ガンダムビルドダイバーズ・オラトリオ   作:龍宮院奏

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戦闘に決着がつきます…。長くなりました……。


第4話 紅蓮の焔の化身は戦場に…。

 俺の相棒イフリート・エヒトは、俺がもう一度あの時の俺に返りざく為の機体。

 燃えるような深紅の装甲、自分の色を忘れ無色に帰った雪の様な白の縁取り。

 両腕には二連のミサイルユニット、両肩合わせて八本の〘ヒートダート〙、バーニアが増設されたバックパックには二本の〘ヒートサーベル〙が取り付けられている。そしてその武装を使い、機体にアクロバティックな動きを可能にするスラスターユニット。

 

 全ては勝利のために……、戦いに勝って大切な物を失わない為に……。

 

 沈黙が戦場を支配する。ゴウゴウと、パチパチと、音を立てて燃え上がる焔、巻き上がる火花が散る音が戦場に木霊する。

 どちらかが動けば、どちらかの餌食になる。それを理解して、一歩も動かない。けれど、それでは戦いに幕は降ろされない。終わらない戦いなど無い……、だって勝者は一人だけなのだから……。

 

「穿て!イフリート!」

 

「行っけぇ!ダブルオースカイ!」

俺が二本の〘ヒートサーベル〙を構え直し、勢いよく踏み込む。リクくんも俺が動き始める同時に、折りたたみ式の剣を展開して踏み込んできた。

 

 両者の剣がぶつかり合い、燃える焔とビームが弾き合い火花が降りかかる。

 

「モモカちゃんやアヤメさんの敵!」

剣が接触し回線が繋がる、声を聞く限り出会った時の雰囲気とはかけ離れ、怒りと熱い情熱を感じさせる声だった。

 

「俺は戦場にいる相手を倒しただけだ」

〘ヒートサーベル〙に入れる力が更に増し、ダブルオースカイを押していく。

 

「戦場に笑いなんていらねぇ……、俺達が今足を着けている場所を考えるならよ!」

〘ヒートサーベル〙を傾け空きを作り、その僅かな空きで蹴りを喰らわす。大きく交代するも、すぐさま交代と言わんばかりにコーイチさんの『ガルバルディリベイク』が向かってきた。

 

「今度は僕が相手だ!」

大きく振りかぶられたハンマーの様な武器に気づけずに、ガードを有する暇もなく機体の左腹部から殴り飛ばされる。

 

「っこふぉっ……」

殴り飛ばされた衝撃でコクピットも揺れ、その圧に体が軋んでいく。機体がようやく止まるも、焔が燃え盛る森林の中。そして今度は危険を知らせるレーダーの音が鳴り響く。

 

 

「「これでトドメだ!」」

見上げる空には、ユッキーくんのジェガン系がガンダムダブルエックスの様な二つの〘サテライトキャノン〙を構え、両足裏から、左右の腰の辺りから、腹部からビームを発射体制に構えていた。

 そして先程俺が蹴り飛ばしリク君のダブルオースカイからも、大型のレールガンの様な武装から砲撃が放たれようとしていた。

 

 

「これは殺られる……!」

土を被り、燃えて炭になりかけた樹に絡まり、身動きが取りにくくなっている。

 

 

「「行っけえぇぇぇ!!」」

ようやくその場を脱するのが可能になった時には、もう既に遅かった……。

 

 

 巨大な爆発と共に燃える大地、燃え盛る焔でその地表の姿は見えないけれど。

 

「リク君、やったよ!」

 

「あぁ、俺たち勝ったんだよ!」

レーダーに反応が無いことから、これは俺たちの勝利と見ても良いのだろう。

 

「これが俺たち〘ビルドダイバーズ〙の力だ!」

剣を天に翳し、俺たちのフォース名を天に向かって叫ぶ。

 

 

 

 

 

「獅子色染まりて我が焔……、獅子色染まるは我が闘心……。我が魂の焔は決して消えはしない」

 

 

 

 

 

「な、何?」

突如として聞こえるユウさんの声、まるで何かの詠唱の様な言葉を途切れ途切れに紡いでいく。

 

 

「リク君、レーダーに反応あり!」

コーイチさんの驚く声を聞いて慌ててレーダーを確認すると、

 

「そ、そんなさっきので……」

ユッキーも確認したようで、声が驚きで震えていた。

 

「これが……ユウさんの力……」

 

「リク君!熱源反応がどんどん大きくなっていくよ!」

 

「一体、何が起ころうとしているんだ……」

 

 

 あの時、止まった時間を取り戻す為に戦ってきた……。それは今も続いている、だから俺は負けちゃいけないんだ……。

 

 

 俺と相棒は進まなければ行けないんだ……、今度こそアイツを殺すためにも……。

 

 

 そして失った未来を取り返す為にも……。

 

 

 だから、だから、だから、だから、だから!

 

 

〘燃え上がれイフリート!その魂が燃え尽きる最期まで!EXAMシステム起動〙

 

 

 詠唱が終わると共に現れた赤く光るパネル。そのパネルを迷うことなく、拳を叩きつける。

 

 

〘ヲヲヲヲヲooooo〙

声と言えるのか、それとも叫びなのか、イフリートが音を鳴らす。

 

 

 叫び声が上がると共に、森林で燃え広がっていた焔が進行を止めた。そして、イフリートに向かって一点に集まり始めた。

 

「一体何が起こっているんだ……」

目の前の現象に考える頭が追いつかない。さっきリクくんとユッキーくんの攻撃が確かに決まった。僕はそれを地上から見ていた。

 なのに、なのに……。今目の前では……、〘EXAMシステム〙を発動させたイフリートが焔を……喰らっているのだ……。

 

 

 

「あぁ……、燃える、燃えている。俺の体が、俺の心が燃えているのが分かる……」

強大なビームで焼け落ちた両肩の装甲、両足のスラスターユニット。辛うじて残った身体に、全身に焼ける焔が纏わりつく。熱くて、痛くて、苦しくて……。

 

 けど……、

「イフリート・ヘルト 俺達、参上!」

その燃える焔が俺と相棒を強くする、俺と相棒の最強の武器なんだ。

 

「本当に飽きずに楽しませてくれるぜ……。だからこそ、俺達の本気を出すには十分だってな!」

髪を掻き上げて、紅蓮の瞳でもう一度フィールドと敵を確認する。

 

 

「まずは、お前だ!」

唯一地上に存在する敵、ガルバルディリベイクにモノアイを動かす。一点に睨んだモノアイから座標を設定し、残りのバーニアを吹かせて一気に距離を詰める。

 

 

「コーイチさん!」

 

「判ってる!リクくんとユッキーくんで空中から狙撃を」

 

「「了解!」」

援護は頼んだとはいえ、何なんだあの気迫は……。まるで本当に彼が、あの機体自身がイフリートみたいじゃないか。

 

「まずは足を……」

左肩に備え付けてある大口径榴弾砲をイフリートに向けて撃っていく。避けられるのは予期して、先に撃った弾道から回避した先に向けて続けて撃っていく。

 しかし、それさえも〘EXAMシステム〙の能力を駆使して回避してくる。空中からも雨のように降り注ぐビームの砲撃があるのにも関わらず、まるでものともせずに。

 

「なら、これで!」

シールドに備え付けられている滑空砲での直接攻撃に切り替える。滑空砲を撃つたびに重い反動が伝わってくる、その腕をしっかりと押さえて狙いをつける。

 

「その大きなハンマーは……ただの飾りなのか!」

 

 滑空砲での射撃を全て交しきり、目の前に赤く煌めくモノアイを見せるイフリート。手には焔を纏った〘ヒートサーベル〙、その燃え盛る〘ヒートサーベル〙の攻撃をシールドで受け止めるも熱で溶け内蔵されていた滑空砲が爆散する。機体に被害が及ぶ前に切り離していたため、目の間で爆発が起こり視界が煙で見えなくなる。

 

 

 

「チェックメイト……、有難う御座いました……」

煙で視界が悪くなった所に、一気に距離を縮めてガルバルディリベイクの腹部に右腕の二連のミサイルユニットを接させ……。

 

 

「あははは……、今回は僕の負けだね……。リクくんたちは強いからね……」

 

 

「心に刻んでおきます……」

腹部に貫通するように二射連続で撃ち込む。撃ち込みを終えてすぐに後退する、その直後には腹部に大きな穴が空いたガルバルディリベイクが力尽きたように立ったまま機能を停止した。

 

 燃える〘ヒートサーベル〙をバックパックに取り付けて、右腕のミサイルユニットを取り外す。そして代わりに巨大なハンマーを貰い装備していく。

 型式は違うも、同じサイズモデルであったために色の違和感を感じない。このハンマーもまだ仕掛けがあるようで、有効活用させてもらいます……。

 

 

「コ、コーイチさんが倒された……」

 

「そ、そんな……」

煙が巻き起こり、コーイチさんの支援をしようにも攻撃が当たる可能性があり攻撃が出来なかった……。

 

 けど、それでも攻撃をするべきだった……。僅か、本当に僅かな時間で、コーイチさんの反応が消えてしまうくらいならば……。

 

「くっ……」

奥歯をギリっと音が出るほど噛みしめるも、まだ戦いは終わらない。

 

「ユッキー……」

 

「わかってるよ、残ってるのは僕とリク君だけだもんね……」

 

 今現在武装はフル装備だけど、勝てるかどうかまた別の問題となってきた。

 ユウさんは俺とユッキーの攻撃をどうやったのか耐え抜いた、そして〘EXAMシステム〙を使って更に能力を上げてきている……。

 

「俺がトランザムを使うよ、じゃないとユウさんの〘EXAMシステム〙に対抗するのは難しいと思う」

特殊システムには特殊システムをぶつけるしか無い。そう考えての提案をする。

 

「わかったよ、僕のジェガンじゃきっとすぐに倒されちゃいそうだからね」

苦笑するユッキー。

 

「そんなこと無いって」

ユッキーの言葉に否定するも、それを受け取らず、

 

「多分、あのイフリートは僕のジェガンじゃ敵わないよ。アヤメさんの『忍闘-道』を持ってしても〘EXAMシステム〙を発動前に倒せなかったんだから」

燃え盛る焔よりも赤いイフリートを見ながら静かに言った。

 

「だからリク君……」

 

 嫌な予感がする……、全身が、ダブルオースカイが叫んでる……。

 

「やめてくれ、ユッキー……」

 

「僕の敵討ちは頼んだよ!」

 

「ユッキー!」

掴もうとダブルオースカイの手を伸ばすも、ジェガンブラストマスターの手を、ユッキーの手を握ることは出来なかった……。

 

 

 

「僕も柄に合わないことしちゃったかな……。でも、何かカッコいいかも……」

僕がこれからやることは確かにチーム戦では良いのかもしれないけど、リク君には辛い思いをさせてしまう……。

 

「あとでちゃんと謝らないとね……」

さてと、僕もいい加減に覚悟を決めないとかな……。

 

 

 

「ユッキー ジェガンブラストマスター 行きます!」

 

 

 

「次はお前か……」

視界の横を駆け抜ける蒼白ビーム。見上げれば、オレンジ色のユッキー君のジェガンだった。

 

「ユウさん、僕との真剣勝負ですよ」

空中で一定の距離を保ちながらビームを撃ってくる、そのビームを先程奪った巨大なハンマーで防ぐ。

 

「そ、それって…コーイチさんの…」

 

「戦場にある武器は全て利用する主義なんでね!」

案の上仲間の武器が使われていることに動揺を隠せず、狙撃に迷いが生じ始める。

 

 これを見逃さず、口元の口角を釣り上げる。笑みを浮かべるもすぐに戦闘に集中し、攻撃体勢に入る。少しばかり助走を着け、バーニアを吹かせて巨大なハンマーを構えて大きくジャンプする。

 

「迷ったら……、終わっちまうぞ!」

ビームが放たれて、機体を旋回させて交すも幾らかは被弾してしまう。装甲に掠れたビームが熱で装甲を溶かしていく。

 しかしそんなことは気にしない。それだけじゃ、それだけの攻撃じゃ俺は倒せない。そうだろ……、相棒。

 

「うおぉりゃぁぁぁ!」

機体をハンマーを使って大きく振らせて、勢いを着けて殴りつける。ハンマーの打撃面がジェガンを離さず捉えて、そのまま地上に叩きつける。

 地上に叩きつけた衝撃で中心から蜘蛛の巣上にヒビが入り、辺り一体が窪んでいく。叩きつけられたジェガンのバックパックは音を立てて砕け散り、頭部の目の部分のクリアパーツにも割れ目が入り込む。

 

「これで……」

 

「まだ…おわ…れない…」

ボロボロになったジェガンが僅かながらに動き出す。

 

「リクくんに託すんだから!」

最期を悟ってのことだったのだろう、機体が突如として光を帯び始める。俺はその光景を見たことある、それは任務を遂行できずに秘密を守るためにと自らの命を掛けた人の……。

 

「馬鹿野郎が……、そんな託され方じゃ……。そんな託され方じゃ、託されたほうだって辛いんだよ!」

 

 ハンマーを投げ捨てバックパックの〘ヒートサーベル〙をすばやく取り出し、

 

「だから……俺が……、俺が楽にしてやるよ……」

ただ一心に、何も感じさせないために、一撃で終わらせるために……。

 

「ありがとう……、戦ってくれて……」

最期のトドメを胸に〘ヒートサーベル〙を突き刺して、機能を停止させた。自爆なんて、悲しい真似はさせてたまるか。

 

 〘ヒートサーベル〙を抜き、空で動けないで居るダブルオースカイを見る。リク君も判っていたんだと思う、そしてそれを止められなかったことを後悔しているのだろう。ならその思いを……、俺にぶつけて来い!

 

「う、うおぉぉぉ……!〘トランザム〙」

緑色に光輝く粒子が、赤く染め上がり機体を包み込む。

 

「さぁ……、最終決戦といこうか!いくぞ、イフリート・エヒト!」

〘EXAMシステム〙の限界時間までは極僅かしかなく、けどリク君今発現させたばかりで余裕がある。つまり、ここで決めなければ確実に殺られるの俺の方。

 

 〘トランザム〙で更に速度をまして、凄まじい勢いで飛んでくる。ビームライフルとバックパックから展開される二つの狙撃を織り交ぜながら。放たれるビームを〘ヒートサーベル〙で切り裂き、切り裂くのに危険と判断したものは避けていく。互いの距離が縮まってくると、ビームライフルをしまい今度は再び展開式の剣を出してくる。

 

「まるで、フリーダムを倒す時のインパルスだな!」

皮肉にも剣があのフリーダムを貫いたソードインパルスの物と似ている気がしてきた。

 

 突き出された剣に対抗するために、〘ヒートサーベル〙を両手に構えて焔を纏わせる。二度目の剣の演武に力が入る。互いに特殊システムを使用しているために、その姿にはパイロットと機体の思いが加わり更に強くなる。

 

「ユッキー君は君に繋げるんだっと言って、自爆しようとしていたよ」

淡々とさっきの戦闘でのことを話す。これは相手を激情に駆り立てて、さらなる力の開放を望んでいるためではない。

 

「本当に君は、君のフォースは……、素晴らしく恵まれて、幸せ者だと心のそこから思うよ!」

〘ヒートサーベル〙で押し切り、互いに距離を置く。今の言葉に驚いたのか、リク君はこちらに距離を詰めようとしてこない。

 

「誰かの為に戦えることは良いことだ……。守るものがあって、叶えたい未来があって……。何よりもその先に、その先を共に見上げる仲間が居るんだから……」

俺にもあったんだ、俺にもリク君……、君のように輝ける日々があったんだよ……。

 

「だから、だから言っておく!君が手にする明日には、君の隣に仲間が居ることが何よりも幸せなんだって!」

俺にはもう無いんだ……。俺には、俺の手には零れ落ちてしまったんだ……。

 

「俺は掴めなかった……。あの人の、俺が尊敬し、誰よりも信頼出来る仲間の手を……」

レーバーを握るこの手に涙が伝う。アバターでも……、涙って出るんだな……。

 

「こんな言葉聞く意味なんて無いかもしれいけど……」

 

「ユウさん……」

 

「リク君……、君は僕のように失わないでくれよ……」

俺が戦う理由をまさか……、こんな形で見せつけられるだなんて……。

 

 

「すまない、俺の戯言に付き合わせてしまった」

 

 

「でも、今の話しどういう」

俺の話を聞きたいか……、まぁあれだけ言えば気にはなるよな。

 

 熱くなった目頭をパーカーの袖で擦り、涙を拭う。深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出してレーバーを強く握る。

「その答えを知りたいなら……俺を倒して聞いてみるんだな!」

俺は失った、失ったことを悔やんで戦い続けた。戦場にいれば、何時かアイツともう一度巡り合えると信じて……。

 

 二連のミサイルユニットからミサイルをダブルオースカイに向けて放つ。ビームライフで撃ち落とされるも、爆風に紛れ込んで地を蹴って空へと駆け上がる。〘ヒートサーベル〙を戻し、両手でダブルオースカイの手首を掴みバーニアを吹かせて地面に向けて投げ落とす。

 しかし、〘トランザム〙を発動させていることも合わさり、機体の推進力で持ちこたえられてしまう。背を地面に向けて、立て直すとすぐにビームライルとバックパックのビームライルとの連携攻撃が襲いかかってくる。空を蹴るように、空を飛んでビームを掻い潜る。

 

『EXAMシステム終了まで残り、三十秒……』

「何!ここに来てか!」

さっきのお喋りが仇となったか、このまま〘EXAMシステム〙終了まで逃げ続けても勝ち目はない。

 

「なら、此処で決める!」

ビームを避ける事から、ビームを掻い潜り射程圏内に収めることを優先させる。

 

 

 

「ユウさん、もしかして俺達を倒しに来たのか……。なら……」

ユウさんのさっきの言葉は本物だった……。作り物なんかじゃない、本当にユウさんにあったことなんだ。じゃなきゃ、こんな戦闘中に言ってこない。

 

「行くぞダブルオースカイ……、俺達もユウさんを迎え撃ちに行くぞ!」

だから俺もその思いに答えないと。

 

 

 まさか俺の考えを詠んだのか、向こうから距離を縮めて来る。残り時間あと十五秒……。

 

 

「リク君、これが最期の一撃になるだろうね」

 

「ユウさん、貴方を倒してさっきの言葉の理由を聞かせて貰います!」

 

 

「獅子色染まりて我が焔……、紅蓮に染まるは我が魂よ……。暗闇を切り裂き、深淵を断ち切れ!

《焔獄の罪を断ち切る剣|ディバインヴォルカーノ》」

全身を焔で包み込み、二本の〘ヒートサーベル〙は焔に溶け合い一つの大剣と化し、さらなる焔となりその熱を増していく。

 

 

「《ハイパースカイザンバー》」

〘トランザム〙を使用中にも関わらず、赤い光から緑色に光を変化させていく。両肩の二機のGNドライブからは光の翼が生み出され、展開した剣と一体化して機体よりも大きな光の剣に変身した。

 

「「これで終わりだぁぁぁ!」」」

 

 焔を身体から、森林を火の海にしていた焔をも剣のエネルギーに変えて流し込む。

 同じく、GNドライブからドライブから供給されるGN粒子を全てエネルギーに回していく。

 

 両者共に機体が次第にそのエネルギーに耐えられくなり、音を立てながら装甲が崩れ去っていく。バーニアも熱に耐えられずに爆発煙を上げる。

 二対の強大なエネルギーを纏った剣が押し合いながらに、ゆっくりと地面に向かっていく。地面に着地したのと同時に、自分たちを中心に地面が吹き込んだ。歪み、窪んだ大地に二機がぶつかり合う。

 

 

「燃え上がれ俺の魂!俺の魂を燃やせ、エヒト!」

 

 

「まだ……、みんなが託しくれた思いを、思いを果たすんだ!ダブルオースカイ!」

 

 

「「はぁぁぁ!!」」

 

 パリン、ガラスが砕けるような音が場を一蹴する。そしてその音が消え去ると、凄まじい爆発が巻き起こり、フィールド全体を巻き込んで爆風が起こる。

 

 爆風が消え去り、爆発の中心には……。

 

 胸部を一突きされたイフリート・エヒト。

 

 右肩から切り込まれ、左腹部まで傷が及んでいるダブルオースカイだった。

 

〘Battle・End Draw〙

システムのアナウンスが流れると共に、両者の機体はフィールドから消え去っていった。

 

 

 

 

 

「まさか引き分けか……、でも暴れたな相棒……。うん?煩い、俺だって悔しいわ……。

 だからさ、また今度戦おうぜ。そうだよ、〘ビルドダイバーズ〙とな」

 

『YAKUSOKU・・・MAMOREYONA・・・』

 

「あぁ、任せておけよ。相棒」

 

 

 

 

 

 

 ロビーに戻ると、先に居たのか〘ビルドダイバーズ〙のみんなが揃っていた。

 

 慌ててみんなの元に行き、

「モモカちゃん、ごめん!あんな倒し方をしてしまって、本当にごめん」

開口一番にまずは謝罪をした。

 

 それにはみんな驚いたようで、顔を上げると固まっていた。しばらく待っていると、

「ユ、ユウさんは悪くないですよ!わ、私が本気のバトルをしたいユウさんの気持ちを…」

モモカちゃんの方も頭を下げて謝罪してきた。

 

「いや、違うんだよ。確かにそれもあったけど、俺の見た目で馬鹿にされたからついカッとなって…」

モモカちゃんが謝罪する理由を聞いて、俺の方と相違があったのでちゃんと理由を話す。

 

「そ、そうだったんですか!でも、あの会話って私とコーイチさんの……」

口元を両手で覆い、顔を真っ赤にするモモカちゃん。

 

「えっと……近くの森林で潜んでたから聞こえてた……。あと、戦闘中は回線はちゃんと設定した方が良いよ。話がまる聞こえだったから」

 

「う、嘘…!」

モモカちゃんのミスを指摘すると、何故か『あ、そういう事…』と全員が納得した表情で頷いていた。

 

 

「あのユウさん……、さっきの話って聞けないんですか……」

楽しげな雰囲気が一変して、俺とリク君の間には冷たい空気が生まれる。

 

 

「勝負が引き分けだからね…、まだ話せないかな…」

 

「そうですか…」

 

「でも、そのうち話してあげるよ…。気が向けばね」

 

「じゃあ、また俺達と戦ってくれますか?」

リク君の言葉に、みんなが俺の方を見つめてくる。

 

「そうだね……」

俺も、相棒も、決着はついてない。それに相棒との約束もあるからな……。

 

「良いよ、またバトルをお願いしようかな。〘ビルドダイバーズ〙」

俺なりの笑顔を作って、リク君に手を差し出す。

 

「はい!こちらこそお願いします!〘Oratorio〙さん」

差し出したてをリク君も握り返す。

 

「あ、時間……。ごめん、今日はもう落ちるから」

時計を見ると、リアルでの門限が自転車でのギリギリの時間となっていた。

 

「あ、じゃあ、せめてアライアンスだけでも」

 

「そっか、じゃないと連絡取れないもんね」

時間が無い中で慌てて『アライアンス・同盟』を組んで、

 

「それじゃあ、またね」

 

「はい、また今度」

今度は本当にログアウトした。

 

 

「ユウさん…、良い人だったね」

ログアウト後に残された俺たちで話し始める。

 

「最初は怖かったけど、案外優しいし」

モモカちゃんは最初に撃墜される原因になったことをまだ言ってる。

 

「ねぇ、リクくん。何かプレゼントが来てるよ?」

 

「え?本当だ、開けてみますね」

コーイチさんがフォースのプロフィール画面のメッセージボックスが点滅しているのに気づいて教えてくれた。

 

「えっと中身は……。え・・・、えぇぇぇ!!!!!」

 

「ちょっと、どうしたの?」

 

「リク君、そんなに声を上げたら他の人に迷惑だよ」

 

 

「そ、それよりも・・・み、見てこれ・・・」

アヤメさんとユッキーに怒られるも、今はそんな事を言ってる場合じゃない。

 

 

「「「「「どれどれ?」」」」」

俺以外の全員でボックスを覗くと、

 

 

『今日は戦ってくれて有難う!相棒も大満足だってさ、それでお礼だけど大事に使ってね。

 一千五百万はみんなで山分けだよ!

 それとモモカちゃんには悪いことしたので、これで何か買ったりしてください……。

 俺からの気持ちです……』

 

 

「一千五百万ポイントが僕たちのフォースに……」

 

 

「私個人に……五百万ポイント……」

 

 

「ぼ、僕たちそんなに貰ってい、良いのかな・・・」

 

 

「お、お、落ち着きなさい・・・。こ、こんな、ことで、どど、どうよう市内の」

 

 

「ねぇ、リク…。ここ見てみて」

あまりの膨大なポイントに慌てみんな慌てふためく中で、サラがメッセージの端に書かれた文を見つけた。

 

 

『P,S, 今度良かったら、俺のフォースネストに来ませんか?』




最近、機動戦士ガンダムNTを見ました。
もう…、最初の方から涙が止まりませんでした…。
その所為で後半から、書いてて雰囲気が変わってしまいました。
戦闘シーンは本当に勉強しないと…。
これからも頑張って毎週土曜日更新を目指していきます。

今回もご閲覧していただきありがとうございました。
感想などお待ちしております。
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