おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する 作:親友気取り。
おかげで筆者が持たなかった(羞恥心)
ボブはしんだ
学園ユキヒメおりゅ?(八つ当たり)
我が内に眠る過去リコ……元リコ? ボディの元持ち主リコ? を呼び覚ます事に決めたとはいえどうしようか。
呼び覚ますといっても意識を発掘するとかじゃない。
リコの記憶をサルベージすることが目的だ。
人の記憶領域的なあれには大きく分けて二通りがあって、それぞれエピソード記憶と意味記憶がある。
エピソード記憶は生活の記憶。日常で起きたイベントの事。
はやてと出会ったとか翠屋でバイトを始めたとかそういうの。
意味記憶はなんというか、常識的なあれだよ。
俺がなんとなしに喋ってる言葉や無意識に守ってる常識事とかそんなん。
リコボディに憑依した精神体の俺はリコの持つエピソード記憶に侵食されつつあるけど、リコの意味記憶……つまりフォトンの扱い方云々のオラクルの常識はあまり入ってきてない。
なので、リコを呼び覚ますのをより正確にいうなら「リコの意味記憶を取り出す」のが正解になる。
で、その方法はわからんのやけども。
修行の時や戦いの時に無意識にフォトンを扱ってたからそこから段々取り出せてくるとは思うんだけどもさ、今の俺の状態でこれ以上下手にフォトンを撒き散らしたくないんだよね。
どうすっぺかなぁ。近道とは言ったけど、横着なのかなぁ。
素直に浄化の方法を模索すべきだろうか。
はやての足を治すのもやりたいしなぁ。
のびーっと伸びて、浴槽のふちに溶ける。
やっぱ寒い日にはあったかいお風呂が合うぜ。
「難しい顔してどうしたん?」
「オレだって考えに耽る時くらいあるさ」
「リコちゃんらしく気軽に、むにぃー」
「
「手入れロクにせんくせにこの顔がー」
一緒にお風呂入ってたはやてに頬を伸ばされた。
流石幼女なリコボディ。やわらけぇぜ(他人事)
「ま、そうだな。悩んで堂々巡りしててもしゃーない」
「せやで。難しい事は食べて寝て、ゆっくり考えればええ」
はやては多分、俺が足の治療について悩んでると思ってるんだろなー。
間違っては無いんだけど、現状優先順位的には足どころか地球ごと消し飛ぶ大惨事を引き起こす可能性があるダークファルスについてなんだけど。
仮面共がどうやって俺っていうかダークファルスを封印しようとしてたのかは知らんけど、単純な冷凍とかじゃ無理だよね。だからと言って討伐しようにもなのは達みたいな魔法も散らかすだけになるだけだし。
やるとしたら闇を一か所に集めて、その周辺空域を消滅させるくらいしないと。
とんでもねぇ高威力っつうかダメージ判定抜きに確定即死で消し去ればフォトン抜きでも流石に倒せるはず。
問題は闇を一か所に集める方法だけど。そんなのできるのは俺だけだし俺がやるんか?
撒いた種だしケリをつけるにはしょうがないけど。最終手段だ。
ひと段落ついた。これにて閉廷!
お風呂の中で気絶とかしたら死ぬる。
「やめやめ。もういいや、今度温泉にでも行こうぜ」
「お、ええなぁ。すずかちゃんが前行った所とか」
「どこそこ、詳しく」
「車でどれくらいかは知らんけど、結構気軽に行けるとこにあるらしいで」
いいねぇみんなで温泉ぷち旅行。誰も車を運転できる人おらんけど。
ダークなんとかなんてもう意識の外。
「バリアフリーかどうか現地調査せねばならぬな」
「そう言って先にのんびりしたいだけやろ」
「ぎ、ぎくぅ」
「口でそれ言う人初めてみたで」
次はぎゃふんでも聞かせてやろうか。
「温泉行けば好きなだけ言えるで、すてーんって転んで。楽しみやなぁ」
「なんでオレが石鹸で滑るの確定なんだよ」
「リコちゃんならお約束的にやりそうやし」
「まだオレにギャグ補正あると思ってんのか……」
「むしろないん?」
あったらどれほど良い事か。
それはそうとはやてさん、なんで俺の頭に視線を向けてるのでせう?
そんなに見たって巻いてるタオルしかないですぜ。
「前すずかちゃんに聞いてな、なんでも頭に角生えとるって。それ今思い出して」
角? ああ、デューマンのあれか。
目立ちはしないようにしたけど折角だからちょい伸ばしてたやつね。
堂々としてれば大丈夫作戦の結果マジ無視されてたけど、ようやく突っ込んでくれたか。
「どんな感じなん? 触ってもええ?」
「いいけど、折らないでよ?」
「え、折れやすいん」
「てな訳じゃないだろうけど、奈良の鹿みたいな扱いで頼む」
「リコちゃん別に神様の使いでもないやろ」
「畜生以下と申すか」
戦闘にも耐えうるし子供の力程度なら大丈夫かと。というか、めっちゃ長い角の人とかおるし。寝るの邪魔そう。
デューマンの耐久力と頭蓋骨に恐らく繋がってるとかだからちょっと怖いけど、はやてなら特別だぞ。
タオルを取って、自分で先に触ってみる。意外と硬いししっかり付いてるから平気か。
「ほな失礼して」
はやての細い指が触れ、ゆっくりと撫でる。
「ひぅっ!?」
ちょちょちょ、ストップ! ストップ!
んなベタな、こんな事があっていいのか!?
「だ、大丈夫……?」
「……人に触らせるの初めてでびっくりしただけ……」
なんかね、ぞぞぞって感じの。
首筋とか撫でられるとなんかこしょばゆいとかさ、ああいうぞぞがね、きたの。
男精神にあるまじき声を出しちゃってあーもう恥ずかしい……。
「ぶくぶくぶく……」
よく鬼っ娘が角を触れるのダメな展開とかあるけど、それみたいな感じでリコボディも駄目だったのか……。
「よし」
だがこのまま負けを認める訳にはプライドが許さない。
覚悟を決めたぞ。さあ触るならこい!
俺が犠牲になる程度で、はやてが満足するのなら、俺は、オレを、オレオ!
オレオ売ったお前を、俺を、オレオォォ!
はやてェ!
「触らせたいんか触られたくないんかどっちなんや……」
さっきは油断しただけだ。今や覚悟完了俺は覚悟万全。
かかってこい!
「そこまでいうんなら……」
「う、く、ぅぅ」
丁寧で、繊細で、優しく角を撫で、撫でて……。
うぅ……ぶくぶく……。
「ん? ちょ、顔真っ赤やで!? てか、息して! ご、ごめんリコちゃん!」
お、終わった……?
はぁ……はぁ……。
「敗北者……?」
「いや誰も言っとらんよ」
「取り消せよ……!」
「誰も言うとらんて」
だぁ!
普通につらかった。拷問だよ拷問。
くすぐったさの極み。
もうやだ。誰にも触らせない。
こんなこしょばゆいのもうやだ。
お返しにはやての髪をわしゃわしゃにしてからタオルをセット。
「それは平気なんな」
「洋服着たって首筋ぞぞーってならんだろ?」
「まぁ、せやな」
うー。
なんで追撃を許可したのだろう。
「お前の菓子をオレが食ってやる」
「それでええならあげるけど」
やったー。オレオゲット。
「安ない? てかなんでオレオなん?」
元々アークスとはドーナッツ食ったパワーで戦うからオレオ……オレオォ!
後で棚にある食うオレオォ!
「いや意味わからん。でも意外やったなぁ。リコちゃんにそんな弱点あったなんて」
俺も驚きだよ。
ぎゃふんを言う余裕すらなかった。