おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する 作:親友気取り。
なのはとの修行は順調。
向こうは持ち技の精度向上がメインなので、順調なのはどちらかと言うと実験をしていた俺の方だが。
おかげで、空中を移動したりといった芸当ができるようになったのだ。
ジェットブーツの空中制御がゲーム以上に融通が利くと発覚したのが一番でかい。
手にウォンドを持てないので殴りテクターとしては失格だし、PAを使わないと移動速度が遅いのがネックだけど。
それでもテクニックで応戦はできるし、無いよりかはマシだ。
その他にもランチャーに跨るロデオドライブ零式、拳からフォトンを噴出するストレイトチャージ零式、ソードでサーフィンなライドスラッシャーが使えると踏んだ。
中でもライドスラッシャーが割と優秀で、止まれないことを除けばジェットブーツと同じように扱える。ただしこちらは向こうと違い、止まれない代わりに移動速度は速いので使い分けをしていけという事か。
急行するならロデオドライブがそれより速いし、ストレイトチャージも空中制御の補助に使えるのでいらない子ではない。他のPAと同時でなければ武器を持っていなくてもナックルのPAを出せるのはいいね。
ちなみにテクターでよく使う移動技として存在するイル・ゾンデだけど、あれは危険なのでやめた。
確かに移動速度は速いし空間を自在に動けるし体が慣れているのか俺の頭でも制御のしやすい良い事尽くめに見えるが、目の前が光って視界が奪われた状態なので下手すると味方も轢いてしまう。ヴァニラ・アイスか何かか?
零式サ・フォイエなんて持ってのほかで、停止と共に爆炎をまき散らすので危うく山火事になりかけた。
水鉄砲のレスキューガンがなければえらいことになってた。ありがとうバーニングレンジャー。ありがとう俺のバーニングハーツ。
ツインマシンガンの空中戦も危ないのでなし。周りに敵しかいない状況ならいいんだけど、下手すると味方に当てちゃうからね。フレンドリーファイアがあるのか知らんけど。あとめっちゃ疲れる。
そして驚きなのが肝心なPPの上限。色々試したけど、未だに切れたって感じはしたことない。これ一番の壊れ性能だと思います。
そういえば依り代としてるリコボディが深遠なる闇との決戦であるストーリーEP3までしか経験してないのが影響しているせいなのか、その後に追加されたヒーローとかの後継クラスの動きはできない。知識にはあるので試したけど無理だった。
全武器持てるし全クラスかやったぜとか思ってたのに。詐欺だ詐欺。
ただし、EP4で追加されたサモナーやレイヤリングはできる。これがわからん。色々なんかちぐはぐである。
舞台にもなった地球だからと、神がサービスしてくれたんだろうか?
そも神とはなんだろな。なんでこんなサービスしたんだろ。つかどこの神だよ。地球の神か。
サモナーはともかく、服装のバリエーションを出せるレイヤリングがあるのは助かるけどさ。
あ、てことはダークブラスト使えないじゃん。
なんか出そうな雰囲気出てたのは気のせいだったのかな。にしては今もやれば出来そうな感覚はしてるけど。
色々気になる点ができてしまったけど実験は切り上げて、あとはジェットブーツの安定性を重視、ライドスラッシャーは細かい制御ができるように練習してみるか。
空中から一方的に撃たれるのはもうこりごりだ。昔は弾幕シューティングをやり込んで蜂と呼ばれるボスに挑んだこともあるけど、機動力がないんじゃ避けられない。
高い身体能力も早いとこ身に覚えさせて空戦可能殴りテクターになりてぇぜ。
自主練を終えて、翠屋でバイト。んで帰りに図書館へ寄っていく。
どうせはやても図書館にいるだろ。っていうか行くって言ってたし。
つか、いたわ。
「てなわけで来たぞ」
「来たんか。別に一人で帰れるしええんに」
「オレはいらねぇってか」
「せやで。せっかくすずかちゃんと良い感じやったのになー。残念やなー」
すずかって、あれか。フレンド申請無視した紫ヘッド娘。
横に目を向ければ会釈されたので、アークス式の挨拶である軽く右手を上げるモーションで返答。
「やった、わたしの勝ち」
「負けたぁ」
なんの賭けさ。
「もしリコちゃんが来たら、どの動きで返事するかって2人で予想してたんよ」
「はーん、なるほど。はやてはオレが頷きだけで返すと思ってたか」
「お、自分の癖ようわかっとるやん」
「別に突然ダンスで返しても良かったんだぜ?」
「リコちゃんって踊りもできるの?」
「いや乗っちゃダメやで」
侮りやがって、俺のダンスエナジーを舐めるなよ。
食らえ! ダンス6男モーションだ!
「図書館では静かにお願いしまーす」
「はい。すみません……」
…………。
…………。
「な、すげぇだろ?」
「アホやろ」
静かに拍手をするすずかが唯一の慰めだった。
けど煽ったすずかが悪いと思います。
「うわー、すずかちゃんのせいにするとか引くわー」
「何したって引く気だろ」
「せやで」
「ご、ごめんね?」
許す。
それはともかく、お前ら仲良かったんか。
「今日知り合ったんよ。と言っても、今までニアミスだったみたいやけど」
「そうなの? 話したいならすずかもオレに言ってくれりゃいいのに」
「直接話をしてみたかったから」
「オレはいらねぇってか」
「せやで」
なんではやてが答えるんだ。
まあいいや。
「せっかく来たんだし、偶にはオレも本を読むか」
「あれ、日本の文字読めたん?」
「おまっ、初日に新聞読んでたろオレ……」
「そうやっけ」
「つうか日本語で話してる時点で大丈夫だと気が付け」
失礼なやっちゃな。
「そういえば、リコちゃんの星の言語ってどういうの?」
「日本語」
「本当に宇宙人なのかな……」
すずか女史、その疑問が一番つらい。
仕方ないだろ。何の疑問もなく日本語で話してるんだから。
もしかしたら自動翻訳が働いてるんだろうけども。本当は俺がどっちの言葉で話しているのかは俺自身も謎。
伝わってればいいかなって。
「じゃあ文字は?」
お、それなら書けるぞ。オラクル文字。
リコボディの手癖ですーいすい。
完璧だけど、元が崩れたみたいなフォントなので落書きにしか見えねぇ。
これから宇宙人をやめてラクガキの王を自称してやろうか。
「でもこれはこれで宇宙人っぽいなぁ」
「そうだね」
「意外と好評で何より」
「もし書けんかったら宇宙人呼びやめようか思うたで」
俺から宇宙人のアイデンティティを取ったら何も残らないじゃないか。
「充分色々残ると思うんやけど」
幼女の見た目とおっさん成分しか残らないとは言わないでおこう。
いや、水と油みたいなのが混在してる状態だしインパクトはあるか。
「もぅまぢむり。絵本読も……」
「漫画読むかと思ったら、絵本持ってきた……」
「意外とかわいいところあるやん」
幼女には絵本が似合う。
という訳でもなく、折角子供な見た目なんだしたまにはいいかなって。
「よく忘れるけど、一応働ける年齢なんよな」
「そういえばそうだね」
年中落ち着きなく無駄にテンション上げて高い能力を全く活かす事なく翠屋でバイトして家に帰れば永遠ごろごろしてるヒモニートは脱出したけどフリーター止まりな穀潰し宇宙人だとでも言いたげな顔だなぁ!
「ものすごい言い掛かりつけてきた」
「思わずお金払いたい位やな……」
へっ、ありがとよ。
「図書館では静かにお願いしまーす」
……。
……。
「オチついて良かったやん」
落ち着いてないからこうなったんだと思う。