オラリオが混乱している。モンスターが逃げ出したからだ。そんな騒ぎを今日もオラリオの民は元気だねぇ、と聞き流す仮面の男。
そろそろ人目もあるから仮面を取り路地に出る。
「さぁてと、エニュオはどんだけ被害を出せるのかね?」
しかし何故こんな事をするのか。探し物は見つかっているのに。自分の目で確かめたいと言っていたが、
「旦那は旦那でそんな神のあり方を良しとするからなぁ。あの酔っぱらいといい、死神といい、『それが貴方という神のあり方なのですね』の一言で受け入れるのはよして欲しいぜ」
集団的狂乱と陶酔を司る神しかり、死を司る神しかり、神の中には人々が忌避する形で人を愛する者達もいる。そんな神々を、自分の上司はあっさり受け入れる。
彼の愛はとても深い。いきていても、死んでいても、肉片になろうと欠片になろうと廃人になろうと愛を注ぐ。絶望していようと殺されそうになろうと………だからこそ、歪な愛を持つ神々の気持ちを理解する。理解しすぎる。そんな神々さえ、嫌う………否、恐れるほどに。
「ま、そんな旦那に憧れて、旦那になろうとしている俺も大概狂ってんだろうけどな」
自覚はしている。自分達が人と外れていることを。それでも、誰もが心の何処かで諦めていたり、そもそも興味を持たないダンジョンの秘密の解明を果たそうとするあの背中に憧れた。
故に祈るのだ。何時かそこに辿り着く事を、彼の一部となって見届けることを。
「我等は祈りの手。貴方に武器を向けず、全てを差し出す貴方の手足………なんつってな」
祈る時手を合わせ指を絡めるのは、つまり武器を持たない、何もしないという意思表示。すべてを相手にゆだねるという姿勢。
彼等はその名の如く、全てを己の主に捧げた。文字通りの、全てを。肉体も、脳も、魂すらも。
──おやおやおや。素晴らしい。グェイラは詩の才能がありますね
そんな声がマジで頭の中から聞こえて、青年、グェイラはちょっとだけ恥ずかしくなった。
仕事としてはとある魔石の回収だ。まあ、それにはエニュオとエニュオに貸し出されている同僚が上手くやってるだろうから、本音を言えば人々の頑張りを見るのが仕事だろう。上司は人々が懸命に意思を通す姿が大好きだし。ちょうど、兎みたいな冒険者が主神であろう神と共にモンスターから逃げていた。逃げているのだが、その目は恐怖に染まりつつも覚悟に満ちていく。
「旦那の好きそうな、前に進む願いを持った目だな。ちょっと見てみるか」
グェイラはそう呟くと少年の後を追う為に走り出した。直接追っていたらモンスターに見つかる可能性もあるから、屋根伝いに。
というかエニュオ、運がないな。何故か【ガネーシャ・ファミリア】の捕らえていたモンスターが逃げたせいで、一般人が避難してたり冒険者が街中を駆け回ったりで大した被害は出ないだろう。
ちなみにアンケートを取っておいて今更ですがリヴィラの街にメイアビのキャラを入れます。異端児じゃないよ
ボンドルド以外に出すべきでしょうか?
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出さないで。どうせひどい目に合うんだろ?
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出そう酷い目も、まあボンドルドの魅力
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異端児は興味深いですね
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おいばかやめろ