おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する   作:親友気取り。

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誤字報告乱舞ありがとう!
情けない筆者で申し訳ない……(自決)


2-14 アークスカード乱舞

「こんちゃーす、おつかれさまでーす」

 

 さあさあ、やってまいりました翌日の翠屋。

 個人的にここを乗り切ればイベントラッシュも終了してようやく一息つけそうな気がするので頑張りどころ。

 気合い、入れて、行きます!

 

 一応昨日の時点でお店側には連絡をして、なのはの友人が来たらバイトを抜ける事は伝えてある。

 いつ集まるか聞いてなかったからね。故に今日は開店前から出勤である。

 

「我が掃除テク、見せてくれよう」

 

 今日の俺はご機嫌だぜ。

 別にシグナムの膝枕で回復したとか以上に、最近全然姿を見せなかった例の猫をやっと見かけたのだ。

 野良猫っていつの間にか姿を消すからここしばらく心配だったんだよ。遠くからくるこの視線も今や心地よい。野良猫なのかは疑問だけど。

 

「でも驚いたよ。ストーカーの正体が猫だなんてね」

「今日見かけてまた視線を感じるようになったし、もう猫で確定かなって。なんか懐かれるような事したかな。悪い気はしないけど」

 

 ちゅうか俺もストーカーだ出待ちだとかで大事にしたくなかったしね。

 だってさ、誰も突っ込まないけど俺ってさりげなく住所不定よ? 戸籍もない。

 下手にこの辺を警察に詮索されると八神家だけでなくそれを雇ってた翠屋も迷惑を被る。

 

 猫でいいやとしたのにはもう一つあって、明らかに人間的な思考で俺の事を付け回してる。たぶんザフィーラと一緒で誰かに飼われたビーストなんだろう。今日久しぶりに見て、野良猫じゃなかったんだなぁって思いました。まる。

 目的も正体も分からんが地球の警察の手には余るだろうし放置。

 来るならかかってこい。

 俺の内的宇宙を漂うリコの精神が闘争を求めている。

 

「ふんぬぬぬ……」

「危ないから高い所は俺がやるよ」

「すんません」

 

 拉致の時もそうだけど、俺の唯一の弱点はこの身長だけだな。軽いせいですぐ持たれたし。

 棚は士郎さんに任せて窓でも拭こうと向いたら、一瞬猫と目が合った。

 すぐに引っ込んでいなくなったけど。

 例の猫だな。窓を開けて、下を向く。

 

「よ」

「にゃ、にゃあ」

 

 この世界で俺を付け回すのなんて仮面くらいだし、あいつの手下かな。

 上司の下の仮面のさらに下の猫ってか。かわいそ。

 でも猫はかわいいから許す。

 

「これオレの名刺的な奴な。連絡先書いてあるから飼い主さんに持って行ってやれ」

 

 アークスカード(物理)をさしあげよう。

 これから会うフェイトとその仲間連中にも折角だから渡すし、帰ったらまた量産しなきゃ。

 

 

 

 

 

 

「お話しないじゃん……」

「リコちゃん。混ざりたいならもう抜けていいのよ?」

「お呼ばれしたら行きますよ。仲良しの輪に入れませんし」

 

 昼のラッシュを終えて、休憩に入り、はやてのお弁当(おいしい)を食べ、開けで仕事に戻ったら店前に展開してる席にフェイトとなのはとすずか&アリサのちびっこ達が集合してた。

 お弁当食べてる時にフェイトから来たよって電話来たから知ってたけど、呼んどいて仲良しアピールを見せ付けられるとか疎外感がパない。

 というか、フェイトの仲間ってあいつらなの? やっと管理局とコネ作れたと思ったのに。

 

「リコちゃーん!」

 

「……お呼ばれしてるみたいよ?」

「みたいっすね。じゃ、上がりますか。お疲れ様でーす」

 

 仲良し4人組に入るのとか抵抗あるんだけど。

 それに絶対アリサとかすずかって一般ピーポーだから関係ないでしょ。

 重い腰でバックヤードに入って、蒸着!

 ……まあ、地球産の冬服なんだけど。はやてのセンスが光る。気分は親に服買って貰う感じ。

 

「ういっす」

「来た来た。あんたにフェイトの事紹介したかったのよ」

 

 というがアリッサ。俺昨日あったんだけど。

 まあいいや。フェイトが初めましてと挨拶したから俺も返そう。

 

「オレはリコ・クローチェ。クラスはテクターハンター。以後よろしく」

「テクター……ハンター……?」

「リコの持ちネタみたいなものだから気にしちゃだめよ」

 

 おいアリサ。久しぶりなのにずいぶんな挨拶だな。

 だがここは寛大な俺。怒る事はなくむしろ名刺を配るぞ。

 フレンド申請ができないなら手作りアークスカードを配ればいいじゃない。

 

「はいどうぞ」

「あ、ありがとう……」

 

 昨日フェイトには既に一枚渡してるから無駄になったけど、初めましてと会話を開始されたら合わせなければなるまい。

 どうぞ持ち帰って配ってくれ。何ならもう数枚差し上げよう。

 

「すごい、リコちゃんこれ自分で作ったの?」

「分かるかすずか。ここのハンコは頑張って作った」

 

 頑張ってPSOのセクションID「WHITILL」を掘ったのだ。リコって名前だしね。

 無駄に俺超がんばった。

 帰ったらまた量産するよ。だからもう数枚差し上げよう。

 広がるフレンドの輪。

 

「リコちゃん、昨日の夜にフェイトちゃんと会ってなかったっけ?」

 

 なのはァ!

 話を合わせろよデコ助野郎!

 

「リコ違いじゃねぇの?」

 

 フェイトが苦笑いをすると共に気が付いたようで、慌ててそっかーなんて言ってる。

 

「ち、違うリコさんだった。だよね、フェイトちゃん」

「そうそう」

 

 おもっくそ怪しいが、アリサとすずかはそれでごまかされたらしい。それでいいのかお前ら。

 そんなしくじりなのはにはリコちゃんカードをプレゼント。

 

「いらないの……」

 

 俺も不良在庫いらないから。

 

「ついに本音を話したわね」「ね」

「アリサにすずか。オレ理解した気になったのならお近づきの印に倍プッシュだ」

「罰ゲームかな?」

 

 頑張って作った名刺(アークスカード)を罰ゲーム扱いされてる俺の方がつらいんだけど。

 

「何枚も渡すのが悪いと思うの」

「それ芋のハンコだからせっかく作ってもすぐダメになっちゃうんだもん。いっぱい作っていっぱい配らなきゃ」

 

 しかもそのセクションIDのマークって結構難しかったし。

 「YELLOWBOZE」とかだったら作りやすくて良かったのに。

 


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