おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する 作:親友気取り。
1 天ぷら転生
いわゆる神様転生って奴、テンプレの。
貰ったのはオンラインゲームであるファンタシースターオンライン2……通称PSO2の魔法や技(ゲーム内用語でそれぞれテクニック・
やってみたいね。傷ついた仲間に「
蘇生アイテムのムーンアトマイザー? あれって完全死亡でバラッバラになってても生き返んの? 使う場面がこなきゃいいけど。
で、だ。
ここはどこでせう?
見渡す限りは森、森、森。森が三つ集まって……森になるのに必要なのは木だ。
ともかく大自然の中にいた。ここはどこだ、まさかナベリウスじゃあるまいな。
実はと言うと、転生先の世界はまったく知らされてない。なにぶんランダムらしくて。
故にどの世界に行ってもある程度通用するアークス一式で来たけど、餓死の予感。
転生先がドラゴンボールだったらどうしてたって? 頑張ってヤムチャポジに落ち着いて途中離脱するか、あるいは元から関わらんようにするかの二択っしょ。
「しっかし、でけぇ木だ」
自分が小人にでもなったんじゃないかって感じ。
つか、俺の声高くね?
脳裏に過ぎるは確かな予感。
視線を下げる。
「幼女じゃねぇかぁあああああああああああ!」
あんのくそ神がこの!
確かにアークスのステータスが欲しいとは言ったけどさ。
何も身体ステータスまで同じにする必要ないだろうよ。
「性癖がバレてしまう……!」
何を隠そう低身長。いわゆるロリである。
よろろではないように頑張ってキャラクリした覚えはあるけど、もしこれがアークス的な身体だとしたらキャラクリ設備のエステでも行かない限り成長しないぞ。
ここがファンタシースターの世界である保証はどこにもない。
つまりエステがない可能性が大いにある。
「オレは、永遠に幼女のままなのか……?」
ショートカットの金髪に灰色の目。そして大人の半分位しかないとても小さな体。
自分で言うのもなんだが、美人でもなんとかならんこともある。
それは森を抜けて街へ出て、これからどうするか悩みつつのんびりと歩いていた時の事。
街を見る限り現代社会と変わらないのを見てよくある中世世界を想像していたばかりに、深い絶望に陥りそうになった。
それはもう、深遠なる闇でも生み出せそうなほどに。
戸籍も無ければ家もない、今日の飯も怪しいとかハード過ぎん?
戦う世界を前提としていただけあってつらたん。
それに気が付いた俺はため息と共に、せめてかわいい幼女で助かったと自己暗示していく。
というかあれだ。アークスの扱うフォトンって確か感情が負に傾くとその影響でやばいことが起きるんじゃなかったっけ。
「もしかしてオレってフォトン持ってるし下手すると宇宙やばい?」
「君、ちゃんと質問に答えてくれないかい?」
それはともかく、ええ。職質です。
いやさ、昼間っから幼女が若干現代からちょっと外した服装して外歩いてたらこうなるよね。