おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する 作:親友気取り。
それと今更ながら今回はリコおっさんによる特典の解説回です。
PSO2の知識が求められる上に普段の倍な文字数ですのでお気をつけを。
足りない説明、分かりにくい説明等については都合よくお願いします。技量不足です。
あとザリガニ。
現在地は森。
そう、俺がこの世界へ降り立った場所である。
この世界へ来てから俺はアークスとしての力を振るうことはほぼなく、唯一輝いたのはアリサ&すずか拉致事件と森林トマト殺人事件の時だ。
だが最近になってどうも嫌な予感がしてきたというか、シグナムらのように魔法を使える守護騎士とかいうものが存在していたり闇の書とかいう明らかにダークファルスの親戚的な物があったりとフラグがどんどん出来てきているのだ。
神様転生のテンプレ的にこのまま何もないのは楽観的。今の平和がいつまで持つかわからない。
闇の書がガチでダークファルスだった場合、本の所有者であるはやてを依り代にしてくるはずだ。というか怪しいけど捨てられないとか言っているので割りと精神持ってかれてる気がしてる。
クラリッサがあればPSO2のストーリー内でやってたように闇を吸って無理矢理奪うこともワンチャンできたけど、残念ながら手元にないしパス。
後ははやてよりも優秀なボディとして認めてもらい乗っ取りにくるのを待つか、過去作でワイナールがやってたように悪役ぶってダークファルスをこっちに誘導するか。
相手の正確な正体がわからない以上、下手に手を出して取り返しのつかない事をするわけにも行かない。
ファンタシースターシリーズは総じて生贄的に誰か犠牲になるからな。
はやてにはとても感謝をしている。
助けられるのであれば、例え命を賭ける戦いになろうと立ち向かってみせる。
シグナムがちらっと言ってた管理局とやらと連絡が取れれば正体もわかって対処もしやすいんだが……。
少し遅くはなったが、そんなこんなで万が一に備えて自分の持つ力や能力の仕様を把握しておこうと思い立ってはるばる誰も来ない森へ来た。
物事を始めるのに遅すぎると言うことはない。
思い立ったときに行動することが重要であり、結果論は理想に過ぎず。
まずは初心に帰り、俺自身を現在構成しているモノについて。
一つはオラクルで少し強い一般アークスとして戦い抜いた過去リコ。
もう一つは、かつて男であった“俺”という主人格。
これは言ってしまえば特段どうでも良い。
まとめれば“俺”の精神がリコの肉体という器に収まっているだけなのだから。
だが次にくる、有している知識。これがくせ者だ。
俺を構成しているモノは上記二つなのに対して、有している知識は大きく分けて三つになっている。
一つはボディである過去リコが経験した事柄と、その記憶。
もう一つは、プレイヤーとしての知識。
最後に来るのは“俺”の所有していた意味記憶。
俺は“俺”の人格を保っていると自称はしているが、一般ピーポーしてた“俺”が人を守る使命の為に身を盾にする事への躊躇いがないのは過去リコの影響も受けているとは思う。
二つ目と三つ目を分ける理由だけれども、それは“俺”の過去、エピソード記憶が過去リコに上書きされているのに対してプレイヤーだった時の知識経験は全く色褪せないのだ。
それどころか、プレイヤーだった“俺”が知らない事もまるで攻略サイトを見たのかの如く分かる。
例を挙げよう。
過去の俺の名前はなんだと思い出そうとしても「自分の名前は昔からリコだ」となるのに対し、効率の良いメセタ稼ぎはと考えればメタフィクションな事柄……つまりオラクルに住むアークスとして生きていれば絶対に観測できない
あまり使わない各クラスの
過去リコと“俺”の知識だけでは保有する武器アイテムを使いこなせない為にこのような仕様になっているのか、あるいは“俺”のエピソード記憶が全て置き換わった時に主人格がリコへ切り替わるのを防ぐためなのか。
転生させた神のさじ加減はわからないが、言い換えれば頭の中に限定的な知識とはいえwikiが入っているのも同然な状態だ。
続いては手にしているPA、テクニック、クラススキルに武器防具とアイテムもろもろについて。
一つずつ見ていこう。まずはPAとテクニック。
俺……というかリコはテクターハンターなので全テクニックは使用可能、サブクラスのハンター武器のPAも使用可能なのはゲーム通りで間違いはない。
しかしパスタと華麗なる死闘を演じた時にトマトを粉砕するためさりげなく放ったスライドアッパー。あれはサブクラスでもないファイターのPAであり、もしリコが使うのであれば武器固有PAが設定されたナックルを装備する必要がある。というか、そもそも仮にサブクラスがファイターであっても素手では放てない。
ではどういうことか?
その実験をするために誰もいない森に来て、ブレイバー武器のパレットボウを手にしている。
そう。手にしている。
ゲームではメインクラスが異なれば装備すらできない武器を、堂々と持っているのだ。
弦を引き矢を放てば当然発射されるし、過去リコの感覚に合わせて使えばPAも出せる。
これはどういうことか?
バレットボウをしまって他の武器種を手にとって見ても同じように問題なくPAは出た。
素手でナックルのPAが使えるのだけは未だに謎だけど、考えるに今の俺は神のさじ加減で全クラスの武器を使用可能な状態になっているのだろう。
そうなると気になるのはクラススキルだ。
手っ取り早いのはレンジャースキルのトラップを使うこと。
というのも、ゲーム時代に全スキルツリーリセットパスを使ったままレンジャーは放置されスキルポイントの振り分けをしていない。
つまりスキルで獲得できるトラップ系の動作が使えるようになっているのならば、神のさじ加減でポイントが勝手に割り振られている可能性がある。
「で、使えたわけだが」
意識したら出現したスタングレネード。
投げてみたら普通に爆発した。うおまぶし。
これはいい。
が、同時に悩む。
なぜならかつてはアクティブスキルであった物でも現在はパッシブスキルへ移行している物が多く、スキルが存在しているかを発動させて確認といった作業ができないのだ。
どのパッシブスキルを習得しているか、そしてどれ程の効果があるのか確認できない。
一番注目しているアイアンウィルの挙動が怖いな。
確率で即死を防ぐアイアンウィルに一体何ポイント割り振られている?
確かめるために自害して、もし発動しなかったら?
発動した場合、その確率を求めるために何度も自害する気はない。
この辺はドールやムーンアトマイザー等の蘇生アイテムの挙動がどうなるかというのもあるし、期待はせず扱った方が賢明だろう。
でぇじょうぶだ、ムーンで
拉致事件の時にオートメイトが発動しないラインからモノメイトを使って回復しても貧血になりふらついたのも追い風だな。
ここはゲームではなく現実、回復系統はチート性能になりやすいので相応に弱体化されたと考えよう。
まぁともかく、命大事にだ。
ギャグ補正でなんとかなりゃあ良いんだがなぁ……。
フォトンフレアやマッシブハンターが使えれば上々。
特に嬉しいのは、驚くべきことにメインクラスに設定していなければ使えないスキルも扱えている点だ。
ウィークバレットとかいう付けられた方にはたまったもんじゃない弱点付与を使えるとか最高。
そして特にカタナコンバット! 実戦で使うしか効果の確認はできないけど、もしかしたらコンバットエスケープで無敵になれる可能性がある。
バトルジャンキーシグナムに頼んで実験に付き合ってもらうのも悪くないかも。それほどの価値がある。
次は保有する武器防具、アイテム類について。
武器は各クラスのコモン武器から過去リコが所有して現在も使用しているラヴィス=カノンまでのようなレアまで多種多様に持っている。
最高レアまで苦労なく手に入るのは、何かとても寂しいものがあるな。
その気になれば他のクラスとしても戦えるので、今まで散々言ってきた殴りテクターとかは全部自称となった。まぁ過去リコも“俺”も馴染みのある殴りテクターで戦う所存なのでこれからも自称していこう。
脳内wikiもあるし、その内アークスと似た武器を持った奴が現れたら師匠として振る舞って見ようかな。
ツインマシンガンとかナックルとかのPAならぎりぎりやってくれるかな。
まぁ、都合よくそんな限定的な二つを引っ提げた奴らが来るとは思えないけど。
防具の方はというと、特化装備からバランスまで様々。リングも全部ある。
当然ながら装備個数の制限や取り替えの手間もあるので、戦闘中に切り替えるなんてできないが。
最後に残ったアイテム類。
これがなかなかまぁなんというか、使いどころでどうとでもできるというか。
モノメイト等の消費アイテムは事実上無限に使えるみたいだけど、取り出せてアイテムパック外に置けるのはゲーム中と同じ個数だけ。無限に出せたらメイト工場として楽に稼げると思ったけどそう上手く行かないか。
あとはそう、ギャザリングで手に入る素材や料理ショップで手に入る料理もあった。
こっちは取り出し制限は特にないしできたてで出てくるものの、使えば使うほど料理人として負けた気分になる。非常食扱いでいいか。
クラリスクレイスのチョコはいいのかって? あれはなぜか腐って出てくるから……。
そういえばゲーム中で使えてたダークブラストはどうなるんだろ。
使えるならPAやテクニックを使用する時と同じようにそういう感覚がするはずだ。
強力な力が手に入るのは喜ぶべきことだけど、化け物の姿を見せてしまえば怯えられてしまう可能性が大いにある。
……背に腹は代えられないような、よっぽどのことがない限りやめておこう。
む。ひとの気配。今日はここまでか。
片付けて近くの池の前に座り込み、用意していた言い訳グッズを展開する。
「リコちゃん!? こ、こんなところで何してるの!?」
「なんだ、誰かと思えばなのはか」
にしてもなんでここに?
「その言葉、リコちゃんにそのまま返すの」
ふ、甘いな。
振り返り手元を見せてやる。
「割り箸に、糸……?」
「その通りだなのは女史。オレは、黄金のザリガニを釣りに来たのだ!」
「ざ、ザリガニって……。リコちゃんって意外と子供っぽいの」
なんだとぉ……。
「体が幼くて頭も幼いだけで子供っぽいと言われる筋合いはない」
「それもうただの子供なの」
だって折角なら子供っぽいことしたいじゃん!
割り箸にタコ糸と餌つけてさ!
なのはもザリガニ釣ろうぜ! ぜってー後々で良い思いでだったなぁとかなるし、いつか子供ができたらザリガニ釣りを思い出すぜ!
「こんなことで怒るの!?」
「怒るに決まってらぁ!」
ザリガニ食えよぉおおおおお!
「食べないよ!?」
※ 2019年3月までのデータに対応しております。