海賊らしからぬ海賊   作:やがみ0821

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天駆ける竜が堕ちるとき

 マリージョアの警備にあたる2人の海兵は夜の見回りをしていた。

 聖地マリージョアは非常に広い。

 パンゲア城だけでも相当な広さで、その周囲の天竜人達の居住区も含めて警備をするとなると色々と大変だ。

 効率的に警備を行う為、各所には小規模な基地が設けられており、そこに海兵や衛兵達が詰めている。

 基地の司令官には中将が就いているのだが、正直なところ極めて退屈かつ面倒くさいのがマリージョア勤務だった。

 

 海兵達や衛兵達とて天竜人の色々な行為に思うところがないわけではない。

 仕事だから、相手は世界貴族だから、と見て見ぬ振りをするしかなかった。

 

「霧に注意しろって、どうやって?」

「さぁな……」

 

 センゴク大将から2週間ほど前に通達が出されていた。

 

 霧は敵の攻撃の予兆であるから、警戒せよ――

 

 それはマリージョアに限って出されたものではなく、世界各地にある海軍支部に向けて出されたものだ。

 ロックス海賊団がどこかを襲うかもしれないということで本部も各地の支部も神経を尖らせる毎日を送っていた。

 だが、ここマリージョアはそういうピリピリした空気とは無縁であった。

 

「そもそもこんなところを襲うヤツなんて、どこにもいないだろう」

「そうだよな。第一、どうやってここまで来るんだ?」

「空でも飛んでこない限りは無理だな。たとえ来たとしても、すぐにマリンフォードから大将がやってくる」

 

 2人の認識はマリージョアに勤務する全ての海兵や衛兵達にとって共通したものだった。

 

 

 するとそのとき――

 

「おいおい、話をしていたら霧が出てきたぞ」

「霧くらい出ることはこれまであっただろう。さすがにただの偶然だ」

 

 2人は構わず決められたルートを巡回する。

 しかし、霧はどんどん濃くなる一方で満月すらも見えなくなってしまう。

 敵の攻撃かもしれない、と思うよりも彼らはルートを誤ることを恐れた。

 

 下手なところに入ると天竜人に問答無用で処刑されるからだ。

 霧が薄れるまで止まっていよう、という2人の判断は常識的なものだった。

 

 

 そして、このとき既に映像電伝虫による監視は意味をなしていなかった。

 基地に設置されている監視室のモニターは濃霧で何も見えなくなってしまい、当直の海兵達はどうしようもないと匙を投げた。

 

 やがて23時を過ぎた頃になると、霧はいよいよ各所にある建物内部にも侵入しはじめた。

 どこかしらの隙間から入ってくる霧を敵の攻撃の予兆であると受け取り、各所の基地は警戒態勢を取った。

 しかし、1時間程警戒をしてみたが何も起こらず、ただ霧がうっすらと基地内部の至るところに広がっただけだ。

 襲撃などがあればマリンフォードへ緊急連絡をしたかもしれないが、そんなものはない為、通常の定時連絡が送られた。

  

 

 いつも通り異常なし――

 

 

 海楼石製の武器や手錠などでも持っていれば霧が海楼石の部分に近寄らないことに気づけたかもしれないが、マリージョアの部隊には1つも配備されていない。

 海楼石製の物品は能力者相手に抜群の効果を発揮するが、海楼石の産出国は限られており、加工も難しいからこそ高価で貴重である為、海軍の全ての部隊に配備するのは難しい。

 

 侵入者そのものがおらず戦う機会自体が皆無のマリージョアの部隊で死蔵されるよりも、実際に能力者と戦い捕らえる機会が多い本部や各地の支部に優先的に回されるのは当然の判断だ。

 なお見聞色の覇気で探った者も何人かいたが、そうした者は一足早く始末された。

 その周囲に誰かしらの人がいればその人間ごと、音を遮断した上で。

 

 

 さて、霧が広がっていたのは天竜人達の屋敷も同じであったが、時間帯も災いし、既に就寝している者も多かった。

 何も見えなくなる程の濃霧が屋敷の中で発生したならば話は別であったが、目を凝らせば霧があるのが分かる程度で、そもそも起きている者も気づかなかった。

 それは当然、天竜人達の屋敷内外を警備している衛兵達も同じこと。

 また彼らも霧をどうにかしろ、と言われてもどうしようもできず、天竜人が騒がない限りは通常業務をこなすだけだった。

 しかし、天竜人の奴隷には能力者もいることから海楼石製の手錠や足枷などがされており、気付けるチャンスはあった。

 だが、奴隷の手錠や足枷に霧が近づくかどうかまで気を払う者は残念ながら誰もいなかった。

 

 

 

 

 そして、運命の時間は訪れる。

 午前1時を少しだけ回ったときだ。

 たとえ海兵や衛兵達が警戒をしていたとしても、それはどうしようもなかった。

 

 

 天竜人達に奴隷とされていた多くの者達は見た。

 目の前にいた天竜人や衛兵達が一瞬にして血が吹き出して、干からびていくところを。

 彼らが死体となったところで、あちこちに囚われている奴隷達の前に金髪の少女が現れた。

 彼女は告げる。

 

「助けに来た。私についてくれば豊かな生活を保障する」

 

 奴隷達は状況的に少女がやったのだと確信しつつ、彼らにはついていかないという選択肢は無かった。

 

 

 

 

 

 

「はい、終わり。じゃ、財宝集めと奴隷の解放を急いでやるから」

 

 ルナシアは笑顔でニューゲート達に告げる。

 これは当初の予定通りであり、彼らは思い思いに過ごしていた。

 

 彼らが動くことになるのはこの後だ。

 

 船はマリージョアの近くに着地しており、あとはルナシアが奴隷と財宝を持ってくるのを待っていた。

 

「ジハハハ! あっさりとやっちまいやがった! 感動も何もあったもんじゃねぇ!」

「こういうのは余計なことはせず、さくっとやるに限るわ。作戦通り、逃げる時のおみやげで驚かしてやればいい」

 

 そう答えるルナシアにシキは尋ねる。

 

「間違いなく、お前は世界の未来を変えた。気分はどうだ?」

 

 その問いにニューゲート達もまたルナシアへ視線をやる。

 

「いや、別にどうってことないわね……」

「反応が薄いな……まあいい。しかし、五老星は殺らなくて良かったのか?」

 

 シキの問いにルナシアは頷く。

 

「彼らは良かれ悪かれ真面目に仕事しているから、まあいいやって」

 

 まさかの理由に聞いていたシキ達は思わず吹き出した。

 そんな彼らをジト目で見ながら彼女は更に告げる。

 

「まあ、ロックスだったら王になるには邪魔だって問答無用で殺したでしょうけど、世界政府は良くも悪くも世界に根付いているから、そこまでやるのはやりすぎだわ」

 

 ルナシアはそこで一度言葉を切り、少しの間をおいて再度言葉を紡ぐ。

 

「私は嫌よ。世界政府が倒れることで無秩序になって、戦争だらけになるなんて……そんな世界になったら、今のように儲けられないじゃないのよ」

 

 その言葉にシキは頷く。

 

「天竜人がいなくなっても世界は回るが、五老星がいなくなるとお前の言う通りになるだろうな……というか、俺がまずそうなるよう仕向けて勢力拡大するし」

「シキもそうだし、カイドウやリンリンだってそうでしょ? ニューゲートはそういうことに興味無さそうだけど」

 

 ルナシアの問いにカイドウは酒を飲みながら頷き、リンリンはジュースを飲んで頷いた。

 ニューゲートもまた肯定するかのように頷きつつ、問いかける。

 

「だが、お前……嘘は言ってないが、本当のことも言っていないな。正直に言え」

「世界政府を倒した後に起こるたくさんの問題を無視するのも処理するのも面倒くさい……ただ戦争が起こるだけじゃなくて色んな闇とか真実とか明らかになって大混乱すると思う」

 

 ルナシアはそこでニューゲートに対して満面の笑みを浮かべてみせる。

 

「ニューゲート、あなたがそういう始末をやってくれるなら私はやるけど……やっていい?」

「人に丸投げするんじゃねぇよ。それならお前がそういった後処理のことも考えたチームでも作ってやれ」

「そうね……最近、ちょっとした革命家が頑張っているみたいだから、応援してあげようかしら」

 

 ルナシアの言葉に他の面々は思い当たる節があった。

 

「ドラゴンとかいう男かい? 圧政を敷いている小国でクーデターを煽動したとか何とか聞いたことがあるけども」

「その彼ね。ま、話してみてダメそうだったら処理するから」

「良さそうだったら?」

「私のやり方や商売を邪魔しないという条件で、まあ色々とね」

 

 笑って答えたルナシアにシキが問いかける。

 

「なあ、ルナシア。俺に援助してくれねぇか? 武器とか色々と必要なんだ」

「悪巧み?」

「そんなところだ。料金は支払う」

「私の勢力圏に手を出さない、その企みが失敗したら私の配下につくという条件なら検討するわ」

「勿論だ。それでいい」

「え? いいの?」

 

 ルナシアは目を丸くした。

 余程に自信があるのか、シキは笑みを深める。

 

「だが、企みが失敗したかどうかは俺が判断するぜ」

「何を言っているのよ? 私の目から見て失敗した場合に決まっているでしょう。ま、理不尽なことにはしないわ。ルーキーにでも負けたら失敗ってことでいい?」

「ジハハハ! それなら俺も焼きが回ったとでも思って、そうするか!」

「そうして頂戴。あ、そろそろ来るわ。各自、準備をお願い」

 

 ルナシアがそう指示を出して数分後、大勢のルナシアが財宝をいっぱい持って船に乗り込んできた。

 やがてそれには奴隷の集団も混じり、彼らは船に乗り込んだところで大歓声を上げる。

 そんな彼らにルナシアが食料や飲料を振る舞う。

 

 一方で多数のルナシアは船内や船倉に財宝を持ってきて、降りるときはあるものを船から運び出していく。

 それは木箱に入れられていて中身は見えないが、ルナシアからのちょっとしたプレゼントだ。

 持っていくだけでは可哀相だから、置いていってあげましょうという魂胆だ。

 

 ここに来てニューゲートとカイドウ、リンリンが船から降りて互いにとある場所へ向かっていく。

 ニューゲートは単独で、カイドウとリンリンはペアだ。

 やがて彼らは辿り着く。

 

 そこは唯一、マリージョアと地上を結んでいる移動手段――シャボン玉で飛ぶリフトであるボンドラの発着場だ。

 ルナシアの霧はマリージョアからここにまで及んでおり、既に発着場にいた海兵や衛兵達は死んでいた。

 

 彼らのイベントの1つ、それはボンドラの発着場を破壊し、マリージョアを完全に孤立させてしまうことだ。

 全力で復旧させるだろうが、それでも長い時間が掛かるだろうことは想像に容易い。

 

「まだよ、まだまだ」

 

 ルナシアは告げる。

 

 到着したニューゲート達であったが、タイミングが分かるのはルナシアだけである。

 イベントはもう1つ残っており、これが終わったらそちらにも取り掛からねばならない。

 

 

 じりじりと時間が過ぎていくが、退屈以外の不満はニューゲート達にはない。

 状況的にも実力的にも不安要素が微塵もなかった。

 

 そして、いよいよその時は来た。

 

「今よ! ぶっ壊して!」

 

 ニューゲート達は全力で発着場の地面を叩きつけた。

 それは襲撃があったことを知らせる警報であり、同時に絶望を告げる音。

 

 

 世界は今、ロックスを思い出す――!

 

 

 

 一瞬にしてボンドラの発着場は破壊され、瓦礫となって落下していく。

 特に凄まじい破壊が起きたのはニューゲートが攻撃したところであり、ボンドラの発着場ごと大きく剥がれ落ちた。

 

 ここからは時間が勝負だ。

 敵が態勢を立て直す前に一気に畳み掛けるのだが、ここでルナシアは切り札を切った。

 この後の船への回収及び襲撃はルナシアに任されており、どういう手段でそれが実行されるかはシキ達は誰も知らなかった。

 故に彼らは驚愕する。

 

 彼女は一瞬にして多数に増えると、ニューゲート達の胴体にしっかりとしがみつく。

 そして増えた彼女達は全員が背中から蝙蝠のような翼を出して、空を飛び始めた。

 ニューゲート達を抱えて。

 

「お前、そうやって飛ぶこともできたのかよ……」

「ええ。切り札はここぞという時に使うもの。そうでしょ?」

「確かにな」

 

 ニューゲートとルナシアのやり取りとほとんど同じものがリンリン・カイドウとの間でもなされた。

 

 そして空にいたシキの操る船に無事に到着する。

 襲撃はクライマックスを迎え、同時にここで空が白くなりはじめた。

 夜明けだった。

 だが、計画に変更はなく、むしろここからがメインイベントだ。

 

 シキ以外の面々は全員、マリンフォードがある側の赤い港(レッドポート)に向かう。

 ルナシアがリンリンを抱え、ニューゲートは龍となったカイドウの背に乗る。

 

 急降下しても特に影響がない面子である為、彼らはあっという間に蜂の巣を蹴飛ばしたような大騒ぎとなっている赤い港(レッドポート)に辿り着く。

 

 数多のサーチライトに照らされて、彼らは遂に海軍への攻撃行動を開始する。

 空を飛んできた彼らに海兵達は言葉を失ってしまう。

 

 その中で彼らは手近な高い建物の屋根に降り立った。

 

「ルナシア、あれを言ってやりな」

 

 リンリンに言われてルナシアは何のことだと思ったが、すぐにあの言葉だと思い出す。

 彼女は大きく息を吸って叫んだ。

 赤い港(レッドポート)どころか、マリンフォードにまで届けとばかりに大声で。

 

「かかってこい! 相手になってやる!」

 

 ルナシアの言葉を受け、ニューゲート・リンリン・カイドウは獰猛な笑みを浮かべ、攻撃を開始する。

 

 ルナシア達によって振るわれるのは天災の如き力。

 ただの一撃で勇敢にも立ち向かった中将や少将達が吹き飛び、大佐以下の海兵達は放たれる覇王色の覇気によって挑むことすら許されない。

 

 マリンフォードは響き渡った轟音や赤い港(レッドポート)からの緊急通報ですぐさま事態を察し、センゴクら大将及びガープら中将達がおっとり刀で軍艦に乗り込んで出撃していた。

 その戦力たるや大将3名を筆頭に中将以下将官72名、大小軍艦63隻。

 マリンフォードと赤い港(レッドポート)は目と鼻の先と言っても過言ではなく、すぐに到着できる距離だ。

 

 

 だが、その前に赤い港(レッドポート)が灰燼と化すのは誰の目にも明らかであった。

 そして、海軍が全力でぶつかってくることはルナシア達にとっても予想内であり、海上にあるうちに攻撃に出た。

 

 

 すなわち――

 

 

「俺の全力を受けてみろ、海兵共……!」

 

 早くも遠目に見える海軍の大艦隊。

 しかし、臆することなく不敵に笑ながら赤い港(レッドポート)の岸壁に立つ男は待っていた。

 

 “白ひげ”エドワード・ニューゲート。

 

 彼は大気を引っ掴み、思いっきり海に向かって叩きつけた。

 

 その威力たるや想像を絶する凄まじさ。

 新世界の荒れ狂う海でもお目にかかれない大津波が起こり、艦隊に向かっていく。

 しかも、それは一回で終わらない。

 

「俺をガッカリさせるなよ、海兵共」

 

 豪快に笑いながら、彼は再度大気を掴んで海に叩きつける。

 一波目の大津波がようやく艦隊に到達するかどうかというところで、新たに起こる第二の大津波。

 

 しかし、ここで海軍の意地を彼らは見せる。

 第一波、第二波の大津波。

 それらは突如として凍りついた。

 大津波を凌いだ艦隊はいよいよ間近にまで迫りくる。

 

 怒り心頭のセンゴクや、不敵に笑うガープ、獰猛な笑みを浮かべるゼファーの姿や大将クラスの実力があると噂される3人の中将達の姿もあった。

 

 それを見てニューゲートは大きく笑い、同時に背後に気配を感じて振り返ることなく問いかける。

 

「おう、船長。狙いは外れたぞ。どうする?」

 

 後ろにはルナシアとカイドウ、リンリンが立っていた。

 

「ロックスを偲ぶ会の最後を締めくくるにはちょうどいい相手でしょう。シキがいないのは残念だけど、あれは彼にしかできない仕事だから仕方がない」

 

 既に船は新世界側へと抜けており、上空にシキがひょっこりといるなんてことはない筈だ。

 しかし、ルナシアは念の為に見聞色で探ってみれば――こっちに近づいてくる気配が後方の空に1つあった。

 他の3人も気づいたのか、彼らは笑ってしまう。

 

「すまねぇ! 遅れた!」

 

 そう言ってやってきたのはシキであった。

 彼は手にロックス海賊団の海賊旗を持っている。

 

「シキ、船は? あとその旗……」

「新世界側に浮かばせてある。マリージョアよりも高い位置にあるから問題はない。旗はあったほうが当時を偲べるから持ってきた」

「いや、そんなに離れて大丈夫なの? 戻ってみたら船が海の藻屑になっていたとか洒落にならないわよ?」

「ジハハハ! そいつは大丈夫だ。そこは見誤らねぇよ。あ、旗はここに立てとくからな」

 

 シキはそう言いながら旗の石突部分を地面に突き刺した。

 そして、彼は再度口を開く。

 

「だが、船長命令に背いたのは確かだ……罰を与えてくれ」

 

 そう言いながら不敵に笑う彼にルナシアもまた笑って告げる。

 

「金獅子のシキ。その全力をここで見せて。それをもって今回の罰とする」

「ジハハハ! 船長、ありがてぇ! それじゃ一つ……」

 

 シキは桜十を抜刀し、神速で艦隊目掛けて振った。

 一見、ただ虚空を斬ったようにしか見えないが――その結果はすぐに現れた。

 斬撃の直線上にいた大型軍艦とその後方にいた軍艦が真っ二つに斬り裂かれたのだ。

 

「……今のが全力か?」

 

 ニューゲートの問いにシキは笑って答える。

 

「馬鹿言うな。今のは単なる準備運動だ」

「そうか、それじゃあどっちが多く沈めるか、勝負でもするか?」

「ジハハハ! いいぜ、乗った! 負けたら酒を奢れ!」

「望むところだ……! てめぇの秘蔵品を用意しておけよ!」

 

 張り合っている2人を横目で見つつ、ルナシアは告げる。

 

「それじゃ、始めるとしましょうか。ロックスを偲ぶ会、最後のイベントよ」

 

 ルナシアの言葉に誰もが笑いながら、その命令を待つ。

 

「我々ロックス海賊団の脅威をここに知らしめる! 思う存分に戦え!」

 

 その命令を受け、目の前に迫りくる海軍の大艦隊に彼らは攻撃を開始する。

 

 

 一方で迎え撃つ海兵達の士気は高い。

 無論、本部所属であることから練度も高く、そこらの海賊では相手にもならないだろう。

 だがゴッドバレー事件を知らない者も多くなり、彼らはいかにロックス海賊団が強大であろうとも必ずや撃破できると信じていた。

 

 しかし、その思いは呆気なく潰えることになる。

 敵の強さは――彼らの予想を遥かに超えていたのだ。


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