おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する   作:親友気取り。

34 / 76
本編が始まるとなかなか日常回に戻れない罠。
それと誤字報告ほんっとにありがとう!


2-15 伝説って?

「思うんだけどさ、オレってかわいい女の子だよな? なのに男のユーノやクロノと肩を並べて作業に赴いてるの意味わからんくないか。つか、オレが呼ばれたのって昨日の戦闘の事情聴取的なあれだろ? 今やってるの何よ」

「棚の組み立て」

「クロノっち、これバイト代出る?」

「がめついな君は」

 

 翠屋は親睦を深めるのみに留まり、話をするとフェイトに案内された先は高町家近くのマンション。

 翠屋でここでは話せないと言われた時は宇宙船へ連行されるのかと身構えたけど、なんか凄い庶民的な所で安心した。

 

 しかし安心したのもつかの間で、俺はなぜか少年達に混ざって家具の組み立てをしていた。

 ユーノはともかくしれっといるクロノくんは何者よ。管理局の人?

 というかフェイトもなのはもなぜ買い物に行きやがった。男女比率考えろ。

 

「管理局所属の、今回の事件を担当している者という認識で大丈夫だ」

「担当? 若いのに頑張るねぇ」

「……君も若い、というか誰よりも下に見えるんだが……」

 

 ここに至るまで名前の紹介しかなかったことに驚きだよ。 

 しかもクロノとか名作RPGを思い出すかっこいい名前じゃねぇか。

 しかしなのはといいフェイトといい、管理局ってこう若い内から働かされるのが常なのか?

 あー、いや。見た目幼女なのにバリバリ前線で戦ってたリコが言うもんじゃないんだけどさ。

 

「ユーノ、4番の板をくれ」

「4番……これだね、はい」

 

 俺支えてるからここネジよろしく。

 待て待て、左右交互にネジ入れてかないとずれるぞ。

 

「クロノ、そっちに背板ない?」

「これか」

 

 おっけーおっけー。

 

「文句を言いつつ一番楽しそうに組み立ててるな君は」

「楽しくないわけではないけど、そもそも何で手伝ってるのか謎。というかもう作業しながら話そうぜ」

 

 全員挨拶程度なのにもうこんな扱いだし、お前ら俺をなんだと思っているんだ本当に。

 これも全て高町なのはって奴の仕業なんだ。

 

「色々話はしたいが、その前に君について教えてくれないか? 敵対勢力でないことは確かだけれど、未知の力と武器を持つ君について知っておきたい」

「僕も昨日なのはに聞いたけど、曖昧な部分が多くて」

 

 んだてめぇら、そんなにリコちゃんの事が知りたいか。

 あと、なのはが変な事言ってなかった……?

 

「僕が聞いたのは、信用して大丈夫だから悪いようにしないでという事だけど」

「ほんと? ほんとにユーノくん。 多少殴っても良いとか言われてない?」

「いやそんな話聞いてないよ。大丈夫」

 

 最近なのはが俺に対して冷たくてさ。

 でも言ってないならいいや。あんな顔してツンデレかも知れん。

 

「んで、何から話そうか」

「そうだな……そうだ。フォトンと言うものについて教えてくれ」

 

 よござんす。フォトンっていうのはあれだよ。

 説明すると難しいけど簡単にいうと魔力的な奴だよ。テクニックとか属性魔法にしか見えないしね。

 その他にも地球でいう電気の代わりに使われてたよ。

 要するにSFチックエネルギー。結構融通が利いて大体の事がフォトンで片付くSFワールド。

 

 ただ俺のいたオラクル産のフォトンの特性として、人の感情をすんげぇ受けやすいって事があるよ。

 あまりにも負の感情を帯びるとダークファルスっていう破壊の化身みたいなやべーやつが生まれたり。

 といっても、絶望したらはい即誕生って訳でもないけど。ゲッテムハルトとか精神崩壊してたのに平気だったし。依り代にはされたけど。

 

 絶望でなった人の例をあげれば何をしても愛する者を救えないと突き付けられた上、その通り殺してしまうしかなかった人がいる。けどその人だって絶望だけじゃなくて溜め込んでたり受け取った暗黒パワーがあったし。

 

 あー、まー。説明がごちゃついたね。

 

「つまるところオーラ(ちから)みたいなもん」

「最後のそれが一番意味わからないのだが」

 

 聖戦士ダンバインはいいぞ(ダイレクトマーケティング)

 

「ってちょっと待て、君はこの世界の出身ではないのか?」

「いぇーす。オラクルはシップ4、アンスール所属なり」

「どうやってこの世界に、他に仲間はいないのか!」

「どぅどぅ、落ち着けクロナレフ」

 

 どうした一体。俺以外と話がしたいなら無駄だぞ。

 何を隠そうこの星には狙ってきた訳ではなく、戦いに敗れたその衝撃で吹っ飛ばされて来たのだ。

 ちなみについでに宇宙も消し飛びました。

 

「宇宙が……? 君は次元漂流者、ということでいいのか?」

「言葉の意味はわからんが、まあ合ってるんじゃない?」

 

 手が止まってるぞ手が。

 ほらクロノそっち持って。

 

「……すまない。フォトンについて聞いたのは、それがある種の伝説となっているからなんだ」

 

 へぇー、伝説って?

 

「ああ。ファンタシースターという話だ」

 

 なに? なんだって?

 ファンタシースターだあ?

 ちょっとクロノ、そこ詳しく。

 

「と言っても、僕もPT事件の時に軽く触ったくらいだけど」

「いい。聞かせてくれ」

 

 作業の手も止めて、じっとクロノを見る。

 とことん吐いてもらうぞ。

 

「そ、そんなに見られると困るんだが……」

 

 おっとすまん。我が美貌を忘れていたよ。

 んでだ。伝説って?

 

「フォトンと呼ばれる独自のエネルギーを使い、管理局でも開発されていない技術を持つ世界群。時折存在することを確認できても一切の干渉ができず、いくらやっても駄目。今ではロストロギアの見せる幻とすら言われてしまっている。ただ、存在するという証拠は幾つかあるから伝説と呼ばれているんだ」

 

 ふむふむ。

 ロストロギアがなんなのかは知らんけど、こっちの世界の事を認識してはいると。

 さりげなく群って言ってる辺り、オラクルだけじゃなくてエミリアのいたグラールの事も含まれてそう。

 

「君がそのファンタシースター世界から来たとなれば、それはとてつもない事なんだぞ……」

「存在がわかってんならその内繋がるんじゃねぇの? 諦めるには早いぜ」

「……僕の知り合いに昔関わった人がいて話を聞いたことがあるんだけど、どうやら向こう側からアクセスを拒否をされる感覚だったらしい。630という謎の表記と共に座標をずらされて別の世界へ出て、帰るのが大変だったとか」

 

 エラー落ちの表記やないか。

 まぁ下手に繋がるとこっちの魔法で対処できないやべーやつとか来ちゃうわけだし、誰かが拒否ってるならそれはそれでいいんだけど。

 とりあえずフォトンがどう伝わってるのかはわかった。伝説になってるのは予想外だったけど。

 最大の疑問はダークファルスについてどう伝わっているか。というかエミリアが何を残したのか。

 その“存在するという証拠”の中に俺の欲しいものがありそうな気がするけど。

 

「エミリアは聞いた事がないな。ダークファルスについてはプレシアの残した資料に名前があったような……」

 

 うーぬ、エミリアの名前抜きでダークファルス?

 どういう資料なのかは知らないけど、もし仮にフォトンやダークファルスについて残したのがエミリアなら聞いた事がないって事はないだろうし。

 ユーノはどうだ。なんか心当たりない? 

 

「僕も特には……そうだ」

 

 どしたの?

 

「クロノ、プレシアが持ってた板ってまだある?」

「板? ……ああ、あのよくわからないやつか。一応証拠物品だから保管はしてある」

 

 なんぞそれは。

 

「PT事件……プレシアが亡くした娘を蘇らせるための最終手段として起こした半年前の事件なんだけど、その時にプレシアはファンタシースターの世界を頼ったんだ」

 

 ああ、それで軽く触ったくらいって言ったのね。

 ムーンアトマイザーでワンチャン生き返るかも知れないね。どこまでの状態から蘇生できるのかは疑問だけど。

 

「使用用途の分からない半透明の板状の物体をずっと持っていて、リコに聞けば何かわかるかもと思ったんだけど」

「実物見ない事には何もわからんぜよ」

「だよね……」

 

 期待させておいてチュートリアルのアークスロードでしたとか、ビンゴシートでしたとかだったらユーノをビンタする。

 

「なのはに殴られたからって僕に当たらないでよ……」

「じゃあ流れ弾をクロノに」

「そんな趣味はないよ」

 

 これ以上の情報は今は無さそうか。

 お二人さん、忙しいだろうけど帰ったらファンタシースター関連について調べものお願いできる?

 残りの欲しいキーワードは「エミリア」「ダークファルス」。エミリアはパーシバルかミュラーかどっちかに名前が続くと思うからそこもよろ。

 

「……こちらも事件が立て込んでいるから、後回しになるかも知れないが」

 

 それもそうか。

 簡単な感じでいいよ別に。俺が知りたい情報もさっき出した二つの名前だけだし、ある程度情報貰えればこっちで推理考察できるから。

 

「ユーノ、無限書庫の許可が降りるまでにある程度まとめられるか?」

「うん。わかった。集めてみるよ」

「それと君に見せれば何かわかるだろうし、申請を出して例の板を持ってくるよ」

 

 せんきゅー。悪いね、仕事と関係ないのに頼んじゃって。

 

「もし仮にこれでファンタシースターについての進展が望めれば、新技術の開発に繋がるかも知れないからね。向こうの世界が滅んだというのは残念だけど」

 

 うーん、大丈夫かな。

 ファンタシースターシリーズ的にはその新技術狙いで人工ダークファルスを作って暴走させるのがお約束なんだけど。

 

「それと君の武器について聞きたいんだが……」

 

 言いつつクロノが空中モニターに昨日の映像を映し出して、俺の写真をアップにした。

 

 そこではなんと、幼女がスペースツナで空中サーフィンをしているではないか!

 

 なにこれ。

 いや自分なんだけどさ、端から見るとこんなに意味不明な状況だったの?

 そらなのはも殴るしマグロはやめてと言うわな。

 

「……フェイトとバルデッシュが巨大な魚で攻撃された事を真剣に報告した時は冗談かと思ったけれど、これが本当に武器なのか?」

 

 メイン武器ではないけどね。

 見るか、ソードという名の鮮魚。

 

「そして覚えろ、こやつの名はスペースツナだ」

 

 武器の説明だと模型って話なんだけどさ、なんでリコ所有のスペースツナはガチツナなんだろう。

 めっちゃ生々しい。

 

「いや、うん。それが武器ならもう言うことはないよ」

「待て待て待てクロノ。お前までそんな対応してくるとオレちゃんつらい」

「なのはが殴る理由もわかった気がする」

「ユーノまで!?」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。