巨大ガネーシャ像の股下をくぐるというなんか嫌な入り方をしなくてはならない建物、『アイアム・ガネーシャ』。
その中で、神々の宴が行われる。
ヘスティアは犬猿の仲であるロキと喧嘩しつつも自身の眷属であるベルが恋慕しているアイズ・ヴァレンシュタインに恋人がいないか聞くが、居ないらしい。舌打ちする。
そのまま毎度のごとく喧嘩になり賭け事が行われ、バンルンバルンと激しく揺れ動くヘスティアの胸に小波一つ立てれぬ己の胸との差を思い知り逃げようとするロキ。が、ヘスティアが呼び止める。
「待ってくれ。もう一つ、聞きたいことがあるんだ。これはヘファイストスかフレイヤでも良いけどさ」
「なんや、このメンツちゅーことは大手ファミリアにっちゅーことか?」
「何かの手続きかしら?」
「それならヘファイストスだけに聞くんじゃないかしら?」
神友であるヘファイストスだけではなく犬猿の仲のロキや性質的に真逆な愛の神であるフレイヤにも聞きたい事とは、何だろうと訝しむ三柱にヘスティアは口を開いた。
「人探しさ。ベル君が世話になったらしくってね、御礼を言いたいんだけど見つからなくて。分かっているのは探索系ファミリアで、遠征に行くほど人数がいて、同じファミリアに子供が居る。後名前と二つ名」
「そこまで分かってるならギルドに聞けばいいじゃない」
「聞いたんだけど知らないらしくてね。レベル2からなんて山ほど居るし、冒険者全部に対応するギルドよりファミリア同士で繋がりのある君達に聞けば誰かしら知ってるんじゃないかと思って」
「なるほどね。そう言う事なら………その子供は、なんて名前なの?」
「二つ名は何かしら?」
「えっと、確か……『黎明卿』、ボンドルドだったかな?」
「「「────っ!!」」」
途端に、空気が張り詰める。周囲の複数の神々も目を見開いている。
「…………?」
流石に妙だと思ったヘスティアは3柱に改めて視線を戻すとヘファイストスが詰め寄ってきた。
「その名前、何処で聞いたの?」
「え、えっと………だから、ベル君が助けてもらって………」
その剣幕に押されたどたどしくベルから聞いた話を、特徴を伝えるヘスティア。
「な、なんだい? 何か知ってるのかい?」
「忘れろ、ドチビ」
「へ?」
「そうね。それと、その
「ヘファイストスまで………なんだよ、気になるじゃないか」
忠告ぐらい良いだろーとぶーたれるヘスティアだが3柱はやはり答えない。
「名前を知ってるだけで場合によっては捕まるのよ。下手に口にするのも、憚られるような存在よ」
フレイヤの言葉にそんなに、と驚愕するヘスティア。ヘスティアとしても、ベルを助けてくれた御礼を言いたかったのだが……。
「………解ったよぉ。あ、そうだ………実はヘファイストスに頼みたい事が」
「お金なら貸さないわよ?」
「お金じゃないよ。ここで話すのも何だし、場所を変えようぜ」
ヘスティアとヘファイストスが去ったあと、残されたロキとフレイヤは無言。そして、ロキが先に口を開いた。
「どう思う?」
「彼は死んだわ。貴方の所の子が殺したんじゃない。己をボンドルドと名乗って、
他にない、澄んだ魂。ともすれば最近見つけた白兎に匹敵するほどに透明。だが、違いがある。
白兎の魂は透明であるが輝いている。彼の魂は、透明であり、深い。全能の神にすら見通せぬほどに深く、奥の闇は全てを飲み込む怪物の口のよう。あんな存在が何人も居るとは思えない。
「そうなると、彼奴の部下が名乗り始めたか? 案外、『
「数百年前から名前の記録があるものね。でも、だとしたらまた活動する気なのかしら?」
フレイヤの言葉にロキが眉間にシワを寄せる。
黎明卿ボンドルド。少なくともロキが地上に降臨する以前から存在した『
暗躍………してただろうか? 割と平気で表に出てたかも。
ダンジョンは生み出すより治すを優先する性質があり、壁や床などを破壊しておくことで一時的な安全地帯を作れることを発見したり多くの階層を開拓したりしたダンジョン攻略を進め、魔道具などでオラリオを発展させた男。
しかしその正体はオラリオを恐怖で満たしていた
しかも後々調べてみれば死体はヒューマンなのに、その名前自体は数百年前から確認できた。偶然と片付けるには、功績と彼の普段の行動が余りに似通いすぎていた。
「仮に新しくボンドルドを名乗る奴が現れたとしたら、つまり纏める奴が現れたっちゅー事やな」
「面倒ごとは、勘弁してほしいわね。あの子の魂が翳ってしまうわ」
ボンドルドは討伐後、徹底的にその名を歴史から消された。元々名声に興味がなく外ではあまり知られていない
ボンドルド以外に出すべきでしょうか?
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出さないで。どうせひどい目に合うんだろ?
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出そう酷い目も、まあボンドルドの魅力
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異端児は興味深いですね
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おいばかやめろ