おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する 作:親友気取り。
よくじつ。
今日はシグナムも膝枕してくれなかったのでやる気が出ないです。
アークスっぽい事をしたけどあまり功を為さなかったし、何しようかねぇ。
「ん、メール」
誰だこのメルアド。
「ああ、仮面さんか」
案外普通に連絡くれるのね。
何々……?
「封印について?」
へぇ、ありがたい。写真付き。
添付されてた写真にはアークスシップのメディカルセンターで見た事のある、六角柱の形をしたカプセルが写っていた。
なんでこれがこの世界に?
しかも、なんで無駄にトゲって言うか角が生えてるの?
誰だよこれ設計した奴。確実にこの角はいらんだろ。
「ふーん、フォトンを遮断するシェルターなんだ。で、次にアルケン……アルカンシェル? で消し飛ばすと」
アルカンシェルは船に搭載された大型の武装で、空間を歪ませて間違いなく文字通り消滅させるらしい。
色々書いてあるけど、初代ゴジラを倒したオキシジェンな兵器と同じ感じで物理的威力はゼロ。空間ごと消すのでやべーものを霧散させる心配も威力不足でしたって心配もいらないってさ。
とんでもない兵器持ち出してきたけど、何らかで解けるかも知れない封印をしたまま維持するより消し去った方がいいし仕方ないね。
「だぁからさあ。エミリアとかの事を書けっての」
メールの内容は「安心して死ね!」で要約された。
そもそもなんでフォトン=ダークファルスで話進めてたんだか。
結果的に間違っちゃなかったんだけど。
ま、いっか。
ソファから起き上がり、伸びをしつつあくび。
リビングの扉が開く音がして、軽い足音がした。
「リコ、おはよぉ……」
「おはようヴィータ。寝坊助さんめ」
エミリアについて教えてくれたら封印も考えてやるよと返信して、顔を上げる。
「モ゛ッ゛」
「新しい悲鳴のパターン出たな」
戦闘不能。
ハーフドールを使用します。
「危ない所だった……危ない所だった……」
なんでヴィータは朝からクラリスクレイスみたいな恰好してんだよ!
正確にはクラリスクレイスの服であるイリシアスタッフじゃなくて、それの元であるウィオラマギカだけど。
そんな服どこに売ってたんだよ。
「はやてが作ってくれたんだ。似てるだろ?」
「そのせいでオレの貴重なライフが消えたんだけど」
つか、よくそれ作れたな。
よく見れば手作り感あふれるというか、既存の物に装飾を足してる感じとはいえぱっと見で即死するくらいには破壊力あったぞ。
「でもよ、なんでそこまで嫌なんだ?」
なんでってよ、顔合わす度にいじめてくるやつの事がどうして好きになれる。
「才能があるとかどうのとかオレは別に気にしてないのによ、あいつ廊下ですれ違う度に誇示してくるんだぜ?」
研究所時代の、ほんの短い期間で何度言われた事か。
やたらめったら言われるしテストで勝負仕掛けても来るし。
「こっちが勝ったら勝ったで調子が悪いだの。最後は戦えとか言って模擬戦で爆殺しようとしてくるし」
死にたくないから割とガチって、一歩間違えて撃墜しちゃったらもっと怒るし。
あー、蘇るリコの記憶と感情で腹立ってきた。
アークスになってからは会う機会が減ったとはいえ、クロト銀行を利用する道すがらに待ち伏せして急に話かけてくるし。
その上、バレンタインにかこつけて友チョコだぁ? 食ってやらんよ。
「でも直接言えてねーんだろ?」
「はい、すいませんそんな度胸ありませんでした……」
殺される……。俺は確実に殺されるぞ。
クラリスクレイスが模擬戦で本気を出してこなかったのはたぶん事実だ。周りの被害もあるし。
あいつの自称だし見たことないから知らんけど本気出せば地形を変えられるらしいし。
そんな奴に目を付けられてよ、毎回生きた心地がしないんだって。
やっとこの世界にきてやつから解放されたのに……。
「悪かったよ……」
「ヴィータならオレを倒せないし別にいいんだけど」
「おいこら待て」
ハンマーの一撃は重かろうが、【巨躯】のプレスさえ耐え抜いた事のある我を滅することは敵わぬ。
ごめんねー。デューマンは貧弱でも装備とスキルがモリモリなのだ。
「一対一ならベルカの騎士に負けはないぜ」
「へっ、アークスの戦い方ってもんを見せてやるよ」
いくら猛攻を仕掛けてこようが無為。
マッシブハンターでノックバックを無効化してダメージカット。メギバースを撒きそしてゴリ押す。
「そのうちリコとも戦ってみたい」
いいねぇ。その時はみんな誘って遊ぼうぜ。
殺される心配ないなら大歓迎だ。
「言ったな? リコひとりに全員で襲い掛かってやる」
「おいこら待て」
アークス最大の弱点は連撃による硬直だぞ。
ちまちま攻撃されて固められてそのままやられるなんてよくある。
「強いのか弱いのかよくわかんねぇな」
「基本的にアークスは群れて襲い掛かるからね。なお連携は特にない模様」
あるとしたら支援テクニックをばら撒いたり敵を集めたりするくらいだし。
後は野となれ山となれ。個人の判断にお任せです。
連携が取れるんなら北の勇者なんて称号生まれないんだよ。
「でだ。あそこでずっと笑ってるはやては後で極刑な」
さっきからお料理中のはやてが車椅子に身を隠しながら笑ってるのは許せん。
けしかけておいてー!
「クラリスクレイス風の衣装を作ったの黙ってたり、絶対楽しんでるだろあいつ」
「どんな反応するかって昨日の夜からずっと楽しみにしてたぜ」
生体反応が消える所だったんですが。
「ヴィータもノリノリやったやん」
「だってリコのリアクションおもれーんだもん」
「人を芸人見たいに言うな」
座ってた俺の横にヴィータが来て、やっぱり眠いのかそのままうとうとし始めた。
ゲートボールの大会が近いとかなんとか言ってたけど、そんなの嘘でこいつも他の騎士と同じように戦い暮れてるんだろう。
そっとしておいてやると、そのまま俺に寄りかかって寝てしまった。
もしダークファルスの恐れや疑い無く闇の書完成ではやて完治なら、俺だって手伝えたんだけどな……。
「寝ちゃったん?」
「子供ってのは寝つきの良いもんよ」
「リコちゃんも子供やん」
「はやてもだろうがよ」
「自分が子供なん認めたな?」
「そらもうかわいい美少女ですから」
「うわぁ都合のいい」
ヴィータがクラリスクレイスのコスプレをしてくれたおかげで思い出したけど、ボディの稼働日数は5年足らずなのでこの場で一番の幼女と言う。
宿ってる精神が幼いかは謎だけど。
精神年齢だけで働いてたのバレたらバイト首になりそうだけど。
「あ……。寝てた、わるい」
「疲れてんならちゃんと休みな。無理はよくねぇ」
「珍しくリコちゃんがまともな事いうとる……」
この程度でまとも扱いされるって何よ。