おっさんin幼女が魔法少女な世界で暴走する   作:親友気取り。

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 どうも皆さんこんばんは、百鬼夜行をぶったぎる地獄の番犬ことリコです。

 お鍋と聞いて気合いを込めて食材を選んだけど、選んだだけで鍋への投下などははやてに一任する運びとなりました。

 俺が手を加えた途端に無味になるのは仕方ないのでこれはしょうがない。

 

 問題は……。

 

「誰も、帰ってきていないのである……!」

 

 すずかが来るのに合わせてセッティングしているのに、騎士の奴ら誰一人として帰ってきてない。

 今日はおいしいお鍋よー! とメールをしても、返信すらこない。

 

 誰も、帰ってこないのである……!

 

「まずいことになったなぁ」

「いつ帰ってくるのかくらい教えてくれてもええのに」

 

 仮にやつらが間に合わず広いリビングに子供3人となったら寂しいので、せめて俺はアークス式の飾りつけを行おう。

 アークス式がどんなだって? それはな、

 

「床に色んなもん置かんといてなー」

 

 ……ボス戦のようにムーンアトマイザーとかトリメイトとか個別にばら蒔いてたら怒られた。

 はやての動線もあるし仕方ないか。

 フォトンドロップを渡す。

 

「なんこれ。綺麗なんはわかるけど」

「フォトンが結晶化した自称珍しい奴。綺麗だろ? 純フォトンだしうまく使えばこの世界でもフォトンエネルギーを使えるかもね」

「でも珍しいんやろ?」

「割とそうでもなかったり」

 

 むしろゴミのように余ったりビジフォンで投げ売りされてたりする。

 必要なのは一番大きいフォトンスフィアなのよね。

 

「アークス感はともかくとして、SF感は出るだろ」

「うーん、宝石みたいだしどっちかっちゅうとファンタジーやなぁ」

 

 あちこちにフォトンドロップを置いてみたけど、確かになんかファンタシーってよりかはファンタジー。

 置いたまま放置してたナベリウスパパガイと合わせて古代遺跡みたいになったな。

 

「もっとそれっぽくしてみるか」

「やめーや」

 

 ルームグッズを追加しようとしたらはたかれた。

 

 飾りつけはさておき、あいつら帰ってくるのかな。

 せめて連絡してくれよー。

 

「返信もないなんてなぁ」

「うーむ。流石にそれはおかしいよなぁ。心当たりがあるとすれば、コールすると遠くの部屋で着信音が鳴るくらいだけど」

「それ携帯電話忘れとるだけやん!」

「騎士が聞いて呆れるぜ。時代はやっぱり空中ディスプレイだ」

 

 カットイン表示。

 

「うわっ、びっくりした」

「近くにオレのかわいい顔がオープン」

「それなんの意味があるん?」

 

 無言カットイン。無動作、無表情。

 …………。

 

「いやなんか言うてや。威圧感が凄いんやけど」

 

 それが目的だし仕方ない。

 だが回復とか支援テクとかする度にオートワードでカットイン入れてくる奴、テメーはダメだ。

 自分かわいいをしたいのはわかるが白チャで画面を塞ぐことするんじゃねぇ。

 かわいいのは俺ひとりで充分だ。

 

「PSVITAだと一つにつき画面の4分の1が見えなくなるからガチでむかつく。4人いたら完全に画面埋まる」

「なんの話?」

 

 PSO2を始めるきっかけとなった先輩、お世話になりました(サービス終了)

 

「あやつらはその内帰ってくるとして、後は何するか」

「せや、リコちゃん色々着ぐるみ持ってたやろ?」

 

 ですが。

 

「なにかインパクトのあるやつないん?」

 

 うーん、インパクトか。

 インパクトの塊みたいなのがあるにはあるけど。

 

「へー、どんななん?」

 

 rtfぎゅhklスーツってやつ。

 

「ごめん、よう聞き取れんかった。なんて?」

 

 発音には気を使ってるんだけどな。

 まぁrtfぎゅhklは変な名前だから仕方ない。

 

「ぎゅって言うのはわかったんやけど、その前後が……」

 

 だーかーら。rtfぎゅhklだって。

 

「リコちゃん、自分でどう発音しとるかわかっとる……?」

 

 どうって、rtfぎゅhklとしか答えようがないんだけど。

 お前こそどうしたはやて。耳鼻科行くか?

 

「うわ、私が悪いんこれ」

「もしかしたらこっちの発音は難しいのかもな」

 

 rtfぎゅhklはrtfぎゅhklだよ。

 ゲシュタルト崩壊してきた。

 

「んでだ。わざわざ聞いてきたって事はドッキリ作戦か?」

「せや。せっかく遊びくるんにただじゃ悪いしな」

「おっけー」

 

 ちょっと待ってね。

 そのrtfぎゅhklスーツを着るためには体をrtfぎゅhklの形に変えないと……いけないから……。

 

「うお……ぉ……!」

 

 骨格が……変わる……!

 

「待ちぃ! リコちゃんなんか体がえぐい事になっとるで!」

「今こそ、ぎゅ~さんを掴むとき!」

 

 ピカアァ!

 

「我が、我こそが」

 

 rtfぎゅhkl!

 

「ちょい待ちぃ。いやほんまに理解が追い付かんのやけど」

「どうした。インパクトの塊みたいなもんだろ?」

 

 一頭身(?)に細い手足となんか横方向へ4本くらい棒の生えた白い物体、rtfぎゅhklへとメタモルフォーゼ。

 訳わかんねぇ見た目してるだろ? アークスなんだぜ、これ。一応は男ハンター(ヒューマー)らしいけど。

 ただのrtfぎゅhklだとあれだから俺の特徴出しとこう。赤い腕輪だけ出しておく。

 

「ちなみに後ろを向くと……」

「待って待って、なんかその横の棒みたいなんが色々引っ掛かっとる」

 

 そこの部分に殺傷能力あるから気をつけてね。

 

「あぶなっ。で、後ろを向くとどうなるん?」

「顔だけ宙に浮く」

「どういうことやねん」

 

 俺も知らん。


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