シュークリームスター 作:豆月
シュークリームスター
俺の名前は、安藤 湊(あんどう みなと)。
何処にもいる中学1年生で、シュークリームが大好物だ。だが、初めて知り合った人からはよく距離を置かれている事が多い。その理由は、外見が怖いという理由からだ。正直、距離を置かれて少し寂しい。
ある朝の事、俺は妹と新聞を見ながら話をしていた。ページをめくっていると、1枚の広告が目に入った。
「ねえ、お兄ちゃん。シュークリームスターだって。これ、多分お店の広告だと思うの!お兄ちゃん面接受けてみたら?」
「で、でもな...。」
「きっと、お父さんもお母さんも良いって言ってくれると思うよ!お兄ちゃんなら、シュークリーム大好物だし。」
それは、シュークリームスターメンバー募集と面接の場所しか書かれていなかった。でも、何だか面接を受ければ俺の大好物であるシュークリームを沢山食べれるような気がしてきた!
「よし、両親に相談して良いよと言われたら、面接行くよ!」
そして、その日の夜、妹の説得もあり無事に許可をとりシュークリームスターの面接を受ける事を決めた。これで、お腹いっぱいシュークリームが食べれる!未来は明るいな!
〈面接当日〉
広告に書かれていた場所に来た。そこは普段ピアノコンクールや、演劇などに使われている広いホールだった。
ホールの待合室に行くと俺と同じくらいの歳の男子達がそわそわしていた。何で、シュークリームの店の面接なのにこんなそわそわしているんだ?周りを見渡すと、隣の赤髪の人と目が合った。その赤髪は何か言い出した。
「ねえ、君なんでそわそわしてられないでいるの?」
「え?」
赤髪の表情は、真剣だった。
「凄いね、そんなに落ち着いてて。羨ましいくらいだよ。」
「いいえ、そんな事なんです。」
「どうして、シュークリームスターにオーディション受けに来たの?」
「いや、ただ沢山のシュークリームを満足出来るほど食べたくて。」
「え?」
「え?」
赤髪は、首を傾げた。
「え、シュークリームスターが何かしらない?」
「だって、お店ですよね..?」
「シュークリームスターってのは..」
「次、安藤 湊君。」
「は、はいっ!」
赤髪が何かを言いかけた時、面接官に呼ばれた。ついに来てしまったんだ、面接をする時が。ホールへと向かった。
ホールに行くと、男2人、女2人で面接官が4人もいた。何故か、俺は舞台に立つように促された。舞台から面接官の距離は遠い。俺の想像してた面接とは全然違った。
「じゃあ、安藤くん。何か叫んで。」
大きな声でそう言われた。俺は、面接官に従うまま叫んだ。
「シュークリームを沢山食べたい!!!」
そう叫ぶと、面接官は机の上に置いてあった書類に何かを書き始めた。
「じゃあ、次は歌を歌って。」
「え!」
「その為にオーディション受けに来たんでしょ。」
「えぇ..」
「じゃあ、何のためにここに来たの?」
でも、シュークリームを食べる為だ!!そう自分に言い聞かせて、頭の中で出てきた言葉で歌を歌い始めた。もう、恥ずかしいもくそもない。
「俺は、シュークリーム大好物!俺はシュークリームの為なら、生きれる!大好きシュークリーム!!ウエイ!ウエイ!シュ、シュ、シュ、シュークリーム!」
..もう、自分で何歌ってるのかよくわからなくなってしまった。
「わかったわ。もうオーディションは終了です。結果発表日は、1週間後だからここに来てね。」
「は、はい」
思ったより早く面接は終わった。
〈結果発表〉
俺は、面接の時に来たホールに来てしまった。これで、シュークリームが沢山食べれるかどうか運命が別れる。そして、また赤髪とも会った。
「やあ」
赤髪は、俺に手を振ってきた。
「あ、こないだの」
「合格者はホールの壁に紙で張り出されてるらしい。一緒に観に行こう!」
そう言われ、一緒に人が集まっている所に歩いて行った。
「うおおおおおお!」
「うわ、落ちた!!」
「受かると思ったのに。」
何人もの面接を受けた人達が、肩をガクンと落としホールを去って行ったが、中に喜ぶ人もいた。壁に貼ってある紙には、6人の名前が張り出されていた。何と、その中に俺の名前が載っていた。
「お、俺の名前あった!!」
「お、僕の名前もあった!!」
そういえば、この赤髪にまだ自己紹介したなかったという事を思い出した。
「あ、俺は、安藤 湊。中学1年生だ!宜しくな!」
「僕の名前は、山池 安里(やまいけ あさと)。宜しくね。」
俺たちは、ガッチリと握手をしてこれから、一緒にシュークリームスターの店員の1人して歩むことになった。
お父さん、お母さん、あやめ。俺はやったよ!!シュークリーム沢山食べれるよ!!
でも一つだけ疑問がある。それはどうして、男性しか面接にいなかったのだろう。
そんな疑問は置いといて、1週間後に合格者は、またここに来るということを覚えて、俺は家に帰りシュークリームスターに合格した事を、家族に報告した。