おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する   作:親友気取り。

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2-3 お前も家族だ

 地面までは軽く数十メートル。

 ゲームならばどんな高い所から落ちたとしてもケロッとしてたけど、ここは現実。

 タマヒュンではなくお腹の奥がぶわってなる、つまりやべぇって感じ。

 え、ちょっと待て。これガチ死?

 せっかく機転を利かせて白星飾ったのに、着地を想定せずに死?

 

 ジェットブーツで降下をって武器パレットに入れてないしあああああああ

 

 

 

 

「うわあっ!?」

 

 どん、と衝撃が走り視界が二転三転。横のベクトルが俺を襲い、地面に吹き飛ばされる。

 いってぇ……。いってぇが、真っ逆さまに落ちるのだけは回避できたし怪我こそすれ死は免れた。

 

「リコ、無事かっ!」

 

 顔を上げれば、そこには剣を構えたシグナムの姿がある。

 そうか、ぶっ飛ばすかなんかして助けてくれたのか?

 身体中が痛いし荒っぽいやり方だが、助かったのは事実。

 親指を立てて無事アピール。

 

「酷い怪我だな」

 

 助かりはしたけど、あなたの見ているその怪我の数々は今コンクリを転がってできたものです。

 

「やっぱり怪我はなかったようでなによりだ」

「おい、なかったことにするんじゃねぇ」

「怪我一つなく無事で良かった」

「おーい、聞いてるかーい」

 

 冗談きついぜシグっち。

 

「敵は逃げたのか?」

「みたいだけど、また狙われるかもな」

「魔法を使っていたようだが管理局か?」

「オレにゃ判断つかんよ。知らないんだから」

「……また来そうか?」

「たぶんな」

 

 俺の扱いも気になるが、一番気になるのはさっきの連中か。

 時々名前を出してたフォトンを知ってるのは百歩譲っていいとして、エミリアの名前。

 

 エミリア・パーシバル。あるいは時系列によってはエミリア・ミュラー。

 過去作品の登場人物で、PSO2では期間限定のイベントキャラだっただけのエミリアの事は一度だって話した事もない。

 努力とか言ってたし、あいつらちょっと知ってる程度じゃない。

 

「どうした?」

「なんでもない」

 

 エミリアの努力とすれば、やっぱり才能を生かした研究の事だろうか。

 所謂天才キャラな彼女は、作中では亜空間航行の実験をして別作品に飛んだりしていた。

 異世界に渡る技術努力をしてはいただろうが、俺がここにいるだけで努力を踏みにじる事にはならないと思う。

 そもそも、何の努力かも確定してないし別な理由もありか。

 

 わからないことだらけだが、エミリアが直接関わっている訳ではないと思う。

 フォトンを扱える奴がいちゃいけないってなら、エミリアもいないはずだし。

 

 うーん、わからん。

 来てほしくはないが、また来てくれてかつ会話に乗ってくれるのを願うしかない。

 

「しっかし、なんでオレをピンポイントで狙ったかねぇ」

「……存在しているだけで邪とされる者もいる」

 

 割とそれきつくない?

 

「服もボロボロだな。私の上着を貸そうか?」

「いや、着替えはある」

 

 アイテムパックの装備欄、選ばれたのはラッピースーツでした。

 これなら怪我もぼろぼろの服も隠せるし丁度いいな。

 

「これからはやてを迎えに行くんだろ? オレはいいから早いとこ行ってやれ」

「いや待て、ちょっと待てお前」

「んだよ。オレの心配はいらねぇよ」

「私はものすごく頭を心配しているぞ。とにかく、普通の服に直せ」

 

 拳をプルプルさせないでもうちょっと乗ってくれてもいいじゃんかさ。せっかく着たのに。

 装備変更。装着するはアークスダッフルFの黒タイツ添え。

 

「それでいい。シャマルが向かっているから怪我は治して貰え」

「オレも後衛職だし自分で治せるぜ?」

「戦闘後だろう。無理をするな」

 

 残念だがアークスは効率化の為に高難易度の土地を永遠周回(マルグル)したりしているし継続戦闘能力は高いぞ。

 それレスタ。ほら傷も治った。

 

「だからまぁ大丈夫だぞ……って、おとと」

「そんなふらふらでよく言う。ほらしっかり立て」

 

 しまった、レスタで怪我は治せたけど疲労とかは残ってるか。

 頑張れ我が肉体。気合いだ気合い。

 

「シャマルが来るまでそこで休んでいろ」

「だな。悪ぃ……ってちょっと待て、なんだその運び方」

 

 小脇に抱えるなよ。俺ちゃんが軽いからってよ。

 

「アークスはこうやって運ぶのが普通なのだろう?」

「はやてのタレコミか……!」

 

 いつしかの仕返しかこの。

 そのまま運ばれてベンチに座らされる。

 今更だけど怪我はシグナムが投げ飛ばした所だけじゃなかろうか。

 めっちゃ被弾はしたけど、あの男達の攻撃で怪我の一つもしてないのか。

 

 ん、あれ?

 初手拘束だったしもしかして殺す気なかった?

 なんなんだよもう。ちゃんと話してくれよ。

 

「リコちゃん、怪我の方は?」

 

 悩んでいたらシャマルが到着した。

 入れ替わりにシグナムが去っていく。

 

「自分で治した。後は疲労だけ」

「無事で良かった……。色々気になることはあるけど、一旦帰りましょうか」

「……良いのか?」

「え?」

 

 確かに襲撃者を撃退したけれど、あの二人組がまた俺を狙ってこないとも限らない。

 はやての事を守る騎士としては、狙われて闘争の原因になる俺を追い出したいと考えるんじゃなかろうか。

 

「そんな訳ないじゃない。リコちゃんも家族の一員よ?」

「……そうか」

「家族だから、リコちゃんの事も守るの。だからシグナムも飛んできた」

 

 そっか、そうなのか。

 最近扱いが雑な気がしてたから、てっきり俺の事が嫌いなのかと思ったぜ。

 

「むしろその逆よ。みんな好きなの。馬鹿で、うるさくて、それで少しお間抜けなリコちゃんが」

 

 すごい感動的な場面な筈なのに罵倒されてる気がしてならない。

 

「気のせいよ」

 

 そっかぁ。

 

「でもありがとよ。へへっ、すげぇ嬉しいぜ」

 

 ならば、俺もそれに応えなければなるまい。

 自称守護輝士として、八神家を守る者となろうじゃないか。

 

「さ、帰りましょ?」

「だな。――って待てシャマル。お前もその運び方か」

 

 お前ら小脇に抱えるの流行ってるの?

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