかし、ハイドラはスカートと背部のバーニアを含めて、全身に数多存在するスラスターを駆使し、踊るように回転しつつ、軸をずらし続けながら弾幕の網目を縫うように突撃して全く被弾することなくバスターへと向かう。

 

『速い!?』

 

 そして、ハイドラのスピードは強奪した4機のガンダムのパイロットですら自身の機体が"遅い"と感じるほど殺人的な加速を誇り、時折側面部へと向けたスラスターを駆使して真横に跳ね跳ぶように移動する様子は、コーディネーターですら中の人間がミンチになっても可笑しくないほど異常極まりない負荷が搭乗者に掛かっていることは明白であり、それは執念を超えて狂気の域まで達していた。

 

 "理論上は造れるが搭乗者の生命を優先し絶対に造られない機体"。現在目の前で彼らが相手にしているのは、そういった類いの文字通りの怪物であり、ある意味、悪魔に相応しい機体なのかもしれない。

 

『行かせませんよ!』

 

『無視するな!』

 

『あなた達から先に沈みたいんですかァ!!?』

 

 ハイドラがバスターの位置まで半分ほどというところで接近したブリッツ――ニコル・アマルフィと、デュエルがハイドラの進路上に飛び出してビームサーベルを振るう。

 無論、それに反応したハイドラは、スラスターによる瞬間的な急加速でブリッツの物を避け、更に移動方向を変えてデュエルの物を避ける。そして、ブリッツにビームサーベルを振り抜き、デュエルにビームナギナタを振り上げて斬り掛かった。

 両者とも自身のシールドでそれを防ぐが、既にハイドラは当たったかどうかを見ておらず、ブリッツには蹴りを放ち、デュエルにはビームナギナタを持ちながら盾に向かって拳を放つ。

 結果として、機体性能と体格差による純粋な力押しにより、機体ごと2体を羽のように弾き飛ばした。

 

『がぁぁぁッ……!?』

 

『くぅぅ……!?』

 

『させるか!』

 

『こちらを忘れられては困る!』

 

 ビームサーベルとビームナギナタを振り抜いた体勢のままのハイドラの背後に、イージスとシグーが迫り、そのがら空きの背中にビームサーベルと重斬刀が振るわれ――。

 

『私を…舐めるなっ!!』

 

『くっ……!?』

 

『なんだと!?』

 

 それを見越していたハイドラは既に変形途中だった両肩のショルダークローを完全に変形させて後方に伸ばすと共に、そのクロー部分でイージスの腕とシグーの重斬刀を容易く弾くだけでなく、クローに内蔵されたビーム砲から放たれたビームが両者に命中する。

 ビームはイージスの肩に付いているパーツを貫通し、シグーに対しては二の腕を貫かれて片腕が大破して千切れると共に、M7070 28mmバルカンシステム内装防盾が宙へと放り出された。

 

『退いてください隊長たち!』

 

 ディアッカのその言葉で、イージスとシグーはハイドラから離脱し――その直後、350mmガンランチャーと、94mm高エネルギー収束火線ライフルを砲連結したバスターから、超高インパルス長射程狙撃ライフルがハイドラへ向けて放たれた。

 生半可な戦艦の砲撃すら超えうる大火力の光線はハイドラに真っ正面から命中し、ハイドラを中心に光の帯がほどけるように弾けて閃光を撒き散らす。

 

『おいおいおい……なんで今の直撃で墜ちないんだ……!?』

 

『――っぅ……私を傷つけたなんて…許せないっ!!!』

 

 そこには肩に装備していたEMFシールドによる電磁フィールドを展開し、超高インパルス長射程狙撃ライフルによる砲撃の直撃を防ぎ切ったハイドラがいた。パイロットに衝撃による多少のダメージはあるようだが、その程度しかないと言えてしまうだろう。

 

『諸君、気を引き締めたまえ……!』

 

 そんな中、シグーの片腕を失った状態でもう片方の腕で重斬刀を構えたクルーゼは、ビームサーベル、ビームナギナタ、そして2本のショルダークローを構えて尚も好戦的な様子のハイドラに接近し、重斬刀を振るう。

 

『我々は他でもない"世界樹の悪魔"を相手にしているのだよ!』

 

『アッハハハハ!! そうこなくっちゃ……! 許さないけど……あなたは嫌いじゃないわ!!!』

 

 そして、クルーゼはハイドラの攻撃を受け止めるのではなく躱し、周囲を飛び回りながら翻弄して、その機動力をある程度制限することで機体性能の差を埋め、互角の立ち回りを始める。その様子は、ハイドラ側は言わずもがな、クルーゼもどこか楽しんでいるようにさえ思えるかもしれない。

 

 クルーゼ隊の面々は、味方側にも大概の存在がいると内心で思いつつも、それを非常に頼もしく考える。そして、クルーゼが機動を殺すために近距離レンジで挑んでいるため、3機のガンダムはビームサーベルを再び抜いてハイドラに迫り、バスターは350mmガンランチャーの散弾を頼りにハイドラへと挑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

強奪を終えて母艦へ向かう赤服部員達。

 

疲れからか、不幸にも黒塗りの高級機体に追突してしまう。

 

後輩をかばいすべての責任を負ったクルーゼに対し、

 

機体の主、ブルーコスモス団員ローンちゃんが言い渡した示談の条件とは……。

 

 

 なにこれぇ……(ドン引き)。ちょっと……ハイドラガンダムのなんだかんだなんでもこなせる性能とローンちゃんの単騎突撃思考が噛み合い過ぎていませんかねぇ……? ハイドラガンダムって格闘特化機体だったんだぁ……(現実逃避)

 

 えーと……現在、ビームサーベル、ビームナギナタ、ショルダークロー2本という岸田メルもビックリなフル近距離武装を駆使したローンちゃんが、クルーゼ隊の赤服以上全員と真っ正面から近距離レンジで殺り合って、若干ローンちゃんが押されている……かな?と言いたくなるようなとんでもない戦闘が繰り広げられております。原作の方のグリーヴァス将軍かな?

 

 既に戦闘開始から暫く時間が経っており、セーブしていたので残存ENは50%を切ったぐらい。警報レベルの方も7まで引き上がりました。それで、よくよく考えたらクルーゼ隊の攻撃で警報レベルが8に引き上がったんでしたね。

 なら時間も稼ぎましたし、アーク・エンジェルへの積み込みも幾らか始まっているでしょうからローンちゃんを下げましょうか。帰って、どうぞ。

 

>そろそろENが……許さない……絶対に許さない!!

 

 それだけ捨て台詞を吐いてローンちゃんは撤退しました。流石にクルーゼ隊も悪魔みたいなローンちゃんを追う気力はないようです。結果的にはですが、"世界樹攻防戦"のときとは逆の構図ですね。

 なんかこう……RTAってもっと緊迫感に溢れるものだった気がしますが、ローンちゃんに溢れるラスボス感は一体なんなんですかね……。

 ちなみにハイドラガンダムが本気でトップスピードを出そうとした場合、スーパーバーニアを2基噴かせたときのトールギスとタメを張れるレベルなので、まず追われません。

 

 では、ヘリオポリス内にイクゾー! デッデッデデデデ (カーン)

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 あっ、いましたねアーク・エンジェル。ヘリオポリス内の物資を回収中のようで地表に降りてます。しかし、どう見ても魔王感しかないハイドラガンダムが現れたことで慌ただしくなっているみたいです。まあ、ちゃんと友軍のビーコンは先に出していましたので、地球連合軍として認識されるでしょうから大丈夫でしょう。

 

 という訳で、ハイドラガンダムをアーク・エンジェルにシュゥゥゥーッ!! 超! エキサイティン!!

 

 あれ? なんかハイドラガンダムの動きが可笑しいですね? 少し叩き付けられるようにアーク・エンジェルに着艦しました。直ぐにしゃがんで降り易いようにすると、周りに乗組員の方々が集まってきます。とりあえず、こんなところで大丈夫でしょう。

 

 さて、次回は原作の通り、ヘリオポリス崩壊に繋がる後半戦の戦闘をお届け――。

 

 

>許さな……い。アイツら……必ず……沈――。

 

 

 ――たい、ところだったんですが、ハイドラガンダムから降りて、パイロットスーツのヘルメットを脱ぎ捨てたローンちゃんは頭部からだらだらと血を流しており、そのまま倒れて気絶してしまいました。いたそう(小並感)

 

 あー……これアレですね。どうやらバスターガンダムの一撃をEMFシールドで防いだときに頭部を強く打ったようで、出血していたみたいです。そう言えば傷付けられたような事を言ってましたね……下がっていなかったら戦闘中に気絶して、そのまま殺されていたかもしれません。ローンちゃんのガッツが無ければリセット案件でした。ディアッカくんったら……ローンちゃんを傷物にしちゃってもう……(意味深)

 ということはヘリオポリスの後半戦はローンちゃん離脱かぁ……。まあ、ミゲルくんをミ/ゲルくんにして、いつの間にかオロール・クーデンベルグが死んで、キラくんとアスランくんがお話したら、ヘリオポリスを爆破してノルマ達成したら終了なので、よく考えなくても別にローンちゃんいりませんね。

 

 ちなみにハイドラガンダムのOSはナチュラルに使えるのでは? と思ったそのこのホモ方。そこまでだ! 残念だったな!

 生体CPUルートだとブルーコスモスに与えられた機体に積まれているOSは、コーディネーター用でもナチュラル用でもない生体CPU用OSという、実質常人からすればゴミみたいなものです。

 

 となると次回の戦闘は、ローンちゃんが目を覚ました次第となりますので、予定では地球連合軍加盟国ユーラシア連邦が保有する宇宙要塞アルテミス入港前か、入港後の戦闘となりますね。

 

 今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 







 ちなみに最後までローンちゃんをどれ乗せるか悩んだ機体は――。

・ハイドラガンダム←すき
・ガンダムアシュタロン ハーミットクラブ←背中にキラくん乗せたい
・ハシュマル←すき
・レグナント←すき

 ――の4機でした。他はSDガンダムですし、逆に出してもいいかなと思ったのですが、流石にガンダムにしろよと私の中の最後の良心が囁いたので、ガンダムアシュタロン ハーミットクラブと悩んで、ハイドラガンダムになりました。
 ローンちゃんは乗り換無しで行く予定ですが、仮に乗り換えるなら、残りの3機はNジャマーキャンセラー入手後の乗り換え候補になるかもしれません(適当)。
 ちなみに作者は無類のモビルアーマー好きです。個人的に一番好きなモビルアーマーはプロトカオスです(聞いてない)



~QAコーナー~
Q:悪魔っぽいし、ハグ(物理)出来るからガンタムヴェルフェゴールにしないの?

A:機体は悪くないですけど、どの色も配色(超重要)が気に入らなくてなんか微妙なので止めました。それに腐ってもKAN-SENなので、格闘寄りの機体はどうなんだとも思いまして候補から外れたという経緯もあります。――ですが、言われてみればハグは盲点だったのでそれも悪くないなーと今さら思わなくもないですね。


Q:なんでハイドラガンダム?

A:作者、スッゴい小さい子供の頃に初めて自分で選んで親に買って貰ったガンプラがハイドラガンダムでしたので(実話)

ローンちゃんが乗り換えるなら

  • ガンダムアシュタロン ハーミットクラブ
  • ハシュマル
  • レグナント
  • ハイドラガンダムで戦え(鋼の意思)
  • それ以外

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