海賊処刑人は、巻き込まれ体質らしい。   作:しらたまあんこ

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週1,2投稿を目指していこうと思います(自信はない)





巻き込まれの始まりは、

 

 

 

無事、己の平穏のため、ガスパーデ海賊団を壊滅させた。よくやった、俺。

 

その後はというと、船員を数人叩き起こしなんとか島まで船を移動させ、海軍に通報し身柄を引き渡すことにした。なんと懸賞金も持ってきてくれるらしい。まあ、ガスパーデの懸賞も作中で登場した時には劣るが中々の額だ。俺たちの町で何かに役立てるとしよう。

 

身柄の引き取りにはちょうど近くを通っていた本部の軍艦が来てくれるようで、それまでの間、海賊団の面々を見張りつつ、俺は町の人たちからの質問攻めに遭っていた。いや、そりゃああんなに堂々と月歩を使った自分が悪いのだが。でも町への被害が出ないためには海上で全て終わらせるのが一番じゃないか。

 

俺が町の人たちからの尋問を上手く躱していると、遠くの方に海軍の旗が見え始めた。

 

「ほら、みんな、海軍の人きたよ!!」

 

「シュライヤ!おめぇそうやってまたはぐらかそうと…お?本当だ、来たな」

 

「…何だ?あの船、船首に犬ついてやがる…」

 

船首に、犬?誰かの言葉に耳を疑う。いや、犬って言っても、ほら、他にもそういう人いるかもしれな──

 

「おい、お前、ありゃ"英雄"の船じゃねーか!!!何でこんなとこにいるんだ!?」

 

「うげぇ…何であの人なのさ…」

 

絶対に変なこと(主に原作のあれこれ)には首を突っ込みたくない。平穏な生活のために。あのじいさんは確実に厄介事を持ち込む気しかしないからなるべく関わりたくなかったんだが…。

そんな俺の心など露知らず、無情にも犬が骨を咥えているよく分からない趣味の船首をくっつけた軍艦は、島へと着港した。

 

「ぶわっはっは!まさかガスパーデを捕らえるとはのう、あっぱれじゃ!わしがどーんと監獄まで送ってやるから安心せい!」

 

予想通りうるさいじいさんだな…。

海軍本部中将、"英雄"ガープ。かつては海賊王ゴール・D・ロジャーや四皇を初めとする、生きた伝説と言える大海賊を相手に激闘を繰り広げて色々と功績をあげていたアホ…じゃなくて、とんでもなく強いじいさんだ。しかも、今後この世界を揺るがす大海賊となる、原作では主人公という役職のモンキー・D・ルフィ──彼のおじいさんだったりもする。まあ、この血が入っているんだ、ルフィがああなのも納得いくというかなんというか。

 

「ところで…誰がコイツらをこんなボロ雑巾みたいにしたんじゃ?」

 

ガープからの問いかけに、背筋が凍る。お願いだ、みんな、俺のことは売らないでくれ──なんて願いは叶うわけもなく。みんなの視線は俺に降り注がれ、ガープ中将から俺のところまで、きれ~~いに一本道ができた。

 

「ほォ…小僧、お前か」

 

「ハア、まあ、そうっちゃそう、かも?」

 

目が泳いでる?そんなこと知ってらぁ!!この状況で泳がすなって方が無理な話だろ!!

何をどう考えても、こんな年端もいかないガキがそこそこの懸賞金がかかった海賊団を一人で壊滅させるなど怪しさ満点、というかあり得ない。そこらのGR支部の海軍さんが来てくれれば、またまたそんな嘘おっしゃいと流してくれたかもしれないが…相手はあのガープだ。ホラ、もう既に目線が品定めしてるもん。やだやだ逃げたい。

 

「よし、小僧、海軍に入れ!」

 

「「「……はぁああ!?」」」

 

それはもう、見事なくらいぴったり、ガープさん以外の全員の声が揃った。

 

いやいやこの人は何を考えているんだ?というか海軍とか絶対嫌だぞ俺、死ぬの嫌だし妹と離れるとか言語道断すぎる。死ぬにしても妹のために死にたい。

 

「また何を言い出すんですかアンタは!!」

 

「いやーだってさー、わしだって少しくらいちびっこ育てたいんじゃよー、孫は全然なついてくれないしー、じいちゃん寂しい」

 

横にいたガープさんの保護者役、ボガードさんに怒られているが、本人はどこ吹く風。鼻くそをほじりながらぶつくさ愚痴を溢している。

いやまあ確かに俺とルフィは歳が近いと思うが…。そんな理由かよ…。トンでもねぇなこのじいさん…。というか、ルフィが懐かないのはアンタが化け物じみた修行をさせてるからじゃ…?

ボガードさんは遠い目で明後日の方向を見つめている。この先も大変だと思うが、頑張っていただきたい。応援しています。

 

「で、どうだ?小僧」

 

「嫌だ。」

 

「そうかー!ぶわっはっは!フラれた!」

 

「「「ええっ!?」」」

 

今度は俺とガープさん以外の全員の声が揃った。周りの人たちはまるで妖怪かなんかを見ているかような目線を俺に送ってくる。何だ、何をそんなに驚いているんだ?

 

「あ、あの英雄相手にズバッといったぞズバッと…!」

 

「お、おう、すげぇ切れ味だったな…。」

 

「仕方ない、今回は大人しく返るとするかのう。小僧、名前は」

 

「…シュライヤ・バスクード、デス。」

 

「よし、シュライヤ!また遊びに来るから待っとるんじゃぞ!今度はお土産持ってくるわい!」

 

いや来ないでくれ。とまあそんなことは言えるはずもなく、ガープさんはさっさとガスパーデたちの船を引き連れて行ってしまった。…嵐みたいな人だったな。

 

「おにいちゃん!!」

 

俺がポカンとしながら遠くなっていく軍艦を見つめていると、ピンク色の物体が思いっきり飛び付いてきた。

 

「うおっ、アデル~~!大丈夫だったか?」

 

「うんっ!おにいちゃんかっこよかったよ!」

 

はぁああ…。俺の妹は天使かなにかですか???神様…こんなに可愛い妹を授けてくださりありがとうございます。もう一生大切にします。

笑顔で俺を見上げる妹の頭をひたすらに撫で続ける。そうだ、俺は家族とこの町で平穏な暮らしを送ると決めているんだ。あんなじいさん一人に振り回されてやる気はないんだ。

 

絶対に、いかにも面倒くさそうな原作のお話には首を突っ込まないことを、シュライヤ・バスクードはここに誓います。

 

俺がそんなアホな誓いを心の中でたてていると、この町の町長にして筋金入りの船大工であるじいちゃんから声がかかった。

 

「シュライヤ、この懸賞金はどうするつもりじゃ?」

 

「あ、じいちゃん。こんな大金持ったことねぇしなぁ、町で使えそうなことあったら使ってくれ」

 

「本当によいのか?あの海賊どもを倒してくれたのはお前じゃ、遠慮などいらんぞ」

 

「うーん、そうだな…。じゃあ、ちょっとだけ貯金として貰うよ。あとは町のために使ってくれ、なっ!」

 

じいちゃんに笑いかけながらそう言うと、じいちゃんの歳のわりにゴツい手が、俺の頭をポンポンと撫でた。

 

…うん、やっぱり戦って良かったな。

 

「そうか、わかった。後でいらん分を渡してくれ」

 

「おうっ!」

 

「シュライヤこんにゃろ!危ないことしやがって!」

 

「わっ、ごめんて!」

 

「本当だよ!お陰さまで命拾いしちまったな!」

 

「ほらテメェら!胴上げだ!」

 

「「よしきた!」」

 

「ええっ!?胴上げ!?」

 

あれよあれよと、俺の身体は宙を舞う。

全く、眩しいからやめてほしいなぁ。

 

「も~~早くおろしてくれ~~」

 

俺は、この人たちと幸せに暮らせればそれでいい。陽気で気の合う町の人たち、優しい両親、世界で一番可愛い妹。みんなと一緒にいられればそれで──

 

そんなことを言ってられるのも今のうちだなんて、この時の俺は全く思ってもいなかった。

 

 

 







ガープさんに会ったが最後、彼の噂はどこへ行くのやら…あはは。っていうお話。

ボガードさんっていつからガープさんのところにいたんでしょうか?分からずだったので既にいたことにしてしまいました。あのじいさんの補佐なんてめちゃくちゃ大変そうですよね、尊敬。

因みに懸賞金って普通はどうやってもらうものなんでしょう?それ用の窓口とかあるんですかね?詳しい方いたら(?)ぜひ教えて下さい。


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